それでは2話、どうぞ
その後、トキは幻想郷について色々と説明を受けた。
「能力…ね」
「ええ、あなたには能力を扱えるようになってもらわないと。まあ、現状だと幸運を操る程度の能力というより、不幸を操る程度の能力といった感じですわね」
「それなら、その幻想郷という所にいっても俺が能力を操れるようになるまで誰かを不幸にしないか?」
「それなら大丈夫よ。修行は基本的に私と一人の巫女にやってもらうつもりだから 、私も彼女も能力で今のあなたの能力なら無効化できるわ」
「紫さんは確か…妖怪なんだよな?」
「ええ、私はスキマ妖怪…私だけの『境界を操る程度の能力』であなたからの不幸の干渉を無効化できますわ」
妖怪
トキたちの住むこの地球と、彼女達の住む幻想郷とでは、根本が違うらしい。
幻想郷とは人を始め妖怪や吸血鬼、魔法使いや天狗、神までも共存する世界だとトキは説明を受けていたが、普通ならそんな話なんて到底信じられないだろう。だが、トキは目の前で起こっていることに考えを改めるしかなかった。
『八雲紫は、浮いているのだ』
空間が避け、目がびっしりの空間に上半身だけ出しており、見た目は上半身だけの女性になっている。彼女の『境界を操れる程度の能力』によって、空間にスキマを開いて中を通り、別の場所に移動できたりするらしい。全く便利な能力だとトキも少し羨んでいたが、口には出さないでいた。
「まてよ…能力があれば俺のこの能力は回避出来るんだよな?もしかして園崎先生は…」
「ええ…」
するどいわね、と笑う。
「彼女もまた、能力持ちよ。もっとも、かえでは能力的にもそんなに危ないものではないし、能力を完全に操ることができてますもの」
それに、と紫は付け足す。
「最初に行ったこともまだ半分しか答えてなかったわね。あなたの能力はおそらく負の感情によって連鎖したのでしょう。不幸になった周りの人々はあなたの噂を聞いて、避ける。あなたもそれに気づいている、そんな状態でお互いよく思っているわけではないでしょう?あなたに不幸が起こらないのも、あなた自身が自分のことが嫌いではないから、といった感じでしょうね。…かえでの能力はね、『あらゆるものを半減させる程度の能力』の持ち主なの。ここまではわかるかしら?」
「…ああ、続けてくれ」
「そう、ならもう一気に説明しちゃうわね。…あなたが一番わかってるでしょうけどそれに合わせてあなたはかえでのことを少なくとも信頼しているでしょう?だから彼女は不幸が比較的軽いのよ。まだこれはあくまで推測ですが、感情によって相手の運を操るのだと私は考えていますわ」
「…なんとなくは理解した。ようするにこの世界を俺が憎むと世界に対しても俺の能力がかかる可能性もあるから、それを防ぐために能力を完全に操れるようにするためにその幻想郷へと行けばいいんだよな?」
「ええ、話が早くて助かります」
「ひとつ、質問していいか?」
「ええ?」
「まず、俺が能力を操るようになったら、この世界に戻らないといけないのか?」
「そこは強要はしませんわ。帰るのもよし、留まるのもよし、だって…」
『幻想郷は、どんな者でも受け入れるもの』
その日、トキがいた世界で、一人の男性がいなくなった
『ようこそ、幻想郷へ』
「隠れてないで出てきたらどうだ?」
「さすが、かえでは鋭いわ」
「…いったのか?」
彼女…かえでは何もない空間にそう問うと、空間が割れ、紫が姿を現した。
「ええ、説明なんてまだほとんどでいていないのに、彼から進んで幻想郷に行くことを選んだわ」
「…そうか」
「…不安?」
「いや…安心したよ」
これで私も動き出せる…
二人の女性が、嬉しそうな笑みを浮かべていた…
【この道を真っ直ぐ歩きなさい。15分ほどで神社に着くと思うからしばらくはそこに住んでいる巫女の世話になるといいですわ、あらかじめ話は通してありますから】
「そういわれてもなぁ…全然着かないんだが」
30分以上歩いた今も変わらず真っ直ぐの道が続いていたことにトキは紫の言葉は15分ではなくて1、5時間なのではないかと愚痴る。
「はぁ…いつになったら幻想郷へとつくのやら」
「紫、そういえばあの神社への道スキマで繋いだの?繋がないとただただ同じ道を通る無限ループだったが?」
「…あ」
「紫はいつも詰めが甘いわ…」
「な、なんのことかしら…?」
「ごまかすな」
はい、まだ幻想郷にはついていませんが、彼の歩いている場所は一応すでに幻想郷の一部ということにしちゃいましょうw
感想、評価や指摘などお待ちしておりますので内容に関する疑問や矛盾などに気付いたら教えて頂けると幸いです
それでは次回、本格的に幻想郷の面々と絡んでいきますので、お楽しみに!