ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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すーぱーアクロバティック麻帆良祭編
始動


すーぱーアクロバティック麻帆良祭編
『若干奇抜なプロローグ』


 

「ラステル・マステル・マギステル! 光集いて敵を捉えよ、光の射手11矢! 術式固定! そして掌握ッ!

 ――術式兵装、『天の光は全て星(スターライト・アデルパ)』ァァァァッ!」

 

 

 光の魔法を闇の魔法で内側へ取り込んだネギ君がそこに居た。術式の名称は日本の漫画を参考にしたらしい。

 というか、教えたのか闇の魔法。そんな意味を込めてちらりとエヴァ姉を見やる。若干呆然としたような表情で佇むロリ吸血鬼がそこに居る。

 

 

「(いや、私は何も教えて無いぞ)」

「(コイツ、直接脳内に……!?)」

 

 

 念話の返答に再度驚愕の表情で薬味坊主を見る。

 開発したのか、自分で……?

 若干ドヤ顔のネギ君が仁王立ちのままこちらへと声を向ける。

 

 

「ど、どうですか、そらさん! 初心者モードを攻略するために作った魔法なんですけど、これで!」

 

「あー。うん。まあすげぇけど。ナニ? 苦しそうに見えるけどまだ改良の余地があるとか?」

 

「僕の今の制御力じゃ! 五分が限界なんです! 力を抜くと魔法が暴発し、は、は……ハクシュッ!」

 

「「「キャーーーッ!?」」」

 

 

 くしゃみと同時に制御が崩れた模様。解放された魔力の余波は『何故か』武装解除に変化し、珍しそうに一番近くでそれを眺めていたゆーな・和泉・明日菜の三人の衣服を光へと変えた。

 一番距離を取っていたのは雪広を始めとしたネギまパーティなので、そういう結果がよくあったのだろう、と推測できる。

 ちなみにこのかも近くで眺めていたのだが、危機に気付いたせっちゃんに連れられて瞬即離脱していた。

 

 

「ちょっとぉぉぉ!? ナニ人の服消し飛ばしてんのネギくーーーん!?」

「ひやぁあああん!?」

「こ、こらー!ネギ坊主!あんたねぇええええ!?」

 

「ご、ごめんなさぁいいいい!!!」

 

 

 久方振りに見るような阿鼻叫喚のエロコメディ。

 皆が笑ってる。お日様も笑ってる。

 ついでとばかりに俺もげらげら笑わせてもらった。

 

 

「ま、面白いものが見れたし、いいぜネギ君。今ので石化解除術式の御代は少しまけてやるよ」

 

「ほ、本当ですかっ! ありがとうございまびゅふっ!?」

 

「暢気に話してるんじゃないわよ!?」

 

 

 明日菜の一撃がネギ君の顔面を横殴りに吹っ飛ばした。

 武器が無いので得物は離脱の際にせっちゃんがその場に置き去りにしていった長物である。木刀かな。おお怖い怖い。

 

 

「って、ちょ、そらっち向こう向いててよ!?」

「こ、こっちみんといてやー!?」

 

 

 殴られるのは御免なので三人のことは茶々姉妹に任せ、俺はとっとと退散しようか。

 

 

「逃すかぁぁぁっ!」

 

 

 ちょっ、バカ明日菜!全裸で追ってくるな!?

 

 

   × × × × ×

 

 

 俺のせいではないので攻撃を受ける謂れも無い。武器を振るうたびに震える胸部に目を奪われつつ、上着を放り投げるという犠牲のみで何とか無傷で逃げ切った俺は、最初から避難位置に居たネギまパーティに詳しい事情を聞きに行った。

 

 

「で、何か質問でもあるのですかエッチな烏丸さん?」

「思わず見ちゃうのは仕方ないだろうがよ、その枕詞で俺を呼ぶの止めて?」

 

 

 最近ゆえきちの視線が中々辛らつで。

 

 

「面白いものを見たから、などと言ってたような」

「それは術式の方だよ。掌握して取り込むとか、普通は考えないだろ」

「そうしないと魔法が上手く扱えない、ってネギ先生が言ってましたよ?」

「一か百しかないのかあの子は」

 

 

 確かに魔力結合がやりづらい空間ではあるけど、制御力を得るための修行場だからそうなるのはむしろ仕様。それでどれだけ射程を伸ばせるか、っていうのが割と正規の課題なのだが、あの様子だと魔法を掴んで近づいて殴れ!という別種の『正解』に傾いたのかもしれない。

 間違いではないけど、大いに間違いだ。

 

 

「あとあれさ、何で光魔法なんだ? 正直ネギ君なら雷の魔法を取り込んだほうが攻撃力向上したんじゃないかな、って思ったけど」

 

 

 原作みたいにな!

 というか自力で作るほどまで切迫するようなダンジョンだっただろうか。

 

 

「雷だと先行放電がありますからね。それだと察知されやすいので、光速化を皆で相談しあって目指しました」

「……いや、先行放電察知する奴って、そんなに居ないだろ……」

「というかそういう敵がいたんですよ。五階くらいでしょうか、雷の魔法を吸収するタイプのボスでして、雷速で移動・攻撃をされました」

 

 

 ……あー、そういえば居たわ。雷獣だな、それは。

 製作の段階で鬼っ娘にしようかとも思いかけたけど、剥ぎ取り前提だから獣の槍な『あの獣』に。ちなみに意思の疎通は無理。倒して内臓を奪取すれば雷耐性を付加できる『雷の魔水晶』という宝飾アイテムの原材料が手に入る。

 

 

「それとあやかさんが対処できていましたからね。同じように雷化は芸が無い、って皆で思いました」

「……なんて?」

「雪広流に雷程度の速度は通用しませんわ」

 

 

 可笑しな意見が聞こえた気がして聞き返せば、ドヤ顔で雪広あやかが胸を張る。

 ……対処できたんかいこの女ラカン。

 俺の幼なじみがこんなにチートなわけが無いと思っていたかったけどそうでもなかった。

 

 

「ひ、ひどい目に合いました……」

「それはこっちの台詞よ」

「えっちなのはいけないよーネギ君!」

「ついでにクラスで堂々とうちらの着替えを覗くのも止めた方がええと思うけどなぁ……」

「覗いてませんよ!?」

「注意が散漫なのが一番の問題よ。教室に入る前に確認ぐらいしなさい」

「まああたし等にもそういう意識が無いのが問題かもしれないけどさー」

 

 

 ぐちぐち言いながら城内へと戻ってきた四人。女子は全員が茶々姉妹の用意したミニスカゴスロリで身を着飾っていて非情に素晴らしく思います。前から思っていたけどメイド服に見えるのは仕様なのか?

 あとネギ君はそろそろ逮捕されるべき。

 

 

「あ、そら、上着返したいからちょっとこっちにきなさい」

 

「いやいや、正直そろそろ衣替えの季節だからもうガクランはいらないかなーと思っていたんだよ。そのまま保管するように茶々姉妹に渡しておいてもらえるかな」

 

「いいからきなさい。痛くしないから。先っぽだけだから」

 

 

 何の先っぽだよ。

 ちらちらと後ろ手に隠し持っている長物が脚の隙間から見えてるぞー。

 

 

「そういえば烏丸さんにも質問があったのです」

「ん?」

 

 

 じり、じり、と距離を取っている俺と明日菜の攻防を尻目に、ゆえきちが言葉を投げる。

 

 

「私たちは三ヶ月かかって初心者モードを攻略しましたが、烏丸さんは既に全部を攻略したのですか?」

「したよー?」

「……参考までに、どれくらいの時間を要したのでしょうか……?」

「五年かな」

 

 

 総合して、だけど。

 さすがに全部を全部攻略するのに一朝一夕にはできなかったわ。

 

 

「………………烏丸先輩、とお呼びすべきでしょうか」

「なんでだ」

 

 

 見ると全員が似たような表情でこっちを見ていた。

 妙にしんと静まり返った沈黙には非情に異議を申し立てたい。

 

 

「いえ、だって、同年齢に+5ですよね?最低でも」

「ちげぇーよ。んー……、説明したいけどその前に。ネギ君、ダンジョンの続きってまだやる?」

 

「うぇっ!? えーと、正直更に攻略に時間をかけるほどの暇は無いかなーってちょっと思っているのですぐに上級者モードへ移行するのは勘弁願いたいといいますか……」

 

「ん。要するにやる気は無いと」

 

「や、やる気ならありますよっ!?」

 

 

 なんか焦ったような薬味坊主。あれか、修行終了と思ってる?

 

 

「まあどっちでもいいや。初心者モード以外は割りと趣味の範囲だから」

 

『ええぇー……』

 

 

 全員の声が綺麗に揃った。

 文句あんのか。そもそも趣味が高じないとこんなもの作らんわ。

 

 

「最低限度攻略できれば大体の課題は攻略しているって思って構わないんだよ。

 で、ちょっとネタバレするけど、あのダンジョンは正直言って現実じゃない」

 

『ハイ?』

 

 

 再び揃うのを聞き流しつつ続ける。

 

 

「リアルに作りすぎた仮想現実が正解だ。同時に時間を圧縮しているから浮上したときの齟齬に気付かないってだけでな」

 

 

 沈黙。

 見渡せば全員が理解の追いついていない表情をしていた。絶句とも言う。

 構わず説明を続けた。

 

 

「だから死んでも生き返れる。優先されるのは意識だから、死んでても味方がいれば状況を知覚できる。意識と精神を成長させて、肉体の正しい動かし方を意識的に刷り込むためのシミュレーテッドアミュリティ、だっけ? そういうやつだ。

 肉体的な成長は付加されないけど、仮想体にかかる負荷は現実以上だから、現実に戻ったときの身体の動かし方をイヤでも実感できるはずだ。思考の高速化とでも言えばいいか。達人が極限に至るような、それほどまでは行かないだろうけど、判断力と行動力を伸ばすことが可能になる。

 アイテムを攻略しないと持ってこれないのは、クリアボーナスみたいなもんだ。中で過ごしても肉体的な成長はできないけどな」

「ちょ、ちょっと待ってください? 仮想現実だとして、どうやって中のものを持ってこれるのですか?」

 

 

 いち早く復帰したゆえきちが慌てたように質問する。

 慌てたようではあるけど質問は的確である。

 

 

「それに対する答えはこれだ。魔力構成物質顕在化術式、効果は前にも見せたはずだけど?」

 

 

 それに更に驚いた表情を見せたのは明日菜だった。

 どうやらこれがどういうものかを理解したらしい。

 

 

「……覚えがないのですけど……」

「魔法世界の土産物を持ってくるときに使ったじゃないか。魔法世界産の土産は基本的に外界に持ち出せない代物だぜ?物理的にな」

 

 

 思い出せ、インスマスクッキーを。

 

 

「そうだったのですか……?

 ――?あれ?

 えーと……、烏丸さん、魔法世界のものが持ち出せない代物って、つまり……」

 

 

 あ。

 

 

「――ま、いいか。もう此処まで言っちゃったら今更誤魔化しも利かないだろうしな」

 

 

 全員がゆえきちと同じく悟ったような表情で、俺の次の言葉を待っていた。

 

 

「魔法世界も同じように、現実じゃないのさ。あそこは火星の表層に構築された幻想世界だ」

 

『――はいぃ!?』

 

 

 更なる爆弾発言に、城内が騒がしく沸いた。

 

 

 




~天の光は全て星
 ルビの方はマテパの五本指・ヨマの使う魔法より参照。あっちがムーンに対してこちらはもうちょっと色々使えてるんだぜ、っていうネギの意思表示。
 光の速さを再現できる直接攻撃専用術式兵装(未完成)。正直光の魔法を持っていたはずの原作ネギは何故これをやろうとしなかったのかと問い詰めたいところ。

~木刀を振るう=ヒロイン
 割と正しい数式に見えるのはラノベ作家の気のせい。同系式に『暴力を振るう=ヒロイン』という間違った数式もある。

~武器を振るうたびに震える
 乳肉だよ。言わせんな恥ずかしい。
 原作と体つきに大差は無いので多分B程度か?もっと大きく見える?中学生だぜ?目の錯覚じゃね?これからこれから。

~獣の槍
 意思疎通の通用しない長飛丸。総合戦力は原作より大幅ダウン。
 ちなみに内臓から取り出せる『雷の魔水晶』は避雷針とアースを併用したような性質を持つ。雷属性の攻撃を吸収して容量を超えると弾けて混ざる(←ナニと)。

~雪広流柔術に隙はありませんわ!
 天地魔闘の構えで長飛丸を待ち構えるあやかを妄想した。

~魔力構成物質顕在化術式
 ファンタジー素材の性質を劣化させることなく扱いたいがために作られた術式。使用者+世界の魔力を介入させてその世界でも存在可能な状態で顕在させる。小難しい理屈は置いといて、要は魔法世界を構成する古代術式の下位互換。物質にだけなんとか通用するので人間や動物・怪物・魔獣などの生物には適用できないらしい。


今回でこの先何人かの説明要員が不必要になった気がする
そらが火星云々を知ってるのは原作知識が前提になっていますけど、探そうとすればそれらを裏付ける証拠はキチンと世の中にあるらしいので問題ありません
多分この後その他色々と説明し切ってしまったような気もする
もうやめて!メガロメセンブリアの出番はとっくにゼロよ!

一応この世界線自体が宵闇とクロスしてるのでちうたんが寅蔵と血縁関係なんじゃね?って意見も色々でてるみたいだけど、寅蔵が子供成したとしても家庭を持つようには思えない
関係していたとしても、最低イディオティックと霧間凪みたいな関係性だと想像する程度が俺の限界です
あれ、それでも充分に怖いのか

あと最近、そらとその使い魔が出揃っているから、合わせて五人(五体?)だけど、エヴァを最終ボスみたいな立ち位置にしてその前座的な師団長的存在として、とかって色々妄想してる。ダイの大●険みたいな構成で
正直フレ●ザードとクロ●ダインが居れば六武将とかに充分匹敵しそうな気がする
氷雪系のセルシウスに炎熱系のハチリュウ、水棲魔族のクタァトに超筋肉ヘラクレスをそこらに当て嵌める
そらはデ●ボネかミス●バーン枠、術師系か科学者若しくは参謀タイプ。あと必要なのは剣士かな。ヒュ●ケルみたいな
・・・せっちゃんで良くね?妖刀持たせて魔闘剣士刹那!とかってどうだろう
戯言だけどー。では

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