東方 混純録〜月の希望の章〜illusion raid(イリュージョン レイド)   作:秘幻

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第6話《裏切り》

煉地「いいか?俺らがいるここはゾンビ看守だらけの監獄だ。さっさとオサラバしてぇから手伝え。」

 

 

 

零侍「ずいぶんな言い分だな。」

 

 

 

二人は監獄の中を歩いていた。

所々で看守の姿があったが二人の早業で今はこの世からログアウトしている。

 

 

 

零侍「所で、お前は何でこんな所にいるんだ?ただやられてここに捕まったとは思えないんだが……。」

 

 

 

煉地「あぁ、それはだな、捕まってみた。」

 

 

 

零侍「……はい?」

 

 

 

煉地「だから、面白そうだったから捕まったって言ってんだろ?」

 

 

 

零侍「あんた頭のネジ一本何処に落としてきた!?」

 

 

 

煉地「何言ってんだお前?頭にネジ刺さってる方が以上だろーが。」

 

 

 

零侍「そう言う言い回しだよ!!」

 

 

 

ダメだ……ツッコミきれない……。

 

 

 

煉地「……お!これ良いな!」

 

 

 

何かの部屋に来た時、煉地は何かを拾う。

 

 

 

零侍「次は何をパクったんだ?」

 

 

 

煉地「マシンガン」

 

 

 

零侍「なぬ!?」

 

 

 

もう何でもありだな……。

しかし、今の状況上、その武器は心強い。

 

 

 

煉地「ほら、くれてやる。」

 

 

 

煉地はもう一つの拾ったものを零侍に投げよこす。

 

 

 

煉地「良かったな、二刀流だ。」

 

 

 

零侍「だから何で警棒!?」

 

 

 

煉地「いや、似合ってるから。」

 

 

 

零侍「〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 

 

 

今すぐにでもこの人の頭をこの警棒でカチ割りたい……。しかし、この人がどのような技を使ってくるかなどは不明だし、変に手を出せない。え?胸元の機械があるから大丈夫って?

違います、外れて自由になったその後の話です。

 

 

 

零侍「とにかく、動かなければってのに変わりは無しか……。」

 

 

 

二人は脱出の為に奥へと進んで行く。

その時、零侍が煉地を掴んで止める。

 

 

 

煉地「あ?何す……」

 

 

 

零侍「しっ!」

 

 

 

煉地「……!」

 

 

 

零侍の行動に何かを感じた煉地は、零侍と共にまた物陰へと隠れる。

 

 

 

煉地「何か感じたか?」

 

 

 

零侍「……嫌な気配を……。前にも何処かで感じたような……。」

 

 

 

そう言っていると、ゾンビ看守二、三人と共に椛が姿を現す。椛は剣と盾を装備している。

 

 

 

椛「良いですか?絶対に奴らを逃さないで下さいね?」

 

 

 

椛の命令にゾンビ看守はコクリと頷くと辺りに散らばる。

 

 

 

煉地「あの犬っころ、余計な事してくれたな。」

 

 

 

零侍「…………。」

 

 

 

やはり、嫌な気配の正体は椛だったか。

零侍は胸がチクリと痛むのを感じた。自分の知らない椛だ、一体何があってこんな事をしているのか知る事も出来ない。しかし、生きる世界が違っても、椛は椛である事に変わりはない。

零侍は警棒を持ち直すと立ち上がろうとする。そんな零侍を煉地は引っ張って無理やり物陰に戻す。

 

 

 

煉地(アホかテメェは?幾らお前が体術を使えるからって警棒二本で銃器持ってる看守とあの犬っころを倒せるわけねぇだろ?)

 

 

 

零侍(だけど!)

 

 

 

煉地(現実を見ろ。俺らは今この胸元についてる機械のせいで能力すら使えないんだぞ?)

 

 

 

零侍(ぐ……!)

 

 

 

煉地の言う事は正しい。幾ら体術を使えたからと言って銃器を持っている敵、しかも複数を相手するなど蜂の巣にされに行くようなものだ。

 

 

 

煉地「だから……。」

 

 

 

そう言うと煉地は立ち上がり、看守達にマシンガンを向けると引き金を引く。バラララララと言う発砲音と共に無数の弾丸がばら撒かれる。

看守達は煉地のばら撒いた弾丸の蜂の巣になり倒れる。

零侍と椛はいきなりの事に驚く。

 

 

 

煉地「テメーみてぇな先走る野郎を援護する為に俺がいるんだろうが。」

 

 

 

椛は煉地を睨むと走り出し、煉地に斬りかかる。それを零侍が警棒で防ぐ。

その後ろから騒ぎを聞きつけて集まってきた看守達が銃器をこちらに向けるが、先手必勝と言わんばかりに煉地が看守達に向かってマシンガンを撃つ。

 

 

 

煉地「看守達は任せろ!お前はその犬っころどうにかしろ!」

 

 

 

椛「だから私は犬じゃない!!」

 

 

 

零侍「知ってる!」

 

 

 

そう言うと零侍は警棒で椛に殴りかかる。椛はそれを盾で防ぐと刀をこちらに向ける。

 

 

 

零侍「させるかぁ!!」

 

 

 

零侍は何とか椛の刀を持っている方の手を蹴り、刀を遠くにやる。

これで斬られる心配は無くなった。だが、椛の蹴りが腹に入る。

 

 

 

零侍「グッ!!」

 

 

 

蹴りを食らった零侍は吹き飛び、床に倒れる。

 

 

 

椛「抵抗したって無駄です。今の貴方はただの人間同然です。」

 

 

 

零侍「……この胸元の機械のせいだろ?」

 

 

 

椛「えぇ、そうです。」

 

 

 

零侍は立ち上がると再び警棒を使って殴りかかる。今の零侍にはこの戦いは確かに不利だった。人間と同じぐらいの力しか出ない零侍に対し、椛は白狼天狗、スピードやパワーも桁違いだ。

 

 

 

椛「何度言えば分かるんですか?今の貴方には無駄ですよ。」

 

 

 

椛は再び盾で防ぐ。零侍は息を切らせながらも喋る。

 

 

 

零侍「あぁ、そうかもな。僕は弱い。きっと、力を取り戻しても誰かよりも弱いかもしれない、だけど……」

 

 

 

そう言い、零侍は顔を上げて椛を睨む。

 

 

 

零侍「僕は『どれだけ弱くても絶対に諦めない』!!」

 

 

 

零侍の瞳を見て椛の顔は恐れの色が見えた。そして、まるで零侍を信じられない何かと見るように後ずさりする。

 

 

 

椛「……何なんですか、『絶対に諦めない』ですか?そんなの……」

 

 

 

椛はそう言うと怒りの表情をしてこちらに向かってくる。

 

 

 

椛「弱者の寝言です!!」

 

 

 

椛は盾で零侍に殴りかかる。零侍はそれを警棒で防ぐ。そこを狙い、椛は反対側の拳で殴りかかろうとするが……。

 

 

 

零侍「させるかぁぁ!!」

 

 

 

椛「んな!?」

 

 

 

零侍は隠し持っていたもう一つの警棒で椛を殴る。よろけた椛にもう一発お見舞いする。

 

 

 

椛「グハッ!そんな!?私が貴方なんかに……貴方なんかに!!」

 

 

 

そう言うと、椛の周りを黒い霧の様なものが現れ始める。そして、黒い霧が椛を完全に覆い尽くした時、『それ』は姿を現した。

 

 

 

椛?『貴方ナンカニヤラレル私ジャ無イ!!』

 

 

 

零侍「……一体、何なんだ!?」

 

 

 

零侍は目の前に現れた怪物に驚く。上半身は椛の姿をしていて剣と盾を持っているが皮膚は黒く、顔には一つの巨大な目玉がこちらを見つめていた。下半身は王冠の様な形をした物が付いていて、足が無い代わり宙に浮いている。

看守を片した煉地はいきなり現れた怪物を見つけると睨む。

 

 

 

煉地「……チッ、『都市伝説』と『神話』が裏切ったってそう言う事か!」

 

 

 

煉地は怪物に向けてマシンガンを連射する。しかし、怪物はそれを盾で防ぐ。煉地は防いでいる内に零侍にある物を投げてよこす。

 

 

 

煉地「その機械を胸の機械にかざせ!」

 

 

 

零侍は言われた通りにする。すると、胸の機械が外れて地面に落ちる。煉地の方も外せた様だ。

 

 

 

椛?『!?何故ソレヲ?』

 

 

 

怪物は驚いている様だ。

機械を外し、自由になった二人は笑み、零侍は姿を変えて刀を取り出す。煉地は近くにあった柱を爆破する事で自由になった事を確認する。

 

 

 

煉地「悪いなぁ、お前の可愛い可愛い看守ぶっ殺した時に出てきた。」

 

 

 

零侍「……その物言いどうにかなら無いのか?」

 

 

 

煉地「元連続殺人犯にお説教か?」

 

 

 

煉地の言葉に零侍は驚く。

 

 

 

零侍「連続殺人犯!?聞いて無いぞそんな話!!」

 

 

 

煉地「そうだろうな、言って無いし。」

 

 

 

零侍「道理で警棒ら辺から性格悪いと思ったよ!」

 

 

 

二人がギャーギャー言っていると怪物が振り下ろした剣が二人の間に突き刺さる。

 

 

 

椛?『モウイイデス!二人共消セバ全テ済ミマス!』

 

 

 

煉地「あ?やれるもんならやってみろ。」

 

 

 

零侍「もう負けはしない。」

 

 

 

二人と怪物の戦いが始まろうとしていた時、『都市伝説』の影が少しづつ忍び寄っていた……。

 

 

 

?『面白い事になっている……クヒッ!』




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