突然なんですが....麦野ってどんな喋り方でしたっけ?
アニメや小説、漫画と見直し読み直しして、やはり結論は。『麦野は粗暴で女っ気が無い』でした。デレ入った時もありましたけど、あれはまた別モノですし...。ご教授のほどよろしくお願いします。
既に人通りが少なくなった暗い路地で、一人の大男と二人の青年が真正面から退治する。その中間には血まみれのシスター。
誰が見ても、異常事態であることがわかる。
「────まあ、見れる人なんてこの場にはいないんだけどね」
そう言いながら、得意げな顔で人払い用のルーンをヒラヒラと見せ付けるステイル。その動作に最大限の嫌悪を込めた言葉を送る識城。
「ステイル....相変わらず面倒なヤツ......!!」
「ハハハ、僕もまあここまで嫌われたものだ。素直に驚きだよ。さ、久しぶりだね識城。まさか天草式十字凄教の事実最高戦力の君が、姉のためにわざわざ学園都市に里帰りだなんて....いやはや、驚きを通り越して感心したよ。さすがは最強のシスコン(姉)番長だ」
クソッタレが......
俺の『早く帰れ』ってな感じの視線を無視して、ステイルがペラペラと無駄な事を喋り出す。正直言わなくても鬱陶しい。
「折れろクソボケ」
ステイルがまた余計な事を言う前に黙らせる。
クソが、
「さ、最強のシスコン番長?」
ホラ、やっぱり食いついて来やがった。
そしてステイルがまた口を開く。
「彼のいくつかの異名の一つだよ。妙に場を弁えたシスコンぶりが逆に人気を呼んだ───」
「で、何の用だ?」
ペラペラと喋り続けるステイルの言葉を遮って要件を聞く。変なことを喋られたら後が大変だ。というか、お前どんだけ俺の事喋りてぇんだ?久しぶりに会ったからテンション上がってるって訳でもねぇだろ。
「何って、わかってるだろう?
と、無駄にテンション上がってるステイルが足元近くのシスターを指差して言う。わかってるだろうって言われてもなァ.....
「俺はお前の事が正直嫌いだからな....わかりたくねえっていうか.....まあいい、で?こいつがかの有名な目次少女か?なら、こいつを攻撃したのはお前か?死んだらマズイんじゃねェの?」
「あー....それをやったのは僕の連れだよ。いつの間にか、歩く協会が破壊されていたみたいなんだ」
「はァ?!歩く協会って...そりゃ、法王級の防御結界じゃなかったか?!」
「でも実際に...」
「.....あっ」
背中を斬られたインデックスを他所に言い合いをしている二人を黙らせたのは、上条当麻の『やっちゃった』発言だった
────────
「えーっと?なんだって?もう一回言ってくれ」
「その歩く協会?ってやつ、俺が壊したかもしれん」
「吹っ飛べタコ!....まァいい、兎に角インデックスを病院に...!」
そう言ってインデックスの頭を鷲掴みにしようとしたのだが.........。
「それはさせません」
ちじょが あらわれた !!▼
しかも地面を断ち切って
「おいおいおいおい....天才君の次は女教皇サマかよ...!!随分と面白い奴らがコンビになって出て来やがったなァオイ!!」
「久しぶりですね、識城。二年ぶりですか」
逆にテンションが上がっているこちらに比べ、無表情を貫く神裂。オイオイ、たった二年でここまで面白い顔になるのか?聖人ってのはやっぱりよく分からんな。
「
「話す事は出来ません」
単なる冗談にいたって真剣に返す神裂。識城は、やっぱり堅物の相手は嫌いだ。と言って、彼もまた真剣な表情になる。
「どうしても?」
「どうしても、です」
「...仕方ねェな....上条ォ!!」
「え?あ、おう?」
識城は、上条のあまりにも情けない返答にため息をつきながらも、力強く
「
そう言った。
「な...それじゃあお前は?!」
「ここで足止めだ」
「......」
「安心しな。そォ簡単にヤられはしねェよ。分かったら早く行け」
「....死ぬなよ」
「わァってるよ。ホラ、さっさと行け」
催促すると、インデックスを抱えて走り出す上条。あのペースなら直ぐに病院にたどり着くだろう。
「さァ、かかって来いよ、天才と聖人の
クイクイと指を曲げて、初っ端から挑発をかます。
これでノってくれると良いんだが....。
「ステイル」
「分かってるよ。あれでも元最高戦力だ。油断は出来ない」
二人は挑発には乗らず、あくまで慎重に戦闘を行う様子だ。しかし、相手を怒らせ、本気で殺しに来させた上で完膚なきまでに叩きのめし心を折る事が戦闘における楽しみである識城は、更に挑発をする。
「そんなに身構えんなよ。運動嫌いのインテリ気取りは大人しくいきもの図鑑(定価750円※税抜き)でも読んでな」
「ッ!馬鹿にするなッ!!!灰は灰に!塵は塵に!吸血殺しの紅十字!!」
「ヒューッ!熱い男も熱くする男も好かれるが、お前はちょっとクールになったら?そんな厨二気取りのクールじゃなくて、こんな風に....さッ!!」
ポケットから小瓶を出し、迫ってくる炎の剣に向けて放り投げる。その小瓶とステイルの放った炎の剣が触れ合った瞬間、小瓶が割れ、その中から明らかに物理法則を無視した量の水が道路に流れ出る。
「なッ!」
「驚いたかァ?これが酒かなんかだったらハッピーなんだが.....きひひ...正に『浴びる程飲む』ってな!ぎゃひゃはははは!!!」
うひひひ、と笑う識城を強く睨みつけるステイル。その目は『ふざけんな』と言いたげな雰囲気だが、そんな事を気にせず識城は笑い続ける。
「ひひゃはひゃは!どォせェ、イノケンティウス用のルーンでもそこらの溝に貼ってんだろォ?ヒヒ....片付けも面倒だろォから、洗い流してやんよォ!!ぎゃッハはハハ!!」
棒立ちのままのステイルに更なる力を見せ付けるように、道路をみたしていた水を操りルーンを流す。
これでまた一つ挑発。
あと何回で怒るかな?
「君の属性は水ではなかった筈だが?」
「ヒントは科学。さて、どうする?炎は効かないし、ルーンは剥いだ。人払いも一緒に流したから、派手な魔術は御法度....さァ、大人しく退いて───」
「それはありえませんね」
救済措置とも取れる言葉を力強く斬る神裂。
「だよなァ...」
まあ、どちらにせよ、元々二人を叩き潰す事が目的の俺に、何もせずに退却させる気など毛ほども無いが。
「貴方が私達を止めて...どうなるかわかっているのですか?」
「知るか。お前らが教えてくれねェんだろォが」
「...教えることは出来ませんが、兎に角私達は、あの子を保護しなければならないのです」
「ダメだね」
神裂の『お願い』をバッサリと斬り捨てる識城。神裂も、識城が素直に道をあけるとは思っていなかったが。
「やっぱり...そうですね。貴方はそういう人でしたね」
「俺じゃなくてもこう言うさ」
「ですが、私達も退けません。たとえ、貴方が相手でも。.....何せ、あの子は私達の、親友なのですから」
「親友.....だと?」
「ええ、そうです。あの子を救う為に、私達は動いているのです」
「.....」
「貴方も知っていますよね?あの子には完全記憶能力が備わっていて、十万三千冊の魔道書を全て記憶しているということを」
「まァ、確かに知ってる」
「あの子は、魔道書を記憶するのに、100%の脳の容量の内85%を使用しています」
「は?」
「そして、人間は一年分の出来事を記憶するのに、15%分の容量を失います。この意味がわかりますか?」
「いいや、全く」
「......つまり、一年置きに記憶を消さなければ、あの子は脳がパンクして死んでしまうのですよ」
「.......オイオイ.....オマエらさァ...」
『それ、マジで言ってる?』
「私はいたって真面目です」
「......」
「識城。ここは君自信の魔法名に免じて、通してくれないか?」
「違うね」
「なんですって?」
「お前らの『ソレ』は、友情じゃない。ましてや『献身的な愛』でもない....ただの現実逃避さ、馬鹿野郎共が」
「!!」
「なに...!?」
「それにさァ、人間が記憶のし過ぎで死ぬなんて、本気で信じてんのかよ?」
「それは....一体どういうことですか?」
「そりゃあなァ───」
識城の口角が吊り上がる。
「オマエらで遊んで、飽きたら オ シ エ テ やるよ」
◇
「識城!!無事────ッ?!」
無事、カエル顏の医者の病院にインデックスを送り届けた上条が見たのは────
「ぐ...ぉえ....っ...」
「...識....城オオオ...!」
────地獄絵図────
この光景を、そう呼ばずしてなんとするか?
神裂は地面にうずくまり、腹を押さえて苦しそうに呻いていた。よく見ると銀色の棒で四肢を貫かれていた。その凛々しい顔は痣だらけになっていて、とても痛々しかった。
ステイルは、よほど酷く殴られたのか、その全身を包む黒ずくめの神父服の上からでもわかるほどにボロボロにされていた。が、未だに戦意は残っているようだった。それでもただ識城を睨みつける以外には無かったが。
「...あァ...いいところに来た。お前も聞け」
「───ッ」
その中で、ただ一人無傷の人物。間宮識城。その奇妙な笑みは、彼の目にどう映ったのだろうか。
「こいつらは、記憶のし過ぎで人間が死ぬって言ってるんだ。どう思う?馬鹿なヤツだと思わねェか?」
「人が....記憶のし過ぎで、死んじまう...だって...?」
「お前もかよ...まず、俺の話を聞け....と、その前に?神裂。お前の魔法名の意味ってなんだっけ?『救われぬ者に救いの手を』だっけ?」
神裂がその問いに答えられるはずもなく、それを知ってか識城は、ああこの質問は何処へやら。と訳のわからないことを言って一呼吸置いた後───
「一番救われねェのは手前ェらのおめでたい頭だクソボケが」
そう、言い放った───
「な....?!」
「識城ォ....貴様...ッ!!」
「手前ェら数学...いや、算数ってやったことあるかァ?仮に人間が記憶のし過ぎで死ぬとして、完全記憶能力者が一年分の記憶で15%も脳の容量削ってたら、そいつは6年ちょいで死ぬぞ」
「......は?」
「は?じゃねえよ。単純な算数だろォが。100÷15は15×6で90だから6余り10。だから...あれ、7年ちょいか?それに、完全記憶能力を持つ人間は他の国にも沢山いる。そいつらは一年置きに記憶を消すなんてことはしていない。この意味がわかるか?」
「...ッ...元々記憶を消す必要は...無い...!ということか....!!」
「その通り...分かったか神裂」
「....」
「オイ、なんとか言えよ」
その呼び掛けに答えず、未だ地面に力無く寝そべる神裂の目からは、光が消えかけていた。聖人の体なら、すでに傷は塞がってきているはずなのに。
「...私達は、何の、ために....」
絞り出す様な、掠れた声で神裂が口にする。
それは、当たり前の疑問。
自分達の共通だと思っていた苦しみが、苦悩が、全てシャボン玉のように、軽く軽く、羽毛よりも軽く───吹き飛んで、消えてしまう。ただ、それを認めたくないがための『疑問』。
「何の為に記憶消してたのォ?ってか?知ったことか。ああ、謝罪の台本くらいは書いとけよ。明後日の夜には病院に行くからな」
それが、その疑問が『期待』をしている事をわかっているからこそ、識城はその『疑問』には答えずに神裂達から目を切った。
上条は、ただ去っていく識城を見つめることしかできなかった。
「......」
───ここは学園都市────
総人口約230万人で、その8割が学生である。
さて、この学園都市には、毎日の様に厄介者が現れる。
それは今回のように、無理矢理侵入した非科学の体現者、魔術師だったり、学園都市の技術を盗まんとする科学者だったり、学園都市の崩壊を望む企業のスパイだったりもする。
しかし、その殆どが、この街の『常識』に敗れ死んで行く...
────そして、今日の厄介者も、学園都市の脅威とはなり得ず、街の『常識』に容易く蹂躙された───
学園都市は、今日も平和そのものだった。
花粉症は、ある意味高熱よりも恐ろしい。
タグ:しょーもないギャグがここで出ましたね。少し急ぎ足でしたが....ええ、文才の問題です。
次回、日常回です。