東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜 【更新停止】   作:小鳥戦士

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最初に言っておきます。
前後半分けるべきではなかった。




VS フランドールスカーレット(EX)後編

「じゃあ、早速行かせてもらう.......スペルカード発動!弓符『赤き弓兵の剣矢』‼︎」

 

開幕ブッパ。

そんな勢いで放ったスペカは寸分の狂いも無くフランに遅い掛かった。だがフランもただではやられまいとレーヴァテインを振り回し、初見にもかかわらずほぼ全て斬り落とした。流石に通用しないと踏んで事前に通常の弾幕を展開していたものをガラ空きの胴体へ撃ち込んだ。フランは上に意識を向けていたので正面の弾幕に対応出来ずヒットする。

あまり気分は良くないが、殺す勢いで放った弾幕だ、小さな身体のフランでは空中で踏ん張れず後方に吹き飛ばされていった。しかし、それでもまだ気絶せずに空中に留まった。

 

「............チッ、流石に堕ちないか。吸血鬼の特性上、湖に落ちたら勝ちなんだが」

 

吸血鬼は不死身であるが、何種類かの弱点を持つ。その中の一つに流水を超えられないというものがある。朧気ではあるが、二次創作アニメでパチュリーがフランを閉じ込める為に水の監獄を作り、弱点を突いた事で無力化した事がある。そこで今回はフランを湖に叩き落とし、気絶して貰おうという作戦だ。

俺は右手を正面にかざし、球体ではなく円柱型の弾幕を多数展開した。意図としてはただ当てるのではなく吹き飛ばす為だ。まぁ電柱より短いやつをぶん投げてると思ってくれていい。

 

すると、今までやられっぱなしだったフランが弾幕を展開し、こちらも殺す気で撃ってきた。

反射的に顔を右にズラし、直撃は避けたものの、よくあるバトルシーンの様に頬に切り傷が生まれ、血がタラリと流れていく。

しかもそれだけに留まらず、フランは多数の弾幕を撃ち放つ。

 

「.....ッ!なんかアニメみたいな戦闘になってきたじゃねぇかよぉ‼︎」

 

余りに弾幕が多過ぎて惚けてしまい、回避のタイミングを逃した俺は弾幕を撃ち放ち、すべての弾幕を撃ち落とすのを試みる。が、俺は初心者だ。弾幕を弾幕で撃ち抜くなんぞ出来る訳もなく。

 

「うぉぉぉおおおぁぁぁぁぁ⁉︎無理無理無理‼︎弾幕来てるからぁぁぁ⁉︎」

 

迎撃している弾幕をすり抜け、フランの弾幕が俺の顔を撃ち抜こうと迫ってきた。そのまま顔面に一直線に着弾すーーーる前に。

 

「んなろぉ‼︎『衝壁』‼︎」

 

前方にバリアみたいな霊力で作った壁を展開する。

もちろん、これも霊夢に習った結界擬き。いざという時の為に習いました。

 

「あぶねぇぇぇ...霊力を使う練習しといて良かった...!」

 

この霊力操作技術を東方の基準に例えるならば、『あらゆるものを形作る程度の能力』だ。空中に留まる足場然り、衝壁然り。最初から弾幕を生み出せたのもこれのおかげらしい。で、これを俺の転生特典と仮定し、使いこなせる様に修行していたのがこの2週間である。

 

「.....シッ‼︎」

 

俺は足元の霊力を強く流し、フランに向かって一直線に飛び出した。そのまま高速でフランの懐に潜り込み、右手をフランに向かって引き絞る。

 

ーー元々異世界から来たに等しい俺は、空を飛ぶ事なんて出来なかった。ただ住んでいた世界が違った為に、東方の世界の恩恵を受ける事が出来なかったからだ。それでも幸運な事に、一握りの人間は霊力を操る事が出来る、そんな有難いケースに恵まれ、何故か自分の中にあった魔力にも恵まれた。

 

人は空を飛ぶ事を夢見てきた。

当初その夢は幻想とされ、不可能な事だと諦められていた。しかし人はそれでもその夢を追いかけて追いかけて追いかけて、やっとの思いでそれを現実とした。

それは飛行機という本来の夢とは少し違ってはいたが、人が空を飛ぶ、それを成し遂げるのにどれだけ努力を重ねた事か。

 

ならば、それにあやかって努力するのみだった。だから俺は努力して努力して努力して努力して努力して、ほぼ一日中練習して霊力を操れる様になった。この小さな身体を使いこなせる様になった。少しだけずれてしまったけれど、俺は空を『歩く』事が出来る様になった。

 

そうだ、だからこそ。この2週間の集大成として、目の前のフランを倒す。

 

「これ以上暴れ回られても困るんでな‼︎お前には少しばかり眠って貰う‼︎『衝波』‼︎」

 

霊力を伴った右手は、一寸の狂いもなくフランのみぞうちを撃ち抜いた。衝波は相手の体内に無理やり霊力を叩き込み衝撃波となって敵を倒す、鎧通しを参考にした技である。いくら吸血鬼と言えど、体内に直接衝撃を叩き込まれたらひとたまりもない。それはフランも例外ではなく、明らかに意識が飛びかけている。だが、それでも意識はあるのだ。危険だから容赦はしない。

 

「スペルカード発動、少し痛いが我慢してくれ。幻符『夢幻蹴夢』」

 

ルーミアを気絶させた一撃をこれもみぞうちで発動し、衝撃に耐えれなかったフランが湖に堕ちていった。

.......そして、また黒い霧がフランの身体から抜けていくのも確認した。

 

「......やっぱりあれが原因か。霊夢に異変として報告するべきか.....?」

 

もうフランの暴走はあの黒い霧が原因なのは明白であった。度重なる襲撃、蒼刃を狙っているかの様であった。

そして、後にこの黒い霧が危険な脅威となり、『黒霧異変』として幻想郷を脅かす事になるとは、誰も知らなかった。

 

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