東方 混純録〜月の希望の章〜illusion raid(イリュージョン レイド)   作:秘幻

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第3話《そして、戦いへ》

想鵐とテュワナは休憩の為、一時俺と別れた。

テュワナがベタベタくっついていて、困っていた想鵐の姿を見ていたかったが、今はそれどころでは無い。

最初にいた崖から降りて行く。とにかく、幻想郷側の人物と接触しなければ何も始まらないだろう。

 

 

 

『おい!誰か降りて来るぞ!』

 

 

 

『幻想郷の奴に決まってる!やっちまえ!!』

 

 

 

途中で敵の小隊に見つかってしまう。

弓を装備した死兵の攻撃を避け、オオカミを生成すると、そのオオカミに死兵を襲わせる。

ここで立ち止まっている暇はない。

 

 

 

智里「………まだ、優劣は着いてなさそうだな。」

 

 

 

智里は戦いが起きている場を見ながらそう呟く。その時、上から何かが降ってくるのを感じ、ジャンプで避ける。

するとその場が爆発したかの様になる。

 

 

 

智里「………死兵達とはまた違う見え方だ………新手か?」

 

 

 

智里の右目が反応している。つまり敵である。

土煙が徐々に消えていく。すると一人の女性が姿を現す。

 

 

 

???「………お前、幻想郷の民だろう?悪いが死んで貰うぞ。私の自由の為にな!」

 

 

 

智里「………そりゃ、ご大層なこった。」

 

 

 

そう言うと智里は刀を構える。

女性の姿は紫の瞳に、髪は魔理沙の様な三つ編みを片方にしていて、短めな紫の髪である。服も紫を多く使っており、ドレスを前の方を無くした様な服である。

その中でも一番特徴的なのは髪の毛から出ている犬耳である。猫耳か?

………この際、どうでもいいが………。

 

 

 

???「食らえ!」

 

 

女性は地面を勢い良く叩く。すると、こちらに向かって亀裂が伸びて来る。

それをジャンプで避ける。

 

 

 

智里「何て馬鹿力だよ………。」

 

 

 

そう言いながら着地すると、コウモリを生成し、女性に向けて飛ばす。

纏わり付くコウモリを追い払おうと両手を振る。

 

 

 

???「これは!?邪魔だ!どけ!!」

 

 

 

智里「悪いな、お前に構ってる暇はない。」

 

 

 

そう言うと智里は再び坂を下り始めるが、後ろで爆発音がしたのに気づき、後ろを振り向いた瞬間、見えたのはオオカミの様な顔だった。

 

 

 

智里「なっ!?グアァ!!」

 

 

 

智里は肩を噛みちぎられ、蹴りを食らう。

吹き飛んだ智里は地面に土煙を上げながら衝突する。

 

 

 

智里「一体何が?」

 

 

能力の発動により、傷は徐々に治っていく。

立ち上がり、目線を上げると、そこには毛むくじゃらの人型獣が立っていた。

顔が三つある犬………恐らくケルベロスか何かの一種だろう。

 

 

 

???『言ったでしょ?死んで貰うって。』

 

 

 

智里「………やられたからにはやり返す。後悔するなよ。」

 

 

 

そう言うと智里は刀を構える。

するとケルベロスは空に向かって吠えるとこちらに口を向け、ビームを放つ。

 

 

 

智里「………フン!」

 

 

 

智里はそのビームを避ける。すると残り二つの首もビームを放つ。

想定外である。

 

 

 

智里「そんな!?ウオッ!?」

 

 

 

一発は刀で弾いたが、もう一発は腹に直撃する。

直撃し、その場が爆発する。

 

 

 

???『……やったか?』

 

 

 

爆発し、爆煙が舞っている場所を見る。

すると爆煙が晴れ、智里が立っているのが見えた。

 

 

 

???『………!?』

 

 

 

智里「痛いな、この痛み、そのまま返そうか?」

 

 

 

???『グッ!』

 

 

 

ケルベロスはジャンプをすると上から殴りかかる。

智里はそれを避けるとケルベロスの顔面に一発殴りをお見舞いする。

 

 

 

???『グッ!?』

 

 

 

智里「もう一発!!」

 

 

 

今度は刀の持ち方を変え、峰打ちをする。

ケルベロスは吹き飛び、地面を二、三回バウンドし、地面に倒れ込む。

すると、ケルベロスの姿は徐々に最初の女性の姿に戻って行く。

 

 

 

???「グッ………マズイ。」

 

 

 

智里は近づいて行き、刀を女性に向けた後、眼帯を取って右目を見せる。

 

 

 

智里「この目のマーク。お前の服にプリントされているマークと同じだ。このマークは一体何だ?」

 

 

 

智里の右目には謎のマークが刻まれていた。形は何と無く古代の文字っぽいものである。

女性はその目を見て一瞬驚くが、智里を睨み、片手をケルベロスになった時の様な状態にする。それに一早く気づいた智里は魔眼の能力を使う。

 

 

 

智里「お前を拘束する!」

 

 

 

そう言うと智里の目の色がピンク色に変化する。

すると、女性は頬を赤くし、智里の瞳を凝視する。そこで智里はおかしい事に気付く。これは………?

すると隣から声が聞こえてくる。

 

 

 

???「あ〜りゃりゃ?何何?ナンパ成功しちゃったの?」

 

 

 

智里は隣にいる者を見ると驚く。

そこには緑色の、歯がムキ出しな怪物が立っていた。

智里が警戒心をムキ出しにすると、その怪物は慌て始める。

 

 

 

エメラード「うわっち、ストップ!!そう警戒すんなって!俺はエメラードってんだ!だから刀閉まって!」

 

 

 

智里「あ?怪しさ全開なお前を警戒しない訳無いだろ。」

 

 

 

エメラード「怪しさ全開って言うなよ!こう見えて昔は意外と綺麗な顔してたんだぞ!」

 

 

 

智里「お前の過去なんか知る気は無い。」

 

 

 

エメラード「うっわーー!!それね!その物事に対する関心の無さ、どーせそんなんだから友達なんかいねーんだろ?」

 

 

 

智里「安心しろ。お前よりはいるさ。」

 

 

 

エメラード「うわ!!言いやがったよこの野郎!俺だって言われた通りに物買いに行かなきゃならない仲の友達いたからな!!」

 

 

 

智里「それ違うだろ!どう見たってパシリになってんだろ!!」

 

 

 

ギャーギャー言っていると聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

 

 

想鵐「あぁ、ストップ。二人とも。」

 

 

 

智里「………!想鵐?こいつを知ってるのか?」

 

 

 

智里は現れた想鵐に、エメラードを指差しながら聞く。エメラードは智里に中指を立てながら「リア充!爆ぜとけ!!」とか意味不明な事を言っている。

 

 

 

想鵐「ああ見えても彼も僕らと同じだ。味方だよ。」

 

 

 

智里「………冗談で言ってる?」

 

 

 

想鵐「いや、ガチで。」

 

 

 

智里「………。」

 

 

 

智里は嘘だろ?と言った顔をしながらエメラードを見るが、腰に手を当て、威張ってる様な行動を見るからに当たりらしい。

すると想鵐は「ところで………」と会話を続ける。

 

 

 

想鵐「………この人どうするの?」

 

 

 

そう言いながら想鵐はチラリと横を見る。

その目線の先では………。

 

 

 

???「ワン!!ヴ〜〜〜。」

 

 

 

テュワナ「………犬がこの私に勝てると思うのか?」

 

 

 

想鵐を取られると勝手に勘違いし、ケルベロスの女性に攻撃的な態度を見せているテュワナと、それを警戒する女性、と言うか何故四つん這いで犬の威嚇の仕方をしているんだ?いや、確かに犬系だったけど………。

 

 

 

想鵐「この人はこういうキャラって感じで良いのかな?」

 

 

 

智里「いや、違う。と言うかどうしてこうなった?」

 

 

 

智里が悩んでいると、エメラードが口を挟んで来る。

 

 

 

エメラード「なぁ、ちょっとあれやってよ。あの犬のしつけのやつ。」

 

 

 

智里「………あの女性がそれに反応するとでも?」

 

 

 

エメラード「物は試しだろ?やってみろって。」

 

 

 

エメラードに言われ、渋々女性に近づいて行き、犬のしつけシリーズを試してみる。

 

 

 

智里「お座り。」

 

 

 

???「ワン!」

 

 

 

智里「お手。」

 

 

 

???「ワン!」

 

 

 

智里「………伏せ。」

 

 

 

???「ワン!」

 

 

 

何と女性は全て忠実に従った。ちくしょう!!

 

 

 

エメラード「ギャハハハハ!おい見ろよ!あいつ犬を手に入れたっぽいぜ!?」

 

 

 

想鵐「………智里、お前ってそう言う奴だったんだ。」

 

 

 

智里「いや待て!違う!俺は能力でこの女性を拘束しようとしただけだ!それなのに拘束出来ない処か女性がおかしくなったんだ!」

 

 

 

想鵐「………それってつまり、智里の能力でそうなってしまったって事だよね?」

 

 

 

智里「………その通りでございます。」

 

 

 

智里は項垂れる。どうしてこうなった………。

すると、エメラードの言葉で全て理解する。

 

 

 

エメラード「ふーん、お前って能力使うと目がピンクになるの?」

 

 

 

智里「………ピンク?」

 

 

 

▽△▽△▽△○△▽△▽△▽

 

 

 

目が覚めると私は薄暗く、和風な部屋にいることが分かった。

確か私は幻想郷側の人間を殺そうとして、そしてその男の目を見た瞬間、胸が熱くなって、それで………。

思い出しながら体を動かそうとした瞬間、自分が縛られている事に気付く。

 

 

 

???「なっ!?」

 

 

 

どうやら私は捕まったらしい。マズイ、このままでは拷問などをさせられ情報を吐かされるに決まっている。

すると薄暗い部屋に光が差し込む。

 

 

 

???「………っ!」

 

 

 

光が差し込む先、そこは障子が開かれ、一人の男が立っていた。

 

 

 

智里「………悪いな。尋問の時間だ。」

 

 

 

▽△▽△○△▽△▽

 

 

 

智里「そんじゃ………尋問を始める。」

 

 

 

………目の前の男が尋問をしようとしているのは分かる。だが………

何故か部屋はシリアスな事になっていた。

第一、尋問と言えば私が知っているのは拷問などによる強制自白だ。なのにこの男と私は同じ部屋で、机を挟んで座っている状況だ。

それは気を許した隙を狙って色々と情報を聞こうとしてるなどの事が考えられるからそれは良い。私が言いたいのはその後の事だ。

 

 

 

エメラード「白色のパンツとか、シケてんなおま………ふぶぇら!?」

 

 

 

咲夜「………あんた、死にたい様ね。」

 

 

 

エメラード「何言ってんだよ。そんないかにもめくって下さいみたいなスカートしてんのがいけねぇんだろ?だから俺がめくってーーイダァ!?ちょ!!刺さってる!太ももにナイフ刺さってるぅぅぅ!?」

 

 

 

私が言いたい事第一、メイドと緑色の怪物が訳の分からないことで戦闘をしている事(とは言っても、怪物の方が一方的にやられているだけだが………。)

そして言いたい事第二は………。

 

 

 

テュワナ「………入れて、想鵐。」

 

 

 

想鵐「その肩に担いでいる物騒な物を置いてくれたら入れて上げるから、それ閉まって。」

 

 

 

テュワナ「何を言っているんだ?私は汚物排除の為に………。」

 

 

 

想鵐「だからその汚物排除が危険なんだって!頼むから!!」

 

 

 

肩にロケットランチャーを担いで入ろうとしている女を必死に止めようとしている男(この際は危険なので男の方を応援するが………。)

そんな尋問処で無い状況でこの目の前にいる男は尋問をしようとしてるのか?

 

 

 

智里「………あー、後ろの奴らは気にしないでくれ。」

 

 

 

???「………それは無理だ。」

 

 

 

智里「………だよな。済まん。」

 

 

 

何か一瞬、この男がかわいそうに見えた。

 

 

 

▽△▽△▽△○△▽△▽△▽

 

 

 

俺たちが今この尋問をしている理由は色々とある。

まずは幻想郷を破壊しようとしている奴らの情報。これは必要。

それと第二には、俺の右目について、その為にこの世界に来た様な物だしな。

え?何でもう合流してるかって?

それはエメラードの情報から、あの戦場内での幻想郷側の陣営を見つけて、何とか幻想郷側に入ることが出来たからだ。

 

 

 

智里「………で、お前は『暗黒』とやらの兵士で間違いないな?」

 

 

 

???「………。」

 

 

 

智里「………そうか。」

 

 

 

黙っている所を見ると当たりの様だな。

ついでに、後ろでギャーギャー言っていた人達には退場してもらった。だって尋問にならないし………。

暗黒兵である女性の後ろには監視役として妖夢が立っている。

 

 

 

智里「変な事すんなよ?後ろの怖〜いお姉さんがすぐに斬りかかって来るからな?」

 

 

 

妖夢「あの………早く進めてくれません?」

 

 

 

智里「わかったよ。」

 

 

 

妖夢に注意されたので尋問を再開する。

 

 

 

智里「お前さ、俺に襲いかかって来た時『お前を殺せば私は自由になれる』って言ってたけど、あれの意味は?」

 

 

 

そう聞くと、女性の顔色が変わる。

そして膝に置いてあった手を上げ始める。妖夢が警戒し、刀の柄に手の乗せるが智里が目で静止させる。

上げられた手は女性の首についている首輪の様な物を触る。

 

 

 

???「………幻想郷の重要そうな者を殺せば、この枷を取ってくれると言われた。」

 

 

 

智里「………?ファッションじゃ無いのか?」

 

 

 

???「………これがファッションだと?」

 

 

 

女性の殺気に少し気圧される。

妖夢にもその殺気が分かった様だ。

 

 

 

???「この枷はいつでも裏切りや任務を失敗した時に発動して、対象者の首を引き裂く。」

 

 

 

智里・妖夢「「………!」」

 

 

 

なるほど、いつでも死を隣り合わせにすることで裏切りなどを防ごうって事か。もし、そんな事があれば首がパーン………ね。

………ん?ちょっと待て?

 

 

 

智里「………お前、受けた任務は?」

 

 

 

???「………重要人物の殺害。」

 

 

 

智里「………って事はここでバッドエンディング?」

 

 

 

???「………そうだ。」

 

 

 

すると智里は慌てる。

 

 

 

智里「それ先に言えよ!!」

 

 

 

???「………え?」

 

 

 

いきなりの事に女性は驚く。

 

 

 

智里「あぁ、クソ!どうする?どうすりゃバッドエンディング回避になる?大体、この枷ってどういう仕組みなんだ?おいちょっと見せろ。」

 

 

 

???「え?え?ちょっ………何するのよ!?」

 

 

 

智里「決まってんだろ!バッドエンディング回避だ!………あ〜………これちんぷんかんぷんだわ………。」

 

 

 

智里は枷の中の機械を見ながらげんなりとした顔をする。

 

 

 

???「………何で?」

 

 

 

智里「………あ?」

 

 

 

???「何で、そんな事するのよ?」

 

 

 

智里「決まってんだろ。お前がバンされたら困るからだ。」

 

 

 

???「別に新しい人質を捉えれば良いじゃない。」

 

 

 

智里「………周りがそれで良くても、俺が困るからだ。」

 

 

何なんだ?コイツ?

私の事を気にしてるのか?

私はただの兵士、しかもこいつから見たら敵であるのに………何故なんだ?

 

 

 

妖夢「え!?爆発するんですか!?と、解けるんですよね?」

 

 

 

智里「え〜い、工業科とか分からんわ!」

 

 

 

妖夢「投げやりな!?どうするんですか!!」

 

 

 

智里「もうどうにでもなれ!」

 

 

 

???「………ねぇ、」

 

 

 

智里「………何?」

 

 

 

???「確かに爆発するとは言ったけど、確認されなければ大丈夫よ。」

 

 

 

智里「………Oh………。」




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