ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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しばらく日常回を続ける予定


『考えてみればネギまって真夏以前の話が大半を占めてるはずなのに水着ばかり多かったよな』

「青い空……、白い砂浜……、照りつける太陽……、極め付けは豪華な水上コテージ……!

 ――海だーーーッ!!!」

 

 

 上着を取っ払って一瞬で水着姿になる女子中学生の群れが、飛び出すように砂浜を駆け出してゆく。

 時期は五月初めの連休・即ちゴールデンウィークなのであるが、彼女らはクラスメイトの委員長の実は財閥のお嬢様な雪広あやかのご招待に肖って海外の某プライベートビーチへと参上していた。

 もっともクラスメイト全員が来たわけではなく、都合がつかなかったり行く気がなかったりそもそも麻帆良から出られなかったりといろんな事情がある三分の一ほどの女子がこの場にいない。が、それでもこの人数を易々と引き連れられる辺り、あやかの行動力とキャパシティは矢張り普通の女子中学生とは一線を画す。

 

 

「いやぁ悪いねいいんちょ、こんな人数で押しかけちゃって!」

「構いませんわ。楽しいことこそ皆さんで分かち合うもの、むしろ都合が合わなかった方たちのほうに申し訳がありませんわね」

 

 

 朝倉和美のまるで申し訳なく思っていない台詞にも、寛大な態度でそう返す。

 和美はというと、てっきりネギ先生を独り占めできなくって残念!とか脳の沸いたような発言をするものだとばかり思っていたので、そんな大人な対応をできるあやかに若干驚愕の思いを向けていた。

 ちなみに件のネギ先生は他のクラスメイトらに引き摺られて既に海へと没している。

 

 

「本当は、なんだか最近お疲れのようでした烏丸さんもお呼びするはずだったのですけど」

「うええ!?」

 

 

 ショタコンのいいんちょが同年代の男に気を使っている、だと……!?こいつさては偽者だな!?という意味を込めた悲鳴が、和美の喉から盛大に漏れた。

 そんな意味など露も介さず、あやかは続ける。

 

 

「明日菜さんは明日菜さんで、過去を清算してくるぜ、などと無駄にニヒルな表情(かお)でパスポートをちらつかせていましたし」

 

 

 そちらはそちらで、神楽坂明日菜の人格崩壊が富に顕著になってきているようだ。

 

 

「人生、ままなりませんわね」

「え、ええー……、感想それでいいの……?」

 

 

 遠目に海を眺め無駄に色っぽく呟くあやかに、和美は気持ち距離を置かざるを得ない。

 烏丸謹製の初級ダンジョンを未だ攻略できていない現状が、彼女の精神にも何かしらの影響を与えているのかもしれなかった。

 

 

   × × × × ×

 

 

「第一回、麻帆良スタンド使い対談~」

「いえー!」

 

 

 風香の合いの手が聞こえるが、同時にこの場にいるはずのゆえきちとアキラたんの反応が悪い。

 聞こえなかったかな、と思いもう一回。

 

 

「第いっか「いえ、聞こえてるので無理に盛り上げようとしなくても平気ですから」そうか?」

 

 

 雪広に海へと誘われたけどメイン主人公視点が無い今がチャンス、とばかりに画策していたスタンド使い対談を勃発してみた。

 そんな麻帆良の連休午後、呼び出されたお三方はそれほど不満には思っていないようで一安心している俺である。

 

 

「すまんね、本当は海に誘われてたんだろうけど」

 

「ううん、こういう力を持っている仲間がほかにいるんなら顔を合わせておくのが優先だと思うし」

「そーそー!それにこれから海に行けるんでしょ?それなら問題ないってー!」

「海といえば確かに海でしょうけど」

 

 

 とエヴァ姉の別荘へと続く足並みを揃えながらお三方の返答。

 まあ確かに、申し訳なく思って引き連れていっているわけだけど。

 

 妙に期間を空けてしまったけどゆえきちを二人に紹介するのを忘れていたというわけじゃないんだからねっ。タイミングが掴めなくってレッスンの時間も用意できなかったってだけなんだからっ。

 しかし現状、何処かで使ったのかもしれないけどスタンドのすの字も自身から引き出せていないという自覚なし状態のゆえきち。あの爺さんのスタンドを目撃できたというのだから素養はあると思うけど、広瀬何某君みたいに成長する主人公みたいなジョーカーが一人くらいネギ君のパーティに居ても問題ないんじゃないかな、とか思いつつレッスンの始まりというのが語られることのなかったあらすじである。

 でも実際、こんな閑話みたいな話題を引き摺る必要もないはずなのだが。

 

 

「修行とかキンクリしてとっとと強くなれよお前らも。修行パートで尺稼ぎとか今時の漫画もやらねえぞ」

「なんという無茶振り」

 

 

 そして、一週間が経過した。とかって描写しておけば漫画なら強くなれるんじゃね?

 

 

「しかし、他にもスタンド使いが居たとは驚きです。本当に麻帆良は魔窟ですね」

「魔法少女もいるしね」

「カオスだね。ひゃっはー」

 

「今のお前らのほうがよっぽどカオスだよ」

 

 

 風香のテンションがなんかおかしい。

 ちなみに彼女は麻帆良中に張り巡らせているベイビィユニオンのお陰で、魔法親父や魔法少女などが飛び交う現状を割と頻繁に目撃していたりもする。なんか見続けていたら世界樹の大きさとかも気になりだしたとか、カフェでちうたんに愚痴を零す姿をたまに見かける。それでも魔法使い関連は彼女にはまだ明かしていないらしいが。認識阻害とはなんだったのか。

 

 

「あ、あともう一人紹介する奴がいるから、心構えだけしておいてくれ」

 

 

 エヴァ姉の家へと到着し、そんなことを呼びかける。はーい、と幼稚園みたいな元気のいい返事が風香(のみ)から返ってきた、のを尻目に扉を開けた。

 

 

   × × × × ×

 

 

『じゃじゃーん』

「おお、夏服になったのか。うん可愛い可愛い」

『えへへー』

 

 

 別荘にやってきてすぐに、影の薄いキャラ暫定一位のさよちゃんが半袖ミニスカでスカートの裾を摘んでひらひらと翻す。薄白い肌の生足がちらちらと見えているのが新鮮で、思わずそこに目が釘付けになるのは男の子の性分。

 ……って、生足!?霊格上がっとるやん!?

 

 

「また調整しないと駄目じゃねえかよ何してくれてんのお前?」

『ええっ!?そんな理不尽なことで怒られましても!?』

 

「あのー、そろそろ誰なのかを教えていただけるとありがたいのですが……」

 

 

 と、ゆえきち。

 言葉にしないけど風香も同じようなことを思っていそう。

 

 

「俺今からちょっと調整と検査で忙しいから、詳しくはアキラたんに聞いて。行くぞさよちゃん」

『ええー、またですかー?』

「文句言わない」

 

 

 あー、もう。なんで霊格が上がってんだよ、魔力素でも取り込んだか?もういっそのこと真空エリアにでも保存しておくべきかな。

 

 

『あの、なんか不穏な思考が漏れてるんですけど、』

 

 

   × × × × ×

 

 

「ははぁ、クラスメイトでしたか」

『そうなんですよー、ここ五十年ほど幽霊をやっておりましてー。席だけは用意してもらっているのでありがたいのですけどねー』

「あれっ、さよちゃんって二年のころから同じクラス?……そーいえば一年のころから教室が変わってない気が、」

 

 

 風香、それいじょういけない。

 結局ついてきた三人に俺が説明することとなった。幽霊でクラスメイトだよ、と教えてもそれほど怖がられたりもしてない様子でそっちは一安心。

 

 

「安心ついでにそちらはそちらで修行でも何でもやっておればいいんじゃないかね。いちおーこちらの事情はそこそこのシークレットなわけだから」

「そんなことを言って触れられる幽霊のさよさんにえっちなことをするつもりですね?薄い本みたいに!薄い本みたいに!」

「一度お前の中の俺の評価がどうなっているのかをじっくりと話し合いたいところだな」

 

 

 コブシでな。

 

 

「というか早乙女の思考トレースはやめなさい。お前らのブレーキ役が一人も居なくなるだろうが」

「それは暗にのどかやこのかさんもアクセルだと認識していると思ってよいのでしょうか」

 

 

 詳しくは言えないなぁ。

 というか雪広の名を出さない辺りアレのアクセルっぷりは云うまでも無いとの共通認識なのだろう。振り切るぜ!

 まあそんな会話も冗句だったらしく、それなり表情も変えずにゆえきちは続ける。

 

 

「というか先週のうちに紹介してくれても良かったのではないのですか?二度手間な気がするのは私だけですか?」

「先週はネギ君とせっちゃんが居たじゃん」

「え、ハブの子ですか。烏丸さんはそんな人ではなかったと思ったのですが」

「そー言うんじゃなくてね。魔法使いも神明流も幽霊に対してはそれなり色々あるもんだからさ」

 

 

 知ってるか?神鳴流は退魔の剣とかって名乗ってるんだぜ?

 魔法使いも若干宗教色が強いから、死んだ人間は行くべきところへと行くもので地上に残っているのは自分たちを惑わす残滓みたいなものだ、って考えるお人らが結構多い。麻帆良は日本だからそーいう考え方は少ないかもだけど、肝心のネギ君は英国人。念には念を入れて、ね。

 

 

「どちらも教えとしては幽霊に対しては『退治』一択なところが多分にあってさ、会わせるなら肉体を用意してからかなー、って思ったんだよ」

「無駄に色々考えてるのですね……疲れません?それはそうと聞き流してしまいそうになりましたが、さよさんの実験とはつまり、死者蘇生ですか?」

「そんな難しいものじゃないさ」

 

 

 目の前に居て、会話して意思の疎通が出来て触れることも出来る存在を、果たして死者と呼んでいいものなのだろうか。

 

 

「さよちゃんをしっかり受け入れられる受容体を用意してるだけだな、要するに。クローニングが出来るほどあの娘の肉体の大元が無いわけだから1から作る必要性があったってだけで。

 ホムンクルスみたいに精霊を内包させたり魔力で補修したりすると受容率が下がるかも知れんしなー、さよちゃんの幽体を馴染ませながらゆっくりと成長させないと何処で拒絶反応出るかもわからんし、やることは色々あるのよ?ほんと言うとネギ君の修行にかける時間も無いのよ?」

 

「それは、なんというかスイマセン……。スイマセンついでにもう一つあったりしますが」

 

 

 ん?何、悪い話?

 ちなみに一緒に話を聞いていたアキラたんや風香は、「魔法使いってそんなこともできるんだー」と若干感心の表情で周囲の機材とかを見て回ってる。あ、そこはあんまり触んないようにな。

 

 で、何の話なんだ?

 幼女の受容素体に入ってえっちらおっちら身体を動かしているさよちゃんを二人に任せて、少々申し訳なさそうな表情のゆえきちに再度問う。

 

 

「先日の、関西呪術協会襲撃事件についてなのですが、少々言い忘れていたことが」

「なんか報告でもあったか?俺は以来別段何も言われてないのだけど」

 

 

 襲撃犯はあのスタンド使いの爺だと元呪術協会は認識したらしく、麻帆良で捕縛されていたというアレを逃がしたことで両組織共に責任は折半という形になった。とは耳にした。

 

 

「どういう技術を使ったのかは特殊体系魔法の一種だろうということで話は済んだようですが、現場の残滓を調査したらしい呪術協会の方々に烏丸さんのことが顔バレしてます」

「……マジで?」

「あのお爺さんが亡くなったことは、詠春さんは正当防衛だと認めてくださったようですが、遺族の方はどう思われるかがちょっとよくわからないといいますか……」

 

 

 むぅ。さすがに人を一人殺しておいてごめんなさい、では済まないだろうなぁ。一応は言うつもりだけど、聞き入れてくれることを切に願う。

 まあ、一番は顔を合わせないのがいいのだろうけど。

 

 

「ところで話は変わりますが……、

 さよさんの肉体(仮)は一体何処からサンプルを用意したものなのですか?なんだか幽体時との印象が少々違う気が……特に髪が」

 

 

 まーね。髪の色赤いしね。

 

 

「お前らも良く知る子供先生の血を培養して仕上げましたが、何か?」

「………………わーお」

 

 

 現実はいつもクレイジーだぜ、などとアメリカナイズなことを呟いて、ゆえきちは頭を抱えていた。

 

 




エヴァ戦終了時の伏線回収ー
必要以上に採っていた血はこのためだったのだよ!

あと英国人云々はそらの偏見です
本当はあの人らって幽霊を見ても結構放置らしいよ?噂では

週一更新のつもりでぐだぐだ行きます
修行回なんてなかった
というか自分はこれほどまでに日常を書けなかったのかと若干愕然
次回も日常、にち、じょう・・・?

あと本日は後付詳細は無し
気になった方はツッコミ(感想)をください
それではまた次回
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