この作品のキンクリは仕様です!はい復唱ぉ!
麻帆良祭一日目・7時半
――さて。
こうなってしまったからにはどうしようもない。遊ぶのは止めて現実と向き直るのが適切だろう。恐らくはネギ先生もそろそろ気が済んだ頃だろうし。
考えてみれば十歳、もっと細かく言うならば数えで十歳だったか。まだ遊び足りない年頃だというのに、当初は私も彼に教師として期待しすぎていた節もあっただろう。今思い返しても常識を疑わざるを得ない判断で、当時の私が(といってもほんの二・三ヶ月前だが)どれだけ視野狭窄であったかが実に恥ずべきことだと思わなくも無い。
そんな教師見習いである我らが副担任の仕出かしたことは数あれど、そのアンバランスさにつき合わされていることは大して気にかけることではない。より言うならば、もっと様々に問題の下地を作る人材がこの学園には多量に居るということに今更ながら気付いたのだから。
今はその問題の人物の一人である、超鈴音についてだ。
「どう、思いますか? 超の言ったことについて?」
「どう、というか……どうなんでしょうね……?」
彼女の用意したと思われるアイテムで巻き返された(・・・・・・)私たちは、その理由について追求するために彼女を探した。その果てに告げられた台詞が――、
「火星人……ですか」
「魔法世界出身の方なのでは?」
「そうですね。そう考えたほうが適切ですか」
意味ありげにそう告げられたわけだけど、そらさんのネタバレによって色々ぶっちゃけられている私たちにとってはそう大した驚愕ではなかったのがなんとも物悲しい。超自身、何某かの秘密や秘匿について色々あるのかもしれないというのに、ちょっといい反応を返せなかったのが申し訳なくも思う。驚けなかった私に対して理解できないとでも思ったのかもしれないから、まあわざわざ謝る積もりも無いけど。
あとついでにこんなアイテム(・・・・・・・)を持っていたところから見て、未来人とかそういう人種なのかも知れない。こんな『タイムマシン』なんて――。
「あ。」
「?どうしましたか刹那さん?」
「………………巻き込んでしまったそらさんにフォローするべきでしょうか……」
「あー……」
ネギ先生が何か諦めたような表情で虚空を見る。
私も釣られて空を見た。飛行船から見える景色だが、実にいい青空を見た。エヴァンジェリンさんの別荘でそこそこ飛行訓練を繰り返しているので、あんまりありがたみが無い景色であったけど。それでも空はいい。忘れたいことを忘れさせてくれる気がする。
「まあ、大丈夫ですよ。そらさんですし」
「そうですね。そらさんですし」
多分どうにかして自分のフォローくらいはするだろう。
そう思い直して、注文したお茶を一口飲んだ。少し、苦かった。
× × × × ×
一日目をようやく終えたかと思ったら、保健室で発見したネギ君&せっちゃんに連れられて一日目朝に戻された。何を言ってるかわからねえと思うがとりあえず聞いてくれ。――俺は文化祭を延々と楽しむ趣味なんてねえんだよ……っ!
ナニが悲しくて中二病を抜け出せなかった女子高生のエンドレスエイト染みたループに片足突っ込まなければならないのか。とりあえず超の女郎(めろう)は見つけたら地獄に引きずり込む。捕まえて転移符かけて俺の修行場へと引きずり込んでくれる。こう、才能を選別するゲームのオブザーバーに選ばれたずぼら系中学校教師の最後の台詞のように。
「暇になってしまった……」
自分が一日ぶらついたところなんてよく覚えてないし、下手に動くのはさすがにまずいかなーとは思う。
間違って過去の自分という名の同率存在と出会ったら対消滅しました、みたいな落ちにはならないと思うけど、そうならないという保証も無い。まるでD4C食らった気分だよ。ガチで食らえばこんな暢気にはなれないと思うけど。
それはともかく(閑話休題)、どうしたものか。
原作知識をもとにすればタイムマシンなんてものをネギ君が超から得るのは予測できたけれど、その恩恵に俺も与れるとは思っても見なかったので、麻帆良祭は例年通り忙しくも楽しく過ごすつもりであった。要するに元より期待なんぞしていなかった。複数の女子に誘われたお陰で去年よりスケジュールはいっぱいいっぱいになってはいるものの、なんとか廻れる程度には詰め合わせた状況であったのであるが。
だからこそ時間が余るという事態に現在陥っているわけで。
どうしたものかなぁ。一日目は完全にクラスの用事で埋まって既に終えたのだけど。二日目に誘われた女子と過ごして三日目はどんな具合になるにしろ最高潮の祭になあなあにでも参加できれば充分かなぁ、などと軽い皮算用を済ませていたのだが。
余った時間を無為に過ごすのも気が引ける。かといって今更ながら準備だけで済ませることを由としてもらった部活の模擬店に復帰するのもどうかと思う。正直あの食のテロを髣髴とさせる物体を売りつけるとか正気の沙汰とは思えない。
「――よし、少し早いけどまおちゃん辺りを冷やかしに行くか」
誘われた女子勢のうち、比較的軽傷で済みそうな幼女に狙いを定める。
本当は二日目に誘われたのだけど、和泉とか明日菜とかにもご招待されているわけだから何某かの衝撃が来ることも予測して早目のうちに癒しからゲットしよう。そんな二度目の皮算用をリビドーの算盤で弾かせて、可愛い妹分の居るであろうチアガール部の出し物へと足を向けた。
――ところで、知ってる顔を見つけてしまう。あれは確か――、
× × × × ×
あらあらどうしましょう。と私、那波千鶴は年には似合わないであろう仕草で頬杖をついていた。
暇になったからといって出歩いてみたところ外部のお客さんに捕まってしまう。自分は中学生だと言ってもまったく聞き入れてもらえず、一緒に歩いていた夏美ちゃん共々誘われている現状に困惑しているのだ。要するにナンパだ。
自分はともかく見た目完全に中学生の夏美ちゃんまで一緒で構わないと言っている辺り、その二人組みの男性は若干倫理的に問題があるのでは?と失礼な感情が浮かぶのも仕方が無い。更にこの場にちっちゃいのに一部が大きい小太郎ちゃんまでいたらより最悪な状況に陥りそうにしか思えないので、それは一旦彼女が離れた事実があったことに若干の安堵を覚える。気休めにしかならないけど。
それでもあくまでやんわりと断るしかないのは、この学園祭という空気を壊したくないからという感情を優先した結果だ。だから男性らも勘違いしているのだろう。付き合わないと言っているにもかかわらず、押し押しでぐいぐい来る二人組みにさっきよりも更に少しだけだが苛つきが浮上しかけてきた。
それでも、すぐに広域指導員の誰かが止めに来てくれるだろう、という最後の手段にして最初の頼みの綱である淡い期待を抱いていたら、
「やはー、お二方お待たせー」
――なんか全く期待していない少年が自分らに声をかけてきた。
というか、誰?
それからはその男の子の口八丁手八丁で二人組みはすぐに去って行き、荒事には成らずに事は済んだ。
それについては確かに感謝の感情もあるけど、今度はこの男の子がナンパ紛いのことを仕出したりはしないだろうか?と嫌な懸念が浮かんでしまう辺り、今の出会いで人間不信が浮かんだ自分に嫌悪を覚える。
そんな私には気付いていないと思うけど、二人組みを切り離すことに成功した男の子がこちらへ向けて口を開く。――と、同時に。
「おおっ、兄ちゃんやんっ!」
「っとと、小太郎か。ガチで麻帆良に来ていたんだな」
離れていた小太郎ちゃんが男の子へと飛び掛かっていた。
預けたお小遣いで少なからずの軽食を購入してくるように頼んでいたのだが、戦利品は一旦夏美ちゃんへといつの間にか押し預けており。やたらと馴れ馴れしい様子でおぶさって、自分の母性の塊をぐいぐいと男の子の背中へと押し付けている姿は、天然か、故意か。どちらにしても恐ろしい娘である。
その仕草にちょっとだけ妬いたのは秘密だ。
ともあれ、知り合いだというなら警戒する謂れは無い。
まだ少し困惑しているけど、質問を二人へと投げかけた。
「えーと、小太郎ちゃん、そのひと小太郎ちゃんのお兄さん?」
「――いやいやいや、那波さん? さすがに忘れるのってどうよ?」
「え?」
出会ったことがあるのだろうか。
頭が真っ白な色黒の男子なんて、私の知り合いにはいないはず……?
「ち、ちづねぇ、烏丸くんだよ、このひと」
「村上も若干距離置くよね。まあいいけど」
「――ええっ!?」
あれ!?こんな頭していたっけ!?
「そこまで驚くかなぁ……」
「ちづねぇって意外と第一印象引きずる人だから」
「ふーん」
「お陰で小太郎ちゃんなんて未だにペット扱いで」
「いや、そこはホントに訂正してやれよ」
そもそもなんでペット扱い?犬を拾ったのが出会いでー、と二人が会話を進める中、密かに烏丸くん(他称)の顔を確認する私。
……確かによく見ると覚えがある。というか自分の把握力の低さに今更ながら驚いた。
そのあとはいくつかの会話をして、一緒に学祭を回ろうと誘う小太郎ちゃんをまだクラスの仕事があると押し退け、意外と早くにも去ってゆこうとする烏丸くん。
その後ろ姿をみてそういえば忘れていたことを、聞こえる程度の大きさの声で告げる。
「あ、あの!ありがとうね、助けてくれて!」
そんな私に振り返ることをせず、烏丸くんはひらひらと手を振るだけで応えていた。
うーむ、かっこいい。思わず真顔で唸ってしまった私は悪くないと思う。
そんな私を少しだけいたずらっ子のような表情で眺めている夏美ちゃんがいる。
それはともかく、と気持ちを切り替え、学祭を楽しみましょうか。と烏丸くんの去っていった方向と逆へと歩き出せば――、
――何故か、烏丸くんの後ろ姿が。
「あ、あらあら~?」
「?どしたのちづねぇ?」
混乱するのは目撃した私だけらしかった。
そのことに気付かずに見たままのを呟いてしまえば――、……さっきよりもニヤニヤと笑う夏美ちゃんが。
「おやおやー?恋?」
「え、ちづねぇが?」
「いやいや、まっさかー、ちづねぇだよ?」
「せやなー」
……二人とも、私に一体どういうイメージを抱いているのかしら……。
せっかくだから、じっくりとOHANASHIしましょうか……?
× × × × ×
あっぶね。そういやぁ昼間ここ通ったわ。
そんなことを思い出していた俺はこのまま三人と一緒の行動をするのは得策では無いと信じて方向転換。少々回り道だけど、出来る限りカブらないルートで目的地を目指そう。
ナビゲーターみたいなスタンドが手元にあればいのにー。
「あれ、そらっち?」
「え、あ、ほんまや」
「今日は一日クラスの行事だって言ってなかった?」
そうこうしているうちに運動部四人娘-1と遭遇する。
佐々木はどうした。
「まき絵は新体操部の手伝いに借り出されてるよー。あたしらは特に手伝わなくてもいいみたいだから学祭を満喫中ー」
「こんなにのんびりできるんは初等部以来かも知れんね」
「あれ、亜子って確か中学からの新規組みじゃなかったっけ……?」
そんなことを尋ねられても詳しいことなんぞ知らんわ。
それよりも、だ。
「お前らクラスの出し物はどうした? さっきも那波さんや村上を見かけたけど」
「あー、言ってなかったっけ? 風営法違反に抵触するらしくって、出店不許可処分を下されちゃって」
「お前らなにやってんの?」
あっけらかんと答えるゆーなとは対照的に他二名は若干恥ずかしげな雰囲気。マジでどういう店をやろうとしていたのかがすげぇ気になる。
「そんなわけで暇になっちゃったんだよー。そらっち、一緒に回らない?」
「んー、今目指しているところへ行けるならば仲間にしてもいいけど?」
「あ、あこはなかまになりたそうにそ、ちらをみている……」
恥ずかしいならばやらなくても。あと途中なんか変なところで言葉区切ったな。
「あきらは仲間にしないならば攻撃するつもりだ」
「オーケイ、つれてゆく気はあるからその振り上げたこぶしをゆっくりと下ろすんだ」
本気で暇なのか。
まさかアキラたんにそんな冗談で口説かれるとは思いもしなかった俺がいた。アキラたんには別段誘われた記憶も無いのだけどなー。
「じゃじゃーん、そらっちは美少女を三人仲間にしたー!」
「美少女(笑)」
「美少女じゃん!」
異論は無いが自分で言うのは駄目だ。
そらはきょにゅう×2と、ちっぱいを仲間にした!
「で、どこを目指しとるんや?」
「知り合いの妹を応援に」
「文章おかしくない!?」
おかしくない。
あ、そういえばこいつらには一応説明しておいたほうがいいのかも知れんな。ネギ君経由じゃ多分聞いてないだろうし。というか絶対に説明して無いだろあの子。
「そういやあお前ら知ってるか?」
「なにを?」
「今年の学祭には恋愛スナイパーが出るらしいから、告白の成功率が一桁を下回ってるんだって」
「「なにその不穏な情報!?」」
ゆーなと和泉の台詞が見事にはもった。
告白する気だったのか?
〜キングクリムゾン!
世界樹前の集会は原作通りなのでカット。きちんと超にタイムターナー貰うイベントはやってましたよ
ちなみに組み合わせに若干の差異あり。月詠・小太郎のほかに乃木坂・大柴という魔法生徒が追加されているので、ヒゲグラ先生と葛葉先生の組み合わせが解消されてそれぞれ魔法生徒を請け持っていると言う超蛇足情報
〜火星人だヨー
その情報をマジで検証してほぼ正解を引き当てているネギ&せっちゃん。DKSS(大体烏丸そらのせい)
それはともかくふわふわバニーガールなせっちゃんとかが目の前にいたらガチで食われそうな気配がある。それぐらい可愛い。誰にって?このかだよ!
〜才能を選抜するゲーム
植●の法則
ロベルトを地獄へ引きずり込むコバセンのように超を地獄(ダンジョン)へ引きずり込め!
〜これはヒロインですか?
いいえ、この娘はモブです
〜風営法違反で出店不許可処分
中学生のメイドとか犯罪の匂いしかしねえ
すべては推し進めたネギと、不在のために止めることも出来なかったタカミチのせい。いつまで副担に任せっきりなんだよ!
〜恋愛スナイパー
褐色の巫女スナイパーが狙い撃つぜ!
ええっ!?もう学園祭!?
前日譚とか前準備とかぜんぜんしてないよぉ!
でもでもがんばる!みんなが楽しみにしていた麻帆良祭だもんね!
屋台や出し物がいーっぱいっ!あれ?あのクラスは演劇をするんだって!見に行ってみようよ!
え、ええー!?エヴァンジェリンちゃんが主演なの!?
次回!ネギまとか真面目に妄想してみた『不思議の国のエヴァンジェリン』!
次回もおーりといっしょに、レリーズぅ!
(CV:若本規夫)