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初めまして、鉄パイプと申します。
超遅筆で更新は月一回あるかないか位ですが頑張るのでよろしくお願いします!
ウルキオラさん、産まれる
超遅筆で更新は月一回あるかないか位ですが頑張るのでよろしくお願いします!
『願わくばもう少し心を知りたかった』
意識体のみとなった自身に四肢の感覚など存在していない。
霊力も微々たる量、もしくはほぼ感じられていなかった。
後は消えるのみだと悟りきった『意識』は暗闇の中でただそっとその時を待ち続けていた。
待つ。
待つ。
だが自身が消え去る瞬間など一向に訪れない。
それどころか自身を引き戻そうとしている何かすら現れた。
『意識』は本能的にその何かを五感――聴覚で捉えた。
鼓動だった。
一定の早いリズムを刻むソレに『意識』はまず疑問を感じた。
既に身体は消え去ったはずなのに何故そのようなモノが聞こえるのか。
そのような事を考えている内にも聴覚の捉える鼓動はますます大きくなる。
それにつれ身体の感じる感覚がまた増えた。
触覚が心地の良い温かさを捉える。
『意識』はここでまた疑問を持った。
何故このような温かさを心地良いと感じたのか。
触覚を感じ、疑問を持ち始めてからしばらく経った時、急に狭苦しさを感じた。
同時に何か声が聞こえた。
唸り声、呼びかける声、何かを指示する声。
それらが混ざり合って不思議な狭苦しさを助長する。
そしてやっとその不思議な狭苦しさから解放された時、新たな五感――視覚が瞼を通して光を感じた。
人、人、人。
身体が本能的に上げる産声を聞きながら
『意識』――ウルキオラ・シファーは深い深い眠りについた。
【今回の要約】
ウルキオラさんが産まれた。