大通りを気怠そうに歩く4人の青年。
一部女子の注目を浴びつつもその足はゆっくり、しかし真っ直ぐに
「...今日はつかれたわー...」
青い髪とチャラチャラとしたピアス、そしてエセ関西弁が特徴的な青年は、青髪ピアス。通称『青ピ』。
青ピは今日のハードスケジュールによる疲れを前面に押し出しながら、目の保養と言わんばかりに周りの女性を眺めながら気怠げに呟く。
「....全くだ。もしかして厄日ってヤツかよ?マジふざけんなよ、クソッタレが」
青髪の青年の言に同意し、更に悪態を吐く、膝裏まで届く黒髪が特徴的な青年。間宮識城。
普段から猫背気味な姿勢をどこぞの新世界の神と戦う探偵の如く丸め、それにより不機嫌の電波が全身からぶちまけられている。
「そんなピリピリすんなって」
その刺々しい雰囲気を収める青年....。
この青年を我々は知っている!
否!この重力を無視したツンツン頭と、明らかに薄幸そうな顔!そしてそれに負けぬ光を目に宿したこの青年を!我々は知っている!!。
その名もッ!上条当麻!
「上やんの言う通りだぜいしっきー。そんな怖い顔してると、女の子が逃げちまうぜよ」
青いサングラスと独特の口調が特徴的なこの青年は土御門元春。
鍛え抜かれた身体とアロハシャツが謎のマッチをしている青年だ。
「知った事か、人をナンパのエサにしようとする奴等なんぞ、今以上に女から離れられちまえばいいんだ」
「えーん、しっきーがイジワルするー。上やんこの子説得してーやー」
「そのお願いを聞いたばっかりに、今日こいつの機嫌が悪いってのを忘れたのか....?」
そんな風に、今日起きた出来事に文句を言いながら寮に帰っているのは、間宮識城と上条当麻、そして土御門元春と青髪ピアスの
──ここは学園都市──
『世間一般』に『超能力』と呼ばれる力を振るう者達がいる
しかし、この学園都市で『超能力』と言える力を持っているのは7人だけである
...と言っても、能力を持っているのが7人というわけではなく『超能力者』が7人というだけだ
それというのも、この学園都市では能力者をLevel0~5にかけそれぞれ無能力者、低能力者、異能力者、強能力者、大能力者、そして超能力者の六段階の評価を付け、分類しているのである。
そしてその六段階評価の内、上から二番目。つまり、大能力者の評価を受けた彼はとある高校に入学。
そこで出会った三人の友人と今日も平和(?)につるんでいるのである
「しっかしマミやんは解ってないにゃー。やっぱ女の子はメイドが一番!これだけは譲れないんだぜい」
「...突然どうしたお前。つーかいい加減あだ名を一つに絞れ。なんか違和感半端ねぇんだよ」
「話を逸らすんじゃあないぜ?今日こそ!マミやんに『純白の堕天使エロメイド』の良さを理解してもらうんだにゃー!!」
大声でそう宣言する土御門。当然
「それって純白なのか?堕天してる時点で真っ黒だろーが」
そんな事を気にせず、頭に思い浮かんだ疑問を素直にぶつける識城。その頭に、隣の思春期男子が思い浮かべている美少女の姿は無い。
「確かに矛盾してるがそれでもエロい!!すなわち正義!!」
その疑問をごり押しで突っぱねる土御門。
周りからの視線が更にキツくなる。
「...ダメだこれ」
「道端でそんなこと叫ぶなよ!滅茶苦茶見られてるだろうが!」
「叫んでるんは上やんもおんなじやで?はっずかしぃー」
注意する為につい大声を出してしまい、それを指摘される。まあ、この不幸な少年でなくとも、よくあることである。
「ゲッ」
「お前に言われたかねえよ」と言おうとした上条が露骨に嫌そうな顔ををする
「?? 返答が謎すぎやで上やん」
その声は届かない────
何故なら、彼等の左前方で信号待ちをしているのは───
「まずい、ビリビリだ...!」
理不尽な理由で延々と追いかけてくる識城の怨敵。天性の
その言葉を聞いた識城のSUN値は、羽根のもげたプロペラ機の様にほぼ垂直に落ちていく。
「.....厄日だ....」
「??」
「どしてん上やん」
「ちょ、ちょっと用事があるから早めに帰るわ!」
「.....あーっと、正直に言うわ。超々ヤバいのに鉢合わせしそうだから先帰る」
そう言ってダッシュで上条を追いかける識城
「??」
「??」
彼らにわかるはずもない
特に理由のない暴力に日々付き合わされる恐怖を...。
『それに応戦したくても出来ない』という状況下で芽生える苛立ちを────
───で
「待ちなさぁい!!」
「不幸だぁぁぁぁあああ!!!」
「厄日だァァ!!」
結局見付かって追いかけられる二人であった
「待ちなさいっつってんでしょ!大人しくやられなさい!!」
「女にヤられてたまるかァ!!」
──そして時が経ち──
時刻は午後6:59・・・7:00
『ビリビリ』こと御坂美琴に追いかけ回され、結局、一日を無為に過ごしてしまった。
「....厄日だ....。そうは思わないか....?上条」
先程よりも姿勢を悪くした識城が上条に話しかける。
「ああ、今日は特に酷かった...あぁ......セールも逃したし...」
「そりゃあ...災難だったな...どォだ。俺んとこで食ってくか?」
「いいのか?」
「逆にこれでダメっつったら怖えだろうが」
「...それもそうか。じゃ、お言葉に甘えさせていただきます」
「あァ、そうしとけ......!!」
そこまで言ったところで、識城の動きが止まる。
「? どうした?」
「上条ォ....俺はさっき『今日は厄日だ』って言ったな」
「お、おう」
「訂正。『今日は滅日だ』」
そう言って識城は、道路の真ん中に横たわる『何か』に向かって走り出した。
「凄ェな....後ろからバッサリかよ......」
「一体どうした...ん...だ?」
上条の目に映ったのは、背中を袈裟斬りにされた白い修道服の少女。
丁度、今日の朝出会った少女。
「イン...デックス....!?」
「あ?知り合いか?」
「あ、ああ。今日の朝に...」
「今日って...まァいい。兎に角病院に連れて行くぞ」
「あ、あぁ!」
「その娘から離れろ」
「!」
「!! 誰だ!?」
そこには1人の神父が居た。
身長は推定2m程。妙な入れ墨をしている。口には煙草を咥えていて、服装以外はただの不良。そんな男だ。
「名乗る必要は無い....って、おやおや....随分と懐かしい顔だね」
その親しげな口調とは反対に、不良神父から発せられる威圧感は倍増する。
「やぁ、識城。久しぶりだね。元気そうで何よりだよ」
「....最悪だクソボケ....」
その語りかけに、呆れ果てた声で返す識城。
───科学と魔術が交差するとき───
「こんな所でナニしてんだよ、ステイル」
────新たな物語が始まる────!
夜更かし万歳(震え
次回、魔術師二人組の登場です。