ウルキオラさんがTS転生していく話   作:鉄パイプ

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この3話は
プロト三話(文字通りプロットのため保留)

三話(執筆中にミスで消失)

三話G(三話消失のイライラをぶつけて書いたため後に破棄)

真三話(落ち着いて書いたが内容に納得できず保留)

ネオ三話(これ)

と1ヵ月の歴史を辿っています


ウルキオラさん、気付く

自分が人間に宿ってから24時間が経過した。

 

その間も絶え間なく答えの出ない様々な自問を続け、そこから生まれた更なる新たな疑問に頭を悩ませていたのだが―――

 

 

(面倒になってきたな)

 

 

この諦めという思考もしくは、思考を放棄するといった事は以前の(ホロウ)だった頃からすれば滅多に行わないものだ。

人間の意識を取り込んだ事で無自覚とはいえ自分も人間らしい行動をしてしまっているのだろうか?

 

(まあ、今は……)

 

ともかく転生という理解説明諸々その他不可能な現象について考えるのは今すぐで無くとも良いのではないか?

何らかの原因で人間に転生したはよいが人間の寿命は途轍もなく短いのだ。いちいちそのような行動に時間を取られていれば気付いた時には死ぬ間際という事も………それは流石に無いが折角のこの命、無駄にしては知りたいモノも掴めない。

 

 

それに―――

 

 

「……美咲?本当に大丈夫かい?何も隠してること無いんだね」

 

 

別の問題も発生している事だ。

 

 

 

 ###

 

 

 

始まりは今朝の事だった。

自分は昨晩一睡もせずに考え、そして迷い続けた。

だが只でさえ脆いというのに更には幼いこの身体では一睡もしない徹夜という行動は多少ならずとも無茶があったようで、感じた事の無いタイプの身体の重さにうまく歩けず一度だけ不様にも転んでしまった。

 

その時、偶然にも『中村 美咲』の父に遭遇してしまい、質問責めにされたのだ。

 

 

動きにくい、頭がうまく働かないというのも厄介な事なのだがそれよりも

 

 

「美咲?何で何も言ってくれないんだい?」

 

 

コミュニケーションの取り方が微塵もわからないのだ。

 

 

(ホロウ)だった頃の自分ならば、そして目の前の人間が今の自分と何ら関わりの無い只の人間ならば自分はいつもの人間(ゴミ)に対する接し方ができた。

だがこの人間は微妙な立場とはいえ自分を作った(?)。いや、言い方を変えてしまえば今の自分のこの身体は元々この男の一部なのだ。

 

 

ならば、藍染様と同じように接すればよいのではないか?

 

 

(……いや、それは無い)

 

 

何故か自然とそう思った。

これも人間の思考の為す事なのか、目の前の人間に対して「敬語」はありえないと勝手にこの忌々しい脳が弾きだした。

 

だが目の前の「父」のような家族がいたころの記憶、つまり(ホロウ)と化す以前の頃の記憶など砂漠全体の砂の1粒にも満たない程残っていない。

 

 

 

そう行き詰まった故の、沈黙。

 

 

昨晩の夕食でそうすればよいのではと思い、そのまま黙って話を聞き流しながら適当に頷いて飯を食べていたのだがその時点である程度は疑惑の眼差しを向けられていたようだった。

 

 

 

さて、思考に没頭していたがどうしたものか。

この人間とは生きてゆくこの先で末長く(虚と比べると言うまでもなく短いが)関わっていくのだ、うまく意思疎通をしないと―――

 

 

 

 

「美咲、もしかして昨日あんまり寝れなかったのかい?目が真っ赤っかだよ。やっぱり一人で寝るのは早かったのかな?」

 

 

突然言葉をかけられ硬直したが、言われた事が頭の中で反芻し、3秒程経ってから理解できた。

 

言葉を返す間もなく、そして今までの時間は何だったのか、安心したような笑顔をその無精ひげを生やした親父面に浮かべ、「今日はオムライスだからねー」と言いながら部屋を出て行った。

 

 

そして、数十秒後に玄関のドアの音が鳴って、『中村 美咲』の父はこの家から出掛けて行った。

 

 

 

「本当に何なんだ」

 

 

俺の小さなため息と共にその声は空しく部屋に響いた。

 

 

 

###

 

 

 

季節は秋。道端に目を向けると落ちている枯れ葉の山が冷たい風に吹かれて身をカサカサと鳴らしている。

日の暮れが少し早くなり、現5時半の時点ですでに空はほの暗い。

 

そんな街中をゆっくりと小さな歩幅で歩きながら、時折身体の霊力の少なさのせいで精度が極端に低くなった

探査回路(ペスキス)を使用して周りの霊体の反応を調べていく。

 

引っ掛かるのは健康な人間ばかりで疑惑を確信に変えつつも、まだ歩いていく。

 

 

 

 

『中村 美咲』の父が出て行って10分後、俺は昨晩ふと感じた違和感を確認するために外に出ていた。

 

実は昨晩に、現在の自分の身体で(ホロウ)の力が使うことが可能なのか試す為に順番に使っていこうとした考えた事があった。

響転(ソニード)虚弾(バラ)虚閃(セロ)と身体に染みついた動作で次々と試そうとするが今の霊力、身体能力では微塵も使える様子が無かった。霊力を増やせばその分、虚弾(バラ)虚閃(セロ)等が使え、その他にも身体強化にまわせるかもしれないが現状では到底無理な話であった。

 

そして違和感を感じた瞬間、唯一希望があった探査回路(ペスキス)を使った時だった。

 

 

前世で何千、何万と使った慣れた感覚が広がり、周りの生物や霊体の反応を薄く広く情報を取り込んでいったのだが、その効果範囲は半径20m程という屑のような結果だった。

一応使うことができると分かったがこの結果にはやはり失望、諦念を浮かべざるをえなかった。

 

 

しばらくして今の人間なのだと割り切り、何気なくもう一度探査回路(ペスキス)を使う。

 

そして気付いた。

 

 

(プラス)の反応が何もない?」

 

自分を中心とした40mの円の内に霊体が何も存在していなかった。

 

たかが40m、その時は偶然存在していなかっただけとも考えられたのだが―――

 

 

 

 

 

(ホロウ)や死神の概念が存在していない…か」

 

 

遊具が何もない枯れた芝生が敷き詰められた寂れた公園、その中の花壇の煉瓦に座りながらそう呟いた。

 

 

一周街を歩き回ったため日はとうに暮れ、近くから夕飯の何らかの匂いが混じって鼻孔をくすぐる。

 

 

俺が生まれ変わったこの世は現世、虚圏(ウェコムンド)尸魂界(ソウルソサエティ)、地獄に続く5つ目の世界と捉えてよいのかもしれない。

まだ俺に霊体が捉えられていないだけという疑念があるがひとまずそう考える。

 

周りの一般人と比べると比較的霊力を持っているため雑魚(ホロウ)に狙われてそのまま餌にされるのは御免だと考えていたが、まさか世界が違うとは。

なら俺が攻撃手段を心配する必要もなかったという事ではないか。

 

 

 

溜息をつくとそのまま吐き出された息が白くなって空気に消えていく。

 

帰るか、とゆっくり立ち上がると煉瓦に座ったせいで身体が冷えたのか少し尿意を感じた。

 

 

人間の身体というのもたいそう不便だ。

食事を摂らなければまともに生きる事が出来ない、さらに口にした食物の無駄な分を排泄しなければならない、身体を清潔にしなければ社会に溶け込めない。

他にも大量にある。

 

心を手に入れるためにはこのような面倒なことを毎日こなさなければならないのか。

 

 

 

白のジャンパーのポケットに手を突っ込んで歩きながら、もう一度溜息をついた。

 

もう帰ろう、あの人間とうまくコミュニケーションをとる方法を考えなければ―――

 

 

 

 

「美咲ちゃーん!!」

 

 

 

公園を出た所で、そんな声が聞こえた。

 

振り向くと栗毛色の髪をした少女がその母らしき人物と手を繋ぎながらこちらに手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

……誰だ。

 

 

 

 




TSモノって女の身体に戸惑う主人公をニヤニヤしながら見るものだと思うんだ。
何が言いたいかというと

BLEACHキャラに会わないとそれまでTS成分がほぼ無いんですよ
だいぶ先ですよ

築上




【今回の要約】
一晩悩んで自己完結したウルキオラさん。
今いる世界が元いた世界と違うことに気付き拍子抜け。
そこに一人の少女の影が。
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