とある魔術の原点越え R   作:会話5

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皆さんこんにちは。時計を殴ったらフレームが割れて正直引いた作者です。今回は少しメタいです。



天草式十字凄教

 

 

 

 

──────とあるファミレス

 

 

 

 

「....暇...だねぇ...」

 

「ファミレスで言うことじゃねェよ。メニューがあンだろォが」

 

 

先程のインデックス戦により学生寮の屋根は吹っ飛び、識城の部屋はとても風通しが良くなっていた。

流石にそんな状態の部屋にいつまでもいるわけにもいかないので、近所のファミレスに寄ったのだが、世間話をする気にもなれず.....。

 

 

 

「....昔話でもしようか」

 

「なンでそォなった」

 

「....語りたい気分なんだ...部屋は吹き飛ぶし、何故かアイツらは上条抱えて逃げるし....」

 

「あァ....そういやあのバカ女共は一体なンだ?あのシスターのガキもそォだ。体から『魔力』が溢れてた」

 

「...必要悪の教会(ネサリウス)....クソッタレのインテリ気取りの馬鹿魔術師共さ」

 

「随分嫌ってるみてェだな」

 

「別に...嫌いってわけじゃない。ただ、良いところが一つとして無いってだけさ」

 

「.......」

 

「大丈夫、俺はアイツらを恨んじゃいないよ」

 

「ならいいンだ」

 

「....」

 

「......」

 

「...あの中にセンターマン居たじゃん」

 

「居たなァ、日本刀持った痴女だ」

 

「そう、そいつ」

 

「あれがどうした?」

 

「...アイツ、元同僚なんだ。....俺がまだ天草式十字凄教っていう武装教会で魔術師やってた時のね」

 

「....!」

 

「ごめんね。で、でも、隠してたって訳じゃないんだよ?ただ、その...えっと.....」

 

「別に、責めたりはしねェよ」

 

「...本当?」

 

「.....あァ。だが、ちったァ話してくれたっていいじゃねェかよ」

 

「...ごめん」

 

「次からは話せよ」

 

「分かったよ。じゃあ手始めに、俺のこれまでを話そう」

 

「やっとかよ」

 

「あの時は、まだ話す事ができなかった。メンタル弱かったからね」

 

「懐かしいなァ。あン時ァ俺以外とは喋れねェわ、すぐにピャーピャー泣くわ....夜中買い物行って帰って来たらぶっ倒れてやがって....ありゃ焦ったぜ」

 

「や、やめてくれよ。その話はしない約束だよ」

 

「クカカッ!悪りィ悪りィ。あンまりにも刺激的だったからなァ」

 

「ぐぅ....」

 

「カカカ。ま、このくらいにしとくかァ」

 

「もう...勝手だなあ....」

 

「そンなモンだ」

 

「ぬぅ....まあいい。...じゃあ、話すよ」

 

「あァ」

 

「まず俺の家族構成だ。父親に間宮(まみや)忠識(ただしき)。母親に間宮(まみや)城戸(じょうと)。そして姉の間宮(まみや)沙良識(さらしき)がいた...ここまでは知ってるよね」

 

「おォ」

 

「で、俺は6歳くらいの時に精神科に行った」

 

「待て。どォしてそォなった」

 

「なんか、感受性がどうとかって言ってた」

 

「....続けろ」

 

「ああ。そんで、俺は多重人格者だった。なんでも、複数の人格が同時に存在してるんだと。だから並列思考が出来るんだと思う」

 

「『原点越え』と『並列多元人格』による『多重能力者(デュアルスキル)』の再現」

 

「そう。俺は自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を無限に確立出来る。ま、それを使うのはもっと後だ。で、そこから3つの不幸が起こる。まず1つ目。7歳の時、父さんが死んだ」

 

「....」

 

「父さんはでっかい銀行の警備員をしてたからな。強盗っていうか、そんな感じの集団に1人で突っ込んで....確か6人くらい撃ったって新聞に書いてた」

 

「そんで2つ目。母さんが死んだ」

 

「それも7歳の時か?」

 

「当たりだよ。母さんは...覚えてないな...母さんが倒れて、俺も倒れた。で、気づいたら病院。その後は変なヤツらに預かられた。命令ばっかりで面倒だったから、適当に酒飲ませて学園都市に送らせるように仕向けた」

 

「...?魔術師やってたンじゃねェのか?」

 

「そう。そっからが問題。学園都市行きの車が魔術師共に襲撃されて、俺は捕まった。姉さんの乗ってた車は大丈夫だったらしい。んで、俺は魔術師共から逃げたんだが、そしたらまた別の魔術師に捕まってね。それが天草式十字凄教。その頃はセンターマンも居た」

 

「とんでもねェ人生だなァオイ」

 

「人気の無い建物の中で政府の秘密要員に囲まれる事ほど、男を成長させるものはない...これもまた然りさ」

 

「......」

 

「で、俺は8歳で魔術師になって、13になるまでの5年間、ずっとドンパチしてた。上の組織をぶっ壊しに行ったり違う国の奴らから教会守ったり...あとは...そうだね、国同士の戦争に突っ込んで辺り一面焼野原にして帰ったりしてたよ」

 

「.....つくづくとんでもねェ人生送ってンな」

 

「損は無いし、後悔もない。どこかの本やドラマみたいな、滅茶苦茶悲惨って訳でもない。動機もまちまち....刺激的で奇妙な経験だよ....。んで、いきなりセンターマンが天草式を抜けてどっか行った。俺も学園都市に居る姉さんに会いに行った。そしたら速攻で研究所行き。あっくんに出会ったってわけさ」

 

「懐かしいなァ。戦闘実験で俺の攻撃を全部躱した上に、その後十数秒とは言え、俺の能力を使いやがったンだからなァ」

 

「そして俺はあっくんの家に居候する事になった」

 

「...あれは楽しかった」

 

「その話は...」

 

「分かってる。続けろ」

 

「OK。そんでしばらくして、俺はまた秘密裏に天草式に行った。当然変装付きでね。嫌だったけど、色々あってね...そんで今度は1年ちょいしてすぐに学園都市に帰った。あっくんや姉さんに会うためにね。そこで3つ目の不幸....姉さんが死んだ」

 

「....第4位だったか?」

 

「そう。詳しくは、第4位と第4位がリーダーやってる暗部組織『アイテム』.....ヤツらに殺された。だから俺は殺し返した。第4位を刺し殺して、金髪の能力を奪った。ちっこいヤツは右腕飛ばした。ジャージの女はいつの間にかどっか行ってた。どうなってんのかは知らない....っと、こんなもんかな」

 

「....そォか....ありがとよォ、識城」

 

「...えっと...何がだい?」

 

「なんでもねェ。気にすンな」

 

「気になるじゃないか」

 

「やかましい、うっおとおしいぜ」

 

「そのネタ使う人初めて見たよ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう帰るのか?」

 

「あァ、早く帰らねェとガキが煩せェンだ」

 

「....その歳でェ?」

 

「なンか言ったか?」

 

「なァんにもォ~」

 

「.....そォいう事にしとく」

 

「じゃあ、またね~」

 

「おォ」

 

 

ヒラヒラと手を振って背を向ける一方通行。

識城はその背中が見えなくなったところで、自室に戻る。

 

残骸と焼け跡だらけの自室へ。

 

 

 

──────識城の自室

 

 

「さて、これで俺は宿無しになった!新居はどこにしようかなァ~」

 

 

誰も居ない部屋に、識城の声が虚しく響く。

そして、彼はまだ使えそうなものを収容量を強化したハンドバックに放り込んでいく。

 

彼が戻る前にも大きな戦闘があったのだろうか。巨大な焦げ跡がいたるところについている。「全く、他人の部屋で滅茶苦茶しやがって」と文句を言いながら適当に物を拾っては放り投げ、物を拾っては放り投げを繰り返していた。

 

 

────上条当麻は『死んだ』────

 

 

息はしていたらしいが、目覚めることはなかった。

 

まあ、別に気になることでもなかったので、適当に流して放っておいたが.....。

 

 

 

「...ん?これは....」

 

彼が手に取ったそれは、6.5㎝程の少し大きめな錠前だった。きちんと鍵も差さっている。

 

そこで識城の脳内にある人物が思い浮かんだ。

 

結標淡希と、食峰操祈である。彼女達は、自分の能力を発動する時、なんらかの行動(アクション)を起こす。それは、そうしなければ自分の能力を完璧に制御できないからだ。

 

また、彼女達に限らず、多くの能力者が、自分の能力にある程度の基準を決める事で、その状況に応じて最適な出力で能力の引き金(トリガー)を引くのだ。

 

自分が昔見たアニメの主人公も、ピンバッジ型のリミッターを付けていた。

 

そんな風に、自分の全力を基準にこの錠前を開ければ、最大出力の能力が使えるのだろうか?

 

 

「....ハ、馬鹿馬鹿しい....現実見ろっての...」

 

 

そう吐き捨てて、識城は手に持っていた錠前を放り投げようとして、やめた。もしかしたら出来るかもしれないと思い始めたのだ。

 

 

「...一応持っとくか...」

 

 

 

───────大通り

 

 

「ふむ....どうしたものか...」

 

 

今になって考えてみると、自分には住む家がない。自分の実家は学園都市の外にあるし、姉の家はもう他の人が使っているだろう。

 

 

「.....詰んだかも」

 

 

不味い。これは本格的に不味い。

 

付近にビジネスホテルなんてものは無いし、アテもない。神裂達はインデックスを抱えて上条とどこかへ行ったし...。

 

.....仕方ない

 

 

「適当に廃ビルでも探すか...」

 

 

そうと決まれば早速、と手頃なビルを探しに行こうとしたところで────

 

 

「どうやらお困りの様なのよな、識城」

 

「....建宮...」

 

────想定外の人物に声を掛けられた

 

 

 

───────路地裏

 

 

「...で、お前、何の用だ?もう俺は『錠前の術師』じゃねェ。天草式を抜けた俺はただの一般人だ」

 

「天草式を抜けた?何を言ってるのかわからんのよな」

 

「....はァ?」

 

 

素っ頓狂な声を上げる識城。それを見て建宮は「やれやれだ」と言って肩をすくめる。

 

そして真っ直ぐ識城の目を見据え、口を開いた。

 

 

「やっぱり、ここに戻って随分と変わったのよな、識城」

 

「何が変わったって?」

 

 

「俺らと一緒にいた時のお前は、まあ皮肉屋ではあったが、喋り方はまだ丁寧な方だったのよな。それに雰囲気と一緒に、服装も随分と変わった気が...いや、完全に変わってるのよな」

 

「....知ってんだろォ?自然体の俺は気に入った人間に対応して性格が変わっていく。喋り方もしかりだ」

 

「確か、天草式で一番気に入ってたのは....」

 

「キレてない五和だ」

 

「...今は?」

 

「一方通行」

 

「お前がそうなった原因か...」

 

 

「......喧嘩を売ろォなんざ考えるなよ?一方通行は強い。圧倒的にな」

 

「大丈夫だ。お前が気に入ってる奴に手を出すのは自殺行為なのよな」

 

 

「ふん....で、話を戻すが、俺がまだ天草式を抜けてないってのはどォいうことだ?確かに俺は書類に書いて抜けるといったわけじゃないが、俺は『そっちには帰らない』とだけ言ってマジで帰らなくなったんだぞ?一体何を考えてやがる」

 

「...まあ、下心が無いと言えば嘘になるな」

 

 

「...今度は何をするんだ?」

 

 

識城の問いに『信じられない』といった顔をする建宮。素直に戻って来るとは思っていなかったのだろう。

 

といっても、識城は宿探しついでにしか思ってはいないのだが。

 

 

「戻ってきてくれるのか?」

 

「.....お前には借りがあるからな」

 

「ありがとうなのよな」

 

「...フン」

 

 

真正面から礼を言われ、そっぽを向く識城。それを見た建宮は....

 

 

「.....やっぱり、お前が男なんて信じられないのよな」

 

 

....識城の胸を触った

 

 

「っ?!」

 

「うーん...やっぱり無いか...」

 

「て...テメェ.....!!」

 

「双子だとしても、さすがに似すぎなのよなぁ」

 

「うるせェェエ!」

 

 

学園都市の夜空に、識城の怒声と建宮の悲鳴が吸い込まれてゆく

 

 

 




疲れました。
次回、色々します。
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