東方渡世抄 〜現実と幻想の境界〜 【更新停止】   作:小鳥戦士

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ちょっと投稿ペースがやばくなりそうなので、3ヶ月とかにならないうちに投稿


16話 二人のお話

1.

 

その後、やっとの思いで拘束から抜け出した俺は自分の年齢を彼女に伝え、自分がお子さまではない事を伝えた。しかし

『しってるわよ〜?でもそんなに可愛いんだから問題はないわ!』

 

なんてぬかしよる。

 

「……で?そろそろここに来た訳を話したいんだけど?」

 

「あ、それについては紫に聞いてるから大丈夫よ〜」

 

「望月様がここにいらっしゃる前に既に話し合いは始まっていたんですよ。ただ、その…大きな音がしたので紫様と幽々子様でスキマを介して確認し…紫様がなぜあぁなったか白状したためそのまま後処理に駆り出されたと言う事です」

 

「なるほど、なら返事を聞かせて欲しい。あんたらは協力してくれるのか?」

 

敵の正体は不明、対象を乗っ取る力を持ち、どこにどんな状態で現れるのかわからない。基本俺たちは敵の後手に回る事になる現状の中、味方を多く、そしていかに広範囲に網を張れるかが異変解決のカギだと思っている。

 

 

「もちろん、協力させて貰うわよ。ただし私は冥界で仕事もあるし、もし乗っ取られたらおしまいだから妖夢に行ってもらうわ」

 

「はい、お任せください」

 

正直なところ、彼女の能力は戦力的に欲しかったがこればかりは仕方ない。残念ながら敵と彼女は相性が悪いようだ。

 

「…確かに、そうなったら幻想郷滅亡だしな……とにかく、協力ありがとう。これからよろしく、妖夢」

 

「こちらこそよろしくお願いします、望月様」

 

「あ〜、出来れば様付けやめて欲しいかな。慣れてないし、もう対等な仲間なんだし」

 

「えっと…分かりました。そ、蒼君…?」

 

「それはやめて(真顔)」

 

「で、では蒼刃くんで」

 

そして、魂魄妖夢という接近戦枠の中でも強キャラが味方になった。彼女ならもし敵が襲いかかって来てもきっと斬り払ってくれる事だろう。

 

 

ちなみに何故蒼君だったのか聞いた所

 

『えっと、小さい子供みたいな背丈なので呼びやすいし親しみやすいかなと…』

との事。

 

俺は早く元の身体に戻りたいと切実に思った。

 

 

 

 

2.

 

 

「なんかごめんな、結局夕飯までご馳走になっちゃって…」

 

「いえいえ、たまに幽々子様は紫様とお食事されることがあるので大丈夫です。それよりちゃんとお腹いっぱいに食べましたか?しっかり食べないと成長しませんよ?」

 

「この場合、余計なお世話だと突っ込めばいいのか?それから美味しかったです。ごちそうさま」

 

「はい、お粗末様です」

 

結局、ゆゆ様たってのお願いで夕飯まで白玉楼に滞在することとなり、今はせめて夕飯を作ってくれた妖夢のお手伝いにと皿洗いをしているところだ。追記するならば、ゆゆ様はエグかった。

何がってエグかったってそれは、ねぇ。

大食いって怖い。

 

「そういえば、蒼刃くんも今回の異変解決に参戦するみたいですけど…」

 

「おう、つまりは自機組って事だな」

 

「……?」

 

「あぁいや、気にすんな。ただの独り言だよ独り言。んで、それがどうした?」

 

皿をしっかり布巾で拭いていると、隣で皿を水洗いしている妖夢から声が掛けられた。

 

「蒼刃くんはその…どう戦うんですか?紅魔館にいる吸血鬼姉妹のようにヒトは見かけによらないというのは理解しているんですが…人間の子供は流石に…」

 

「いやだからさ?身体だけって言ってるじゃん。なに?みんなして俺を子供ネタでいじめるの流行ってんの?泣くよ?この身体にモノを言わして人前で泣き叫ぶよ?」

 

「いや、その、あの…」

 

ちょっと涙目になりながら答えてやると、俺の返答に居た堪れなくなったのか妖夢があたふたしだした。そのままスマホでパシャりと一枚。妖夢にとっては聞き慣れない音の筈だが、もともとあたふたしていたからかその辺も含めてあたふたが止まらない。

 

「いや、戦闘方法が聞きたい事は分かってるから。そしてごちそうさまです」

 

「…?…??…ってはい、明らかに戦闘をこなせれるようには見えないので…」

 

ごもっともである。今の俺の身長はレミリアやフランとほぼ同じ位で、身体能力に関しては吸血鬼である二人に対し、俺はただの人間の子供である。つまり見た目は同じでも中身にどうしても差があるのだ。それも絶望的なまでに。

 

「もちろん今の俺は一発でも喰らえば吹き飛ぶ紙装甲もいい所だ。子供の身体の強さなんてたかが知れてるし、体力なんて走ったらすぐなくなるよ」

 

転生初日に俺は博麗神社の階段を登ることになった訳だが、神社に着く頃にはもう歩くことすら困難な程に疲れ果てしまい、一通り叫んだ辺りで倒れた所を霊夢と魔理沙に保護され今に至った経歴がある。それも二週間くらい前だが。

 

「しかーし!そんなデメリットを補って余る程の才能を得た。それが…『あらゆるものを形作る程度の能力』であーる」

 

俺は洗い終えた皿を10枚くらい積み重ね、右手の人差し指だけで持った。能力を使い、霊力で身体を強化したのだ。

 

「能力の『形作る』っていうのを霊力で強化した自分を『形作る』として使ったって訳。今みたいに使い方次第で色々出来るっていう優秀な能力さ」

 

「な、なるほど…それがあれば身体能力の面も補えるし、弾幕やここに来る際にも使っていたあの膜の様なものを形作ることが出来ると…なんですかそれ、無茶苦茶便利な能力じゃないですか」

 

「そ、そこまで見てたんだ…いや、あんまり過信しちゃいけない。一見、この能力はなんでも形にできるように見えるけど、実は見過ごせない弱点が幾つかある」

 

「弱点…ですか」

 

「うん。仲間である妖夢には言っておくけどね、この能力…霊力や魔力がないと全く使えなくなるんだよね」

 

「…え?本来、能力は霊力や魔力、妖力神力などの潜在能力を必要としない筈では?もちろん例外はありますけど、蒼刃くんの能力は…」

 

「残念ながらその例外に分類される。確かにこの能力自体は気体や物体、霊力や魔力とかを無理矢理固めて形にするんだけど、問題は形の維持にある」

 

俺は台所から一歩下がり、能力を使い両手に定規ぐらいの大きさのものを形作って持った。

 

「今から実践してみるけど、右手のが空気を固めたやつに霊力を込めたやつ、左手のが空気だけを固めたやつ。両方軽めに台所に叩きつけると…」

 

両方を同時に振りかぶって台所に叩きつけると、右手のはそのまま形を保っているのに対して、左手のは綺麗に半分に割れ、そのまま空気中に霧散してしまった。

 

「こんな感じで霊力を込めないと酷く脆くなってしまうんだわ。今回は空気を使ったから元の空気に戻っただけだけど…まぁ、能力で形にしたものは霊力や魔力でコーティングしなきゃいけないんだよね…これが弱点その1」

 

幻符『夢幻蹴夢』のカラクリはこれにある。あれは今みたいに霊力で固めていない球を広範囲に拡散させ、本命である霊力で固めた球を撹乱させている訳だ。だから固めていない球は当たってもただの霊力なので霧散し、本命は被弾すれば大ダメージを与えれるのだ。

 

「そしてもう一つ…形にしたものを維持するにも霊力か魔力を消費しなければならないという事。でもそれに関しては解決してる。要は形にしたものの維持をすぐにやめればいいみたいだ。およそ5秒、それが余分な力を使わなくていいギリギリ限界の時間だ」

 

今日この日までおよそ二週間とちょっと。霊夢と紫のとこで修行中、能力の鍛錬をしていた。何度も何度も繰り返し能力を発動し、霊力切れでぶっ倒れる事もあった。しかし、自分の能力の使い道や限界も知れたし、戦術を練ることも出来た。結果、操られていたとはいえ、原作キャラを二人も撃破できる程に使いこなせるようになった。

 

「ま、戦闘になったらたよってくれていいぜ?この能力を総評すると、いかにうまく応用出来るかによって価値が上がるってとこだ。だから、おおよその状況に適応出来るからよ」

 

「…なんというか、凄くクセのある能力なんですね。でも、はい。戦闘中、蒼刃くんに頼らせてもらいますね」

 

「おうさ、任せとけ」

 

この能力は、何故かこの状況にとても適応出来ている能力だと俺は感じている。何故なら、敵の情報はごく少数で、未知数な点が多過ぎる。しかし、うまく使えばあらゆる戦局で立ち回る事が出来るからだ。

 

しかし、俺はなんとなく嫌な感じがしていた。この能力は、もしかしたら意図的に授けられたのではないか…と。敵は原作にも登場していないイレギュラー。それに対するは同じく原作にいない別次元からのイレギュラー。

だが、それでいい。

現在どの時間軸にいるかわからない以上、正直動きにくくて仕方ない。しかし、明確な敵として…そして異変解決という口実の元自由に動ける。特に縛られること無くだ。

 

これは退屈しないな、と望月蒼刃というイレギュラーは不敵に笑った。

 




追記

この小説には作者の偏見及び事実ではないかもしれない事が書かれている事が無きもあらずなので、そこはこれって二次創作だもんな、程度の考えで受け止めていただければと思います。
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