ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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人物紹介はどうも需要がないらしい
くそっ、一話分稼ぎ損ねた・・・っ!

それはともかく新章突入です
大体序章的なものなんで読み飛ばしても問題なさそうな気もしますがry


タイトルは後で考える!弟子入りと葛藤の第5章!
『よく見てくださいこの葱。いい色してるでしょ?新鮮取れたてぴっちぴちですよ!』


「は? すまんネギ君、も一度言ってくれ。

 なんっつった、今?」

 

「ですから、弟子にしていただけませんか?」

 

 

 修学旅行から帰って来、土産物で思い出話に花を咲かせるのもまた良しかとチョコ八つ橋を悪くならないうちに食ってしまおうと卓に広げたところで、正座し対座しきっちり三つ指ついてそう言った少年が目の前にいた。ていうかネギ君だった。

 

 

「今更かも知れんけど此処って男子寮なわけだからさ、普通人もそこそこ居る中で魔法の話とか注意したほうがいいぜ。

 で、だ。弟子ってのはどういう了見だよ」

 

 

 というか、そこはエヴァ姉にじゃないのか。原作の修正力仕事しろよ。

 あと帰ってきてからまだ一時間しか経ってないのですけど。弟子入り相手を探すのに目の前で済ませようとかってお手軽すぎて有難み無くないか?

 

 

「はい。

 ――烏丸さん、僕は弱いです」

 

 

 うん。知ってる。

 

 

「自分の従者が仮契約とはいえピンチになっているとき、僕は足手まといだから出てゆくなとエヴァさんに言われました」

 

 

 あ、それでエヴァ姉は候補から外されたのか。

 知る限り最強の魔法使いってエヴァ姉なんだけど、さすがに自分を見返してやりたい相手に教わる気にはなれなかったってことか?

 男の子だねぇー。迷惑だけど。

 

 

「なので、「待て待て。その前に強くなってどうしたいの? キミのやりたいことからやるべきだろうけど、そのために他人から目をかけてもらおうとか言うからにはそこをはっきりしておかないと。

 そして教師の仕事に魔法使いの仕事は内約としては入ってないと思うぜ?

 強くなるには時間をかけなくちゃまず無理だし、修行したいので休みます、とか教師は言っちゃ駄目だろ。そこはどうするつもりなんだ?」そ、それは……」

 

 

 言いたいことは察せたので言葉を遮って気にすべきことを聞く。

 正直面倒ではあるけど、この子の成長なくして話が進まないというメタな実情が無きにしも非ず。だがそんな修正力がどーのと考えさせられる話以前の問題として、そもそもが俺が受けるべきことではないはずなのだ。そこはきっちりと彼自身の身の振り分け方想定プランを聞かせてもらいたいところだ。

 やる気だけで育ててもらおうとか甘いことを言うクソガキだとしたら本気で相手なんぞしたくないのも事実だし。

 

 

「僕は……やっぱり父さんを探したいです」

 

「ふうん。で?」

 

「父さんは英雄だったと聞きます。そんな父さんを探すためには、戦いの道が続いているのだと断言できます。だからこそ、負けないだけの強さがほしいんです……!」

 

 

 うむ。かっこいいこと言ってるなぁ。

 

 

「だ が 断 る」

 

「ええっ!?」

 

 

 漫画なら確かにかっこいいけど、ちょっとこのドラマティックな気分に酔い痴れるのが通症の魔法使いには少しばかり現実的な視点で物を見させるべきかも知れんね。

 その決意、今から踏み台にさせて頂く……!

 

 

「ネギ君、英雄というものはどういう意図で生まれると思う?」

 

「えっ、えと、それは、「そう。英雄というものは基本的に戦いの中からしか生まれることはない」はっ話をさせてっ!?」

 

 

 なんか言ってるが無視。

 

 

「現代社会においてはある程度の功績を立てたものを称える名称をカテゴリ分けする際に必要とする傾向にあるようだが、『英雄』なんていうわかりやすくも難儀な身の丈が必要な場面なんてそうそうあるわけはない。

 しかしそんな中、ナギスプリングフィールドは魔法使いの中において英雄と呼ばれているわけだが、ネギ君はその理由をご存知だろうか」

 

「そ、それは、「せ戦争、だよね……ふひ」また遮られたっ!? っていうか居たんですか大柴さん!?」

 

「居たよ……ふひひ」

 

 

 ネギ君の代わりに聴衆をしていたルームメイトが答えた。が、まあ正解なのでよろしい。

 

 

「そうだ。ネギ君、戦争においての英雄というものは戦果を挙げたもののことを指す。戦果とは何か? 言わずもがな、どれだけ人を殺せたか、に集約するのさ」

 

 

   × × × × ×

 

 

 その後、聞いた限り知る限りの『英雄・ナギ』について割と余すところなく伝えたわけだが。

 子供のうちから自分から進んで戦いに臨んだ戦闘狂、聞いた話では『俺より強い奴に会いに行く』とかいう言葉を遺している。とか。初期の戦場に投入されては『敵軍』を極大魔法で焼き払った。とか。そういうことをやっていたはずなのに最終的に魔法界を救ったらしいから英雄の名はそのままになっているけど、当初の犠牲は忘れられているっぽい魔法界自体がブラックじゃね?とか。

 まあ原作知識を一旦封印した己でも知れる情報網を辿ってゆくと、認識阻害に引っかからない自分だからこそ気づいてしまったのか出るわ出るわ微妙な記録。これを妄信できる魔法使いが改めて怖いわー。

 しかし、そういったことを聞かされても、ネギ君はそれなりに固い決意を抱いているようであった。

 

 

「そ、それでも探さなくていいということにはなりm「そもそも見つけてどうしたいんだキミは?」……えっ」

 

 

 おや?

 なんか言葉に詰まっているけど、おかしなこと聞いたか?

 

 

「いやさ、見つけるにしたってその先が普通あるだろ? ネグレクト親父をぶん殴りたいのか、母親について聞きたいのか、はたまたもっと違う目的が? まあ子供らしく憧れの親父に会いたいという簡単な目的があっても構わんけれども、弟子入りしたいと言うくらいなら他人を納得させられるだけの理由を挙げられるようになっておかないと、」

「すストップだよ烏丸君、ネギ君のライフはもうゼロよー、ふひ」

 

 

 おっと。大柴君に言われて口を抑える。

 が、完全に思考停止に陥ったらしい。いやさ、思考の迷宮か?

 渦巻き目玉で熱暴走っぽい状態異常。しばらく待ったほうがいいかね?

 

 

「失礼しますわネギ先生! 不肖ワタクシ雪広あやか、只今お邪魔いたしますわね!」

 

 

 と、そんなことを叫びつつドバンと戸を蹴破って雪広が現れる(過剰表現)。メイドまで伴って。

 

 

「修学旅行はお疲れ様でしたわね先生! これ京都土産の宇治抹茶味八つ橋で……って、先生!? ど、どうしましたの!?」

 

 

 そういえばなんか久方振りな気がするなぁ、コイツの出現自体が。

 おや、なんか電波が……?

 

 

   × × × × ×

 

 

 実は風呂にも入って就寝前だというこんな時間に男子寮にまで現れたコイツは何を考えているんだ。と思いつつも赫々然々とこうなった経緯を説明する。

 やっぱネギ君寄りなんかねー、と半ば諦めの境地にも至っている俺がいたりするが。

 

 

「まあそんな前提の話はそれで以上だけど、お断りの理由の一つとしては、時間が圧倒的に無い。

 弟子入りした魔法使いに手をかけるというのは放課後で一朝一夕にできるものじゃねえんだよ」

 

「まあ、それはわかりますけれども……、あの、烏丸さん? そちらのルームメイトの方には話してしまって宜しかったのですの?」

 

「あー、大丈夫、大柴君はヒゲグラ先生付きの魔法生徒だから」

 

 

 そして雪広が『わかるわ』と言った理由は彼女なりの経験則に基づくものなのか。

 あと大柴君は雪広の仮契約のことを聞いて察したのかそんな会話のすぐ後に一旦部屋から去っていった。淫行教師ktkrとか呟いていた気もするけど、気にせんでも問題なかろー。

 

 

「とりあえずネギ先生、烏丸さんに弟子入りするというなら明確な理由が必要なのは変わってないと思われますわ。何気にこの人ってそういうドライなところがありますし」

 

 

 俺って雪広にそんな風に性格分析されてたのね。

 

 

「え、えと、僕の知る限りエヴァンジェリンさんに匹敵しそうなのは烏丸さんだと思ったからです」

 

「そこは素直にエヴァ姉にしとけよ」

 

「だって、見返す人相手に教わりたいだなんて、言えるわけ無いじゃないですか……」

 

 

 あ、そこは想像通りなのね。

 男の子だなー、と思ってるとそんな拗ねた仕草がツボにきたのか雪広が鼻を抑えて上を向いてた。相変わらずぶれないなぁこのショタコンは。

 

 

「ふぅ………………

 ネギ先生、それでも強さを渇望するのなら教わる相手はキチンと選択するべきですわ。確かに烏丸さんは経験を積んでいるようですが、それが『=他人に師事される』という方程式に成り立つわけではありませんから」

 

 

 良い事言ってるようだけど鼻に詰めたティッシュで粗方台無しであったり。あと雪広のその台詞、そっくりそのままネギ君の現状にダイレクトアタックするわけだけど自覚してる?

 

 

「それと、これも大事なことなんだけどな。俺ってば麻帆良じゃ基本的に役立たずだからそもそも根本的に魔法を教えるのに向いてないんだよ」

 

「「………………は?」」

 

 

 怪訝な表情でこっちを見る二人。

 あれ? 言ってなかったっけ?

 

 

「いやね、俺ってこの障壁があるじゃん? こいつに普段から莫大な魔力が流れていってるから、そこから更に自分へと返還させないと基本的に攻撃魔法の一つも使えないんだよな。障壁が働かない場所ならそれもできるけど、麻帆良じゃ自動で常時張りっぱなしだからやっぱり魔法は扱えないし。

 理屈を語るだけなら講義もどきとかができそうだけど、魔法使い相手となると説得力がやっぱり足りなくなるんだよねー」

 

「「え、ええ~……」」

 

 

 なんだかんだ言って魔法使いは結構脳筋な部分が強い。英雄クラス以外は頭打ちな実力の癖して実力至上主義なわけだから、その辺の思考もどっかで誘導されてるんじゃないかなー、って思わなくも無かったりしちゃったり。

 そこを理解できるからこそこの学園都市の現状も納得できる程度なんだけど。そうでなけりゃ此処まで人外魔境な街にはならんべー、ってなところだけだけど。

 

 

   × × × × ×

 

 

「まあそんなわけでエヴァ姉宛の紹介状を書いて二人に持たせたんだけど、たらい回しにされる気もするなー、なんだかんだ言ってエヴァ姉も好き嫌い激しいし」

 

「わかっていながら渡すほうもどうなのよ……」

 

 

 翌朝。バイトに勤しみながら遭遇した明日菜に昨夜の事情を説明。散文的にだけど、ある程度はどうでもいい話でコミュニケーションを図ってみたり。

 いや、なんか明日菜の様子が大人しすぎて今距離を測りかねてるだけなんだけど。修学旅行でなんかあったのかってくらいにcoolです、この娘。

 

 

「弟子入りぐらい、ってお前なら言いそうな気もしたけど」

 

「それぐらい理解できるわよ。どういう事柄においてもそういう話は一朝一夕じゃ済ませないっていうことでしょ? それはネギが図々しいっていうのはよくわかるしね」

 

「なん、だと……っ!?」

 

 

 明日菜が、馬鹿じゃない、だと……?

 え、本気でコイツどうしちゃったの?

 

 

「明日菜、風邪でも引いた……?」

 

「なんでよ」

 

「いや、なんか元気ないし……あとバカじゃないし」

 

「一度あんたの中の私はどうなっているのか知りたいところね……」

 

 

 ジト目で見られる。coolになっているから視線の温度が氷点下にも感じられるのですがそこはどうなのか。

 

 

「別にね、ちょっと昔のことを思い出しただけよ」

 

「………………は?」

 

 

 え。記憶戻ったの?

 思わず絶句した俺に、少しばかり陰のある微笑で明日菜は言う。

 

 

「やっぱり、気づいてたんだ? 私が人格矯正されてたってことに」

 

「もうちょっと穏便な言い方にしたほうが良くないか……?」

 

「言い方悪いかもしれないけど、タカミチは私のことを守るつもりでやったんだと思うし。その辺りは納得もできるから大丈夫」

 

 

 さよで。

 

 

「……で、今お前の中はどういう状態なわけだ?」

 

「んー、昔の私を思い出したって程度かな。『私』が『高畑先生』を好きだった理由がわかって納得したっていうか」

 

「え、そっちかよ。

 ……で、理由って?」

 

「私、ただのファザコンだったみたい」

 

 

 そんなはっきり言っちゃっていい問題なのか?

 そうじゃないかなー、とは原作見ても思っていたことだけど。

 

 

「で、少しばかり昔の私が浮き出てるんだと思うけど、麻帆良で過ごしたことも忘れたわけじゃないし、気持ちの整理をつければ復帰できる、かも?」

 

「自己分析が凄まじいな。

 あと今のお前の『察する力』がなんか神掛かってんだけど」

 

「そういう子供だったからねー」

 

 

 何気に小1の頃からの幼なじみである明日菜の、その頃との人格の違いを俺が察していたということを明日菜も察したと、そういうことだ。今のやり取りは。

 姫巫女さんが全力過ぎる。もうちょっとダウナーになっていてもいいのよ?

 

 

「んー、そうなると今のお前にネギ君の面倒を見させるのは酷か?」

 

「やっぱりそういうつもりだったんだ。なんで弟子入り云々の話をしたのかと思ったら」

 

 

 見透かされていたでござる。

 

 

「ブレーキかけようと思ったけど最終的にガソリン注いじゃった気分だったからさー。

 同じクラスのお前らにそれとないフォローをお願いしたかったんだけど」

 

「従者があやか含めて四人もいるんだし、大丈夫なんじゃないの、その程度は?」

 

「ネギ君を甘く見るなよ。貪欲だぞ、あの子は」

 

 

 強さって奴にね。

 ほんと、少年漫画を地で行く子だよ。

 

 

   × × × × ×

 

 

 茶々丸からメール。朝一でやってきたその足でネギ君を学園長宅へと叩き返したらしい。ネギ回しが現実味を帯びてきた。もうちょっと本気で売り込みをかけるべきだったかなー、と少しばかり反省。

 その件で話があるので至急エヴァ姉宅へと出頭するようにという旨も。

 

 

「だ が 断 る、……と」

 

 

 メールを返して街へ繰り出す。

 まおちゃん宛のお土産を早めに渡しに行かなくちゃー(棒)。

 

 

 




~漫画なら確かにかっこいいけどry
 本日のお前が言うな
 この世界を漫画と認識していた奴の台詞じゃねーですよねー

~大柴 巧
 オリキャラ。そらのルームメイト
 魔法生徒らしい。若干オタクらしい。日本のサブカルチャをネギに教えた張本人らしい
 生徒と仮契約をしたネギ君のことを知った彼が何をするのかは彼のみぞ知る・・・

~麻帆良じゃ基本役立たず
 学園結界はともかく認識阻害に『対処』するためにオートで張られる障壁を維持するために魔力をガンガンに使用中、というのが実はそらの現状
 ので、魔力転用のために障壁が張られない程度の環境がまず必要で、実質攻撃魔法なら魔法の射手すら使えない。補助系も転移系も魔力を大目に使うものは無理。だから魔力少な目のケータイでの行使を覚えたというのが実情。・・・なんだけど、あれ?これってUQの設定にありえそうな気がry

~明日菜ジョグレス進化中
 昔を思い出した明日菜は時間をかけてゆっくりと人格統合の真っ最中です
 どんなんなるかはちょっと構成中。しばらく出番が無い恐れも・・・


お待たせしましたか?58話目お届けに参りましたー
ついに総合評価が20000を突破、ありがとうございます!
しかし今回のはアクロバティック二次小説。文章と設定の空中殺法で追いつけない読者も大勢いるかも知れません。またアンチとか言われそうだよぉ、ふええ・・・

そしてそらの弱点がようやく発覚
仄めかしてはいましたけど読み返しても問題ない程度の表現だったと思うのですがどうかry
そういう事情をある程度魔法教師にも言ってあったので裏のお仕事に就いていなかったわけです
これで納得できないんだとしたら本気で麻帆良がブラックになるのでマジで納得してください
これはそういうアンチ二次と違うとです

あとネギの親父探し。純粋に理由が本気でちゃんと書かれていなかった気がするのですけど、結局親父を追いかけたかっただけなんですかね、あの子は
文句は無いのですけど、フツーに疑問だったので今回こんな書き方になりました

原作では修学旅行が終わって海に行くまでの一巻分となるつもりの新章ですけど、いくつかスキップがかかるかもしれません
読み返してみたら見事に遊んでばかりなんだもんよこいつら。女子部から離れた烏丸君に何をやれと言うのよ

なんだかんだ言いつつ二次三本同時進行中の現状なのでやっぱり更新遅れるかもしれません
お客が多いこちらをメインに書く所存では御座いますが週に一回が出来れば上々
気長にお待ちください。では

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