ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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コハエースとプリズマイリヤと螺旋のエンペロイダーと伏と実は私はとハーベストマーチを読んでいたら遅れました。サーセン
フクイタクミさんの主人公は何故ああも可愛らしい少年になるのか・・・



『四月二十一・・・と思ったか!? バカめ!』

「――というわけで、意外と死亡例自体は少ないそうです。ちなみに祭神は阿弖流夷というのがあまり知られていない事実です」

 

「あてるいって誰だっけ……」

 

 

 コピペ乙。

 ゆえせんせーの神社仏閣講座を再度聞きつつも一度耳にした話なのに頭に疑問符を浮かべる明日菜を遠めに見つつ、現在清水寺。京都、修学旅行の一日目である。

 新幹線の車中で笹浦のおっさんと会った以外には別段でっかい騒動もなかったので、のんびりとした見学に踏み入れて居れる初夏の旅。

 強いてあげるならエヴァ姉のテンションが鰻登りであった程度だろうか。精神年齢高いとかって原作設定で目にした記憶もあるのだけど、十五年も麻帆良から出られなければ解放されることで子供みたいにはしゃぐのも無理は無い。

 というよりやっぱり肉体に精神は引っ張られるものだから、という理屈も何処かに潜んでいそうではあるけど今日語ることでも無いので話はここまで。蛇足蛇足。

 

 ちなみに先日の休日の一抹。

 結局全員で集まって誕生会という名目でカラオケに直行しました。

 全員っつうか、後をつけていた和泉とゆーなとアキラたん? 後はネギ君とこのかをつけていたチア三人娘に雪広と図書館探検娘の三人で合計十四人。ぞろぞろとカウンターで集まっていたときのカラオケ店員の驚愕の表情は忘れられそうにない。

 というか和泉らが三人一緒にこそこそしていた理由がよくわからん。三人とも美少女だから麻帆良の外じゃあ目立つ目立つ。よく声をかけられていた御三方を遠目に見つつの暇つぶしでの三時間は、それはそれで意外と面白かった。

 午前から隠れていたし、どうせなら最初から顔を合わせておけばちょうどいい暇つぶしにもなったのだけど、明日菜に鉢合わせすることに気を使われたか? どっちにしろ明日菜は早朝に既に会っていたから気にしなくてもいいと思うんだけどなー。新聞配達で一緒だったし。

 ちなみに明日菜の遅刻の理由は二度寝。休日だということで身体が休みを求めていたのだと思う。このかも先に外出していたらしいし。

 

 カラオケではネギ君とオコジョが謎のユニットで電波ソングを踊ったが、同室の俺が教えたのかと勘違いされそうだから自重してくれねえかな? 自室ならいくらでも踊って構わないからさ。

 綾瀬と宮崎のビブリオンも、まあ面白かったからいいんだけどね。ただし明日菜と雪広に百合キュアを要求したネギ坊主、てめーはだめだ。いや確かに似合っていそうではあるけど、多分二人とも聞いたこと無いと思う。

 ちなみに俺が歌おうとしたカゲロウデイズは全員必死で止められた。わかるわ。お陰で結局無難なバ●プ。いや無難っていう言い方も違うか? 硝子玉ひーとつ(ry。

 

 さて、そんな一日の話はもう置いといて。

 本日より修学旅行。大事なことなので二度目だが、京都である。

 さっきも触れたが、新幹線では別段特筆するようなこともなかった。

 あえて言うなら、修学旅行の行き先がハワイではなく京都であったことに打ちひしがれていたキモい神宮寺がいた、って程度だ。

 「エヴァたんと茶々丸たんの水着姿ぁ……」って若干本気のテンションで落ち込んでいたのが目に悪い。麻帆女3-Aが合同で京都に行くということで復活したのはいいが、大宮で既にそのテンションでその先大丈夫なのだろうか。上方修正されたテンションの高さに、やつの周り半径一メートルには終ぞ人が集まることはなかったという。

 どうでもいいけど一緒に行くのはA組だけじゃないからな?

 

 

『わたしあいさかさん、今あなたのとなりにいるのー』

 

「はいはいなんすか」

 

『次あれ食べたいです! ソフトくりーむ!』

 

「りょーかい」

 

 

 ちなみに相坂さんちのさよちゃんはこの場に来れていない。麻帆良の結界が原因なのか、それとも地縛霊ならではのルールでもあるのか。麻帆良から外出できなかったせいでの欠席である。

 なので、俺がなんとか開発した遠隔感覚共有の術式で一方的なリアルタイム中継。首から提げたお守りを通じて、さよちゃんにも麻帆良に居ながらにして体を持っていた頃の感覚を思い起こさせている状態だ。意見を聞くために念話も常時接続状態。お陰で俺の財布が薄くなる。

 

 

「そんなに買ってお土産買えるのかい?」

 

「今回はちょっと多めに小遣いあるから、へーき」

 

 

 因幡に心配された。いいやつ。

 ちなみに小遣いの出所は学園長。エヴァ姉を修学旅行に連れてゆく際に、『登校地獄』の呪いの精霊をどうにかするための始末の一端を俺が握っているのだ。ちょっとしたバイト感覚でイギリス旅行と同等の小遣いを貰えているが、これは確かに俺じゃないと無理だわ、と納得の値段設定。

 そんな過去回想に赴く間も無く、舞台ではしゃいでいたエヴァ姉が駆け寄ってきた。

 

 

「そら! そら! 私も食べるぞ!」

 

「おぉ、アメリカンクリームサンドだって、食ってみる?」

 

「なんでいきなり珍味を寄越す!?」

 

 

 ハハハ、何をおっしゃる。

 今回の小遣いの増額はエヴァ姉のお陰だからねー。これは俺なりのお礼だよー。

 

 

「まあまあ、意外と旨いよ?」

 

「むぐ、そんなにいうなら、はむ……

 !? かっ、かたひっ!? 中のくりーむが溶けてはみ出て……大惨事に!?」

 

「いや、早く食べないから」

 

「そんなに早く食えるか! 硬くて食いちぎれんぞ!?」

 

 

 千切る、とか言わないで。形状がアレだから、ちょっと、ねえ?

 

 そういえばエクレアの語源はエクレールといって、意味は稲妻。雷のように早く食べる必要がある、っていう意味合いらしい。へぇー。へぇー。

 

 

   × × × × ×

 

 

 修学旅行二日目の早朝。部屋割りはエヴァ姉と茶々丸は男子と同室にするわけにはいかないので、そちらへと俺が移動する必要があった。

 そんな個人部屋へ参上した俺のやることは一つ。

 

 

『けいやくですか?』

 

「契約です」

 

 

 部屋にて未だ眩ろみの中にいるエヴァ姉を放置して、わがままフェアリーともや●もんの菌類を足して二で割ったようなマスコットと会話する俺がいた。っていうか妖精さんである。人類が衰退してしまいそうな。

 

 

『どれくらいですか?』

 

「とりあえず今日一日」

 

『りょうかいしたです?』

 

 

 本当にこれであってるのかなぁ。

 とは口に出して言わない。

 俺が正常化させたせいなのか、それとも呪いをかけた本人がナギスプリングフィールドだからなのか、契約の精霊が某アニメの妖精さんみたいな存在の上にスタンドみたいに一部の人間以外には不可視の存在となってエヴァ姉に取り憑いているのである。

 俺のバイトはこの子を宥め賺して、呪いをかけている『側』の人間の観察者代理として仮上書きする、という面倒なものだ。俺が一時的にエヴァ姉の監督者となれば、先生がいちいちついてなくともこの旅行中は自由時間も満喫できる、という寸法である。

 但しいつまでもは無理。基準となる消費魔力がものすげぇ吸い取られるのだ。ナギスプリングフィールドの馬鹿魔力の余波がこんなところに無駄に発揮されるとかって。どんだけー。

 

 ちなみに俺の入っている班は他の男子は敷浪と因幡だったりするのだが、エヴァ姉と茶々丸が入っているので色々敵視されていたりもする。飛鳥ちゃんは壁要員だ。ガンバ。

 

 

「そういえばネギ君大人しいな……」

 

 

 ガッツリ魔力を吸われる感覚を身に受けつつ、昨日から気になっていたことをぽつりと呟く。

 笹浦のおっさんに新幹線内であった以外は騒動もなかった一日目。原作では口にするのもバカらしいくらいのしょうもない妨害工作(いたずら)が蔓延っていたはずなのに、千草さんとやらは活動していないのかね?

 A組女子らが大人しかったのは意外だったが、嵐の前の静けさ、という言葉を髣髴とさせる。本番はおそらく自由行動日の今日なのかもしれない。

 

 

   × × × × ×

 

 

「うーん、どうしたらいいのかなぁ……」

 

 

 ネギ少年は悩んでいた。原因はこの旅行が始まる前に学園長より預かった書状だった。

 二日目自由班行動日となる本日の朝食時、彼にアプローチをかけて来る女子らに辟易とはしかけたものの、教職を疎かにするほど不真面目ではないネギ少年は何処の班と行動をともにするかで大いに悩んだ。

 だがこの手渡された爆弾のような親書という名目の書状、所謂『お互いにいがみ合うのも大人気ないだろうし、そろそろ仲直りしない?』という旨を綴った関東魔法協会より関西呪術協会への融和の書状を自らが届けるという、見習い魔法教師には本来任せられるはずの無い『お使い』に比べれば、今朝の悩みなど些事のようなものである。

 

 班行動の付き添いは明日菜にこのかに図書館三人娘、プラスバカホワイト(命名そら)の六人編成の五班となった。が、なぜか距離を置きたがる刹那を五人でカバディするというよくわからない陣形にて奈良へ行けば、そこでは鹿せんべいを三枚同時に愉しそうに鹿へ食わせるエヴァを引き連れたそら一行と合流。

 いいタイミングかと思いそらかエヴァンジェリンに親書について相談してみようかと思えば、運動部娘四人衆に龍宮の加わった四班が馳せ参じ魔法関連の話を出来ないような雰囲気に。

 結局どうしたものかと悩んだままに、気がつけば一人はぐれて別行動に陥っている始末である。

 このまま悩みを抱えながらでは教師の仕事もろくに出来やしない。困ったクマー。と本来自分が請け負わなくてもいいんじゃないかというお使いを背負わせた珍妙な頭蓋の学園長に、こっそりとささやかな呪詛を送るネギ少年であった。

 

 そんな少年の目に、ある光景が飛び込む。

 

 それは、狭い道の中をバーッと10tトラックが走り迫り来る光景。その道の先にはとてとてと小さな子猫が車に気づかずに彷徨っている。

 それを目にしたときには、もう彼は駆け出していた。

 

 

   × × × × ×

 

 

 そしてそれを目撃していたのは彼だけではなかった。

 ネギ少年よりわずかに数メートル後方。3-Aの広報係、新聞部所属の少女。パイナップルを髣髴とさせる髪型が特徴の少女・朝倉和美その人が、今にも轢かれそうな猫を、そしてそれを助けに飛びつく自分たちの担任を、すべてを目撃していた。

 

 

『絶! 天猫抜刀牙!』

――ドゴォォォォッン!!!

「ぐわぁぁぁーーーッ!?」

 

 

 ――そう、助けに入ったはずのネギ少年が、襲い来る10tトラックと共に、小さな子猫に返り討ちにあう光景まで。ばっちりはっきりくっきりと、まるっと終始お見通しにしてしまっていたのであった。

 

 

「(猫つえぇぇーーーっ!?)」

 

 

 驚いて声も出ないが、心の声は驚愕一色に彩られ、爆炎に沈むトラックの前にスタッと降り立つ子猫はニヒルに笑い呟き、何事もなかったように立ち去っていった。

 

 

『――身体は猫で出来ている……にゃぁ』

 

「(何もんだあのねこーーー!?)」

 

 

 それは、誰にもわからない。

 

 

「うう、い、いったい何が……?」

 

『だ、大丈夫ですかい、アニキ?』

 

「うん、何とか……」

 

 

 慌てて物陰に隠れなおす朝倉和美。

 謎の猫も追わなくてはならない不思議に思えるが、轟々と燃え荒ぶトラックを他所に、意外にも平気な風に立ち上がった我らが担任。そしてそれに話しかける何者かがいることを目撃してしまったためだ。

 そしてその何者かは、彼の懐に潜むオコジョであったように見えたし、そのオコジョと一瞬目が合った気がした。

 

 こっそりと様子を伺えば、オコジョは明らかにこちらに気づいた様子でにやりと笑っている。以前に担任から見せてもらった、小動物らしさが欠片も見当たらない。なんだか小物臭のぷんぷん漂う小悪党が、自分たちの担任を騙しているような? そんな空気をも感じ取ってしまうパイナップル頭。

 

 

『とりあえずこの場は急いで離れたほうがいいですぜ。トラックのほうはおれっちに任せて、アニキはお早めにお逃げくだせぇ』

 

「え? う、うん。わかったよ、カモ君。でも大丈夫?」

 

『大丈夫でさぁ。オコジョ妖精の力を甘く見ないでほしいっすね』

 

「そ、そうなの? それじゃあ……」

 

 

 思ったとおりに、いたいけな子供を騙しているようにしか見えない小動物に朝倉は憤りを感じる。

 もしアレがネギ少年が女子寮にいた頃にいたとしたら、どんなことに巻き込まれるかたまったものではなかった。という憶測の元、朝倉は小動物の行動を記録するためにカメラを構える。

 

 体良くネギ少年を現場から遠ざけた小動物は、果たして何を見せるつもりなのか。と朝倉が様子を伺い続けていた、そこに、声をかけられる。

 

 

『――姐さん、見て、いやがるんでしょう?』

 

「――っ!?」

 

 

 ――そして騒動はこの一匹と一人の邂逅によって、堂々たる幕を開かれるのだった。

 

 

 




~清水寺
 ゆえせんせーの神社仏閣講座(コピペ)。二度目なのに明日菜の記憶領域がやばい。きいたげてよぉ。

~カゲロウデイズ
 歌詞内容がどう聞いてもR-15。無限ループって怖くね?
 俺が聞きながら書くとどんどんと鬱に傾く。『アキラの世界』にて実証済み。おお怖い怖い。

~あいさかさん
 携帯を媒介とした念話なため、傍目に独り言を言っているようには見せない仕様。ただし魔力ではなく電力の消費が凄まじい。
 感覚共有は一方通行。お守りを提げれば別の人にも任せられるという特別仕様。ある意味呪いにも似ている気もスル。

~アメリカンクリームサンド
 アメリカンドッグ状の、中にクリームを挟んだという食べ歩き型のお菓子。
 何かを狙ったような形状に、男子中学生は前屈み。いやん。

~けいやくするです?
 衰退しましたか?的な容姿の妖精さん。学園の外に出ると実体化したという、初見でなぁにこれぇ?と大宮にて二度見したそらを攻められる者はいないと思う。
 わがままフェアリーは、覚えてる人いるかなぁ。

~親書について
 こちらのネギ君は石橋を叩いて渡りたい性格になってきており、なので先ずは内容を確認したらこの悩みが出没。要するに学園長のPSのあれ。
 先手を打とうとしたら禄でもない内容を見つけてしまい、こんなもん書状に残したら後々どう難癖つけられるかわかったものじゃねぇ、と思考が行き着いたネギ少年の苦悩。次回へ続く。

~10tトラック
 よう! 俺は転生トラック! 神の手を煩わせないように優しい心の持ち主を神の座へと送る仕事を持つ、この道十年のナイスガイさ!
 今日のターゲットは少年らしいが、おおっと、子猫を助けようってのかい? その心意気善し! 次の人生ではもっと良いものを送れるように、今こそ転生のときだぁ! いくぜぇー! ――っ!? な、なんだあの猫!? まさか、あの動きは! ぐわぁぁぁぁ!!?

~猫
 普通の猫。転生者でもなければ魔法にも携わっていない何処にでもいる子猫。
 強いてあげるならばシュレディンガーの反転因果を請け負っただけの因果凝縮推戴。その存在は視認されなければ50:50の生存確率を持つという件のシュレディンガーの猫理論が成立するための律を相反させた因果を持ち、彼が存在している限りどのような事故に遭おうとも『生存する』という無駄に強固な因果を持っている。
 但し強いというわけではなく、ただ生き残れるというだけの因果なためにそれ自体の強度は平凡そのものであるが、それを滅ぼそうとするならば星の一つや二つが対消滅する覚悟を持たなければならない。
 ちなみに猫自体はモブそのものなので、どのような世界線にでも存在しうる可能性を持つ。例えばラカン表の中とか。


超遅れてスイマセン。43話目くらいをお送りいたしましたよ、っと
トッポってすげぇよな、最後までチョコたっぷりだもん

前回の更新から遅れること一週間弱。コレまでの話を修正とか行間開けとか、あとは資料を読み漁っていたりしたらいつの間にかこんなに期間を空けてしまいました。話の内容はある程度練られているはずなのに、それを文にするのがかなりめんどくさゲッフンゲッフン!ほら、雨とかゲリラ豪雨とかで停電の心配してたから。そのせいで書く時間を持てなかったんですよー(白目)

長々とお付き合い下さり毎回感謝
次話はもっと早くに載せたいです。それでは

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