『第三回戦は一時間後に始めます。皆さんしばし英気を養って次に試合で全力を出してください』
三回戦。ほとんどが身内戦となったが、その分今までのように簡単にはいかなくなる。互が互の手の内を読めているので対策や警戒すべき点がわかっている。そして何より・・
「兄ちゃんフリーで回そ〜よ?」
「お前は能天気だなおい!?」
「ここでボロ勝ちして兄ちゃんの精神的に追い詰めておくのだぁ」
「悪魔かお前!?」
「悪魔ァ?違うぅ私は魔王ダァ!」
「やめんか」
どこぞの伝説の男みたいな言い方やめい!!いろんなところから怒られるわ!!
「ってなわけでヤろ?」
「ヤらねーよ。しかも言い方なんかエロいのやめろっ!!?」
「キャーニイチャンニオソワレルー」
「マジでやめてぇええええええ!!!!」
妹の相手がすごく疲れます。見ろよ?周りの視線を。きっと虫を見るような目で見てるに違いな・・・
「仲良いなあの兄妹」
「くそう・・!!!俺にもあんな妹が欲しかったっ!!」
「・・・いいなぁ・・・私にも兄さんがいたら・・・」
「やめときなさい。兄貴がいても実際にはあんなに優しくないわよ?うちの兄貴なんて・・・兄貴なんて・・!!!!!」
「あーうん。なんか察した。ごめんね?」
なんか微笑ましい目を向けられてらっしゃるっ!!?
「・・・・うちの天使スマイルにこにこにー」
「色々やめろ。怒られるから」
「んじゃヤローぜい?ボコしてやんよ」
「・・・・はぁ・・・しかた「なーんちゃって!!NDK?NDK?妹にせがまれた気持ち」お前やっぱり腹立つ!!」
「ニギャァァアアアア!!?!兄ちゃんの変態!!頭グリグリしちゃらめぇええ!!!!!?!」
「変な声あげんなボケ女!!」
こんのバカは一回マジで締め上げないとわからねぇのかな。
「センセー。仲いいのはわかるけどもう少し妹さんコントロールしとこーよ?」
「なぁケン?メイの後ろに般若が見えるんだけど?」
「奇遇だね。僕も見える」
なんか言ってるけど聞こえない。メイの声は聞こえたけどほかは聞こえなかった。
「すまんなメイ。ちょっと待ってて。もう少し締め上げるから」
「いやー慣れてきたら良いマッサージかも」
「・・・・・・・もういいや」
「えーやめちゃうのーもっとしてよー」
「ノゾカお姉ちゃんやめてあげてよ!」
「なんじゃいメイっち。嫉妬かいな?」
「嫉妬じゃないもん!センセー困ってるから助けてあげるだけだもん!!」
「何オー?なら兄ちゃんの持ち主を決めるためにデュエルダァ」
「いいよ!!次は勝つもん!!」
すまんメイ。お前に相手を任せる。少し休みたい。いや本当に。
「浅原さんも大変だね」
「遊矢か、そうだね。うん本当に大変だよ」
「こういう時こそ俺のエンタメデュエルで元気にしてみせる!俺の試合楽しみにしてて!」
あぁ・・・その優しさが心に沁みるよ。ありがとう。ん?向こうから誰かこっちに向かってきてるぞ?
「やい榊遊矢!」
「あ、勇雄、どうしたの?」
「自分とデュエルだ!自分に勝ったんだ!負けたら許さん!」
「つまり『試合まで調整付き合ってやるから頑張れ』って言ってるのよ」
「姉上っ!?違う!!違うからな!!」
いきなり挑戦状を叩きつけたと思ったらどうやら単純に応援に来ただけだったようだ。しかも調整相手してくれるってすごくいいやつじゃん。
「おう!わかったよ勇雄!デュエルだ!!」
「二人共頑張りなさいよ」
「うん!!」
「言われなくとも!!いくぞ榊遊矢!!」
「待ってくれよ勇雄ー!」
そう言って二人はフリー対戦ができる場所まで向かっていった。なんか一瞬で仲良くなったんだな。まだ染まりきっていない勇雄くんマジツンデレ。
「お疲れ様先生。はいこれ。アイスココアだけどいい?」
「ん、サンキュー」
アイスココアを受け取り喉に流し込む。甘さがゆっくりと体に染みていき胃を満たしていく。ベンチの隣に腰を下ろしたカヤも持っていたジュースを飲む。
「三回戦の相手、なかなか強敵よねお互い」
「俺はある意味苦手だよ・・・ハァ」
「アハハ・・・まぁ頑張って。応援はしてるわ」
「マジか?てっきり向こうの応援すると思ったんだけど?」
俺との戦績あんまり良くないだろ?それだったら普通応援しないはずなんだけど・・
「だって・・・・攻撃できなくなるより攻撃できる方がまだマシだもの。それに上手くいけば二人のどちらかが決勝の相手になるの、だったら勝ちやすい方の応援するわ」
「そか・・・けど、前のように負けないぜ?」
「こっちこそ。そう簡単に勝てるとは思わないでよ?先生」
そう言いながらお互いの拳をぶつけ合う。このままいけば多分相手はカヤになるのか?
「あら、塾の先生と塾生の禁断の恋かしら?」
「馬鹿言ってないでよ雪乃」
二人で話していると変な茶々を入れてきた女がいた。銀髪ツインテール・・・誰だっけ?
「・・・・・だれ?」
「・・・先生。さっきのアヤトの対戦相手の藤原雪乃さんよ?私の同級生なの」
「さらに言うと一応芸能人なんだけどね?知らないかしら?」
へーそうなのかー興味なくて全く知らん。てかカヤの同級生なのか。中学生の参加者結構残ってるんだな。
「興味なさそうね。残念だわ」
「まぁ先生そういうの興味なさそうだから。雪乃もあんまり気にしないで。それよりどうしたの?」
「こっちの子がカヤに会いたいって言ってたからね。連れてきたのよ」
そうして現れたのはさっきヒロヤと戦っていた揖斐リチュアだった。カヤに何かようなのだろうか?確か次の対戦相手だったはずだが?
「初めましてだな。次の対戦相手の揖斐リチュアだ」
「あら、初めましてね。対戦相手の勝鬨カヤよ。お互いに全力で戦いましょう?」
「勿論だ。ところで君は先ほどの対戦相手の椎菜と同じ塾の生徒と聞いたんだが」
「ええ、そうだけど・・・もしかしてあのバカなにかしたのかしら?」
「そうではない。久しぶりに強い相手に巡り会えたのでな。この機会にお互いの連絡先をと思ってな」
え?もしかして恋?
「この子強い相手と会うといつもこうなのよ」
「なーんだ。恋じゃないのか。面白くないわね」
同感する。
「そう言う貴方はどうなのよ?随分可愛い男の子に目を付けられたんじゃないの?」
「あー・・まだ駄目ね。少なくとも小学校は卒業して私と同じくらいに強くならないと」
「あらあら、あの子も大変な女に奪われちゃったわね」
「???なんの話なのだ?」
「恋の話よ?」
「コイ?」
「リチュアはこういうの疎いのよ。スタイル良くてもてるのにもったいないわ」
「あなたも結構モテるでしょ?」
「でも今まで私を満足させてくれる相手に巡り会えないのよ」
なんかガールズトークに入ってるんだが。いいけどね別に。一応俺男なんだからもう少し考えてよ。ってかカヤに遊矢の好意バレバレか。つまんね。いや、逆に考えろ。柚子遊矢カヤの三角関係がもっとハッキリしたものになったんだと・・・・・うーん普通。
「なら先生はどうよ?見た目普通だけど中身結構いいわよ?」
おーいカヤさんやーい。いきなり俺を売らないでくれよー?
「そうね。見た目は普通ね」
「そうだな。見た目はどこも変なところはない普通の人だ。だがそれが何か変なのか?」
グフッ・・・・・普通普通連呼するなし。地味に傷つくぞ。イヤマジで。
『あの男・・っ!!!あんな可愛い子に囲まれてやがるっ!!』
『死すべし死すべし死すべし!!!』
『イケメ・・いやフツメン死すべし!!』
『いやよく考えろ!あの子達は中学生だ!つまりロリコン!!社会的に殺せる!!』
『ほほぅ?お兄さんたちうちの兄ちゃんのことを死ねとな?』
『へー・・・センセーのこと悪く言うんだ・・・ふーん?』
『『『あ』』』
『オモシロイ。まずキサマらから血祭りにあげてやんよォオオオ!!』
『殲滅してあげるよ!!盛大にねェエエエ!!!』
『『『ギャァァアアア!!!』』』
『馬鹿どもが・・・・・そうなるのがわからんのか』
『あの妹ちゃんブラコンね。間違いないわ』
『ねー。けどあのお兄さんなんだかんだ妹さんに優しそう』
『確かに。俺の妹も俺のことしたってくれないかな』
『黙れ一人っ子』
『言ったなキサマァ!!』
『ふ・・妹より姉だろ』
『っ!!!あなたとは良い酒が飲めそうよ!!』
『貴女女でしょっ!!?』
『『『『ナニコノ混沌空間』』』』
「向こうは楽しそうね」
「どっちかというとカオスね」
「む?あの少女ディアボロスに覚醒したか。隣の子は1ターン目に切り札を召喚か。強いな」
傷つくんだぞ俺だって・・・告白しても『ごめんなさいタイプじゃないです』って言われた俺の気持ちを考えたことがあるのか畜生っ
「あら?トモキ先生?」
モテ期なんて来たことねーよ畜生!運動部に所属してないだけでここまで違うのかよ畜生。
科学部の何が悪いんだよっいいじゃねーか科学部・・・・
「先生?」
カードゲームやってていいじゃねーか。アニメ好きで何が悪いんだよ。イケメンがアニオタでも惹かれないのに普通の人間がアニオタだとなんで引かれるんだよくそう。
「???先生どの?」
普通で何が悪いんだよ・・・・・・なんだろう。思い出したら悲しくなってきた・・・グスン
「ちょっ!!?なんで泣いてるの!?!」
「あら?どうしたの?」
「何かあったのか?」
「何でもないやい・・普通が一番いいんだい」
「っ!?」
「あらら・・・先生大人気なく拗ねちゃった」
「どうして拗ねたんだ・・・雪乃?」
「・・・・・・はっ!?な・・何かしら?」
「(ニヤニヤ)いやーあなたのそういう顔ひさしびりに見たわ」
「???」
「な・・・なんのことかしら?」
「先生?大丈夫よ?先生カッコいいもの。例えば雪乃とか惚れちゃうかもよ?」
「っ!!!!???」
「はっ・・・んなわけあるかよ。言い方聞いてたろ?『普通』だぞ?」
「まぁそれは冗談だけどいつか先生の魅力に気づいてくれる運命の人に出会えるわよ」
「なんでかなぁ・・・そう言われるだけでスゲェ救われたわ。サンクス」
さすが我が塾のお母さん。素晴らしい。でも同時に中学生に励まされる俺にちょっとがっかりした気がする。まぁ気にしたら負けか。
「いいえ、お礼は『レジェンドソード』でいいわよ?」
要求すんのかよ・・・・でも確か使ってないしなぁ・・・そう言えばいま手元にあった気がする。
「ん・・・ちょい待てよ・・・・あった。ほれ」
「え?いいの?」
「俺使ってないしな。お礼だと思ってくれや」
「そう?なら遠慮なく貰うわね」
『禁断の恋』
『新しい観察対象発見』
『遊矢に加えて先生か・・・面白そうだ』
「おいケンシロウヒロヤシン。ちょうど回したいデッキあるから付き合え。後攻オーバーキル食らわせてやる」
いきなり来て変なこと言うんじゃねぇ。ちょうどいい。他のデッキを丁度用意してたんだ。被検体(モルモット)にしてやんよぉオオ!!
「「「拡散!!!」」」
「逃がすかっ!!待ちやがれ!!」
「良かったわね雪乃。巡り会えたみたいね」
「そうね。カヤ、お願いがあるのだけれど?」
「いつものクレープ屋の青眼クレープDX私とイサと遊矢の文で手を打つわ」
「それくらいで良いなら全然いいわ」
「そうなると多分メイあたりは先生引っ張っていくんじゃないかしら?釣られてみんなも先生に集りに来るわね」
「そ・・・・そう・・・トモキ先生ってそういう立場なのね?」
「そうじゃなくてね。なんだかんだ言いながらご馳走するっていって連れて行ってくれると思うから先にみんな行くのよ。それから安心しなさい?私友達の恋は応援するわよ?」
「・・・・・・ありがと」
「???さっきから何の話なんだ?」
「無情の極シャングリラで攻撃!!これで死ねぇエエエエwwww!!!」
「殲滅の覚醒者ディアボロスと雷電の覚醒者グレートチャクラでトドメ!!沈んじゃえ!!」
「シンに勝利の覚醒者ボルシャックメビウス!!ケンシロウに勝利天帝Gメビウス!!ヒロヤ破壊龍神ヘビィデスメタルで攻撃!!消エロォオオ!!!!!!!!!!!!」
『『『『『『『『『『グアァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!?!?!??!』』』』』』』』』』
「・・・・・・・勇雄?」
「何も言うな。俺たちは何も見ていない」
「・・・・・・・あれは・・敵?それとも味方?」
ヒロインっぽいの作ったっていいじゃない!!
因みに揖斐さん結構好きでした。