とある魔術の原点越え R   作:会話5

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皆さんこんにちは。最近またもや「るろうに剣心」に影響されて、自由形剣術とパラクールをやり始めた作者です。最近は三角跳び斬りなる技を習得してテンションが高いです。


会いたい奴は『再会』で、嫌いな奴は『遭遇』

◇◆◇

 

 

 

黄泉川達を飛び越えた後、識城達は一気に包囲網を突破し廃ビルの窓から窓へ突っ込むというどこぞのステルスゲームの様な事を繰り返し、なんとか警備員を撒く事に成功した.......のだが....。

 

 

ここは引き続き『学園都市のどこか』であった。

 

追跡対策で携帯を捨て、電子機器が使えなくなった識城と、学園都市初体験の五和。

 

そんな二人がこのただっ広い学園都市で迷子になると言うことは.........

 

 

 

「...厄日だ」

 

「..............」

 

 

 

まあつまり、そういう事である。

 

 

要約すると────

 

 

 

 

 

───詰みかけてる───

 

 

 

 

 

どうしたものかと辺りを見渡す。

まあどこを見ても鼠色の無骨な空間が広がっているだけなのだが。

 

 

さて、唐突だが学園都市は一般公開されているだけで23学区ある。

 

研究施設だらけの学区、学生の集まる学区、マスコミが溢れる学区.....学区を一つ移動するだけで時代や国が変わったかの様な印象を受ける程の文化の差。それは科学技術云々の話ではなく、住んでいる人間の種類やその目的職業による街の『最適化』が原因であり、一つ一つの学区が巨大なコーナーの様だ。

 

つまり、学区ごとの特徴を覚えていれば、建物や店の種類である程度どの学区かという見当がつくのだ。

 

しかし逃亡中の身としては、店や施設をのんびりと見て回る事は出来ない。

 

 

 

「クソッタレ......せめて看板付き電柱の一本でもありゃなぁ.....」

 

 

ガラスの貼られていない小窓からギリギリ見える程度の視界を確保し、そこから一般道の様子を見る。

 

歩いているのは......大学生くらいの男女。

周りにあるのは炭の煙がもくもくと上がる居酒屋や焼き鳥屋。......つまり、ここは第5学区。主に大学生が居住する成人向けの店や施設が多い学区である。

 

その昔、識城が木原に連れて行ってもらった事のある場所であり、彼の脳裏に地味に焼きついている場所だった。

 

 

「....五和」

 

 

ちょっと来い、と五和を呼ぶ識城。五和はまるで親に呼ばれた子供の様に小走りで近付いていく。これも献身を望む愛故なのだろうが、不思議な光景である。

 

識城は五和にここが第5学区である事と、あと二つ先の学区が自分の通った学校のある第7学区である事を伝えた。

 

 

そして────

 

 

 

「まあ、面倒なのは後だ。飯食って行くか」

 

 

 

唐突のポジティブシンキング(無謀な挑戦じみた発言)である。

 

そのあまりの唐突さに流石の五和も驚きを隠せずにいたが、すぐに「はい!」と元気よく答えて識城について行った。

 

 

 

 

────だが、彼らはまだ知らなかった────

 

 

────特に理由もなく選んだ店で、『彼女』との遭遇を果たす事になろうなどとは─────

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「お、お嬢ちゃん....まだ夕方だってのに...そんなに呑んで大丈夫かい?」

 

「むー!お嬢ちゃんじゃないのです!私は高校の先生で!れっきとした大人なのですよー!ほら!()()()()()もなんとか言ってやってください!!」

 

「....俺ァただ友達と飯食いに来ただけなんで、何にも言いません。酔っ払いの保護介護は勤めませんよ」

 

「友達ぃ〜....?それにしては随分と年上でぐらまーな....まさか友達って...」

 

「ナニ変な勘違いしてやがんだこのアホンダラ!こいつァまだマトモだっての!」

 

「大丈夫ですよ間宮さん。間宮さんが望むなら私は....」

 

「手前ェも手前ェで問題悪化に貢献すンな!!....あーもう...タチの悪ィ酔っ払いはこれだから.....」

 

 

 

二人の酔っ払いに挟まれ、頭を抱える識城。

 

なぜこうなったか、想像するのは容易い。

 

何の気もなしに選んだ店に入ってまず目に入ったのは『ピンクの服を着た幼女』.....ではなく、識城の通っていた高校の名物である教師、月詠小萌であった。

 

あとはもう単純だ。見つかった途端に絡まれ(指導され)、延々と彼女の愚痴を聞くハメになった。小萌の発言により店長に識城が未成年であると知られ、頼める飲み物に制限がかかる。五和は当然の如く酒を呑み、酒に飲まれた。

 

結果、腹ごしらえのつもりが上司に肩を叩かれる成績の悪い新人社員の様な状況になってしまっていた。

 

 

「まったく!識城ちゃんは今まで学校をサボって何をしていたんれすか?先生、すごく心配したんれふよ!」

 

 

どんどん、とテーブルを叩きながら小萌が言う。相当酔っ払っているのか、呂律が回っていない。

 

 

「....別に、サボってんのは上条の野郎も一緒でしょう?最近の高校生は色々忙しいんです」

 

「らからって!それが識城ちゃんの休んでいい理由にはなりません!」

 

「.......」

 

「兎に角!識城ちゃんは明日からちゃんと学校に来てください!識城ちゃんがいなくなってから色々大変なのですよ?今の単元の問題に答えてくれる子が制理ちゃん以外にいなくなって、他の子はやる気を失って....!」

 

「いやそれは先生の問題が難しいだけでしょ」

 

「ピアスちゃんは癒しが無いとか言って前以上に暴走してて────」

 

「聞いてます?」

 

「元春ちゃんまで学校を休んで───」

 

「待った」

 

「ふぇ?」

 

 

 

「先生、今何て言いました?」

 

「ピアスちゃんが暴走してて?」

 

「その後」

 

「元春ちゃんまで学校を休んで...?」

 

「それだ!どういう事だ?!土御門の野郎が学校を休んでやがる?!いつからだ!!いつから土御門は学校に来てない!!」

 

「うわわわわ!ち、近いです!近いですよ識城ちゃん!」

 

「ンな事ァどォでもいい!さあ、答えろ!土御門はいつから学校に来てねェンだ!!」

 

「つ、つい4日前なのですよ....」

 

「.....行くぞ、五和」

 

「彼を、捜すんですか?」

 

「当たり前だ。じゃあな先生、お代は....こンだけありゃ足りンだろ!」

 

 

乱暴に金を置いて店を出る。

小萌が何かを言っているが、その声は識城の耳には届かない。識城はすでに五和を引っ掴んでビルの上まで飛んでいたのだから。

 

 

「.....識城ちゃんのお金、絶対に多い気がするのです。.....い、いやいや!先生たるもの、生徒のお金で食べるなんて出来ません!」

 

 

酒の回り過ぎた小萌の頭の中は、見当違いの問題にぶち当たってオーバーヒートを起こしかけていた────

 

 

 

 




小萌先生って、土御門の事なんて呼んでましたっけ。主人公の場合は語呂がいいので下の名前ですが....。

次回、色々あります。
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