ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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今回少々残酷な描写がありますが、年齢制限は必要ないかと思われますので明記しません
ちょっと耐性の無い方は読了注意、という自己責任とのことでご了承ください



『ワイルドバンチ』

「う、後ろですッ!」

 

 

 ゆえきちの悲鳴と銃撃の音に咄嗟に反応し、思わず出したインストールドットで対応する。撃ち落とせたのは二発分。もう一発がゆえきちに迫っていることを辛うじて目視できたが、インストールドットでは対応が追いつかない。

 結果、俺が其処に左手を伸ばして銃弾を受けることになった。

 

 

「がっああああっ!!!」

 

「――な……っ!」

 

 

 ゆえきちの絶句する姿が視界に写るが、対応している暇は無い。手のひらからバシバシと石に変わってゆく左腕はその進行が収まる様子もないので、インストールドットで肩口から『切断』する。

 

 

「――っはぁ……っ! はぁあぁ、間に合った、か……?」

 

「か、からすまさん、う、腕が……っ」

 

 

 石化の進行は切り離した左腕だけで収まるが、今度は出血多量で死ぬ。スタンドに『凝固』と連続で書き込ませてかなり荒い応急処置を終えるころには、一緒に来ていた三人娘の石化も終了していた。

 すまん。俺では綾瀬だけしか守れそうになかった。というかスタンド見えないんじゃやっぱり足手まといじゃねえかよやだー。と幾分かマシになるように思考誘導を己に暗示する。いちいち反省している暇は無い。

 視線を向ければ、二足歩行の鮫型のスタンドが山中の中腹、雑木林の奥のほうからこちらをじっと窺っていた。

 

 

   × × × × ×

 

 

 GPSを持った長瀬楓に連れられて歩んだ先は屋敷ではなく山中の方で。恐らくは逃げ回っているであろう綾瀬の身を案じつつ俺もそっちへついてゆく。

 呪術協会本部が襲われたというなら未だ敵が残っている可能性もあるそちらへのこのこ行くのは明らかに悪手だし、状況を詳しく知るであろう綾瀬と合流するほうが一番の近道に思えた。

 

 しばらくして発見した綾瀬は浴衣と思われる着物風の寝巻き一枚しか羽織っておらず、ついでに言うと裸足で逃げ回っていたので、こんなこともあろうかと用意していた自分用より少し小さめのサイズのバッシュを履かせれば全員に怪訝な表情で見られた。

 備えあれば憂いなしと言うだろうに。こういうのを普段から準備しておけばバスケに勤しむ小学生女子が困っているところを助けて、そこから縁が連なって青田買い出来る可能性も俺にもあるかもしれない。と冗談で言ってみれば蔑んだ目でじっとりと見られる。冗談だっつうの、笑えよ。きっちりと括弧もつけていたのに。解せない。

 それはともかく、昨夜も見たはずなのだが今夜の綾瀬の格好は昨夜以上に装甲が薄い。もしや、はいてないのでは……!? と戦慄が走る。

 

 閑話休題。

 

 聞くところによればこのかと桜咲は天ヶ崎一派に連れられて封印解除に赴いたのだが、本部にて残っていたものたちを謎の怪物が次々と石化していったらしい。

 その怪物を認識できるのが自分だけで、逃げ惑ううちに一緒に逃げていた他の仲間も石化させられて残っているのは綾瀬のみ。申し訳なさそうに謝罪するが、情報を残してくれただけでもありがたい。

 しかし聞けば明日菜も石化させられたという話。あれ? あいつ魔法無効化できなかったっけ? と首を傾げるも、その怪物を認識できていたのが綾瀬だけだというのも解せない話。

 

 そんなところへ強襲を仕掛けてきたのがあれってわけだ。

 っていうか、スタンドだよ。マジかよ。

 

 

「とりあえず色々言いたいことはあるけど綾瀬、ようこそ、こっちの世界へ」

 

「何をのん気な……っ!?

 大丈夫なのですか! 腕は!?」

 

「応急処置はしたよー、痛ぇけど、治す手立てくらいあるさー」

 

 

 エヴァ姉は治療魔法不得手だったから、結局独自製法で術式編んだんだよなー。なつかしーい。

 

 

「そ、そういえば魔法使いでしたね、烏丸さんも……

 わたし的には今見た謎の人物が何者なのかを知りたいのですが……」

 

「こいつ? 名前はインストールドット、スタンドだよ」

 

「そ、そんな、漫画じゃあるまいし……」

 

 

 おや。魔法を知るはずなのに幽波紋には懐疑的とな?

 

 

「漫画の世界みたいな現実に足を踏み入れた癖して何をいうかー。こういうこともあるんだよ」

 

「なんだか反応がおざなりでは……って、若しかして怪我で血が足りていないからなのではないですか!? 早く治療してください!」

 

「いやぁ、専用の術式を組むには今この場では無理」

 

「駄目駄目じゃないですか!?」

 

 

 漫才みたいな掛け合いが続く。

 狙われているのに、こいつもいい根性している。

 

 

「ふん。生き残っているものがどんな使い手かと期待してみれば、運で生き残っている程度の素人だったか」

 

 

 そんなことを呟きつつ、敵スタンドのそばに爺が一人現れた。

 どう見てもあいつが主犯です。本当にありがとうございました。

 

 

「あんたさー、協会敵に回して何がしたいわけ?」

 

「口の利き方に気をつけるんだな小僧。今のお前程度、すぐに殺せるぞ」

 

 

 爺の言葉に怯えたのか、綾瀬が俺を守るように抱きついてくる。嬉しいけど、浴衣が汚れるぞ。『凝固』しているけどしっかりと滲むんだよな、この状態の血でも。

 

 

「離れてたほうが良くね?」

 

「そんな状態で何を言うのですか。守るくらいなら出来ます――アデアット!」

 

 

 アーティファクト『世界図譜』を召喚する綾瀬だけど、はっきり言ってほとんど意味が無い。

 あれだ、グリードアイランドでスペルカードが無い状態でもバインダーを出しておくっていう、初心者以外はやるスペカバトルの心意気みたいな状態に近いかも知れん。

 

 

「わたしが時間を稼ぐです! だから烏丸さんはセルシウスさんを召喚する準備を……「無理」――はい?」

 

 

 抱きついている綾瀬が首をこっちに向ける。距離感がおかしいけど、まあ重症中(俺が)だし今は気にしないでおく。

 それはそうと、気になっているであろうことを説明。

 

 

「麻帆良と距離がありすぎる。召喚できないし、そんな暇をさせてくれるような爺じゃないでしょ」

 

 

 召喚には距離が離れすぎると出来ないんだよなー。あれって実は転移魔法だし。と爺から目線を外さずに言葉を続ける。

 爺は俺の言葉ににやにやと厭らしい笑いを浮かべて眺めているだけだった。この出血量で死ぬことを待っているようにも見える。不思議!

 

 

「じゃ、じゃあどうすれば「だから」……へ?」

 

 

「だから、ココに来る前に先手を打っておいた」

 

 

 静かな山中に俺のその言葉が空しく響いた。

 その言葉に怪訝となるのは、奇しくも綾瀬と、少し距離の離れている爺で。

 その爺のほうがこちらへ一歩踏み出した瞬間――、

 

 

「おい小僧、貴様一体なんのh」

 

 

――グチャ ブチブチブチ

 

 

 台詞の途中で爺が半分(・・)になる。

 もっと正確に言うなら、上から降ってきた何物かに半分だけ踏み潰されて見事に半身が千切れた。まるで獅子目言彦に潰された梟博士みたいだぜ……。

 

 

「――は?」

 

 

 目の前で絶命(どう見ても即死)した爺を目にした衝撃か、綾瀬が呆けた声を上げた。

 しかし結局この爺は何を目的として何のために呪術協会を丸ごと石化させたのか。理由ぐらい探っておきたかったのだけどな。

 

 呆ける綾瀬を押し退けて、降りてきたそいつに近づく。

 

 

「よう、早かったな。もう片方はどした? ―― ん? 水辺に置いてきた? ……んー、まあいいや。来てくれてさんきゅうな」

 

「あ、あのぉ、からすまさん……?」

 

 

 恐る恐る、といった様子でこちらを伺う綾瀬に、ああ、と応え、

 

 

「紹介しよう。俺の最初のホムンクルス、名前はヘラクレスくんだ」

 

『カブー!』

 

 

 そう俺の言葉にのんきな鳴き声で応えたのは、身長3メートル弱の、カブトムシを人の形に変形させたような、巨体の甲殻生物であった。

 

 

 




~麻帆良武道四天王(三人)ログアウトのお知らせ
 というかキンクリ。合流する描写を書くのが面倒だったんじゃないよ!この三人の出番を削っただけだよ!(その方がより酷くね?)

~バスケに勤しむ小学生女児
 ロウきゅーry

~爺
 厳冬さんだけど、気づいた人が何人いたのか・・・
 リョウメンスクナを解放させる旨を耳にしてオノレの手に入れるために協会本部の者らを石化して人質にするつもりだったらしい。と、詳しく書こうと思ったけど一々詳しく説明してくれる悪役なんぞどの世界にry

~ワイルドバンチ
 マヨチョコさんから提案されたスタンドを採用とさせていただきましたがこんな扱いでごめんねごめんねー。使い手も死んじゃったし、せめて送ってもらった詳しい設定をコピペするねー

 スタンド名『ワイルドバンチ』 遠距離操作タイプ
パワー:E スピード:B 射程距離:A 持続力:C 精密動作性:A 成長性:A
見た目はメカメカしいのこぎり鮫で、のこぎりの部分がリボルバー型の銃口になっている。

能力:ありとあらゆる無機物を食べる事ができ、食べた物を銃弾として発射することができる。銃弾には特殊なウイルスが付いており、生物がこの銃弾をくらうとくらった場所からウイルスが感染、体が銃弾の材料の物体になってしまう。
例えば、石で造られた銃弾が手に直撃した場合、手から徐々に石化していく。
    砂で作った場合は当たった部分からたらだが砂になっていく。

・感染力が強く象でも三十秒立たずに体全体が銃弾の材料そのものになる。
・対策としては銃弾を受けた場所をすぐに切断するのみ。
・リボルバー型なので銃弾は六発。それ以上は食べてリロード。
・成長性がAなのでACT系。成長例:銃口がマシンガン、ショットガンになる。

~そらの打っていた先手
 さよちゃんに命じて送還魔法で別荘の外へホムンクルスを送り出し、その足で京都まで
 呼び出して一時間弱で到着。中々に健脚

~ヘラクレスくん
 そらが初めて一から作った思い出深いモルモ…実験体一号。カブトムシを人型にした姿。体長三メートルなので巨大ロボのような風格を持つ
 厚い鎧骨格はあらゆる衝撃にも耐えることができ、魔法も雷の斧程度ならほぼ無傷で耐えられる。重機のような外装であるにもかかわらず素早く動くこともできる直接高速戦闘のエキスパート
 ちなみにしゃべることはできず、「カブー」というコミカルな鳴き声で意思疎通を図る


今回初めて人死にが出ました
出て来るキャラたちはあまり死なせないように、と気にかけていましたが、厳冬さんの攻略方法が思いつかなかったためにこんな結果になってしまいました
ごめんね厳冬さん・・・

そんなことはさておき

前回にさよちゃんとの連絡のやりとりが伏線ではありましたが気づいた人は何人いました?わかりづらかったですか?今回もう一つ伏線置いてますよ?どうですかボクのこの魅力あふれる才能は!?(ドヤァ

・・・あ、すいません。腹パンだけはご勘弁を・・・(ガクガクブルブル)

ちなみに、ヘラクレスくんは見た目完全に人型の虫ですけど、もう片方はちょっとは期待しても大丈夫なはずですから。では


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