東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜 【更新停止】   作:小鳥戦士

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超久々投稿&超展開


第11話 晩餐会と異変の始まり

辺りはすっかり陽が暮れ、シンと静まり返った暗闇の世界が広がっていた。その世界に変化があるとすれば、時たま吹く風に揺られる木々や、近くにある湖から恐らく暴れているであろう妖精の賑やかな声くらいである。まぁ特に報告する事でもないが、ちょっと暇だった俺は咲夜に割り振られた部屋でパチュリーから貰った魔術の書を読んでいる。

一応は客として扱われているらしく、レミリアの厚意によりいつまでも滞在していいとまで言われた。しかし余り長居したら霊夢が怖い、怖いが.......ゆかりん(17歳)がなんとかしてくれるだろう。

 

「.......む?」

 

「呼んだ?」(にゅっ)

 

なんか一瞬寒気がしたと思った途端、スキマから紫が顔を出した。スキマって正面から見ると異空的な目玉空間が見えるのだが、別方向から見ると紫がスキマから出してる部分しか見えないようなのだ。つまり、はたから見たら紫は頭だけ浮いている奇怪な状況を作っているという事だ

 

「まぁ呼んだというより求めたかな。ナイスタイミング」

 

「ふふ、話はもちろん聞いていたわ。霊夢の事よね......霊...夢......うん、見た方が手っ取り早いわね」

 

「は?ってえ、ちょ...やめろ、スキマをジリジリ近づけてくるな......!」

 

一瞬紫が不味いものを見た様な顔したと思ったら、ゆっくり、ゆっく〜りとスキマをジリジリしてきた。俺も堪らずジリジリ後退するが後ろは部屋の壁、逃げる事は叶わず顔をスキマに喰われてしまった。

 

「ギャァァァ!はたから見たら顔だけない恐怖映像にー‼︎」

 

「うるさいわよ。男の子なんだから怖がるんじゃないの。.......ゆっくりでいいわ、いきなり景色が変わったから脳が追いつけないかも知れないし」

 

紫に言われ、反射的に閉じていた目をゆっくり開いていく。紫が言った事については実際に転生した時に体験しているのでもう味わいたくない。

 

ーー目を開けたそこは暗い森の中だった。

 

「今霊夢は人間の里の者からの依頼で妖怪退治をしているわ。で...その妖怪退治の光景がこれよ.......」

 

もう一度スキマに飲まれ、景色が切り替わる。さっきは森の外からだったが今度は森の上空からだった。

すぐ下では霊夢が戦っている。戦っているが........

 

その戦いはとんでもないものだった。何が言いたいかと言うとーー

 

 

「ギャヒッ⁉︎おいちょっ、ギュエッ⁉︎テメこらどんだけギャフッ⁉︎あ、あのゴガァッ⁉︎す、すみませオェェ‼︎」

 

「うるさいわね......とっとと死ねって言ってんでしょうが。早く死になさいよ、うざいんだから。」

 

「酷... ガフッ!過ぎ...ガフッ!...ガッ...ガッ...........................」

 

ーー一方的に霊夢が妖怪を痛めつけているからだ。もうそれはそれは酷いものだった。妖怪はもうこと切れているいるというのに、霊夢は容赦なく弾幕をぶちかまし続けていく。最後は弾幕に耐え切れなくなった妖怪の体が痙攣した後無惨にも弾け飛び、辺り一面を赤色で飾った。当然、霊夢にも掛かってしまったが、それを気にする素振りもなく少しの間惚けていた。

 

「....................................................」

 

「いい?帰ったらあれよ」

 

「いや怖すぎるわ‼︎なんだ今の衝撃映像⁉︎顔だけねぇとかそんなアホみたいな事言ってる場合じゃねぇぇぇぇぇ‼︎」

 

「心配しないで、私は貴方をフォローするから大丈夫よ。....多分」

 

「大丈夫じゃないだろっ‼︎」

 

洒落にならん。本当に洒落にならん‼︎なんだよあれ、帰ったら体爆散されんの⁉︎やだよ死にたくねぇ‼︎

 

「....................と、とりあえず帰んなきゃ」

 

「むちゃくちゃ足が震えてるけど大丈夫?」

 

「ば、ばかやろー大丈........夫じゃないです助けて下さい」

 

しかし1日そこらであそこまで暴れられるては...そんなに飯が切羽詰まっているのか?それとも急に置いて行かれた事に苛立っているのか?

 

「まぁすぐにでも帰ったらマズイわよね......少し時間を空けましょうか。一応私がごはんとか家事とか手伝って時間を稼いでおくわね。なんたって、幻想郷を知るいい機会だもの。知っておくべきものとか色々あるだろうし、紅魔館に滞在しておきなさい。帰りは送って行くわ」

 

「あぁ、なんか色々ありがとう。また呼んだら来てくれ」

 

「えぇ、わかったわ」

 

紫は用だけ済んだらスキマを閉じてしまい、もう気配がなくなっていた。というかいきなりスキマから出てこないで欲しい。いっつも急に飛び出してくるのは心臓に悪い。ただでさえ体がいつもの動きに反応してくれないのに、心臓が止まりでもしたら大惨事だ。

まぁ、恐らくそうなってもえーりんがいる。止まった心臓くらい、すぐにでも動かしてくるだろう。そうだ、落ち着いたら一度えーりんのとこに行ってみよう。もしかしたらこの体が元に戻るかもしれない。

 

「ふぁぁぁ.......いけね、この体になってからすぐ眠たくなる事忘れてた.......えーっとスマホどこいった......」

 

俺は今何時かスマホを見るため四次元ポーチを探る。一応時刻は設定されているらしく、ようやく見つけたスマホを見ると時刻は9時を回っていた。

 

「......腹減った。そういやまだ晩飯食ってなかったなぁ」

 

正直今すぐ寝たい所だが、腹減っている状態で寝るのはつらい。というか紅魔館の夕食は一体いつ頃なのだろうか?まさか夕食が深夜の12時とかないよな?せめて10時くらいだよな?

 

「うーむ、流石に紅魔館の全てを知ってるわけじゃないし、今出たら迷うよなぁ.......」

 

もし紅魔館の構造全てわかる人がいたら教えて欲しいくらいだ。というか困ったな、これじゃ腹減ったまま寝なきゃならないじゃないか。

紅魔館に来館後初めての死活問題に苦しんでいたが、ドアの前に誰か来た事に気付いた。

 

「蒼刃様、お嬢様より伝言です。今夜の晩餐に蒼刃様をお連れしろとの事ですが...いかがしますか?」

 

「えーっと、つまり食事のお誘いですよね?もちろん行きます」

 

よかった、晩御飯の時間が来たらしい。さっきまで読んでいた魔術の本を閉じてからレミリア達の所に向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方その頃、既に食事の席についていたレミリアとパチュリーは蒼刃についての情報交換をしていた。

 

「ーーというのが彼の現状ね。私としても魔力があった事については驚いたわ」

 

「.......そうね、でもパチェが鑑定するまではわからないなんてどういう事なの?」

 

「まだ断定は出来ないけど、多分彼の出身が原因ね。外の世界では魔法の力は失われてしまっているし、所有していた魔力が顔を出さなかったんだと思うわ。何かに蓋をするように封じ込められていた様に」

 

実際、蒼刃の世界では魔法や能力などの異能はない。精々超能力者を名乗る者がいる程度で、その力も定かではない。しかし、そんな異能の力が失われている世界で異能を持つことがどれだけ特殊で不自然な事か。

 

「.......それで?パチェは彼の師匠になるつもりなの?」

 

「それは無いわ。彼、魔法は使えないもの」

 

「は?なんでよ、魔力があるなら魔法は使えるんじゃないの?」

 

「あのねレミィ、魔法って言うのは長い年月を掛けて長い研鑽を積んでやっと使える物なのよ。それも簡単にポンポン出せる様な物でもないの。魔女じゃない限りね。」

 

全く違う世界の話になるが、魔術師にとって魔法とは奇跡に値するものであり、そもそも魔法を使うなど人間の身には不可能な事なのだ。そして、東方の世界でもその理論は適応されており、人間をやめた魔女であるパチュリーや人形使いアリス、人間の身でありながら特殊なケースと才能で破壊魔法を操る魔理沙。一部を除いて人外のみが魔法を操る事が出来るのだ。

 

「実際彼は自分の魔力に気付かずに今まで過ごしていたのだし、魔力を操る方法さえわからない筈だわ。そもそも霊力を操る事も出来るかどうかさえ定かではない。だからまだ応用の効く魔術を勧めたのよ。今頃渡した本でも読んでるんじゃないかしら?」

 

「そうね.....まぁ、気が向いたら教えてあげなさいな。正直彼のどこが強いかわからないし、こんな世界では手段は沢山ある方がいいでしょう?」

 

「そうね、気が向いたらにするわ」

 

2人の会話に一段落着いた頃、さっきまで誰も無かった椅子に話しの中心である蒼刃が瞬間移動の様に現れた。もちろん咲夜の能力で。

 

「.......まぁなんだ、やっぱこれには絶対慣れないだろうな...」

 

「あら、やっと来たのね望月蒼刃。今貴方の話しをしていたのよ。人間の身でありながら魔力があるそうね?」

 

「いやまぁ、あるってわかっただけですけどね。一応使えるって言うか、それしか出来ないっていうか...自分の使える魔術が判明した程度ですよレミリアサマ」

 

用意されたよだれかけ?を片手にそう答えた。ちなみに使い方がわからず頭の上に?マークを浮かべている。

 

「そもそもの話、なんで魔力持ってるのか疑問なんだけど?咲夜、手伝ってあげて頂戴」

 

「知らないデスよそんなこと。単に自分の戦闘スタイルが出来上がりつつある事以外プラス要素ないし。あっ、あざす」

 

「ていうかさっきから何その片言な敬語は。むず痒いんだけど」

 

「いや、少しは貴族マナー的なものを守ろうかと......」

 

 

そのまま特に何かあった訳でもなく食事は続いた。その間には俺について質問や議論があったり、逆に画面の外からではわからなかった事などを聞いたりした。ちなみに、十六夜咲夜はPAD長ではなかった模様。聞いたら頭にナイフが刺さりました。

そして、今更ながら紅魔館に来る際遭遇したルーミアと謎の霧について聞いてみることにした。

 

「ルーミアに黒い霧がついていた?」

 

「うん、ここに来るとき襲われたんだが....一応殺してはないよ?撃退してチルノ達に預けてきた」

 

「.....普通に妖怪を撃退したって話がとっても引っかかるけど......パチェ?」

 

「そんなものわかるわけないでしょ。大体、ルーミアは『闇を操る程度の能力』を持っている。大方能力の力によるものよ」

 

「.......まぁ、そうだといいけど」

 

そうだと思いたい。だけど、あの霧はそんな簡単なものじゃない気がする。東方の世界にはあんな霧はなかったし、俺が介入した=異物発現なんて調子のいい事なんてありえない。あくまで転生しただけ、特にキャラと関わる事以外何もしていない。

ただ...そう、言うなれば。

 

「嫌な予感がする」

 

奇しくも、それは霊夢の口癖であり、それは異変開始の合図でもあった。

そして、蒼刃は直感に長けている。

という事はつまりーーー

 

と、突然ドアがゆっくりと開かれた。そこには金髪の小さな女の子が立っていた。そう、立っていた。

 

「......あら?フラン?部屋で寝ていたんじゃなかったかしら?どうしたの......ッ⁉︎」

 

「だ、だめだ‼︎みんな退がれぇぇぇ‼︎」

 

瞬間、ドアの近くの床や物が爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

VS EXフランドール・スカーレット

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