ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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前回のネギマジに多くのご意見ご感想を戴きましてまことにありがとうございました
基本的にネタが大半を占めるこの作品にこんなに真面目な意見を下さるとか皆様の妄想力も中々ぱねぇなと改めて心に留めておきます
それ以上のクオリティ目指して今後も頑張って書いてく所存です

今回も恒例のキンクリ仕様
この作品はこれで通常運転ですw


『これはアレだね、DKSSだね』

 

「始動キーが決まらないのですけどどんな風にしましょうかね」

「ぱめるくらるくろりろりぽっぷ、でいいんじゃね?」

「真面目に答えてください」

 

 

 文化祭の準備が始まった麻帆良の一角にて、相談があるからとゆえきちに呼び出されてほいほい来てみればこんな内容だよ。正直知らんがな。

 

 

「真面目だよー。すこぶる真面目だよー。ゆえきちはロリィな面をもっと推し出すべき。ピーカブースタイルで上目遣いとかされれば並の魔法使いでもノックアウトだぜぃ」

「魔法使いが皆ロリコンみたいな物言いはどうかと。それで退治できるのは烏丸さん程度ですよ」

「いい加減苗字呼びじゃなくって名前で統一しても良いと思うのだけど。お兄ちゃんでも可」

「そういうのは小太郎ちゃんとかに頼めばどうですか? というかいつまでそういう風に話題を続けるのですか。いい加減戻ってきてください」

 

 

 この烏丸、ロリコン呼ばわりしても堪える様子が無い。とゆえきちが言外に語る。

 今日の俺は一味違うぜ。

 

 

「それと麻帆良祭本番はもう少し先ですよ? なんでもうコスプレしてるのですか」

「うちのクラスの出し物関連でなー。今のうちに宣伝としてこの格好で徘徊しておく必要があるんだにゃー」

「にゃー……。ああ、『とある魔』のグラサンアロハを真似てるんですか……。道理でロリコン発言ばかりすると思えば……」

 

 

 ちなみに今日からの俺の格好は普段の学生服に加えて猫耳+尻尾。白髪になったので白い耳にしなくてはならなかったのがちょっと手間取ってしまった。

 未だにガクランなのはこれもやはり目立つため。詰め襟をきっちりと閉じて着ているわけだけど、正直この髪と肌のコントラストはガクランには異常なまでに似合わないと自覚してる。

 あーあ、これで女子なら某ザジ何とかって娘とお揃いだったのになー!

 

 

「TSしたとしても決して同じにはなれないという罠が」

「心を読むな」

 

 

 親友の専売特許を奪ってまで出番が欲しいのか。その程度の出番譲ってやれよ。あの娘の影の薄さは正直異常。

 閑話休題。

 茶を啜りつつ、話を変えよう。

 

 

「そういえば小太郎が編入したって聞いたな」

「ええ、葛葉という娘と一緒にわがクラスへ」

「クズノハ?」

「葛葉月詠さん、とおっしゃるのですが。……どうしました、頭を抱えて」

「いや、ちょっとね……」

 

 

 あれ?京都で姿見ないと思ったらなんで3-Aに編入してるの?一体いつ麻帆良へ来たんだ……。

 というか小太郎もいつ来たんだ。ヘルマン編をネギ君との衝突なしに済ませてしまったから、あの娘が絡む要素がほとんど見当たらない気がするのだけど……?要素以前にそもそも女子だし。

 

 

「ちなみにどのような出し物なのですか?」

「ん?不思議の国のアリス」

「……男子部、ですよね?」

「金髪と兎がいるからね、うちのクラスは」

 

 

 選択肢に上がったら満場一致で決定したわけで。主演はエヴァ姉である。当然ながら。

 

 

   × × × × ×

 

 

「うちの副担がメイド喫茶にすこぶる乗り気なんだが」

「誰か止めてやれよ」

 

 

 翌日、今度はちうたんに呼び出された。

 なんで俺に相談するんですかねぇ……。

 

 

「メイドが日本の文化みたいに教えたのってお前だろ?」

「違うし」

 

 

 俺じゃなくてもう一人のルームメイトだよ。西●維新もな。

 

 

「女子中学生のメイドとか最高ですね!って頭のおかしな発言してた。まあ同意だけど」

「同意するんだ……」

「昨日十二万も払わせられたのにまだやる気なんだぜ……、もう止めてやれよ……」

「……支払ったんかい」

 

 

 今にも涙を流しそうな憐憫に満ちた表情でちうたんは言う。

 一つ前の発言は女子が言うにしてはオッサンすぎて聞き逃すには至れなかったけど、ネギ君はネギ君でどうしてああなっちゃったんだろうね……。

 

 

「そもそもメイド喫茶としてのクオリティが低すぎるんだよ、学生のノリでやっていて許されるほど甘い世界だと勘違いしてんじゃねえぞチキショウ」

「なあちうたん、その話長くなりそう?」

 

 

 俺が聞く意味は果たしてあるのだろうか。

 

 

   × × × × ×

 

 

 ちうたんと別れて今日は部活の出し物の手伝いなわけなのだが、正直やることといったら屋台の組み立てくらいである。

 下準備だけやって、あとはクラスで出し物があるやつはそっちに回っていいって言うのが高等部の先輩方の意見交換で決定されたのであった。

 ……つうか宍戸先輩が一人全員参加を声高に主張していたのを椿先輩が食い止めたって聞いた。さすがですエース!

 

 

「――その代わり出展がこんなんなったけどな」

「え、ナニコレ、赤過ぎね?」

 

 

 小倉の突き出してきた大判焼きっぽい物体を見て第一の感想が漏れる。真紅である。形は大判焼きなのに配色は赤一色である。……これを売るらしい。

 

 

「見るからに激辛な配色……! 勝負に出たな、椿先輩……」

「いや、あの人赤が好きなだけだから。試合でもレッドカード一発退場を喜ぶ方の人だから」

 

 

 エースとしては致命的だけどね。残される仲間のことを微塵も考えちゃいねえ。そんなんだから微妙に弱いんだよな、うちのサッカー部は。

 

 

「あとこれそこまで罰ゲーム的なノリじゃないっぽいよ? 材料見たけど唐辛子とかは一切なかった」

「ん?じゃあこの原色の配合はどこから?」

 

 

 不安になるのだけど。

 

 

「まあ一口食べてみろって、不味くは無いから」

「お前が食えよ……」

「大体みんな食ったから。あと食ってないのお前だけだから」

 

 

 渋々、手渡された『赤焼き』を一息に一口、頬張る。

 

 ――チョコでも出ない鼻血が出た。

 

 

   × × × × ×

 

 

「――あっっっまっっっ!? ナニコレあっまっ!」

「すげぇだろー」

 

 

 噴出して勢いそのままに後ろへ倒れた俺を待っていたのはそれでも止めてくれない甘味の暴虐だった。のた打ち回る俺を見て、ふふふーと小倉が不敵に嗤う。

 笑ってないで茶をくれ茶を! コーヒーでもいい! この口中を蝕む甘味を鎮める苦味を寄越せ!

 

 

「ほい、ニルギリ茶」

「~~~~~! っぷは、あー……、うえ、まだ残ってる……」

「辛いのじゃさすがに客足が遠のくってことで方針を転換したらしいぜ」

「ニルギリ茶も一緒に売る魂胆か……。方向変えても天元突破したら結局同じじゃねえのかね……?」

 

 

 どっちにしても罰ゲームとか、売れ行きが最早絶望的なのですが。

 

 

「――お、烏丸くーん、今だいじょうぶー?」

 

 

 当日の手伝い免除されてて本当によかった、と正直こんなものを進んで売りたくないって思い始めていたところへ和泉が現れる。

 一緒にいる小倉は視界に入って無いらしい。

 

 

「ほい、これ。ウチら二日目にステージでバンドやるんやけどなー、見に来てくれんかなー?って」

「うちら?」

「ウチとー、ミサとー、桜子とー、円と」

「チアガールバンド?」

「そこまで露出はせんなー」

 

 

 残念。

 じゃなくって。

 

 

「え、チケット、って、俺に?」

「他に誰がおるんよ?」

 

 

 横には小倉がいますけど……?

 その小倉は手元にあった超絶苦いお茶を進んで飲んでた。

 

 

「あれー、おかしいなー、俺赤焼き食ってないのになんでこんなに口の中甘ったるいのかなー」

 

 

 棒読みが涙を誘う。

 

 っつうか、ネギ君改めナギサンはどうした。

 あ、大人化してないのか。そういえば。

 

 

「ダメ?」

「いや、この時間なら問題ねー、かな。二日目は俺もクラスの用事あったけど、終わってから充分間に合うだろうし」

「よかったー」

 

 

 チケットに書かれた時間を確認しながら応えると、

綻ぶように微笑う和泉。

 思わずドキッとした。

 

 

「――見たぞぉー……」

 

 

 そんな俺らの間に横から声をかける宍戸先輩。

 思わずドキッとした。恐怖で。

 

 

「うひゃあ!?」

「うおっ!? ナニやってんすか先輩!?」

 

 

 というかいつの間に現れたんだこの人。まったく気配を感じなかったから映画のホラーシーンみたいに背筋が寒くなったわ。

 

 

「いいよなーリア充はー、ささやかな触れ合いで満たされてゆく時間が足りなくって幸せなんだろー。スケジュールが埋まってますかー、俺のようなクラスに居場所が無い奴とは無縁の悩みなんだろうなー」

 

 

 酷く粘着質に絡んでくる宍戸先輩。

 本当にこの人ナニをやったのだろう。去年までは普通に、それこそリア充と呼べるような部長だったはずなのだが。

 そんな先輩に関わりたくないのか、和泉は避けるように俺の陰に隠れる。というか俺を盾にするな。

 

 

「チクショウ! 一年前まで俺に告白してきたくせに! ビッチめ!」

「振ったあんたが悪いんじゃねえんですか?」

 

 

 どんどん最低の先輩になってくー。

 

 

「しょうがねえだろー、中学生にえっちなお願いするとか出来なかったんだからよー、でも今ならもう何も怖くない……!」

「益々最低です。先輩」

 

 

 懲りねえなこの先輩。それで痛い目見てるはずなのに……。

 

 

「おら宍戸、後輩に絡んでるんじゃねえよ」

「あ、椿先輩ちーす」

「おう」

 

 

 そんな宍戸先輩を回収に来たのは椿史郎先輩。赤が好き過ぎて頭髪も赤一色に染めて赤いカラコンをしている気合の入った先輩である。あと節操なし。

 

 

「椿ぃ……、俺も出会いが欲しいよぉ……、可愛い女の子との出会いが欲しいよぉ……、美少女でもいい……」

「その二つにどういう違いがあるんだ」

「勢いだけで生きてる人ですから気にしない方がいいんじゃないですか?」

 

 

 小倉くん、中々辛らつだね。

 

 

「しょうがねえなあ。美少女くらいなら紹介してやれるから、元気出せ」

「え、マジで!? 出会える? 俺の噂とか気にしない子に出会えるの!?」

 

 

 本当に何をしたんだろう、この人。

 途端に元気になった宍戸先輩は椿先輩に連れられながら、自分の持ち場へと戻っていった。

 

 

「なあなあ、それでどんな子なんだ?やっぱ可愛いんだよな?美少女って言ったモンな?なあなあ教えてくれよ椿ぃー?何系?ナニ系?」

「ああ、ゴリラ系美少女だな」

「おいちょっと待て。それは顔面がか、性格がか。どっちかで俺の回避スピードはマックスを振り切るぞ」

「握力だ」

「握力ッ!?」

 

 

 立ち去り際にそんな妙に気になる会話を交わしていたが……、

 

 

「――はー……、じゃ、じゃあ烏丸くん、またな」

 

 

 そんな風に小さく手を振りながら可愛さアピールを忘れない和泉もまた、マネージャー陣への手伝いへ戻ってゆく。

 というかスルーしていいのか?あの二人の会話。

 

 

   × × × × ×

 

 

「あ、そら、二日目にちょっとでいいから一緒に回らない?」

「え」

 

 

 翌朝。新聞配達で一緒になった明日菜にそんな風に誘われた。

 ……あれ?高畑先生はどうした……?

 

 

 




~DKSSってなんですか?by薬味少年
 天ノ=声:大体(D)烏丸(K)そらの(S)せい(S)
 薬味坊主:DKSSです!
 体言使い:酷くね?

~ぱめるくーらるくー
 資料は無い。
 思い出せるのは藤異秀明の後書き漫画で作者本人がはしゃいでいたという遙かなる追憶。アニメから入った俺にとっては漫画版初代デビチルのシリアスっぷりは正直異常。
 あ、あとヒロインはミライとかいうデコ娘ではなくてレイジーだと思う。

~ナギサン=フラグ
 ベキッとへし折れるいい音がした。
 年齢詐称薬=サンの出番も同時に退場か・・・?

~椿史郎
 赤い人。サッカー部エース。情報通。宍戸とは別の共学クラス。でも一応宍戸も共学クラス・・・。


本当はもっと早めに書き上げる予定だったのだけど(言い訳)
どうも。遅ればせながらの更新、73話目くらいでした
その間色々感想などを送ってもらったことを、この場にて感謝の意を込めて改めて御礼申し上げます

あと今更ながら光刺体っぽいマギアエレベアをやっていたSSを見つけたことをこの場にて謝辞
パクッたわけじゃありませんのでどうか許してください・・・っ!

ともあれ次回から学園祭本編へ突入する予定です
え?さよちゃんとか超とかはどうしたのかって?
さよちゃんは肉体が未完成なのでもうちょっと幽霊状態で学祭をふらつく予定です
超は話の裏側で暗躍してネギとそこそこフラグを立てていると思われます。なんだかんだで原作との成長度合いに違いは無いはずですし、おそらく、きっと、めいびー・・・
き、基本烏丸視点だから描かれないこともあるんだよ!(震え声)
それでは。また次回


あ、あと活動報告が少しだけあります

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