ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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『ハーレム王に、俺はなるっ!』

 

「というわけで、是非ともお願いしたいんだけどねぇ」

 

「えぇ……

 あの、こんなこと言いたくないんですけど……」

 

「ん? なんだい?」

 

「頭大丈夫ですか?」

 

「……言いたくない割にははっきり言うねぇ」

 

 

 珍しく高畑先生に呼び止められたと思ったら、「三学期から麻帆良女子中で授業を受けてほしい」と言われた。

 な、なにをいってるのかわからねえと思うが、俺自身なにを言われたのかもわからねえ……。魔法だとか認識阻害だとかそういうちゃちな話じゃもっとねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 

 

「っていうか、なんでそんな話になったんですか?」

 

「うん。

 共学化の一環としてね、男子校から何人か移動して、徐々に生徒たちに慣れさせようと思うんだけど、やっぱり気心の知れた相手のほうがいいだろう?

 烏丸君なら明日菜君や和泉君に明石君、エヴァとも仲がいいし、下手な男子を入れるよりは軋轢もないかなと思ったんだよ」

 

「それはたまに会うからですよ。部活程度ならそりゃあカッコはつけますけど、毎日となると流石に気疲れしますよ」

 

「明日菜君とは毎朝会っているじゃないか」

 

「いや、俺がじゃなくて相手がですよ」

 

 

 駄目だこのオッサン。女子の心情酌んでやれよ。本当に女子中の教師かよ。

 

 

「うん、そう考えられるキミならなおさら適任だと思うなぁ」

 

「それに気づけない先生は教師としてどうかと思うなぁ」

 

「ハハハ、これは手厳しいね」

 

 

 おいそれはこのかパパの台詞だろ。あんたが取るなよ。というか厭味言ったんだから笑って流すな。

 

 

「とにかく、そういう話は断りますんで。

 学園長かエヴァ姉にでも話し通してくださいよ」

 

「ああ、二人にはもう言ってあるんだ。

 というか、学園長のほうからこの話は出たものでね」

 

「なんでだ」

 

 

 つーかやっぱり学園長からの差し金なんかい。

 エヴァ姉にも通してあるというのはびっくりしたけど……、あ、だから前の修行のときあんなこと言ったのか。

 

 いや、でも拒否権ぐらいある、よね……?

 

 正直直接かかわりたくないんだよなぁ。

 このかとは仲いいはずだけど、せっちゃんとかがなぁ、割とキッツイ目で睨んでくるんだもんよ、一緒にいると。まぁ、こんな障壁常時展開している俺が護衛対象に近づけばそう警戒されるのもわかるけど。

 睨まれっ放しとか空気悪くすんじゃん。俺もうやだよ、そういうの。

 

 あと大概の魔法生徒が結構警戒してるみたいなんだよな。仕方ないとは思うけど。

 常時展開の障壁に加えて、エヴァに弟子入りしてるとか、「せいぎのまほうつかい」からしてみれば正気の沙汰とは思えないのだろう。

 え、ネギ?

 それはほら、英雄の息子だから大目に見てもらえてるんだよ。

 

 というか、この話が俺に来るってことは、あのクラスは「ネギへの従者候補≪生け贄≫」ではなくて「厄介者を一つ所に集めた」が正解かもしれないな。

でなければ、ほんとにつかみ所のない俺をそんな大事な場所へと押し込める意味がないだろうし。

 

 ……まさか何も考えてなくて「とりあえず希少そうなキャラを集めようぜ」とかいう理由じゃないよな。

 

 

「で、どうかな?」

 

「あー、ちょっとは考えさせてくださいよ

 ってそういえば、この話受けたら夜の警備にも手を貸してとか言う方向へ持っていこうとかそういう魂胆があるんじゃ……」

 

「いやいや、さすがにそこまでは頼まないよ」

 

「ならいいんですけどね」

 

 

 夜間警備とか、早朝新聞配達やってる俺にはマジ拷問です。

 

 

   × × × × ×

 

 

 はっ、ひらめいた!

 入場料を取って図書館開放すればいいんじゃね!? 魔法の資料とか見たところで結局努力しないと身につく代物じゃないのは学問の一種としては違いないものなんだし、侵入者としていちいち気を張っているよりもその方が儲けも出るよ!

 

 ……って、なんで俺はこんなこと考えてるんだろ。

 

 とりあえず、目的の奴も見つけたし、

 

 

「かーきざーきくーん、あーそーぼー」

 

「誰が『くん』だ小僧」

 

「誰が小僧だフォラァ」

 

「その切り返しは理不尽だよ」

 

 

 そんな邂逅ですけど互いに笑顔。仲は悪くないよー、トモダチトモダチ。

 

 

「でさぁミサミサ、俺なんか高畑さんに『僕と契約して女子中学生になってよ!』って言われたんだけど、契約したほうがいいと思う?」

 

「ちょ、なんで乗り気なのさww

 あとミサミサ言うなし」

 

「ゴメン、カッキー」

 

「カッキーもやめぇ」

 

 

 冗談みたいなほんとのハナシを繰り返しつつ、合い席で座る。

 行きつけの喫茶店なので多分待ち合わせ。相手が来るまで相談相手になってもらおうじゃないか。

 ちなみにこの柿崎美砂とは小学校時の同級生。夕日の河原でクロスカウンターを決めた熱い仲である。嘘だけど。

 

 

「ちなみにお前らのクラスに編入とかって言う話

 どうすればいいかね」

 

「へー、そらっちほんとに女の子になるの?

 いーじゃんいーじゃん、きちゃいなよー」

 

「信じてなくね?」

 

「……ん? マジなの?」

 

「マジだって」

 

 

 高畑先生の話じゃあオフレコっぽいけれど、仲のいい相手って前提条件を俺に話してるんだし。これぐらいのリークは見逃して欲しいね。

 朝倉とかに言ったら一瞬で学園中を駆け巡りそうな気はするから言わないけど。っていうか今のところ面識ないけど。

 

 

「ふーん。そっかー。ふーん……

 

 いんじゃね?」

 

「考えた割りに答え軽いな」

 

「乗り気じゃないの?」

 

「乗り気じゃあ、ない。ここはマジで。

 反発とかけっこうありそうな気もするし、そういうところに無理に横槍入れたら学級崩壊すんのが目に見えてる気もするし」

 

「いいんちょとかならけっこう簡単に受け入れてくれるんじゃないの?」

 

「雪広とかがその筆頭だろうよ、ショタならともかく同年代とか奴得とは思えない」

 

「それいいんちょに言っとくね」

 

「やめたげてよぉ!」

 

 

 雪広流柔術はいやぁ。

 投げ飛ばされるのはもっといやぁ。

 

 

「あたしはへーきだとおもうけどなー

 あ、本屋ちゃんとかは無理か」

 

「ホラ、男子が苦手なやつとかだっているんじゃん」

 

「よくわかったねー」

 

「このノリなら読むのは容易い

 五秒も要らぬわ」

 

「何で五秒?

 まあいいけどさ

 

 そらっちは前に言ってたじゃん、『ハーレム王に俺はなるっ』って

 なっちゃいなよ、ユーやっちゃいなYO」

 

「言ってないからな、マジで

 そうやって人の発言を捏造すんのはやめてくれませんかね、マジで」

 

 

 そこはほんと頼むよ柿崎さん。同級生だったのはわずかな間だったはずなのに、あーたの捏造発言のお陰でいらん武勇伝がそこかしこにど派手な看板で乱立してんだからね?

 無駄に伝説の男、とか言われて、たまに声かけられることもけっこう迷惑してるのよ。いまどき珍しいリーゼントとかさぁ。

 

 ……余談だけど、あのリーゼントが実はスタプラとかクレイジーダイヤモンドとかを持っていたら本気でこの世界が嫌になってるな。俺。

 麻帆良武道会では要注意といこう。

 

 

「あっれー?

 ミサミサー、そのひとかれしー?」

 

 

 と、多分待ち合わせの相手が現れた。

 椎名桜子、か? 初対面だから知らんけど。

 

 

「違うよ、こいつはトモダチ

 夕日の河原でクロスカウンターを決めた間柄って程度だね」

 

「ああ、熱いバトルだったぜ」

 

「なにしてるの二人!? ダメだよケンカはー!」

 

 

 喧嘩じゃない。決闘≪デュエル≫だ。

 




~デュエルスタンバイ!
 ネタだと思わせて実はマジ、と思わせたネタ。作中でばらさないとまったくもって判別できない。真相はヤミノナカ……

~幼馴染なの?柿崎君!
 あとそらの知り合いは2-A(3-A)にはもう2、3人って程度。
 それ以外にスタンド使いを潜ませるネタを画策中。
 いつから使い手が主人公だけだと錯覚していた……?

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