それでは1話 どうぞ
『トキ、1時間後に駅前のカフェだ。拒否権はない』
園崎先生に呼び出された次の日、土曜日で一日中寝て過ごそうと思ったトキの携帯に一通のメールが送られてきた。
「園崎先生…俺は生徒ですよ…」
そう、トキは一人呟く。
こうやって、園崎先生はたびたびトキを誘っては街へ連れ出し、それに応じる、人との関わりを持たない様にしているトキだが、園崎先生とだけ関わるのは理由があった。彼女はなぜか不幸になりにくいのだ。トキの周りにいると起きる不幸とは、『家族、知人の死』や、『経済環境、友人関係などの崩壊』ならまだマシだと言われるほど酷いものだが、彼女だけはなぜか『ボールペンのインクがあるのに書けない』や『買い物に行くと必ず欲しい商品が一つは目の前で売り切れる』などと行ったことしか起こらないのである。つまりはこういうのは変だが、不幸耐性がある、ということだ。トキ自身はそれにすごく助けれられているのも事実なのだが。
「まあ、いつもの様に愚痴を聞くだけなんだろーなぁ」
「遅いぞ」
「いや、30分前に急に連絡いれといてそりゃないでしょ…」
トキがカフェに着くと、すでに彼女は席についており、コーヒーを飲みながら時間遅れたことに文句を零した。
「お客様、アイスコーヒーです」
トキが席に着くと、店員がアイスコーヒーを持ってきた。おそらく彼女が先に頼んでおいたのだろう。
「気がきくっすね」
「たまにはいいだろう。私の奢りだ」
さて、と彼女が付け足す
「今日はいつもの様に愚痴を聞いてもらうのもいいが…今日は別件だ」
そういい、トキに1枚の紙を渡す。
「私の古い友人でな、オカルトだとか、超常現象とか、そういったものに詳しくてな、彼女にトキの周りに起きる出来事について話をしたらえらく興味を持ったらしい。トキに会いたいんだと」
紙には住所のみ書かれている、その下には『八雲紫より』と書かれていた。
「この八雲紫…って人が?」
「そうだ、ただ、彼女からのお願いで、私はこれ以上喋ることはできないし、着いて行くことはできない。詳しいことはここへ行って本人から聞いてくれ」
今日はそれだけだ、と彼女は立ち上がり、荷物を取る。
「それだけって…」
「言っただろう、私から言うことは何もないと…
元気でな」
最後に言った言葉が、トキに聞こえることはなかった。
「ここ…だよな」
携帯の地図に住所を打ち込んだ場所にたどり着くと、そこは神社だった。
「博…掠れて読めないな…」
「お待ちしておりましたわ。如月トキさん?」
ふと、神社の奥から人影が現れた。その姿は…
(気配を感じなかった…)
トキは、小さい頃から避けれていたことより、気配には敏感だった
中には気配が薄い人などもいたが、一切感じなかったのだ。
「…あなたは?」
「八雲紫と申しますわ、さて、かえでから何か?」
「…いえ」
なるほど、と相討ちを打つ彼女は金髪のナイトキャップをかぶり、西洋のドレスを着たスタイル良い女性だった。
「単刀直入に言うわ、あなたの周りに起きる不幸、そしてなぜ自分には不幸が訪れず、かえでのみ不幸が少なく、その不幸も軽いものなもか。気にならない?」
気になるに決まっている。むしろ、トキが一番知りたいことだった。
「気になるでしょう。まずあなたも周りには不幸が訪れて、あなたには訪れないのか」
それはね…
あなたが、人であって人ではないからよ
暑くもないのに、汗が顔から落ちる気がした
「どういうことだ?」
「あなたは…いえ、正確には人間よ。ただ、あなたは普通の人間にはないものを持っているのよ。」
「人間にはないもの?」
「幸運を操る程度の能力、あなたはこちら側に入るべき人間ではないのよ。このままではこの世界を崩壊させかねない」
「ちょっと待ってくれ…話が見えない」
「ようするに、あなたはその能力を制御できていない。制御するために、私が管理する地へと来ていただきたいの」
『遠い果ての地 幻想郷へとね』
「お前ならきっと大丈夫だ 頑張れ、
女性が一人、コーヒーを飲みながらつぶやいた。
幻想郷では、弾幕ごっこよりもキャラ達との交流を大事に書いていきたいと思います
次回 幻想入り予定です