番外編 もしもシリーズ
叢雲メイ(成長後)VSズァーク(遊矢)
もしもの話。原作ズァーク(遊矢)が不思議な現象により零羅が駆けつける前にDMP次元よりきたメイ(成長後)とデュエルすることになったらどうなるか、そんなもしもの話
圧倒的なズァークの力を前に歴戦のデュエリスト達は手も足も出ずに崩れ去った。もはや誰ひとりとしてズァークを倒すことはできないのか?
その戦いを見ていた全ての人が、倒れたデュエリスト達が暗い海の底へ落ちていく感覚に飲まれていく。もしこれが原作通りなら圧倒的力を持つ覇王龍の前に立ちふさがるのは消えたはずに少女の意志を継いだ幼い少年、零羅。そして自らの意識を取り戻した遊矢の手により、世界を破壊する力を持つ龍、彼ズァークは討伐される。
しかし、その時不思議なことが起こった。
「あれ?なにここ?え?本当なに?」
とある次元、この次元の赤羽零児すら観測できなかった次元から彼女はやってきた。
腰辺りまで伸びており、首元でひとつに纏めている長い髪。街を歩けば十人中十人が振り向きそうな美しく整った美貌とそれに見合ったモデルのようにスラッと伸びる身長。
「あっれー?おかしいなぁ?先生と一勝負してたはずなのになぁ?」
彼女の名は・・・・叢雲メイ。この次元で存在しないここでいう第5、第6の召喚法を操る17歳の少女だ。
『何者だ?いいや誰でもいい!!デュエリストであるなら誰だってデュエルする!!』
「おわぁ!?何これデカ!えっ?何あなた遊矢・・・・じゃないか私にそんな口の利き方出来るわけないし(・・・・・・・・・・・・・・・・・)」
直後、ズァークは得体の知れない何かに心臓を握りつぶされる感覚に犯された。だが何故かそれを彼は知っている気がした。記憶や記録ではない。その本能がアラームを鳴らしている。
ヤメロォ!!!
ニゲルンダッ!!!
それは屈辱以外のなにものでもなかった。強い己から最も遠ざかる魂の警告。悲鳴にも似ているそれは彼にとって許せなかった。
もしもその悲鳴を素直に聞き、この場から逃げていたら・・・・そう考えることすら彼にはもうできないとも知らずに、彼はそのプライドのままに高らかに宣言してしまった。
『例え誰であろうとこの俺には勝てない!!さぁデュエルだ!!そこの女!!』
「女って・・・・何かよくわかんないけどま、いっか。丁度デッキの調整してたところだったし、いいよやろうか?」
――――デュエル!!
〈乱入ペナルティ2000ポイント〉
「は?え?何これぇ!?!?!?」
メイ 4000-2000
「嘘ナニコレふざけんな!!何が〈乱入ペナルティ2000ポイント〉よ!!あぁーもう!!最悪!!しかもなんなのよあんたの場!!最初からもりもりじゃない!!こんなの反則じゃない!!」
最もな意見である。なぜ彼女の前に参戦したデュエリストは最初から仕切り直さなかったのだろうか?
『どうした?先程までの威勢はその程度か?』
彼女の慌てっぷりに少し余裕を取り戻したズァーク。もしこの発言が無ければもう少し優しくしてもらえただろうに。彼は己の発する警告を単なる誤差、もしくは何かの勘違いと処理してしまった。もう後には戻れない。
ズァーク 8000
場 覇王龍ズァーク・覇王眷龍クリアウィング
手札 0
P 覇王門零 覇王門無限
伏せ 一枚 覇王乱舞(永続)
「ぷっちーん!いいよやってやろうじゃん!!その態度も発言も全部後悔させてやんよ!!ドロー!!」
メイ 2000
手札6枚
「っとその前に効果の確認っと・・・・おいこら!!効果くらい公開しなさいよ!!隠すんじゃないわよ!!」
『ち・・うるさい女だ。まぁいい。好きに確認すればいい』
「こいつ絶対泣かす・・・泣いても泣かす!!!!」
公開されたズァークの各カード効果はその場にいたデュエリストだけでなく何かしらの端末を持つ者たちすべてが確認できた。
なんて効果だ・・・
勝てない・・・・
こんな効果がまだ・・・・
思うことは多くあるがその強大な力はこの次元の赤馬零児ですら心を抉られかねないものだった。誰もがその力に驚き恐れる・・・・が、そんなこととは知らず彼女(メイ)は
「あ、なんだこんなもんか、余裕じゃん」
『な・・・・』
「うるさいから驚かないでいいよ。それじゃメイン入るから。伏せカードと横のカード消し飛ばそうか。手札から『アクア忍者 ライア』召喚。効果で自分フィールドのモンスター1体を手札に戻す。対象はライアね。先に言っとくとライアは召喚権を使わずに召喚できるの。それじゃ魔法『シャドーウェーブサイクロン』発動。『覇王門無限』を手札に戻すよ。更にこのカード発動前にモンスターを召喚してたから『シャドーウェーブサイクロン』は手札に戻す」
『なにっ!?』
「もう一度『アクア忍者ライア』召喚、効果で戻して『シャドーウェーブサイクロン』発動。今度は『覇王門零』を手札に戻す。ループに入るからこれで魔法・罠全部手札に戻すよ。破壊じゃないから各カードが持ってるカード効果は発動しないよ」
ズァーク 8000
場 ズァーク・クリアウィング
魔法・罠 無し
手札 4枚
「更にそこの邪魔なクリアウィングも同様のループで消すよ」
『覇王眷龍クリアウィングの効果発動!自身をEXデッキに戻し!『覇王眷龍ダークヴルム』二体を特殊召喚する!!』
「あっそ、ならそのダークヴルム1体を手札に戻すよ」
『なに!?なぜだ!?お前が選んだのはクリアウィングだったはずだ!』
「効果の確認しっかりしなよ。『シャドーウェーブサイクロン』は対象を取らずに発動する魔法だよ。発動した時点で何かしらのカードは手札に戻すの。それじゃぁまたライアからシャドーウェーブサイクロンでもう一体のダークヴルムも手札に戻すから」
シャドーウェーブサイクロン
通常魔法
① 相手フィールドのカードを一枚選び手札に戻す
② このカードを発動する前にモンスターを召喚していた場合、このカード発動後、墓地に送らず手札に戻す。
ズァーク 8000
場 ズァーク
魔法・罠 無し
手札 6枚
見ている人々は呆気に取られていた。たった二枚の手札であの強大な力を削ぎ落としてしまったのだ。それすら出来ずに倒れていったデュエリスト達からすれば一体何が起きているか理解するまでに思考が停止してしまうほど、衝撃的な光景だった。
「うーんそのフィールドに残る効果めんどくさいなぁ・・・そうなると悠長にやってると変なカード引かれて返される可能性あるし、仕方ない」
ワンキルするか
呼吸するように吐かれたその言葉が、先程までの彼女の戯言だと思っていたその言葉が、今では嘘ではないのではないかと思うほどには強大な言葉であった。
この瞬間。強者は目の前の絶対的な強者の前に弱者へと変わった。
『馬鹿な事を言うな!我が分身覇王龍ズァークは無敵!あらゆる効果で場を離れない!』
その通りだ。ズァークが持つ効果はそれだけの力を持っている。ライフの差だって圧倒的だ。そんなこと出来るはずがないと、彼は思っていた。いいや、思いたかった。だって、さっき押し込めたと思っていた警告が先程よりも大きく彼の心臓に響いていたから。
「手札は増やせないから面倒だけどいけるっしょ。まず超次元儀式魔法『超次元シャイニーホール』発動」
『なんだそのカードは!?超次元儀式魔法だと!?』
「あ、知らない?まぁ見ててよ。まずは相手モンスター1体を主部表示にするんだけどこっちは不発ね。けど本命はこっち、私はEXデッキから光属性レベル7以下の超次元儀式モンスターを場に出す効果を使うよ」
『な・・なにぃ!?手札一枚でEXデッキからモンスターを特殊召喚する魔法だとっ!?』
「来なさい『時空の龍圧ドラヴィタ』!」
時空の龍圧ドラヴィタ
レベル7/光属性/天使族/ATK2500/DEF2500/超次元儀式モンスター
効果
① 相手モンスターがフィールドに召喚・特殊召喚した場合発動する。その相手モンスター1体を守備表示に変更する。
② このモンスターが相手モンスターと戦闘を行った場合発動する。このモンスターを守備表示にする。この効果は相手ターンでも発動する。
③ このモンスターが相手モンスターと戦闘を行い②の効果で守備表示に変更した場合発動する。このモンスターを攻撃表示に変更する。その後このモンスターは再び攻撃することができる。この効果は相手ターンでも発動する。
④ ドローフェイズに発動する。自分フィールドに火属性の種族『コマンド』をもつモンスターが3体以上もしくは名前に『NEX』をもつモンスターが居る場合発動する。このモンスターをEXデッキに戻しEXデッキから『龍圧の覚醒者ヴァーミリオンドラヴィタ』を特殊召喚する。この効果は無効化されない。
『何だそのモンスターは!?融合でもシンクロでもエクシーズでもないだとっ!?』
「久々にいうセリフかな?これこそ第4の召喚法!儀式を超えたその先!次元を超えた更にその先にある超次元の力をその身体に宿し『覚醒』の力を手に入れた超次元儀式モンスター!!その名も超次元モンスター!そしてそれを操る召喚法!超次元儀式!!」
突如として空に空いた巨大なワームホール。そからか現れた龍のような、天使のようなモンスターは彼女の横に舞い降りる。その姿をあるものは天使だと口ずさみ、ある人は神様のようだといった。
『馬鹿な!そんな召喚ほうがあっただと!?』
「常識は常に進化する!!!!これ常識!!もう一枚!『超次元シャイニーホール』発動!今度はあなたよ!!『時空の不滅ギャラクシー』!!
時空の不滅ギャラクシー
レベル7/光属性/天使族/ATK2000/DEF2000/超次元儀式
効果
① 覚醒-このモンスターがフィールドを離れる場合、このモンスターをEXデッキに戻しEXデッキから『撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー』を特殊召喚する。
二体目の天使がその横へ降り立った。その姿は鎧をまとった不滅の天使。先ほどの天使の隣へ降り立ち肩を並べる。二体の並ぶ光景は崩壊寸前の世界に降り立った救世主のようだった。
「さぁ準備は整った!!見せてあげるよ遊矢もどき!!これぞ超次元儀式モンスターの真の姿!!私は『時空の不滅ギャラクシー』をリリース!!来なさい!!力の象徴!何時が崇拝する種族に更なる力をさずけよ!!『光器ペトローバ』!!そして『時空の不滅ギャラクシー』の効果!!見なさいこれが力を解き放つ超次元儀式モンスターの真の姿!!不滅の精霊よ!!今こそ覚醒の時!!私の敵を撃滅せよ!!『不滅の精霊ギャラクシー』覚醒!!」
『か・・・覚醒だと!?』
「『不滅の精霊ギャラクシー』をEXデッキに戻し!『撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー』をバトルゾーンへ!!」
撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー
レベル9/光属性/天使族/ATK4400/DEF4400/超次元儀式
効果
① 自分フィールドのモンスターは全てブロッカー(相手の攻撃宣言時、このモンスターを守備表示に変更しても良い。その場合相手の攻撃先をこのモンスターに変更する)を得る。
② このモンスターが相手に与えるダメージは2000になる。
『な・・・覇王龍ズァークの攻撃力を上回っただとっ!?』
「まだまだぁ!!!『光器ペトローバ』の効果発揮!!パワーエヴォリューション!!私は天使族を指定!『光器ペトローバ』が私のフィールドに存在する限り私の天使族モンスターは全て攻撃力を2500ポイントアップ!!」
『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?!?!?!?』
光器ペトローバ
レベル5/光属性/機械族/ATK2000/DEF0/効果
効果
① このモンスターの召喚・特殊召喚時に種族をひとつ宣言して発動する。このモンスターが自分フィールドに存在する限り、宣言した種族のモンスターの攻撃力は2500アップする。
② このモンスターは効果の対象にならず。効果では選べない。
ドラヴィタ 2500→5000
ギャラクシー 4400→6900
「これで終わりだぁ!!魔法『ファイナルストップ』発動!!アンタはこのターン魔法カードを発動できない!!これでアクションカードも一切合切使えない!!」
ファイナルストップ
通常魔法
① 次の自分のターン開始時まで相手は魔法カードを発動できない。
② デッキからカードを一枚引く
「ま、一応ドローするけど、その『覇王龍ズァーク(サンドバック)』の効果で墓地に送るね。ありゃ?残念『超次元ガードホール』が墓地にいくよ。まぁ・・これでワンキル達成!!手札誘発カードは戻したカードには無かったから問題なし!!さぁ!!さぁさぁさぁ!!!!遊矢もどき!!」
――――ひ・・・ひぃ!?
ズァークが悲鳴を上げた。いいや違う。ズァークの表情は一切変わっていない。ならば今の悲鳴は誰のか?答えをくれたのはズァークだった。
『な・・・なぜだ!?なぜ俺の中の人格が浮かび上がる!?それにこの状況であろうとこのターンで勝てるわけが!?』
それは意識を深層に押し込められたはずの遊矢の悲鳴だった。何故かしているその恐怖が彼をズァークの中から引きずり出されたのだ。魂レベルに刻み込まれたその恐怖。次元が違う程度で克服できるような生半可なものではなかったのだ。
―――― 一体どんなトラウマを植えつけられたのだ向こう次元の榊遊矢・・・・・
「レディースエンジェントルメーン!!!!これよりサンドバック(ズァーク)タコ殴り大会の開始だよ!!まず一発!!バトル!!『ドラヴィタ』でサンドバック『ズァーク』に攻撃だオラァ!!」
『だがズァークは除外されている四天の龍がいる限り破壊されない!!お前がどうしようとこのターンで俺のライフが削り聞けるわけがない!!』
ズァーク8000-(5000-4000)=7000
「だからサンドバックって言ったんでしょうが!!大人しく逝けぇえ!!!」
――――ひぃいいいいいごめんなさい!!!!!
『なんだこの感情!?心臓が爆発しそうなこの感情は!?』
「『時空の龍圧ドラヴィタ』の効果!攻撃終了後に守備表示に変更!更に効果!!攻撃表示に変更!!再び攻撃可能!!」
―――――ごめんなさぁああああい!!!!!!!!!
『なんだとぉおおお?!?!?!』
「『だがズァークは除外されている四天の龍がいる限り破壊されない!!お前がどうしようとこのターンで俺のライフが削り聞けるわけがない!!』だっけ?もう一回言ってみなよ!!さぁさぁさぁ!!!逝けよ二発目!!!」
『や・・・・やめろくるなぁ!!!!!』
ズァーク 7000-1000=6000
「3発目!!狙いは何故かドッキングしてる遊矢もどき本体!!」
――――鬼かっ!?
聞いていた全ての人の心が一つになていた。
『ぐわぁああああ!?!?!?!』
ズァーク 6000-1000=5000
「4発目!!龍の顔面にアッパーカットからにかかと落としだよ!!逝けやコラァ遊矢もどき(サンドバック)!」
『ぐはぁっ!?』
ズァーク 5000-1000=4000
「5発目!目潰し!!」
『ギャラァアアア!!!!』
ズァーク 4000-1000=3000
「忘れちゃいけない『撃滅の覚醒者キングオブギャラクシー』の攻撃!!撃滅閃光!!」
『ぐわぁぁぁ!!』
ズァーク 3000-(6900-4000)=100
「鉄壁入りました!!けど逝け!!そら逝け!!今すぐ逝けぇ!!!ドラヴィタ6発目!!」
『ばかなぁあああああああああ!!!!!!!』
ズァーク 0
「何かってにやられてんの!!私の怒りはまだまだ収まちゃいないよ!!7発目!!」
『いやちょまブラァァァァァ!?!?!?!?』
「オラオラオラオラ!!!土下座で謝るまでやめないよっ!!辞めてあげないよっ!!」
『アババババババババババババっ!?!?!??!!?』
「ほらほら!!『メイ様ごめんなさい』は!?」
『お・・・俺がその』
「ドラヴィタ!!やっちゃえ!!」
『ガヴァァァァァ!?!?!?!?!』
「あ、遊矢がサンドバックのお腹の中から出てきた。だからどうした!!」
『うわぁあああああ!!!!!』
「お?今度はユーリだ。もしかしてユウゴにユウトも出てくる?まぁとにかく謝れよコラァ!!!」
『ギャァアアアアアアア』
「二人まとめて出てきたね、もっと出してみろやぁ!!!」
『タスケテェェエエエエエ!!!!!!』
「何故かチーム柚子こが四人出てきた・・・・・気にせず逝けよ!」
『ダズゲデェェェェ!!!!!!』
「声出して謝れやこらぁ!!!!!」
『ゴベェエエエエエエエ!?!?!?!?!』
「「「「・・・・・・・・(ガクガクブルブル)」」」」(目が覚めた遊矢シリーズ)
「「「「・・・・・・・・(プルプル)」」」」(目が覚めた柚子シリーズ)
「「「「 」」」」(その他デュエルを見ていた皆さん)
――――――しばらくお待ちください――
時間にして一時間程度。そこにはボロボロにされ続けた覇王龍ズァークとひたすら殴り続けたドラヴィタ、ようやくすっきりしたように笑顔の叢雲メイがいた。
「うん。とりあえずこの場では程度で許してあげるよ。ドラヴィタさん。次元破って元の場所に戻れる?」
『可能だ』
「よし戻ろう。ついでこのサンドバック持っていこう。んでもってまだボコろう」
『――――(声にならない悲鳴)』
悲劇(ズァーク)は終わることがないようだ。
反省も後悔もしていない。
本文でメイちゃん使い忘れてたなんて絶対にない。
ないったらない!