もしドラ~もしもドライグが早く目覚めていたら~ 作:ショウゴ
10月1日並びに10月2日に日刊ランキングにランクインしていたみたいで、読者の方々には感謝の念が絶えません。
これからも頑張っていきたいと思います。
それでは、本編をどうぞ。
作戦の第一段階である本陣周辺へのトラップ敷設が終わったので、第二段階である運動場と体育館両面からの侵攻作戦を開始する。
作戦会議で決めたとおり、俺と小猫ちゃんは体育館へ、木場は運動場に向かう。
「イッセー、小猫。言われなくても理解しているでしょうけど、体育館内に入ったら戦闘は避けられないわ。敵の無力化が完了して体育館を脱出したら、合図を忘れないでね」
旧校舎の玄関まで見送りに来てくれた部長は、そう言って注意を促してきた。
「はい。わかっています」
「了解です、部長」
体育館は丸ごと吹き飛ばす予定なので、体育館内にいるライザーチームの人員は
「先程ドライグも言っていたけれど、目標を達成した後は妨害を受ける可能性が高いから気を抜かない事。ゲーム中の能力使用のペース配分はイッセーとドライグの判断に任せるけど、余裕がありそうなら脱出した直後に小猫にも力を譲渡して相手の妨害にも備えてあげて」
「わかりました」
確かに相手が妨害してくる事が目に見えているので、あらかじめ最大強化を施しておいた方が良さそうだ。
「よろしくお願いします、先輩」
「おう。任せてくれ、小猫ちゃん」
「それでは部長、僕も動き始めます」
小猫ちゃんに話しかけている間に木場も剣を腰に携えて出発の準備を済ませていたらしく、運動所に向かおうとしていた。
「よろしく頼むわね、祐斗。イッセー達と合流するまでは、自分が生き残る事を最優先に考えて」
「はい。イッセー君、小猫ちゃん。あとで合流しよう」
「おう。わかってると思うが倒されんなよ?」
「祐斗先輩も気をつけてください」
「うん。イッセー君達も、敵の妨害で撃破されないように気をつけてね」
それは今更言われるまでもない事だ。
今の俺達のチームにとって味方を撃破されるのはいろいろな意味で痛いので、敵が仕掛けてくるであろう
「アーシアと朱乃はイッセー達の合図があるまで私と待機。合図があり次第前線に向かうけど、二人とも周囲の様子には常に気をつけていてちょうだい。特にアーシア、あなたは私達のチームの生命線だから、撃破されないように気をつけていて。回復要員のあなたに倒れられたら元も子もないわ」
「はい、部長」
「は、はい!!」
緊張した様子で返事をするアーシアだが、『回復要員がいる』というある種の安心感があるからこそ前衛の俺達は多少の無茶も実行に移せるし、個人的にもアーシアが攻撃を受けるところは見たくない。
「さあ、私のかわいい下僕たち。準備は良いわね? 敵は不死身のフェニックス家の中でも有望視されている才児、ライザー・フェニックス。強大な敵ではあるけれど、倒せないわけじゃないわ。みんなの力を合わせて、消し飛ばしてあげましょう!!」
「「「「「はい!!」」」」」
激励も兼ねてか大仰な言い回しをした部長に返事をしてから前衛要員の俺達3人は駆け出し、作戦を開始する。
「イッセーさん、皆さん、がんばってください!!」
背後からアーシアの応援が聞こえてきたので、後ろ手に腕を上げて返事をしておく。
「ブーストスタート」
『Boost!!』
体育館に走り出す最中から自己強化の増幅を開始し、体育館での戦闘とその後の妨害に備える。
「それじゃあイッセー君、小猫ちゃん、先に運動場で待ってるよ」
「ああ、先に待ってろ。俺達も体育館を片付けたらすぐに行く」
木場は旧校舎から体育館と運動場へ向かう分岐点でそう言うと1人で運動場へ向かっていき、俺達も体育館へ向かう。
予想はされていると思うが、バカ正直に体育館の正面入り口から入ろうとすると新校舎を拠点にしているライザーチームにばれるので、少しでも侵入を気づかせない為に体育館の裏口から侵入を試みておく。
裏口の扉のノブを回してみるとカギはかかっておらず、あっさりと体育館内に侵入できてしまった。
「……多分バレてるな。小猫ちゃん、こうなったら正々堂々行こう」
それは俺達の行動が読まれている事の何よりの証明と言ってもいいので、こちらの今後の行動もある程度は予想されていると見ていいだろう。こちらが全ての手を使い終えたら、妨害を仕掛けてくると見て間違いなさそうだ。
「……そうした方が良さそうですね」
小猫ちゃんもその事を察したらしく、どこか観念した声色で俺の言葉に同意した。
体育館の裏口はスピーチなどを行う演壇の裏に繋がっているので、俺と小猫ちゃんはそのまま壇上に上がり、体育館中央のコートを見据える。
そこには4人の女性悪魔――前哨戦で俺が倒したエプロンドレスを着た
「――声をかけるまでもなく壇上に出てくるなんて、何を考えているのかしら?」
俺達の行動を不可解に思ったからか、4人を代表して
「裏口のカギが開きっぱなしになってた時点で、そっちが俺達を体育館内に侵入させる気満々なのは理解できたからな。こそこそ隠れても無駄だから、とっとと出てきたんだよ」
『Explosion!!』
その質問に返事をしながら、移動中に蓄えてきた力を全身に巡らせて身体能力を増幅させる。
「くっ!! イルとネルは
俺が既にタメを済ませていたとは思っていなかったらしく、雪蘭さんは若干焦った様子で仲間である3人の兵士に指示を出していった。
今の言葉を聞く限りだとエプロンドレスのおねーさんことマリオンさんは前哨戦で俺に負けたのがよほど悔しかったらしく、ライザーに意見してまでリベンジを果たしに来たようだ。
「指名とあらば、受けるしかないか。――小猫ちゃん。そういうわけだから、ロリっ子達の相手よろしく。あっちの二人をアレで無力化したらそっちに行くから、時間稼ぎをしててくれ」
「わかりました。手早くお願いしますね、先輩」
小猫ちゃんは合宿中に
「無駄話をする時間も惜しいんで、とっとと始めさせてもらいます、よっ!!」
俺もコートに降りて二人と相対するが、自己強化の持続時間を無駄に消費するわけにもいかないので、一言そう告げてから駆け出して気がはやって前に出すぎていたマリオンさんとの距離を詰める。
「っ!? はや――」
俺の移動速度を見てマリオンさんが驚きの表情を浮かべるが、前哨戦と違って平時に使える力が駒1つ分増えた状態で身体能力をキャパシティギリギリの15段階、約6万5千倍に増幅させているのだ。これくらいのスピードを出すのは造作もない。
「遅いよ」
ドンッ!!
懐に飛び込んでも防御を行う様子がなかったので、ダメージを優先してみぞおちにボディブローを叩き込むと同時に洋服崩壊発動の前提条件である『対象の異性への物理的接触』を果たしておく。
「がはっ!!」
ズダン!!
かなり勢いがついていたのでマリオンさんはそのまま吹き飛んでいって壁面に背中を
その直後にマリオンさんの全身が青白い光に包まれ、砕け散るように消えていった。
『ライザー・フェニックス様の「
続けて
「マリオン!! このっ!!」
仲間が早々に倒されるとは思っていなかったらしく、雪蘭さんは怒りを露にしながら手足に炎を纏わせて突撃してきた。
「うおっ、とぉっ!!」
幸いと言って良いのか炎を纏っているのは手足の先に限られているので、増幅された身体能力に飽かせて炎を纏っていない部分に触って洋服崩壊の前提条件を満たしながら攻撃をいなす。
「条件達成、
魔力を併用した殴り合いという相手の土俵で戦い続ける理由はないので、さっさと無力化する為に雪蘭さんの裸をイメージする。
ビリビリィッ!!
合宿での練習中にイメージ対象にしていたのでスムーズに魔力は発動し、布の裂ける音を体育館内に響かせながら雪蘭さんが纏っていたチャイナドレスを下着も含めて跡形もなく弾き飛ばさせてもらう。
「えっ? きゃああっ!!」
自身に起こった異常を察知した雪蘭さんは羞恥心で顔を真っ赤に染めながら身体を抱いてその場に蹲ったが、その間に晒されていた裸体は想像以上だった。
前衛要因だけあって身体全体は引き締まっているものの、決して筋張っているわけではなく、女性らしいふくよかさはしっかりと維持されているし、おっぱいのサイズも部長や朱乃さんには劣るが十分大きいサイズだった。
「最低!! ケダモノ!! 女の敵!!」
意図せず裸にされた雪蘭さんが先ほどとは別種の怒りを露にしながら涙目で
「いやー、いいもの見せてもらいました。さて、おまけも貰うか」
いい裸体を拝ませてくれた事に対して両手を合わせて一礼して感謝の意を示してから、少し離れた場所で小猫ちゃんと戦っているロリっ子2名に突撃する。
「「え゛っ!?」」
味方が一瞬で裸にされた事に驚いて固まったままだったロリっ子達は驚きとも呻きともとれる声を漏らしたが、ショッキングな出来事があったばかりだからか手が届く範囲まで距離を詰めても迎撃行動をとる様子が見られなかったので、そのまま彼女達に触れて前提条件を満たす。
「ほい、
ビッ、ビリビリイッ!!
掛け声と共に体操服の中に収まっている裸体を想像しながら魔力を発動させ、雪蘭さんの時と同じく布の裂ける音を響かせながら服を弾き飛ばしてロリっ子達を無力化する。
「「きゃああっ!!」」
ロリっ子達はすぐに自らの身に起こった異変に気づいて蹲ったが、晒された裸体はおっぱいの膨らみこそあったが腰のくびれは殆どなく、どちらかと言えば子供体型だった。
「うん、これからに期待だな」
だが、それは裏を返せば今後どのような成長をするかが楽しみな体つきという意味なので、これはこれで味があるように思えた。
「無力化が済んだなら早く行きましょう、どスケベ先輩」
「お、おう。そうだな」
そのままエロ思考に没頭しそうになったところで小猫ちゃんが凄まじく冷めた視線を向けてきてくれたので、気合を入れなおして二人で中央口に向かう。
「なっ!? ここまでして逃げるの!!」
「ふざけんな、性欲の権化!!」
「正々堂々勝負しろー!!」
裸にされて実質的に無力化されたライザーチームの面々がそう言ってくるが、無視して体育館外に出る。
「朱乃さん、準備完了です!!」
『了解しましたわ』
崩落に巻き込まれないように体育館から十分に距離をとってから耳の中に入れた通信用魔力球で合図を送ると、すぐに朱乃さんからの返事が来る。
カッ!! ドォォォォォォンッッ!!
俺達からの合図が来る前に朱乃さんは貯めを済ませていたらしく、合図の直後に体育館を丸ごと覆う太さの雷撃が降り注ぎ、中に居たライザーの眷属達を建物ごと吹き飛ばした。
「
上空から朱乃さんの声が聞こえたのでそちらを向くと、先程の雷撃の残滓らしき電気を迸らせた右手を天にかざしたまま朱乃さんがこちらに向かってきていた。
『ライザー・フェニックス様の「
確定リタイヤを通達するグレイフィアさんのアナウンスも響いたので、この後襲い掛かってくるであろう妨害をいなす事ができればこちらが有利になるはずだ。
「小猫ちゃん、譲渡するから手を出して」
「っ。……わかりました」
合宿中に散々
『Transfer!!』
増幅していた力は殆ど使っていないので、小猫ちゃんが耐えられる最大値の8段階分の力を譲渡してドライグがアドバイスしてくれた相手の妨害に備える。
「先輩、失礼します」
「えっ?」
そうして気構えを整えた直後に小猫ちゃんに抱き寄せられ、そのまま小猫ちゃんは大きく後ろに飛び退いた。
ドォンッッ!!
「うおっ!! なんだぁ!?」
その直後に背後から爆音と爆風が襲い掛かってきたので何事かと思って背後に視線を向けると、数秒前まで俺が立っていた場所からもくもくと真新しい黒煙が立ち上っていた。
どうやら相手チームから妨害工作として俺にダメージを与える事を目当てにした奇襲があったようだ。
「なんですって!?」
その証拠に上空から奇襲が失敗した事を驚く声が響いたのでそちらを見てみると、胸元が大きく開いたドレスを着た紫系の髪をした女性が空中に浮かんでいた。
ライザーチームでその特徴に合致するのは、
個人的には
「イッセーくん、小猫ちゃん、無事ですか!?」
朱乃さんも相手
「はい。事前にイッセー先輩が力を譲渡してくれたので私は無事です、朱乃先輩」
俺をその場に下ろしながら、いつもどおりの淡々とした口調で小猫ちゃんは無事を報告した。
「俺も小猫ちゃんが対処してくれたんで、ダメージはありません。ありがとな、小猫ちゃん」
俺も朱乃さんに無事を報告する傍らで、小猫ちゃんに感謝を伝えておく。
作戦開始前のドライグからのアドバイスと事前の譲渡がなかったら、今の奇襲でリタイヤしていた可能性も否めないからだ。
「それは不幸中の幸いでしたね。イッセーくん、申し訳ないのだけど私に譲渡を。それが済んだら、小猫ちゃんと共に祐斗くんの救援へ向かってくださいな。彼女は私が引き受けます」
俺達二人の報告を聞いた朱乃さんは僅かに安堵の表情を浮かべてから、その表情を真顔に近い真剣なものに切り替えて俺に指示を出してきた。
「わかりました。ただ、少し前に小猫ちゃんにも譲渡したのでフルブーストってわけじゃありません。気をつけてください」
拒否する理由がないので、一言注意をしてから力を譲渡する為に朱乃さんの肩に触れて残った力を余さず譲渡する。
『Transfer!!』
白状と言われるかもしれないが、今回のゲームでの俺の仕事は味方の支援をしながらライザーのもとまでたどり着く事なので、この場の戦闘は朱乃さんに任せるほかない。
「この場はよろしくお願いします、朱乃さん」
「朱乃先輩も気をつけてください」
「ええ。イッセーくん達も気をつけてくださいな」
お互いに励ましあいながら、ユーベルーナさんの相手を朱乃さんに任せて俺と小猫ちゃんは運動場に向かって走り出す。
その直後に背後から盛大に爆音と雷鳴が鳴り響き始めたので、
今の状況をチェスで例えるなら、
相手チームに残された戦力は、
数的にはいまだに倍の開きがあるので俺達のチームに不利な状況が続いているが、それでも確実に人数差は埋める事ができている。
もっとも状況は予断を許さないし、先程の奇襲に近い事もこの先起こる可能性が高いので、引き続き気を引き締めていきたいところだ。
そんなわけで、今回はここまで。
自分でも書いててびっくりする位の洋服崩壊無双回となりました。
文章量が今までで一番短いですが、キリよく行こうとすると今度は膨大な量になるのでご容赦ください。
次回もなるべく早めに投稿したいと思いますが、筆のノリ次第なので気長にお待ちいただけたらうれしいです。