『皆さんお待たせしました!これよりマイアミプロリーグ公式戦を開始いたします!』
――――ワァアアアアア!!!!
『今回この場でデュエルを行いますのは『煉獄女王』の二つ名を持つ藤原雪乃選手!!』
―――ユッキノーーーン!!!!
『対しますのは公式戦未だ負け無しの大型ルーキー!!親鬼真司!!』
―――シンジー!!!!
『墓地を巧みに使う雪乃選手と流れるような速攻で決めに来る真司選手!これは見ごたえのある1戦だ!!』
以前、雪乃との約束を果たすためこのマイアミデュエルアリーナに来ている。
会場は既に最高潮を迎えており観客は皆今か今かとデュエルの開始を待ちわびている。実況はチャンピオンのマネージャーもしているニコ・スマイリーみたいだ。
ちなみに俺がいるのはリングから一番離れた出入り口付近、席がすべて埋まっていたので仕方なく立ってみている。それだけ今回の試合は注目されているようだ。
『えーさらに今回は特別解説としまして現在チャンピオンに迫る実力者であり先日チャンピオンへの挑戦を宣言した現在ランク第二位のこの方!鏡原スズハ選手に来ていただきました!!!』
『皆さんよろしく』
――――ウォオオオオオ!!!!!スズハ様ァアアア!!!
鏡原スズハ
現マイアミプロリーグ第二位の実力者。
メタゲームを得意としているデュエリストでなかなかいやらしい戦法を使うデュエリスト。雪乃が珍しく敵視していたので少し調べてみたのだ。墓地関係を止められると雪乃は辛いだろうからきっとそういうことなのだろう。
『スズハ選手、今回の見所はズバリどこでしょう?』
『そうね、藤原さんは墓地を貯めるのに少し時間がかかるわ。その分たまった瞬間勝負が決まるといってもおかしくない。勝負の鍵は親鬼くんの速攻が間に合うかどうかでしょうね』
『わかりやすいポイントですね。ではお二方、意気込みをどうぞ。まずはチャレンジャーであるシンジ選手』
『特にありませんよ。最近男関係で不抜けているらしい藤原選手なんてただの通過点としか見てませんので』
おっおう・・・随分棘のあるコメントだなおい・・・それだけ自信があるってことか?それともあえて煽って冷静さを無くそうって魂胆か?ファンからしたら切れられそうな発言だが大丈夫か?会場の雰囲気も一部殺気立ってるし、一部は便乗して煽り始めてるし、盛り上がってるところもあるし・・・あれ?割と平気そうだな。
『えー・・・・・た・・・対する雪乃選手?・・・・何かありますか?』
顔を伏せていてちょっと怖い雪乃にマイクを向けるニコ氏、うん。その気持ちはわかるよ。
『・・・・・』
『・・・・・・・えー・・・・雪乃選手?』
『・・・・あら、ごめんなさい。少し考え事をしてたの。なんだったかしら』
さっきまでのすべてスルーかよ・・・・道理で何の反応も返してこないわけだ。見ろよ。思わずズッコケる奴続出してらぁ
ニコがマイクを持たず今までの流れを説明しているようだ。怒るか?流石に
『なるほど。ありがとうスマイリーさん。そうね、確かに少し最近気が抜けてるわ。痛いところを指摘されてしまったわね』
『おや、そうなのですか?』
『ええ、最近すごく嬉しいことがあって気が抜けてたのよ。ファンの皆さんにも、そして今日の対戦相手の彼にも謝罪しなくちゃね。ごめんなさい』
『ななな・・・・なんとっ!?』
素直に認めて謝った・・・だと?あいつ具合悪いのか?うん朝は変なもの食べさせてないしそんな様子もなかったはずなんだが。
『だから今日は少し私の本気の姿、見せてあげるわ。みんな期待しててね?』
――――ウォオオオオオオオオ!!!!!!!!
『宣言するわよ親鬼真司。あなたを倒す。その伸びた鼻へし折ってあげる』
『雪乃選手の勝利宣言!!しかも一方的に勝つとまで宣言したぁ!!!!』
すごい自信だなあいつ。これってもしかして雪乃の負けフラグ?慢心しすぎて負ける?
『『デュエル!!!』』
シンジ 4000
ユキノ 4000
「先行は僕だ。レスキューラビットを召喚!効果発動!自身を除外してデッキから2体の『アレキサンドライドドラゴン』2体を特殊召喚!そして発動!『儀式の方舟』!2体のアレキサンドライドドラゴン2体をリリースして儀式召喚!!こい『天界王シナト』!!」
『シンジ選手!!1ターン目からエースモンスターである天界王シナトを儀式召喚だァ!!』
「カードを一枚伏せてターン終了だ」
『天界王シナトの攻撃力は怒涛の3300!!雪乃選手はこれをどうやって突破する!!?』
「私のターン、ドロー・・・そうね、守備貫通持ちだしここは素直にこうしましょうか。『ボーンおどりチャージャー』を発動するわ」
ボーンおどりチャージャー
通常魔法
① 自分の山札の上から二枚を墓地に送る。
② この魔法は発動後除外される。除外されたこのカードを墓地に送ることで次に召喚するモンスターのレベルを1下げたものとして扱う。
「その効果で山札二枚を墓地へ・・・『邪眼皇アレクサンドル三世』『煉獄と魔弾の印』・・・まぁまぁね。この魔法カードは除外される。『アクア呪文師スペルビー』を召喚よ」
RPアクア呪文師スペルビー
レベル4/戦士族/水属性/ATK300/DEF1500/
効果
① ブロッカー
② このモンスターは攻撃できない
③ このモンスターの召喚・特殊召喚成功時、デッキの上から3枚を墓地に送る。そうした場合墓地の魔法カード一枚を手札に戻す。
「効果で山札の上から3枚を墓地に送る。『邪眼皇ロマノフ一世』『龍素知新』『エマージェンシータイフーン』・・・・エマージェンシータイフーンを手札に、そのまま発動。二枚引いて一枚を墓地へ・・・『RPアクアメルゲ』を墓地へ。いいカードを引いたわ。『超次元リバイヴホール』発動よ!」
超次元リバイヴホール
儀式魔法
① エクストラデッキより『超次元儀式(サイキック)モンスター』召喚のために必要。発動時墓地のモンスター1体を手札に戻す。
② エクストラデッキから闇属性レベル7以下、もしくはレベルの合計が5以下になるようにサイキックモンスターを特殊召喚する。
「その効果で墓地の『RPアクアメルゲ』を手札に戻す。そしてエクストラデッキから闇のレベル7のサイキックモンスター『勝利のガイアールカイザー』を特殊召喚!」
勝利のガイアールカイザー
レベル7/火・闇・風属性/ドラゴン族/超次元儀式モンスター
ATK2500/DEF2500
効果
① スピードアタッカー
② このモンスターを特殊召喚したターンこのモンスターの攻撃力は5000になる。ただしこのターン、『勝利のガイアールカイザー』が相手に与えるダメージは0となる。
③ このモンスターは攻撃時守備表示になる。
『雪乃選手!怒涛の連打で一気にモンスターを2体並べた!しかし!シンジ選手のシナトには届いていないぞ!』
「ガイアールカイザーの効果よ、このターンこの子の攻撃力は5000、けどダメージは与えられないの」
『ななななんと雪乃選手!攻撃力3300のシナトをあっさりと突破してしまった!!』
「まぁ、どうせ手札にオネストか何か持っているでしょうけど・・だからもうひと押ししましょうか。場に闇属性もしくは火属性ドラゴン族がいることでこの魔法が使えるわ『煉獄と魔弾の印』!」
煉獄と魔弾の印
通常魔法
① 自分フィールドに闇属性または火属性ドラゴン族がいる場合に発動できる。墓地の闇属性もしくは火属性のレベル7以下のモンスターを特殊召喚する。
「来なさい『邪眼皇アレクサンドル三世』さてと、後は運試しでもしてみましょうか『転生プログラム』発動。スペルビーを破壊してモンスターが捲れるまで山札を表向きにするわよ」
『出たァ!雪乃選手の十八番!!転生プログラム!今回は一体どんなモンスターが登場するのだろうか!!?』
「一枚目『超次元ミカドホール』二枚目『ボーンおどりチャージャー』三枚目『デットリーラブ』四枚目・・・あら、今日はついているみたいね、四枚目はモンスターよ、それもさっきあなたが言っていた私が不抜けている理由のあの人から私への素敵なプレゼント。うふふ、公式戦で使うのを楽しみにしていたの」
「っこの瞬間アクションカード『攻撃禁止』を発動!このターン相手モンスターは攻撃できない!」
『シンジ選手アクションカードをゲット!!しかも相当強力なアクションカードだァ!!』
「あら残念、まぁいいわ、さぁおいでなさい私の新たなエース!ロマノフの意志を継ぐ邪眼の皇!『邪眼教皇ロマノフ二世』!初陣よ!!」
邪眼教皇ロマノフ二世
レベル7/闇属性/ドラゴン族・戦士族・ナイト/ATK2700/DEF2500
効果
① このモンスターの召喚・特殊召喚時、山札の上から五枚を墓地に送る。その中から魔法カードを一枚選びコストを支払わずに発動しても良い。
「効果発揮!山札の上から五枚を墓地へ!『神滅翔天ポッポ・ジュヴィラ』『超神龍バタル・ネプタラス』『龍素知新』『暗黒王デスフェニックス』『エマージェンシータイフーン』あらあら、この勝負もらったわ。『龍素知新』発動よ。その効果で元々墓地にあった龍素知新を発動するわ。さらにその効果で墓地にある『超次元リバイヴホール』発動よ」
龍素知新
通常魔法
① 自分フィールドにドラゴン族がいる場合に発動できる。墓地の魔法カード一枚をコストを支払わずに発動できる。発動した魔法カードは山札の一番下に送られる。
「リバイヴの効果で『デスフェニックス』を回収、そして現れなさい!悪魔の雷獣!『ヴォルグ・サンダー』!」
ヴォルグ・サンダー
レベル7/闇属性/悪魔族/超次元儀式モンスター
ATK2500/DEF2100
効果
① このモンスターの特殊召喚成功時、プレイヤーを一人選ぶ、選ばれたプレイヤーは自分の山札からモンスターが2体出るまでカードを墓地に送る。
② このモンスターは攻撃時守備表示になる。
「ヴォルグ・サンダーの効果よ。坊やの山札からモンスターが2体出るまでカードを墓地に送りなさい」
「ふっ何を狙ってきたかと思えばデッキ破壊か、わかったよ」
『雪乃選手デッキ破壊を開始!!しかし!墓地に遅れたのはわずか二枚!!思惑が外れたか!?』
「『龍素知新』で発動したカードは山札の一番下へ送られるわ。思惑が外れた?いいえ別に何枚落ちようが関係ないわ。だって・・・もうあなた負けてるんだもの」
「・・・・なに?」
「『邪眼皇アレクサンドル三世』の効果発揮よ。自分以外に種族『ナイト』を持つモンスターがいるときに、手札・墓地から魔法カードを唱えた時、同じ魔法カードをデッキから発動するの」
「なっ!?」
『なっ!?』
―――なっ!?
『ななななななななななななななななななんとぉぉぉぉおおおおお!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?常識破りのデッキから魔法カードですとぉおおおお?!?!?!?!??!?!?!?!?!?!?』
「うふふ・・その表情素敵よ。行くわよ?アレクサンドル効果でデッキから『リバイブホール』発動!ロマノフ一世を手札に加えて再び来なさい!『ヴォルグ・サンダー』!また選ぶのはあなたよ。坊や」
『再びシンジ選手の山札が減った!!しかし!これで既に雪乃選手の場は埋まってしまたぞ!?』
「『超次元リバイヴホール』墓地へ!そしてアレク効果発揮!『龍素知新』!墓地の『龍素知新』を発動!その効果で墓地の『デットリーラブ』発動!自分のモンスター1体を破壊!その後あなたのモンスターを1体破壊する。次元の中に帰りなさい『ヴォルグ・サンダー』そしてさようなら『天界王シナト』」
「くっ!ならもう一度アクションカード『ミラーバリア』!僕のモンスターは効果では破壊されない!」
「そうね。でも気づくわよね?これで私の場がひとつ空いたわ」
「っ!?」
「『デットリーラブ』はデッキへ戻る。そして再びアレクサンドル三世の効果発揮よ。先にわかりやすく教えてあげる。アレクサンドルの効果は”墓地で発動した魔法カードと同じ魔法をデッキから発動する”勿論アレクサンドルは”デッキから”発動するから再び発動することはないの。けどデッキから発動した『龍素知新』の効果で”墓地で発動した『龍素知新』”はアレクサンドルの効果の対象なの。わかる?つまり無限ループのスタートよ」
「そん・・・・な・・・・・」
「敗因は・・・そうね、運がなかった。ただそれだけよ」
「デッキから『デットリーラブ』を再び発動、二体目の『ヴォルグ・サンダー』を破壊して今度こそ『天界王シナト』を破壊、さらにアレク効果発揮デッキから『龍素知新』発動、墓地の『龍素知新』発動で『超次元リバイヴホール』発動、墓地のモンスターを回収して三度『ヴォルグ・サンダー』、効果は坊やに」
シンジ 山札0
「山札0ね。これでターンエンド、さぁ坊や、あなたのターンよ」
「っ・・・くっそおおおおおおおおおお!!!!!!!」
『決まったァ!!!チャレンジャーを寄せ付けず圧倒的な技量の差を見せつけた雪乃選手が相手のライフに触れることなく勝利!!デュエルモンスターズ界に革命をもたらすかのような驚愕のデュエルでした!!!』
――――ウォオオオオオ!!!!!
『解説のスズハ選手、感想などをお願いします』
『正直驚きすぎて言葉が出ないわ。雪乃さんのループだけれどやろうと思えばなんでも出来てしまう。それこそ対策されてしまうと彼女は動くにくくなるでしょうけどひとつ詰めるだけじゃダメね。全てを止めないと難しいでしょうね。いつか戦う日を楽しみにしているわ』
『スズハ選手ありがとうございます!!勝者の雪乃選手へのインタビューへと参りましょう!!』
「あらあら、インタビューといっても私は有言実行しただけよ。特にないのだけれど?」
『あうぅ・・・ならば少しだけプライベートなインタビューよろしいですかな?』
「ちょっとだけよ?」
『ではでは・・デュエルの前に考え事と言っていましたが一体何を考えてたのですか?』
「ちょっと惚気に聞こえるかもしれないけれど今日の試合をあの人が見に来ているのよ」
『なんとぉ!?』
――――ガヤガヤ
――――もしかしてあの男か?噂の
――――違いない!見ろよあの雪乃様の笑顔!間違いねぇよ!
――――あぁ・・・それほどまでに素敵なお方なのでしょうか・・・一度お話をしてみたいですわ
――――でも黒い噂も多くないか?
――――あなた馬鹿なの?女が輝くのに必要なのはねぇ・・・・
なんかすごくガヤガヤし始めた。バレる前に帰ろうかな。とか思ってると雪乃と視線があった。小さく手を振りながら微笑むその姿に一瞬見とれてしまった。
あ、もしかして今ので場所われたか?
とか思ったが結構周りに人がいたのでそうでもなかったようだ。
「せーんせ?どうだった?私のデュエル」
「まさか後攻LO決めるとは思わなかったよ」
「私も正直こんなに綺麗に決まると思わなかったのよ。まだデッキも調整中だったから事故を起こすと思っていたのだけれど驚くくらい綺麗な回り方だったの、回していて私も自分が怖かったわ。見る?私の大切な・・・モ・・ノ?」
「なんかエロいからやめろ」