のろま更新で分かりずらいところが多々あるかもしれません。
俺の運命の分岐点となるあの日は、雪が降っていた。
しんしんと雪が積もる。
都会から離れた街の森の奥深く。竹藪の細い石畳の道を抜けた場所にひっそりと屋敷が立っていた。
森の奥とは思えないほどの豪邸。趣のある瓦屋根の屋敷に池付きの広い庭。しかし、しっかりと手入れがされていて雪が積もることで幻想的な雰囲気を作り出している。2000年代現在ではめったに見ることの出来ない立派な日本屋敷だ。
屋敷の主はそこに一人でひっそりと暮らしていた。
見た目は齢17才位の少年。
真冬だと言うのに開け放った縁側からぼんやりと雪の積もる庭を見つめている。黒墨の生地の着物に上から羽織を羽織っている。それだけでは寒いのか白いマフラーも巻いていた。
何かをするわけでもなく、只ただ眺める。
やっと手にした平穏。
現実を見つめなくて済む唯一の逃げ場所。
世界から嫌われた自分が安息できる平和な時。
この時をいくつもの夜に願いをかけたか。その時間は自らの名前"千夜"だけでは到底及ぶものではない。絶望の気持ちで"暁"を迎えたのかも計り知れない。やっと、やっとこの場所を見つけたのだ。こここそが自分にとってのユートピアなのだ。
誰にもぶつけられず、誰にも理解されなかったこの心を、満身創痍な体を癒すことが出来る安息の地。
一人は寂しい。
けど、我慢はできる。
アレ以来何かを求めるということは少なくなった。
フッと自嘲気味に笑った。
そんな彼の心を知ってか知らずか、ふわりと一通の手紙が雪と共に落ちてきた。糸に手繰り寄せられている様に真っすぐ千夜のもとへ。そして、カサリと千夜の手元へと落ちた。
「…………」
無言でその手紙を手に取る。達筆な字で書かれた"不知火千夜殿へ"の文字。近くの街からも離れてたこの地への投書。それも空からの、だ。他にも雪が降っているというのに濡れるどころか湿ってすらいない。これは明らかに"普通"ではない。だが、千夜はこんな事をする人物に心当たりがあった。
「やっと、来たか」
そして、千夜は躊躇なく手紙に封を切った。
この手紙を開けたら己が積み上げてきたモノを失うであろうと、頭の片隅に考えながらも。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし』
__________________________
_________________
____________
不知火 千夜
ギフトネーム
・???
・???????
・?????
千文字キツイ
早くも心が折れそうです