春なのに 私の住んでいるところは まだまだ寒いです
みなさんも体調管理をちゃんとしましょう
「ハァ…ハァ…ハァ…」
にげ、ないと。
私は足を動かす。
必死に、必死に。
あいつらから 逃げ切るために。
イヤだ、死にたく…ない。
***
こんにちは 嶺天 梓です。
ゼウスちゃんに自分の能力を説明してもらってから、軽く1週間経った。
うん、なんというか すごい1週間だった。
でも、様々なことを学ぶことができて、良かったと思う。
1日目 野宿、妖怪に襲われる。
2日目 倒した妖怪から奪った鉄くずや、そこらへんの木、落ちている石を集めて、何か作れないか試した。
3日目 結果、大振りのナイフとは言えないような1mほどの太刀みたいな剣ができた。
4日目 生まれて初めて、雑草を食った。
5日目 自作の剣の魔改造を始めた。
6日目 洞窟内のシュゴスだったか、そいつを倒し、その素材を使用し 剣の強化。
そして7日目
今は、近くの森で剣の威力を試している。
ヒュン シュン スパン
「うん。軽さ、鋭さ、扱いやすさ、ともに計算通りだな」
一通り動きを試した後、背中に剣を担ぐ。
そこそこの長さがある剣は、担ぐと同時に変形。
運びやすい形へと変わった。
「さて、と。帰ろうかな…」
そう呟き、その場を後にする。
だが
「キャァァァァァァァ!!!!!」
不意に女の子の叫び声が、聞こえてきた。
「!?」
マジメにヤバイ方の叫び声だったよな!?
考えるよりも早く、体は声のした方へと向かう。
どうか…間に合ってくれ……!!!
俺は、無我夢中で走った。
***
「いや……こないで……!!!」
途中、足を踏み外し、私は無様にこけた。
起き上がろうとするも、腰が引けて、しっかりと立つことができない。
「ガゥルルル……」
その間も、狼型の妖怪は、一歩ずつ迫ってくる。
もう、ダメだ……
そんなことを覚悟して、ギュッと目をつむった。
一向に妖怪が攻撃をしてこない。
逃げれない人間がいれば、すぐさま襲いかかり、骨までいただく奴らなのに、不思議なくらい 静かだ。
恐る恐る私は、目を開けた。
すると、そこには……
「よう、わんころ。散歩かい?」
長い黒髪を後ろで結んだ女の子が、妖怪の方に向かって、話しかけている光景が……。
「クゥ…クゥーーン」
妖怪は、さっきまでの威勢はどこに行ったのか、その女の子には戦う前から、降参していた。
さっきの妖怪は、決して弱い方ではない。
むしろ、知能が高いため、下手な上位の妖怪よりもよっぽどタチが悪い。
なのに、それの戦意を喪失させている、この女の子はいったい……?
そう考えると、興味が尽きない。
「おまえは、後で少しお話ししような?」
「クゥーーン……」
明らかにションボリと肩を落としながら、狼型の妖怪は森の中に消えて行った。
***
「ふぅ…行ったか……」
息を吐きながら、狼の行った方を見つめる。
少し釘を刺しといたから、まぁ大丈夫だろう…………多分。
それにしても、本当に危なかった。
もしあの時、俺が割って入らなかったら、今頃彼女は狼の腹の中だぞ?
良かった良かった。
…………あれ? この子、どっかで…………??
あ、そうだ。とりあえず
「ほら、手」
「あ、ありがとうございます…」
地面に座り込んでいた、ものすごい美少女に手を差し出す。
素直にその手を取り、少女は立ち上がった。
見ればみるほど、綺麗だな。
そんなモノは理性でぶち壊し、ずっと気になっていたことを聞く。
「それで? 君はなんでここにいるの?」
「その…薬の材料に必要な薬草を採りに来たのてすが、途中妖怪に襲われまして……そのことは、本当に感謝しています」
「別にいいよ。ここは危ないから、早く帰ったほうがいい」
「…ありがとうございます。……あの、もし良かったら、私の家に来ませんか?その…お礼もしたいですし」
……………………ファッ!?
「家に来ませんか?」だと…!?
こ、こんな美少女が、彼女いない歴=年齢の俺に対して、お誘い、だと…!?
……………………
「ごめん、それは無理だ…」
「ッ!?………それは、どうしてですか?」
やっぱり、理由は必要だよな。
「……俺はまだここでやりたいことがあるんだよ、だから一緒には行けない」
「そう、ですか…」
「でも」
「?」
一拍開けてから、俺の精一杯の言葉を言った。
「でも、もしまた会えて、それでもまだお礼をしたい、と言うのなら、その時はつつしんで受けよう」
「……」
じゃあな、とその少女を置いて去る。
あん?妖怪? 大丈夫、あの狼にこの子は攻撃するなって、注意しておいたからな。恐らく、他の妖怪にも広がっているはず。
俺は、森の中に入っていった。
***
本当に不思議な人…いや、人じゃないのかもしれない。
突然現れて、助けてくれて、そして消えていって…。
掴みどころがいっさいないけれど、不思議とまた会える気がしてたまりません。
『もしまた会えて、まだお礼をしたい、と言うのなら……』
あの人が言った言葉は、私の中で繰り返されます。
「また、会えたら…か」
***
うゎーうゎー ないわー
あの少女から、離れた場所で、ゴロゴロと顔を隠しながら、転がる。
なんだよ!つつしんで受けようとか!!!
俺は何様だよ!!!
しかも、あんな美少女に誘われたんだぞ!?
なんで断ったんだ!!!!!!!
「キィヤァァァァァァァァ!!!!!」
『ハァ……何、騒いでるんですか……』
やれやれ声のゼウスちゃんが、話しかけてくる。
やめて、ちょっと一人にさせて〜……。
『わかりましたよ……ハァ』
「イヤァァァァァァァァァァ!!!!!」
☆三時間後☆
ふぅ……やっと落ち着いた……。
「てか、ゼウスちゃん どうしたの?」
『そうですそうです、なんで行かなかったんですか?』
グハッ(吐血)
『あんな綺麗な人、そんなにいませんよ?』
ウブシッ(自分で自分にボディーブロー)
『しかも、自分から行かないなんて、なにかあったんですか?』
ミギャァァァァァァァァァ!!!! パタッ…………
俺のライフは…もうゼロよ……。
もう カスと化した。
ああ、おわった……萌え尽きたよ……。
『漢字が、違う気がしますけど……、そんなことやってないで、早く理由を聞かせてください』
「あーうー、それは……」
『さっきの子は、原作キャラの八意氏ですよ?』
あん? 何だって?
さっきの子が、あの八意……さん?
いやいや、それはないだろう。
明らかに年齢が、俺の知っている八意さんではなかった。
俺の知っている八意さんは、大人な印象の女の人、という感じだが、さっき会った子は、全体的に幼い感じだった。
年齢としては、16〜17ぐらい。
それに、目立つ点が一つ。
髪の色が、黒色だったことだ。
「ソレハホントウデゴザイマスカ?」
『なんで片言なんですか……? あの人が八意氏であることは間違いないですね』
「マチカヨ……」
『気づいてなかったのですか?』
「ハイ、すいません……」
『ハァ……貴方という人は……』
ゼウスちゃんのため息の声が、聞こえる。
そっちもそっちで、苦労してるんだね。
『主に貴方の所為ですけどね』
「あっ、ハハハ……言い返す言葉もございません」
『……………まぁそれが楽しいのもありますが………』(ポソッ)
「ん? 何か言った?」
『何でもないですよ』
ゼウスちゃんが、ゴニョゴニョ言ってたのはわかるけど、ハッキリと内容まではなぁ。
ゼウスちゃんは、何でもないっていうし、ただの一人言だろう。
『それにしても、家に帰らなくていいのですか?』
「そうだった、家開けっ放しだった」
その一言で、森の中の家に帰っていった。
「そういえば、さっきの八意さんってどこにいるの?」
『まさか…襲いに行くつもりですか?』
「行かんわ!! 常識的に考えろ!!!」
『言っておきますが、いくら貴方でも都市の警備を突破するのは、難しいかと』
「えっ? こんなところに、都市なんてあるの?」
『一応は』
し、知らなんだ。
てっきり、幻想郷の中のどこかだと………。
『ここは幻想郷ではありませんよ』
「Why?」
『なんで英語……、ゴホン、ここは幻想郷が出来る前、およそ2億年ぐらい前の現代の世界です』
「マジっすか」
『マジです』
おぅふ、あと2億年……だと?
でも、なんとなくそんな気がする。
思い出した、確か月に逃げる時に爆発させた核が、現存する生物全てを消し去ったんだったか。
そして、そこから2億年……ねぇ。
途方もない年数に、クラっとするがなんとかなるだろう。
『一応、貴方は不老不死ですので』
「デスヨネー……神様ってやっぱりすごいんだな」
『そりゃあ、こうやって転生もできるんですから』
ムフーとドヤ顔を決めるゼウスちゃんの姿が思い浮かぶが、気にしない。
「ゼウスちゃんって、そういや二つ名持ってるの?」
『いきなりどうしたんですか?』
「少し、気になって』
『……絶対に笑いませんか?』
「笑わないよ」
『………[天上の雷]……です』
「……プフッ」
『あーーー!! 今、笑いましたね!!』
「あはは、ゴメンゴメン。そんな名前だとは思わなくて」
『む〜〜……』
不服そうな声を上げながら、ゼウスちゃん自体は楽しんでるようだった。
「それでそれで? 俺のは?」
『はい?』
「だから、俺の二つ名」
俺も一人の健全な男子。なら、二つ名の一つや二つ、憧れたっていいだろう。
誰だ!! 今、中二病とか言ったやつ! 先生、怒らないから正直に出て来なさい。
『うーん……貴方の二つ名…あれですかね』
「えっ?あるの!?」
『はい、気にいるかどうかは貴方したいですけど』
「なになに!!??」
「落ち着いてください……、貴方の二つ名は……』
「二つ名は……」
ゴクリ……
『[神器作りし妖喰らい]……です』
「……」
う、うん。なんというか、強そう(確信)。
「それ、ゼウスちゃんが作ったの?」
『いいえ、なんか勝手に付けられて、定着してしまいました……』
「俺もそのパターンか……」
妖喰らい て、あんた……。まぁ、心当たりはあるけどね。
「食事が、妖怪だったからな」
『あはは……』
今日まで過ごした7日間。
基本的に食べたものは、妖怪。
ん? 食べて、大丈夫かって?
そんなもん、俺の種族は、半妖半神だぞ?大丈夫に決まってるだろ。
妖怪っていっても、種類は多い。
獣型や、人型、異形系やら、なかには概念が意識を持ったヤツとか。
俺が食ってたのは、猪とか鹿とか熊とかが妖怪化ヤツら。
普通に、うまかったよ。
ふと、二つ名のことを思い出し、ガクッリと肩を落とす。
ゼッテェ二つ名考えたヤツ、こじらせてるだろ。
100% 確定だな。
ゼウスちゃんと、そんな感じで駄弁りながら歩いて、約3分。
「やっと着いたか」
やっとのこさ家に着いた。
家の前には、さっき八意さんに襲いかかっていた狼……正確には、狗神だが、が ちょこんと利口に座っている。
「ただいま、桜花《おうか》」
「あぅん!」
名前を呼んでやると、元気に返事を返してくれた。
嬉しい。ゼウスちゃんとは、いつでも話せるけど、1人なのにはかわらなかった。
でも、今は桜花がいるため、不思議と寂しさは感じない。
すごいね、動物って。ちゃんと寂しさとかも、わかるんだから。
俺は、家の扉を開ける。
この扉は、俺の妖力に反応して、開くようになっている。
あとは、桜花の神力でも開くようになっているのだが、桜花は俺のことを待っててくれたらしい。
桜花〜〜!!! あとで、メチャクチャ モフモフしてやるからな〜〜!!!
そして、桜花と俺は、家の中に入った。
はい やっと梓さんの男の娘要素が出て来ました
あとは 次回への布石を
それと 新キャラの狗神こと桜花ちゃんです
基本的なキャラの見た目は 次話で書くつもりなので
今回は ここまでです
読んでくださり ありがとうございます!!