ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

70 / 100
短いけどエピローグ風なのでキニシナイ
書き上がったので投稿する少年よ我に帰れ的な70話


『生存戦略しましょうか?【エピローグ風味】』

 

「うわ、なんですかその髪。イメチェンですか?」

「おー。さっき死に掛けて気付いたらこうなってた。臨死体験の功績じゃね?」

「どういう日常を送っているのですか」

 

 

 意訳を重ねた螺子で捻じ伏せた大柴君の心を折った後、クタァトだけ外に送ってもらって返すために別荘へとやってきた俺。に、最初に声をかけたのは城の入り口に居たゆえきちだった。

 ダンジョンに挑んでいると思っていたのだけど。もう飽きたとか言わないよな。

 

 スタンドは新たな進化をしたわけだが、文字を書かなくても意思を反映させる能力に進化したと思ったらどうやら言葉使いになっていたご様子。このことは大柴君に言われて始めて気付いたが、差し詰め『体言使い』とでも名乗るべきか。

 多分だけど、既存の能力設定に則っているのかなー、とも思う。ぼくのかんがえたかっこいい能力、とかやるよりも世界の大多数が理解し得れる能力の形へと変化するものなのかもしれない。俺に限らずスタンドの表在化とかどう見ても『そう』だし。漫画でも存在する能力を発現できた、って時点でどでかい世界法則が働いているんだと思うことにする。

 それよりやろうと思えば他のスタイルが使えるのかを試す方が大事な気がしてきた。

 

 

「見てろ、そのうち固有結界とかブロークンファンタズムとか使えるようになってやるぜ」

「何処のアーチャーですか。どちらかというと踏み台転生者っぽいのですけど」

「せめてエミヤにして」

 

 

 というか読んでるのかよ二次創作。

 

 

   × × × × ×

 

 

「うわっ、似合わなっ!」

「第一声がそれぇ!?」

 

 

 もうやめて!俺のライフはゼロに近い。

 こちらを指差して笑ったのは裕奈である。てめぇ見てろ、そのうち恥ずかしい写真を撮って夕子さんの墓前に添えてやるからな!

 

 死に掛けたとはいえ個人的にはそこそこ気に入ってるのだけどな、この白髪化。だがお気に入りなのは己一人で女子らには不評。お前ら揃いも揃ってカラフルな頭髪しているくせに他人に言えた義理なのかよ。

 

 

「つうか全員城に居るのか。ダンジョンはどーした?」

「あ、そうでした! 聞いてくださいそらさん! 初心者モードを攻略できましたよっ!」

 

 

 内部時間通算三ヶ月弱。ようやく攻略できたとネギ君らが焼き肉しながらはしゃいでた。

 鉄網の上で焼かれているのは、匂いからして最終階層に居るであろうランナードラゴンの肉だろうか。ワイバーンほどではないけど馬程度の体格で、集団で襲ってくる中ボスクラスだ。香草でもある植物性モンスターを主食としているので、火を通すと芳しい香りを発する。軽く炙って塩で食べるのも美味い。

 どうやら剥ぎ取り技術も相応に上がっている様子。改めてどういう女子中学生だお前ら。

 

 

「素材もいくつか選別してみたので、後で鑑定とかしていただけますか?」

「おっけー、後で薬か宝飾か希望するアイテムを言ってみな。

 ……で、逆にあっちはなんでへこんでるんだ?」

 

 

 へこんでいるのは和泉のみ。部屋の隅で体育座りしているのがなんとも湿っぽい。

 

 

「それが、和泉さんは魔法とは相性が合ってないらしくて……、思うように魔法を扱えることが出来なくて私たちもどう教えればいいのか……」

「図りかねている、と」

 

 

 いや、お前らも魔法使いの卵に皹が入った程度なんだし、誰かに教えられるほど経験あるわけでもあるまいよ。雪広の説明に把握した、と後を揃える。

 正しく使い手として成長するには正しく基礎から学ぶべきだと先達は語る。それ以前に魔法生徒になったはいいけど、あいつの行きたい方向って何処なんだよ。と問いたいけれども。

 

 

「同じ部活の好だ、俺が対処しとくからそっちは遊んでな」

「申し訳ないですわ」

 

 

 ある程度の説明をして雪広はネギへの対応に回る。

 俺は一先ず網の上から程よく焼けた肉を奪取して和泉の元へ。

 

 

「へいお嬢ちゃん。食ってるかい?」

「へぁ? あー、烏丸くん……? 何、イメチェン……?」

「そっちについてはもう触れないでくれるかな」

 

 

 似合ってなくていいよ、もう。

 

 

「で、魔法扱えないって?」

「ふぐぃっ」

 

 

 本題を切り出せば奇妙な断末魔を上げて胸を押さえる。今気付いたがなんでこいつ体操着なの。

 

 

「扱えなくてもいいんじゃねえの? そもそもこんなんただの技術だし。明日菜を見ろ、あいつの方こそ魔法なんて微塵も扱えないんだぞ?」

 

『あれ、なんか知らないうちに私のことディスられてる』

 

「でも、明日菜は身体能力あるやん。わたしはどういう風になってもどっちつかずで……、せめて魔法使いになったらもうちょっと何かになれるんじゃないかなー、って思っとったんやけどな……」

「人間そう簡単に何かになれるもんでもねえよ。というか、人間が自分以外の何かになれるってことはまずねえから」

 

 

 コイツの美点は自分をしっかり見れるってことなんだが、しっかり目を向けすぎて引き篭もりになる要素があるのが欠点でもあると俺は思う。

 それにしても、アキラたんといいこいつといい、相変わらず中学生日記みたいなことで悩むやつらだなぁ。まあ中学生なんだし仕方ないのかも知れんけど。

 

 

「でも、アキラはなんか茶々丸さんと別のことやっとるみたいやし、ゆーなはお父さんに教わっとるみたいやし、まき絵はネギ君と仮契約済ませたし……」

「このかは魔法使いとしてはまだ見習いだし、せっちゃんは人間関係で距離の取り方に悩んでいるし、エヴァ姉でさえ不老不死っていうどでかいハンデがこの先の人生に憑いて回る。

 何かしら悩んでいるのがお前だけってわけじゃねえよ、あんまり自分の殻に篭もってもいいことねえぞ」

 

 

 先を歩いている(と見えているであろう)奴でさえ、言ったように悩みはある。和泉の悩みは比べてしまえば実に矮小だ。

 要するに他人と自分とを比べること自体が愚問でしかない。のだと俺は思う。

 

 

「大体お前の地力も人によっては羨ましがられるくせに、なーにをぐだぐだと」

「むぅ、わたしの地力ってナニ?」

「見た目?」

 

 

 即答して小首を傾げる。

 3-Aは元より麻帆良は美少女揃いだが、部活動とかで異性と交流がある奴らは特に目を引いているということに気付いて欲しいのだが。

 

 

「見た目って……、いあいあ、そんなぁ……」

 

 

 まんざらでも無い様子で顔に手を当てイヤンイヤンと身を攀じる和泉。キモイ。

 

 

「ま、とりあえずは飯でも食って元気出せ。ほらこれやるから」

「ん、うん。あんがとな烏丸君。……え、あれ?そういえばこれってわたしのこと励ましとるってことなん……?」

 

 

 今気づいたのかい……。

 ……自分のこと見過ぎてそれ以外に目を向けられなくなるって、普通に欠点だなぁ……。

 

 

   × × × × ×

 

 

「また怪我したの?危ないことしないでよ、もう……」

「いやいや、結果的にまたひとつ強くなれたから。今回のこれは相応に怪我の功名というか」

「怪我してるじゃん」

 

 

 そういえば試したいことはなんだったのか、と明日菜に近寄れば目敏く俺の状態を把握したらしい。

 以心伝心以上の観察眼を持つ、俺の幼なじみがこんなに可愛く見えるはずが無い。

 

 

「そこまで漂白していれば誰だって気付くわよ」

「洗濯物の類じゃねぇーから」

 

 

 漂白言うな。

 

 

「で、和泉ちゃんを口説いてたんだ?」

「口説いてねえよ。魔法の世界に首突っ込んだのは俺が原因だからな、アフターフォローできないで魔法使いかよ、っていう持論を保持しただけさ」

「とっとと仮契約しちゃえばそれで済むのに」

 

 

 明日菜の言ってることがわからないわ。

 

 

「俺に仮契約が無効なのは見ただろ。障壁が無効化するさ」

「それそれ、それを試してみたかったんだ」

 

 

 指差し、少し寄ってきて小声になる。

 ナニをしようとしているのか。

 

 

「アタシの魔法無効化で障壁を無効化すれば、仮契約できるんじゃないの……?」

「……できるとしてもやめておいたほうがいいと俺は思うなー……」

 

 

 こいつ、黄昏の姫巫女として記憶が戻ったからかもう自在に扱えるってことかよ。

 

 そっちはまあともかくとして、俺的に仮契約にはちょっと否定的な部分があるので、契約できなければ出来ないでそのままにしておいた方がいいと思うのだ。

 手っ取り早く魔法の世界に足を踏み入れられる仮契約であるけど、俺はそのシステム自体を首輪に近い印象として捉えてる。思い出すのは原作知識の修学旅行。一般人でしかなかったはずの宮崎がレアモノのアイテムを得た所為で、協会襲撃の際はフェイトに真っ先に狙われた。

 首輪というのは契約主被契約者どちらにとってもという意味で、互いが互いを束縛する少々見え難い鎖のようにも思えてしまう。実力者は弱点から狙うのが定石だ。『弱点』となり得る存在を増やすのはどうなのか、と若干思うわけで。

 

 そんな少し真面目なことを考えていたのだが、

 

 

「あー、そうかもねー。そらが駄目ならネギと契約すればいいんじゃないか、ってカモが言ってたとき、乙女の唇をどれだけ安く見てるんだお前ー、ってゆーなとかがカモのことすっごい締め上げてたし」

 

 

 と、なんだか違う着地点での回答をする明日菜。

 いや、そういうつもりで話したわけじゃないんだけどなぁ……。まあいいか。

 

 

   × × × × ×

 

 

「あ、そーだネギ君。完全石化解呪呪文の術式をさっき手に入れたんだけど、キミいくらまで出せる?」

「はいぃぃぃっ!?」

 

 

 




~漂白そら
 臨死を乗り越えて踏み台転生者に覚醒進化!
 似娘歩!撫手歩!トレースオォン!

~ヘルマンだと思った?残念!亜なんとかちゃんでした!
 これには作者も苦笑い

~仮契約
 同時期に契約した四人はともかく、その内のガチネギ好きののどかとあやかとまきえが囲っている限り仮契約者が増える恐れが無いんじゃないかと勘繰ってしまふ
 あとは周囲の女子の倫理問題かもね

~伯爵どーした?
 犠牲になったのだ・・・クタァトの犠牲にな・・・
 補足すると、クタァトは魔物とかを蠱毒的な方法で掛け合わせたある意味純正の使い魔なので、悪魔を捕食することも可能です。捕食された悪魔は返還不可になるけど・・・


ひゃっはー!ようやく麻帆良祭に突入できるぜぇー!
そういう思いで書いた修行編+ヘルマン編エピローグ
ふたを開けてみれば亜子がいつの間にかいる、だと・・・?
おかしい。そういえば学園祭で逸話を書く予定だったのに何故か魔法生徒としているし・・・

ま、まあ問題ない、よね?
女の子が増えるのは悪いことじゃないよね!うん!

次回は多分色々思惑飛び交うIFの6
コレジャナイ感がやっぱりすげぇあるだろう話です
では。

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