ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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また趣味回だよー
ごめんよーでも伏線回収でもあるんだよー

ちょっと長い59話目


『今から弟子入りのためのテストをします。エヴァンジェリンのかっこいいところ可愛いところをそれぞれ十個挙げなさい』

「来ないとはどういう了見だあんなめんどくさいガキを私に丸投げするとはそれでも私の弟子かコラ」

 

「ハハハ、いいじゃないか魔法先生を弟子にできるとか。エヴァ姉も出世したなぁ」

 

「胡散臭い誤魔化し方をするな。お前がタカミチの真似をするとか死ぬほど似合わんわ」

 

 

 それは高畑先生が胡散臭いと言いたいのか。

 

 

「大体なんだあのガキの言ってることは。ナギに追いつきたいとか、あの歳で死地に赴くつもりか。時代が時代なら、生き急ぎならぬ死に急ぎ野郎などと揶揄されても可笑しくないぞ」

 

「あれ? ……ああ、エヴァ姉ってそういやあ知らんかったんだっけ」

 

「――おい、お前何を隠してる……?」

 

 

 隠してるってほどのことでもないが。

 

 

「いや、ネギ君の言い方って、どうもナギスプリングフィールドが生きてるってことを確信しているようなんだよね。だから探すんじゃないかなー、って」

 

「なん……だと……っ!?」

 

 

   × × × × ×

 

 

 そんなことを話したのが修学旅行の振り替え休日が明けての一日目、つまりは昨日の話。

 クラス内は見事に自宅謹慎者の山で、歯抜けならぬ学級閉鎖にしか見えないという罠。飛鳥と因幡は謹慎処分を受けてないはずなのだけど、空気を読んだのかクラスに居るのは俺とエヴァ姉と茶々丸だけという世紀末な雰囲気の中。ネギ君に関する話題を堂々と話していた俺らを咎めるものは誰も居なかった。

 

 しかしそんな話をしたらエヴァ姉はすぐにネギ君を問い詰めたらしく、ネギ君はそれを逆手にとって弟子入りを志願した。親父の情報を売る代わりに鍛えて欲しいとか、何この子原作以上に強かかつ貪欲なんですけどー。どうしてこうなった……?

 

 まあそれはともかく、これで原作より弱い主人公という事態にはならなさそうで安心した。ついでに古菲にも弟子入りしていたとか言う愚痴を雪広から電話で滔々と零された。

 ボーリングに行ったところパーフェクトスコアで嫁力の差を見せ付けられた、悔しい!とかそんな話で一時間。ミミミンミミミン歌っている自部屋に極力戻りたくなかったので大人しく聞いていたが、あのネギ君が本当にそんな原作キャラみたいなフラグを立てていただと……?と今度はそっちで驚きの俺である。どういうことなの。

 

 そんなこんなで一週間。ネギ君は古菲との修行に明け暮れ、メンタルの弱ったまき絵を励ましたとか言うイベントを耳にした記憶もある中、エヴァ姉の修行の第一段階に突入する日曜日と相成った。

 

 

   × × × × ×

 

 

「雪広あやか・宮崎のどか・綾瀬ゆえ・早乙女ハルナ、契約執行180秒!」

 

「次、北の空に向けて魔法の射手、199

 結界を張ってあるから全力でやれ」

 

「ハイっ!」

 

 

 どぱぱぱぱぱ、と花火のように光の矢が空に張ってある結界にぶち当たる。

 初日ということでネギ君がどれだけ出来るかということを確かめているのだろう。この場に来ているのはネギ君の師匠である古菲と仮契約従者の四名。そして付き添いのこのかと吸血鬼主従プラス俺。明日菜は用事があるとかで麻帆良にも居ないらしい。

 それはともかく、ネギ君がボコボコにされて帰ってきた記憶なんてまったく無いのだけど、弟子入り試験とかってやってないのか?

 

 ――あ、倒れた。

 

 

「フン、やっぱりあの程度か」

 

「相変わらず変な魔力配分してるよなー。あれだけ間口が狭いのにくしゃみで魔法発動するっつーのは普段から締め方が緩いせーか? その癖体内魔力を完全に使おうとするとリミッターがかかるって、『全力を出す』にも不得手に見えてくる。

 ……魔法学校って、何を教えてる学校なんだろうな……?」

 

「最近じゃ攻撃魔法自体を禄に教えないらしいぞ? ネギ先生のアレは自己流なんだろ」

 

 

 思わず気になったことをエヴァ姉とそんな風に会話する中、

 

 

「なぁなぁ、わたしも回復魔法とか学びたいんやけど、教えてくれへん?」

 

「えー。エヴァ姉ー?」

 

 

 とてとてとこのかが近づいてきてそんなことを尋ねてくる。

 エヴァ姉のログハウス近くにある青空教室な廃屋の教会にてやっているのはともかく、魔法学教室をこの場で開催しているのは何らかの意図があってのことだろうなー、と思い流すようにエヴァ姉へと。しかし、

 

 

「私が対価を貰ったのはネギ先生くらいだからな、近衛に教えるのはお前がやれ。回復魔法はお前のほうが専門だろうが」

 

「専門ってほどでもないけど……。

 なに? このかは魔法医師とかが目標なの?」

 

「そらくんのアレを見たら知っといて損はないかなーって思うたんや」

 

 

 さよで。

 教えるほど詳しくも無いのだけどなー。ところで。

 

 

「せっちゃんはどうした?」

 

「おるよー? あっちに」

 

 

 指差す方向。物陰にてこっちをチラッチラッと覗いている不審者の影が。

 ……なにしてんのあの娘。

 

 

「そらくんのアレでおびえてるんちゃうかな」

 

「そんなに怯えるような娘じゃないんだけどな、あいつも普段は」

 

「おい、お前一体何を見せたんだ」

 

 

 ちょっとイアイアなクットルゥーを……。

 

 

   × × × × ×

 

 

 そんな益体も無い会話をしていた俺たちであったが、ところ変わってエヴァ姉のログハウス。

 復活したネギ君は未だに満身創痍であるのだから俺にはこれを鍛える手段なんぞ思いつかない。というかそんな弟子育成とか将来的にも無理だと思う俺は魔法世界じゃ生活できそうに無いなー、と思い至る。

 そんな己の葛藤も知らず、ネギ君が恐る恐る尋ねてきた。

 

 

「ど、どうだったでしょうか……?」

 

「まあ駄目駄目だな。ギリギリで及第点と言ったところだが、私が仮にも魔法を教えるというのだからアレで音を上げられては困る。

 ちなみに弟子入りまで認めたわけじゃないぞ。今の私はそらに手をかけるので精一杯だからな。ネギ先生を教えるのは初歩の初歩程度だ、それでも強くは鍛えてやるから感謝するよーに」

 

「は、はぁ……」

 

 

 うっそくせぇー。

 俺相手の『修行』だってある程度はカリキュラム組み終わってるから気を張ってそこまでやる必要もねぇじゃねえかよー。……とは言わない。なんか氷の視線が向けられたし。おお怖い怖い。

 

 

「あ、あのエヴァンジェリンさん」

 

「ん? ああ、そういえば聞いてなかったな。ネギ先生、貴様はどの程度まで強くなりたい? 強さのわかりやすい指標があるなら、そこを目指すのが私からの到達点だと理解してくれると助かるのだが」

 

「は、はい! 僕はドラゴンより強くなりたいです!」

 

 

 ――ん?

 

 

「………………ドラゴン?」

 

「ど、ドラゴンと言ってもワイバーンらしいのですけど」

 

「ほぉー、そうかそうか。ドラゴンか……」

 

 

 本気でワイバーンとか目指すとしたら、俺的には無理ゲーとしか思えないのですけど。そう思う俺が真っ先に思い浮かべたのは魔王少女の繰り出す神威召喚ワイバーン。ワンブレスで核弾頭を蒸発させるあの大怪獣に戦いを挑むなんて、正気の沙汰とは思えない。魔法世界と真っ向から戦争をやるほうがずっとマシに思えてくる。でもそれ以上にやりたくない。できるできないは知らん。が、『やりたくない』。それを分かってほしい。

 

 

「ドラゴンねぇ……はっはっは、そうかそうか……

 ――じゃあ遠慮はいらないということで文句はないな?」

 

 

 あ。これキレてるわ。

 ガシィ、と襟首をつかまれて引き摺られてゆくネギ君。おろおろとしながらも未だに満身創痍なのか抵抗ができないままに部屋の奥へと。

 

 

「え、え? あ、あのぉ~?」

 

「特別特訓だ。現代においてドラゴンと戦おうなどと漫画みたいなことをほざく御餓鬼様には戦いというものがどういうものかをみっちり一時間かけて教えてやろう。

 その間、魔法使い初心者どもはそこの弟子一号より魔法について見解を学んでおけ。ためになるぞ、そいつの『理論』は」

 

 

 あ、余計なこと残していきやがった。あとそれ絶対『一時間』じゃない。

 ドナドナと連れてゆかれるネギ君はまあ死にはしないだろう、と割り切ることにして。

 ……俺に、ちょっと目を輝かせているこの娘らに講釈を垂れろ。と……?

 

 

「んー、オリジナルで勝手な魔法理論の解釈でよければ噛み砕いて説明してやるけど。

 ……あまり真に受けるなよ? 正規の魔法研究家とは多分違うものだからさ」

 

 

 予めそういう予防線を張っておかないとなー。それほど自身があるわけでもないんだよ。

 帰ってくるまで一時間。そら先生の魔法講座が始まりますよーっと。

 

 

   × × × × ×

 

 

「まず始めに。魔法とは、魔力を代償に現象を喚起させる技術。仮想存在とされる精霊を魔力で呼び起こして現象へと転化させることを指す。

 つまりは魔力だけではなく、精霊が存在して初めて実行できるもの、なのだけど、それらについて色々と調べてみるとどうにもあやふやで理解できそうにない部分が多分にあったんだよ」

 

 

 エヴァ姉の家に何故かあった備え付けの黒板に『魔力』→『精霊』、『転換(コンバート)』と書く。

 バカレンジャーが二人+aいるけど、バカンフー以外はついてきている様子。頭の使い方の違いかね。

 

 

「どうやら『魔法使い』の連中は魔法理論を学術体系の一環ではなくて、結構『感覚』を基盤とした『才能』重視の技術だとしてそれを捉えている節があるらしいな。

 理論で学ぼうとすると、考えるんじゃない感じるんだ、ってリー先生のありがたいお言葉でお茶を濁すみたいにどの魔法書にも書いてあるのをよく見かけるし。魔法を学ぶために必要なのが『研究よりも修行』って感じで重視されているのを見てしまうとなんとも言えんわ」

 

 

 よくこれで一文化として発展させるまでに今日まで至ったものだと思う反面、それだけ魔法世界という名の基盤がすごいのだろうと逆に感心したりもする。これだからマンガだと言われ続けるんだよ。チッ。

 内心舌打ちしながら、『魔力の使い方』→『感覚』と書き足した。

 

 

「ちなみに、俺の魔法行使は他の魔法使いと比べるとやや異なるわけだけど。魔力を呼び水に精霊へと働きかけるのが『普通』の魔法だが、俺の場合は魔力を純粋に『魔法』へと転換(コンバート)する。

 だから修行を教えろと言われてもやっぱり感覚の話になっちまうから、初心者向けの魔法の修行なんてのは俺には無理。そこはわかってくれや」

 

 

 障壁からの魔力転用というのが本来の目的だったのだが、それをそのまま魔法に変えれれば戦略の幅が広がるぜ!と意気込んだ子供の頃の自分が原因。やり遂げてみてなんだけど、戦闘用だけに魔法を開発するのって心が病んでるとしか言いようがない気がする。

 エヴァ姉には「器用な奴」と呆れられたけど。

 というか、学術体系であるはずの魔法をエヴァ姉の城にあった魔導書なんかで一から学びだしたら解釈を変えたほうが自分でもわかりやすく扱えるようになったのだから、これはもうしょうがないんじゃないかな。

 というわけで、ここからは自分なりの解釈の魔法理論。

 

 

「で、本題に入るけど、魔法は自然そのものを操るわけじゃない」

 

「えっ? でも私の『世界図譜』には初心者用の学術書に『四元』とあるですよ?」

 

 

 まあ反論はあると思ってたよ。

 

 

「もしそうなのだとしたら、それはドッチかというとサイキックなどの超能力系統の代物になる。元素を発生させるならまだしも、四元って言うのは結局のところ自然界に存在する元素のことを指すからな。魔力の喚起で四元以外の属性飽和現象が見られる以上、『発生させている魔力内包の状態物質』とかが顕現しているし『既にある元素』の操作じゃないことは明確だ。

 だから、分類上に書いてあった地水火風の四元という表記は無視。本当にそれらを操れるなら魔法を使う奴らに優劣なんてものは存在しなくなる」

 

 

 これ以上は長くなるからカット。

 超能力を基盤としてどっかで混じった結果こんな説明不足な属性分けが成り立ったんじゃないかなー、って勝手に思ってる。その辺りは作った奴に聞くしか詳しいところは知らんしな。

 

 

「魔法が起こしているのは『現象の顕現』。それも自然が働きかけて引き起こすものよりは、より人間の指向に導かれる方向性のある、より性質の悪い『現象』だよ」

 

 

 『魔法』=『現象』と黒板に記す。

 火災に嵐に落雷はともかく、毒霧・石化・催眠・睡眠・読心・遠見・幻影、これらを「自然だ(キリッ」と言われてもちょっと納得がいかない。うち数部分には本人の性能でも差異が出てくる代物でもあるし。

 

 ちなみに俺のその理論を擁立させているのが『光・闇』の属性もしくは精霊使役魔法。

 光は根本的に太陽光や星の光、そうでなければ人工物しかない。では逆に闇は?それを遮られて存在する影がそれであるというなら、それは影属性であって別物になるらしいが、そうなると神話的な要素を含むことになる。

 結果として、コレも自分なりの解釈だけど。

 光と闇は同じ力の表裏。それを遡ってゆけば結局は『星のチカラ』に行き着くわけだ。光は天から差し込むもので、闇は穴の底へと引きずり込むもの。分類するなら『核熱』と『重力』になるのだろう。

 

 まとめると、魔法の大前提である属性別けは光・闇・火・氷・雷・毒の六つ。黒板にはそれぞれ、『光=核熱・極光』『闇=重力・引力』『火=高分子振動』『氷=分子固定・停滞現象』『雷=神経伝達活性』『毒=伝達阻害・壊死』と書き込む。

 どれもこれも自然現象の一端であり、それを人の目で理解できる範囲での発現だと研究した結果こうなった。ちなみに六属性の参考文献はヴァルキリープロファイル。その参考文献によるとそれらは互いに相互作用があり、互いが互いに作用する場合は打ち消しあう性質も同時に持つらしいが、現実じゃ多分もっと酷い現象が巻き起こるだけだろうなー。

 

 あ? 睡眠とか幻影とか? しらね。

 だってやる気ないし。俺はソレ系なら防御できるし。やろうと思えばスタンドで引き起こせるしー。

 

 

「あとこれは完全に余談だけど、科学と魔法を分けて考えるやり方を魔法使いはよくやるんだけどな。人の手で理論を分析するのが科学って言う領分の話だから、人の手が混じった以上魔法も科学の一端でしかない。

 人類文化=科学だ。現実的に考察してる時点で研究家は希望的観測だけで物事を推し量っちゃ駄目ってことだな」

 

 

 学術体系ならフラットに物事を判別できんと。特別な技術や才能に左右されるなんて代物じゃあ、遅かれ早かれ廃れていくっつーの。

 誰の希望なんだろうなー?(棒)

 

 

「さて。質問は?」

 

 

 ほへー。と静聴していた卵らがさわさわと囁きあう。

 まあ大きな反論が無いのは、まだ魔法使いとして頭が凝り固まってないからなんだろうな。

 

 

「はいこのか」

 

「はーい、ネギ君の使うとった風の魔法とかっていうのはどの属性なん?」

 

 

 手を挙げたこのかを指すと当然ながら言われるだろうと思っていたことを聞かれた。

 ……ちょっと愉しくなって来たわ。

 

 

「そう、そこが問題なんだよ。今俺は属性として魔法を分けたよな? この分け方だと存在するはずの水の魔法・風の魔法、そしてお前らはまだ見たことないかもだけど石化魔法や地属性魔法というのもあるが、それらを説明しきれない。

 まあ、俺の理論だと石化は置換魔法になるのだけど。地中に埋まった物質が化石化する現象を地属性に擬えてな。が、今は水と風を説明しようか」

 

 

 魔法使いの『石化』は『呪い』になるけど、普通に分析すると石化って解呪方法が成されなくなるんだよな。あいつらどうやって解呪してんだろうか。

 それはともかく、黒板に『水&風』→?と記す。

 

 

「その前にお前ら、精霊を信じるか?」

 

『は?』

 

 

 本題前の前置き。大事なことなので尋ねれば「何言ってんだこいつ」みたいな返事が返ってきた。

 

 

「はじめに言った気もするけどな。前提からして魔法使いは割りと間違えてんだよ。

 精霊は実は『存在しない』仮想神格。これが精霊の正体だ」

 

 

 続きは次回な。

 

 

 




長くなったので急遽切り上げ
二話か三話くらいにやっていた伏線の回収がようやくできた気がします
最初のうちにやるとなると本気で読者置いてきぼりのネギま読解ですからタイミング図ってましたw
もうちょっと練り上げてから書きたかったけど
次回、理論科学が二転三転しそうなお話
かと思うとそうでもないようなw

-追記-
やっちゃ駄目、と言われた部分を修正しました
そんな気は無かったのですが運営さんに引っかかってしまい申し訳なく思います
以後も気をつけます。謝辞
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