DMPの遊戯王アークファイブ生活   作:月光皇帝

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連投連投


第45話 パラディンズ始動

 

 

 

 

「目的はハッキリし、我々の名も決まった。ならば行動を起こそう」

 

落ち着き、ようやくパラディンズとかいう名前にも抵抗がなくなった。もう聞いても恥ずかしくない。望佳には悔しいけど感謝だ。

 

「とは言ってもどうするつもり?私を含めて四人は動きづらいし、いきなり塔に向かうって言ってもその前にあの集団をどうにかしないと塔には入れないわよ?」

 

街中に溢れる白服の信者の群れ。そして塔を守るように配置されている連中も少なくない。

これをどうにかして突破しなければ塔にすらたどり着けない。

 

「ほかに同じ志を持つ人を探す?」

「それが出来るなら最善だろうが無理だろう。だが無理だ。その意思を持っていても彼らを戦えるまでにする前に街が奴らに飲み込まれるだろう」

「確かにな。行動を起こしてないってことは実力がないってことだ。戦力として迎え入れるために支払うメリットがない」

 

その通りだ。仲間にしても戦力として使えない実力なら申し訳ないがそのまま隠れていたほうが身の為だ。となると他の行動を起こす必要がある。

 

『智樹よ。今こそ俺たちの出番じゃないか?』

『貴様が本気ならば我は貴様の槍となろう。どうする?』

 

ボルシャックとベートーヴェンの言葉に頷く。それが一番だろう。敵の視線も惹きつけられるし、こいつらと一緒なら最悪逃げ切れる・・・それにどっちにしてもこの役に適任なのは俺なわけだし。

 

「俺が出よう」

「ちょっ!?兄ちゃん!?」

「お前・・・自分の立場をわかってるかっ!?街中がお前を探してるんだぞ!?」

「出ていけばあの集団に囲まれて一瞬で終わるわ。それこそ無駄な犠牲よ」

 

皆が声を上げる。だが零児は・・・

 

「それが最善の方法なのは間違いないでしょう。浅原さん。頼めますか」

「赤羽零児お主!!智樹殿を犠牲にするというのか!?」

 

言いにくそうな顔をしながらもそれを否定しないでくれた。権ちゃんはそれに反論するがそれを止める。

 

「やめろ権ちゃん」

「ご・・・権ちゃん!?いやそんなことはどうでも良い!智樹殿!バカなことをいうのではない!!」

「そうだよ先生!!みんなで考えればきっといい方法が見つかるよ!!」

「・・・・自己犠牲良くない・・!!」

「自己犠牲・・・ね。じゃぁ聞くがそれ以外に今一番全員揃って塔に侵入できる方法あるか?」

 

 

 

 

 

「・・・ないでしょうね。向こうも先生を最優先で探してる。先生が出れば間違いなく敵の視線を反らせるわ(それに・・・先生には彼らが付いてる・・・万が一先生一人なら彼らと一緒に逃げ切れる)」

 

 

 

 

 

「ユキノン・・・・」

「私は賛成するわ。悔しいけどね・・・・」

「ありがとよ雪乃」

「・・・・ハァ・・・私もそれでいいわ」

「鏡原」

「スズハでいいわ智樹くん。自分から言い出したってことは何か策でもあるんでしょう?」

「勿論。犠牲になるつもりはない。お前らが無事に侵入できたら適当に逃げて身を隠してるさ」

「逃げるのは俺の商に合わないが・・・浅原智樹、負けるなよ」

 

 

スズハ、石島が零児、雪乃に続いて賛成してくれた。ありがとう。助かるよ。

 

「・・・・姉貴の師だ。負けるはずがない。負けたら許さんぞ」

「くっ・・・・漢の強い意志・・・否定できん・・・!!」

「・・・・うううう・・・嫌だけど・・・我慢する!!先生負けないで!!」

「・・・・馬鹿」

 

 

他のみんなも渋々賛成してくれた。すまんな。そして残りは・・・望佳だった。

 

「望佳」

「ヤダ!!絶対にやだ!!兄ちゃん一人なんて絶対にやだ!!」

「わがまま言うな。お前もわかるだろ?」

「ヤダヤダヤダ!!!それに追われてるの兄ちゃんだけじゃないじゃん!!」

「けど向こうの最優先対象は俺だってわかるだろ?頼むから我が儘言わないでくれ」

「ヤダ!!また兄ちゃんがどっかに行っちゃうのはもうやだよぉ・・・・!!!」

「いや、どっか行くって言ったって独立するから家でただけじゃん・・・」

「それがウチにとっては不安だったの!!」

 

 

そう言えば家出るときに最後まで話してくれなかったのは望佳だったっけか。足に引っ付いてなかなか離してくれなかった。結局両親にひん剥かれて渋々、すごく嫌々離れてくれた。

まぁその数日後に両親説得して成績トップの条件受けて見事クリア、学校まで距離のある俺のアパートに転がり込んできた。正直ブラコンすぎてヤバイ。

 

 

「・・・・浅原さん。望佳さんも連れて行くことは可能ですか?」

「おいおい!?」

「・・・・・無理ではないな」

 

 

それにこいつなら隙を突いてこっちに来そうだし。だったら最初から俺の方で見てたほうがまだマシか。不本意だけど。

 

 

「望佳。わかってると思うけど「巫山戯ない。”私”も本気で行く」」

 

「「「「「「「「「っ!?!?」」」」」」」」」

 

 

 

 

一瞬、俺を除く皆が望佳の雰囲気に飲み込まれた。全く違うオーラを纏い、別人になったかの様な顔つき。

そう言えば最近無かったから俺も忘れていた。こいつの本気を。

 

「兄ちゃんに迷惑はかけないし”私”が兄ちゃんを負けさせもしない。ついて行けるなら出来る範囲でなんでもする」

 

 

いつも巫山戯てるけど、たまに出てくるこいつの本気、家族でも驚く程風変わりするこの状態の望佳の意志は何が何でも曲がらない。

ウチに転がり込んできた時も両親からの電話で『”本気”だった。』とわざわざ強調していたほどだ。そしてこの時の望佳の頭の回転、そして運気に至るすべてが格段に跳ね上がる。

気がする。とにかく本気になったなら一緒に連れてきても安心だろう。

 

 

「では頼みます。浅原兄妹には敵の目を引きつけてもらいその間に我々は敵本拠地に突入する。お二人は状況を見て撤退して構いません。我がLDSの隠れ家や施設は自由に使って構いません。投げやりにしてしまうのが申し訳ありませんが」

「構わないよ。敵の目を全てこっちに向けてあげるよ」

 

 

そういう望佳には既に策があるようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この娘・・・・ほう?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて兄ちゃん。覚悟できた?一瞬で囲まれるよ」

「大丈夫だ。それにしても作戦が大胆不敵だな」

 

作戦としてはシンプルだった。リアルファイトで信者を伸して縛る。来ていた白服を奪い取り、近くの塔近くの巨大ショッピングモールの放送室へ侵入。犯行声明よろしく声を上げて敵をすべてこちらに呼び込む。

大胆不敵の作戦だった。ここまでの経路などはLDSの情報網を使い人の動きを逆算、最も人通りの少ない瞬間を狙い最小限の接触だけでここまできた。

 

簡単に言うがこれを実際にやるとすれば俺では無理だ。望佳の驚異的な頭脳がこれらを全て成し遂げたのだ。それだけじゃない。突入部隊への支援や最短経路などもたたき出している。本気になったコイツは本当に天才の領域を凌ぐ頭脳を見せつける。

 

普段がアレな分こういう時のこいつを見ると皆呆気に取られてしまう。あの零児の口が開いていたのだ。間違いない。

 

 

「一番効率が良くて一番危険が少ないし。それよりデッキは大丈夫?多分先行1ターンキルか完全ロックしないと危険だから。ロックは私が担当するからキルは任せるよ」

「あいよ」

「じゃぁ・・・始めるよ」

 

 

持っていたスイッチを入れ、大きく息を吸う望佳。前もって渡されていた耳栓をしておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モブキャラどころか名前すら与えられなかった哀れな哀れな愚民で名無しの皆さん!!!!!!!元気にただ歩いてますかああああ?!!?!?歩いてすらいない皆さんはどうして存在しているんですかぁあああああ!?!?!??!?!!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ボキィイイイイイイ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――サラァアアアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものすごい音量で、街中に届いたであろう放送の直後、とても大切なものが根元からどころか全てへし折れて灰になったかのような音が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――キャァアアアアア!!!

 

――――きゅ・・・・救急車ァアアア・・・・・・・ガクっ

 

ウ・・ウワァアアアア!?!?!??!?!?!?!?!

 

 

 

 

そこら中から悲鳴がすごく聞こえてきた。無関係の人は・・・・いないだろうけど対象者じゃない人たちも致死量のダメージを受けたのはわかる。

 

「・・・・エッグ」

「ふぅ、それじゃぁ行くよ兄ちゃん。まだ息のある連中を始末して私たちはまた別のことしないといけないから」

「お・・おう」

「安心してよ。死亡フラグだけど兄ちゃんは負けさせない。私と兄ちゃんのコンビは最強で最凶なんだから」

 

 

 

うちの妹がこんなに頼りがいがあるわけがない・・・・訳が無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃。突入部隊はというと・・・・

「・・・・・こんなにも簡単に入れるとは・・・・・」

「・・・・うん。護衛?そんな感じの人が灰になったみたいに真っ白だよ」

「・わ・・・私あの子から先生のこと貰えるのかしら・・・・」

「・・・・応援はする。骨もひろう」

 

 

塔の門番どころかその辺にいた信者全員が真っ白に燃え尽きていたため簡単に突入できたという。

 

 

 

 

 

後の記録にはこう書かれていた。

『真正面から歩いていけそうだった』

 

 

 

 

 

そして教訓が生まれた

『浅原望佳を本気にさせ、怒りに触れたものは文字通り灰人になる』

 

 

 

 

 

 

 





妹リアル無双

+と-が混沌になって最凶になる。
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