ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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前回のIFの前日譚みたいなネタバレ話
時間軸は大体ネギま最終回から7年後?くらい
ネギの娘の主観で物語を語ります


『IFルート【その7】』

 

 ウチの父が変態だった。

 

 いや、正確に言うなら犯罪者だったというべきかもしれない。

 申し遅れましたけど、私の名前はカタナ=スプリングフィールド。今年15歳になる中学三年生、麻帆良に通う受験生だけど。

 受験生だというのにとんでもない問題を浮上させた父に、ちょっと激おこぷんぷん丸っていうところです。

 

 いきなりすぎて意味がわからないという方の為に父の犯罪遍歴の証拠を提示しますけど、

 一、母は今年で29歳。

 一、父はここ10数年中学校の教師として勤務。

 ……おわかりいただけただろうか……?

 

 ネタバレするけど、父は母が中学生の頃に私を身篭らせたらしいそうで。母の卒業写真を見せてもらいましたが、若干お腹が膨らんでいるように見えるのは錯覚ではないらしく……。

 ……なんでウチの父はそんなスキャンダルを起こしておいて未だに中学校教師をやってられるのでしょうか。中学生に手を出す教師を普通に採用しているとか、麻帆良女子中学の感性が理解できなくなってきました。

 ……よく今まで無事だったな、私。

 あー、だから“先生”は私に護身用の魔法を寄越してくれたのかもしれないなぁ。

 

 で、そんな父が改めて起こした問題を解決するために集合したのが、“先生”を筆頭にした当時の父の教え子である母とそのクラスメイトだそうです。

 

 

 

「この歳になってまだトラブルメーカーなのか、ネギ君は」

「なんかスイマセン……」

「いや、カタナちゃんが謝ることじゃないけどね?」

 

 

 

 “先生”こと、烏丸そらさん。

 私に無詠唱自動展開術式『四閃三獄』を授け、扱い方を教えてくれた人生の師匠です。あとなんか火星の開拓事業に手を貸していたとか言う凄い人。

 

 

 

「それよりも私はこのかのほうに驚いたわ。あんなに怒ったこのかとか初めて見たし……」

「いえ、あれは怒るのも無理ないかと……」

 

 

 

 その先生の奥さんである烏丸明日菜さん。

 魔法世界のお姫様だとか言う世界的超VIPの筆頭で、先生はすっごい逆タマをゲットしたみたいです。

 お二人は4年ほど前に結婚したのですが元々幼なじみらしいので、周囲からしてみれば収まるところに収まったって感じで。

 

 

 

「確かマウントでボッコボコにしていたんだっけ? 近衛のやつが」

「そうらしいで、ネギ先生を」

 

 

 

 改めて聞くとすっごく情けなくなります……。

 そんな会話をしているのは長谷川千雨さんと和泉亜子さん。

 お二人ともいい年のはずなのに未だに独身。

 ニートのちうさんはともかく、亜子さんは引く手数多のはずなのに全部お断りしているとかいう話。何故なのでしょうか? 何か已むに已まれぬのっぴきならない事情でも?

 

 

 

「……そんなに怒るほどなにをやったの、ネギ君は?」

「さー? 私はまだ聞いて無いんだけど」

 

 

 

 父の教え子であったはずなのに君付けで呼ぶお二人は大河内アキラさんと明石裕奈さん。

 火星で水先案内人をやっているとかいうアキラさんとツアーコンダクターの裕奈さんもそうですけど、真っ先に集まってきたのが以上の六名。

 お仕事とかどうやって都合つけたのか。

 

 そしてウチの母の名はノドカ=スプリングフィールド。

 彼女は現在、魔法探偵と名高い綾瀬ゆえさんに長者番付にも乗るくらい人気の高い漫画家・早乙女ハルナさんと共に、しかるべき手続きを執り行いに行ったところである。

 それにこのかさんを加えての4人は元・図書館探検部とか言うところの所属つながりで今でもたびたび交流があるために既にこの事件を承知のうえで行動している。というか現場にいた。

 ……後から知ったのだけど、母が身篭ったのは母のほうから押し倒したとか言う衝撃の事実。

 母はというと、当時から超人気だった父につばをつけておこうという作戦だったらしい。

 駄目だこの母、早く何とかしないと……。

 

 そんな我が家の事情は一旦置いておくとして、先生が揃っている皆さんに事件のあらましを軽く説明し始めた。

 

 

 

「なんでも、ネギ君がせっちゃんを孕ませていたらしい」

「「「「「ああ、それは怒るわ」」」」」

 

 

 

 えっ、それで理解できるほどの共通事項!?

 

 

 

「あの、やっていたことが不倫だったというのは理解できますけど、正直私はせっちゃんという方を詳しく知らないのですけどー……?」

「え? ……あー、そういえばあんまり顔合わせたことなかったっけ?」

「そうなのか? 桜咲のやつなら近衛の行くところには犬みたいについて回るようなやつだったと記憶しているんだけど」

「せやなー、二人の結婚式のときにもみんな集まったし、そんときにおったはずやで?」

「一応このかさんには幼なじみだとは聞いてますよ? このかさんは皆さんとは違って地球にいますから、会おうと思えば会えますし。ただ又聞きみたいな紹介しか受けていなくって……」

 

 

 

 ちうさんと亜子さんの軽い説明に、私の中でのイメージが意外と寸分違わないことに軽く驚愕を覚えるも、補足で応えた言い訳に顎に手を当て思考する仕草を見せるのは先生である。

 

 

 

「現場にはいたんだよな?」

「はい。壮絶でした。必至で言い訳するうちの父にマウントとってボコボコとコブシを振り下ろしながら怒るこのかさんなんてレアモノ一生見なくて良かったと今でも思います……」

 

 

 

 何が「刹那さんが生徒のときから好きでした!」だ。

 浮気の言い訳どころか、開き直りもいいところの父改め糞野郎の言い分なんぞ覚えていたくも無い。

 けれども伝えるべきことは伝えなくてはならない。そうでないとせっちゃんさんも浮かばれない。

 

 

 

「ただ、」

「?」

「そうなった経緯って先生の結婚が若干引き金らしいです」

「え。なにそれちょとまって詳しく」

 

 

 

 あー、やっぱり気になりますよね。

 一瞬真顔になった後こちらに詰め寄る先生にちょっと内心どぎまぎしつつ。

 

 

 

「お二人の結婚って言っちゃあなんですけど急だったじゃないですか」

「あー、まあねえ」

「なんだっけ? 確か学生の頃のノリで求婚して、それをアスナが冗談のつもりで受けて、周囲の人たちが全部真に受けちゃったんだよね」

「そんな経緯だったんですか!?」

 

 

 

 アキラさんの発言に初耳の私が思わず驚いた。

 幼馴染みながらに求婚するのを普通にやっていた学生時代というのも想像しがたいが、4年前でもお二人は未だ25程度だったのだからそれほど焦るような年齢でもなかったはず。

 それなのに真に受けて結婚式を用意する周囲の環境が存在する、という時点で世界観が可笑しい。

 笑えないけど。

 

 

 

「互いに超を越えるクラスのVIPだというのにわかりやすい足枷が無いって言うのが回りの奴らは恐ろしかったんだよ。だから一番くっつけやすい二人を結婚させた、って思うけどな」

「恐ろしいけど納得です。恐ろしいですけど」

 

 

 

 ちうさんの説明に得心して反芻。

 大事なことなので二回。

 

 片や魔法世界の完全管理者で、片や得体の知れないパイプを繋げる火星にとっての英雄と反英雄を兼ね備えた大人物。

 どっちも好きに(自由に)動けるというのだから、当時の政治家の方々とかはさぞ背筋が寒々しかったのでしょうね。

 それが今でも温もれているかといえばそうではなさそう、というのがまた笑えない話なのでしょうけど。

 

 

 

「話を戻しますけど、急な結婚で意外にもせっちゃんさんがショックを受けていたらしくって。なんか先生のことを少し好きだったみたいです」

「そうなのか……。改めて言われても実感わかないのだが……」

「え、でもファーストキスは刹那さんじゃなかったっけ? 刹那さんもあんたが初めてだって耳にした覚えが」

 

 

 

 つ、強いですね明日菜さん。

 その話を聞いて普通にしていられるとかどういう神経してるんですか。一応旦那様ですよね?

 

 

「その後特に進展らしきものもなかったのに気付けとかマジで酷なのだが」

「刹那さんとの接点って何かなかったっけ?」

「んー……、武道会で対戦した程度……?」

 

 

 

 裕奈さんとの会話に何か気になる単語が。

 武道会ってなんですか?

 

 

 

「で、ですね、それで泣き濡れてお酒に巻かれるせっちゃんさんを介抱したのがうちの父だった、とかそんな経緯を……」

「あー、うん。大体わかったから皆まで言わなくて宜しい」

 

 

 

 はい。

 さすがに己の父の濡れ場とか詳細を語りたくはないので、助かりました。 とはいえ一応の事後報告をば。

 

 

 

「で、さきほどことの始末を聞いたところによると、そのときに出来た私の弟を、あやかさんに預かってもらうことになったそうです」

「「「「「「いや、そのりくつはおかしい」」」」」」

「えっ、満場一致っ?」

 

 

 

 あやかさんとはとある財閥のお嬢さんです。

 大学卒業後に結婚したらしくて、母を除けば当事の友人関連ではそれなりに早いゴールインだったとか耳にした覚えが。

 母との付き合いが元クラスメイトだと聞いても最初頭の中でくっつかなかったのですが、先生に魔法について指導を受けてからはなんとか理解できています。どうやら当時は父の仮契約相手だったらしく。

 ……でも、パクティオーってキスで契約するのが一般的なんだそうですよね……。

 ま た 女 生 徒 か 。

 本当に一度捕まるべきだと思う、あの男は……。

 

 それはともかく、そのあやかさんとは母との繋がりもそうですけど明日菜さんとも先生ともそれなりあるので、そういう付き合いが多い私ともそこそこ顔見知りでもあります。

 そんなあやかさんにはお子さんがいないそうなので、引き取ってくれるというのならばどちらにとっても願ったり叶ったりとも言えるわけですが。

 

 

 

「いや、せっちゃんはどうした。なんでわざわざ親元から離れることになるんだ」

「このかさんが凄い剣幕で父もとい糞野郎の血が入った息子(ココ重要)を引き連れてせっちゃんさんと付き合えるほど寛容にはなれない、というお話でした。義弟は私と同じ赤毛だそうで、近くにいると殴り殺してしまいそうだ、って……」

「せっちゃんと離れるって選択肢が無い辺り徹底してるなぁ」

 

 

 

 でもそんな娘だったっけ?と先生が小首を捻ります。

 そんなことよりも気になる点が。

 何の優性遺伝なのか父の赤毛はかなり根強く遺伝しています。私にも。

 そのうちこのかさんが『不快だから』という理由で私にコブシを振り上げないか、若干懸念が浮かびます。

 まあそのときには私の魔法で立ち向かえばいいっか!

 

 

 

「しかし雪広に幼い少年……。酷い化学反応が起こりそうで背中に嫌な汗が流れるのだが」

「言うなよ……、私らも懸念で済んでいるように祈ってるんだから……」

「そうだよ……、まさかいいんちょがそんな、ねえ……?」

「そうだよ、……たぶん」

「せやよね、……たぶん」

「あんたらそろいも揃ってあやかのことを疑いすぎよ。……まあ間違って無いと思うけど」

 

 

 

 ……ですから。何がそんなに気にかかっているのかわからない私にはすっごい不安なのですが?

 

 ちなみに、このときの先生方の懸念が6年後に嫌な形で解消されることになろうとは、誰も気付くことはなかったのでした。

 ……あやかさんの妊娠という形で。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

≪おまけ≫

 

「それはそうと、オマエラよく都合つけられたな。忙しいと思っていたのにこんな早くにはせ参じるとか」

「そうですね。わたしもびっくりしました」

 

 

 

 火星在住のお人らが他の地球組を差し置いていの一番に集まれるとかって、普通は誰も思いません。

 あ、ちうたんはご近所のニートさんなので別です。

 そう思っていると、ちうさんの話題振りに明日菜さんが笑って応えます。

 

 

 

「まあ、話が来たときにみんな一緒にいたからね。興味がわかないとかって言ってたエヴァちゃんと茶々丸さんに留守番任せたし、それほど準備しなくっても来れたのも事実かも」

「「………………ん?」」

 

 

 

 ……あれ?

 

 

 

「おい、ちょっとまて。エヴァンジェリンが出てくるのはまあいいとして、留守番をそいつらだけに任せて安心できるとかどういうつながりだ?」

「裕奈さんと亜子さんとアキラさんのおうちは放置でいいんですか?」

 

 

 

 計算が微妙に合わないので突っ込んでみました。

 ……なんで目をそらすのでしょうか、お三方?

 

 

 

「あれ? 言ってなかったっけ? 今私たち5人と、エヴァちゃんと茶々丸さんと小太郎ちゃんとを入れて8人で一緒に暮らしてるんだけど」

 

 

 

 え、なんですかその異常な生活環境。

 

 

 

「…………シェアハウスってレベルじゃねえぞ……。そんな女子ばかりに囲まれて、烏丸も随分いい思いしてるんだな? ……おい、なんで目をそらす」

 

 

 

 目をそらした先生の代わりに、明日菜さんが笑って。

 

 

 

「千雨ちゃんもいっしょにどう?」

「どう? じゃねえよ!? なんだオマエラ!? 普通の考え方じゃねえってーの!」

 

 

 

 軽い調子で誘う明日菜さんにちうさんの怒声が炸裂しました。

 ですよねー。

 結婚しているはずの明日菜さん公認にしか聞こえない同棲とか、なんで許容できるのでしょうこのお姫様。

 ……ん? 『お姫様』?

 

 

 

「そりゃあ私ってほら、一応王族だし」

「――え、それ適用されるのか?」

「突っ込まれたらそう答えておけばいいのよ」

「コイツ確信犯だ……っ!」

 

 

 

 ……ああ、そういえば、一応明日菜さんって『黄昏の姫巫女』とかいう王族の末裔でしたっけ。

 魔法世界は封印以降なんの音沙汰も無いので正直忘れかけてましたけど、そういえばVIPになっている一番の理由が『それ』でしたね。

 

 

 

「だから2号3号もいてもおかしくない。ハーレムとか王族なら当たり前だし。っていうかセクスティウムちゃんこと6号ちゃんは一応うちの旦那の6号だし。せっかくだしこのかと刹那さんを火星にご招待しようか」

「その提案には賛成だけどハーレム作るのはむしろお前の方が正統だろうが。というかまだ居たのかよ愛人が、お盛んにもほどってもんを知れよお前」

「王族である私の結婚相手なんだから王権の一端を担いでも正当」

「畳み掛けるんじゃねえよバァーカッ!!」

 

 

 

 おおう、こんなにおこなちうさん久々に見ました。

 しかしなるほど、それでお三方は結婚の話が未だに無かったわけですね。

 確か学生の頃からのお知り合いだそうなので、その頃からの淡い恋とかそういうロマンスがあったのでしょうか?

 うちの父を相手側に置き換えると何故かどたばたラブコメディに変換されてしまいそうになって、いまいち想像し辛いのが難点ですけど。

 

 

 

「……実のところね? ちょっと困ってたからね」

「そりゃあ愛人が6・7人とか一週間でローテーションも組めねえしなぁ」

「いや、そういう下なハナシじゃなくってね。うちの旦那って私一人じゃちょっと捕まえきれないっていうか」

「……それで何人も公認で女囲わせて身動き取れなくさせるとか、お前本物のバカだろ」

「後悔はしてない(キリッ」

 

 

 

 ……仲良いですよね、お二人って意外と。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

≪おまけ2≫

 

「それはそうと、ちうたんも火星に来ないか?」

「ハーレムには入らねぇぞ」

「そういう話で無く、ね」

 

 

 

 一端の閑話休題を挟んで、気まずい空気を脱却させて先生がちうさんを誘惑してます。

 くっ、私も中学生という身分でなければ今すぐにでも火星へ単身乗り込めるのにっ。

 

 

 

「ちょっとした仕事のお誘いだ。電脳世界のサーバー管理に魔法技術を応用してみたいんだけど、一番能力的にも人格的にも信用できるのが俺の知る中でちうたんなんでな。本格始動させたいからとりあえずの一年契約からで火星まで来てくれね?」

 

 

 

 と、思ったらガチで真面目なお仕事の話でした。

 本気でそういう話題を振られるとは思ってもなかったらしく、ちうさんは少し居直して。

 

 

 

「唐突だな。つーかニートを担ぎ上げようとかって本気かよ? それ以前にいい加減ちうたんって呼ぶんじゃねえ」

「これは癖、っつうか愛称みたいなもんだと思ってくれよ。なんならその存在をネット上に再現させる技術とかも開発するのに資金提供の伝手も探せるけど?」

「おいおい、ネタを大真面目に再現しようとするその領域をまーだ忘れてねえのかよ。そろいも揃ってバカな方向へ突っ切ってるアルティメット夫婦め」

「なんだそのカテゴリ」

 

 

 

 苦笑してますけど、なんか乗り気じゃないですか? ちうさん。

 ……なんだかんだでこの人も、先生のことを想っていた一人なのかも知れませんね。

 

 

 

「来たらえーんやない、千雨ちゃんも。ほら、仮契約した縁で」

「それを言うんじゃねえ!」

 

 

 

 今まで空気だった亜子さんが爆弾発言しました。

 というかしていたんですか!?

 そのくだりもうちょっと詳しく!

 

 三年後、技術革新を成功させた千雨さんがテレビに映るその指には、先生たちとお揃いの鈍く輝く指輪が嵌まっていたのは、もう少し先の話です。

 




〜神楽坂そら(旧姓・烏丸そら)
 魔法と科学のハイブリッドの後進事業や人外の人権提起・確保に及ぶまで何気に色んなことに手を出していた新世界の生きた英雄。特別腕っ節が強かったわけではなく、戦う前にある程度の積み立てをして出来得る限り『平和的』に事を済ませてきたという地味な活躍。だが彼に頭が上がらない人物は特に政財界などに山のように居るらしい。良い意味でも、悪い意味でも。
 割かしのんべんだらりと寿命すれすれまで生きて総勢50人くらいの嫁さん友人息子娘孫曾孫に見送られて逝去。ちなみにその嫁の中にエヴァは入っていない。89歳の大往生であった。
 がその数年後、平行世界から帰ってきた超の持ってきた魔術式をエヴァが解読。『せーはいしすてむ』等という死者蘇生染みた術式を強大な魔力で再現した結果、従者として復活を果たす。
 槍を順装備でないのに何故かランサーのランクで召喚されたそらはちゃっかり若いころの肉体を得て、現在エヴァと火星にて悠々自適の老後改め死後生活を送っている。
 ちなみに件の術式にて追加で召喚されたのは、剣を持たないセイバー明日菜・魔術の使えないキャスター千雨・乗りこなすのは騎馬じゃないんですねわかりますなライダーこのか・性的な意味でのバーサーカー亜子・影が薄いのは仕様ですアサシンアキラ・普通の狙撃手(アーチャー)裕奈の生前の嫁の一部である6人。まさかこんな方法で再び生を受けるとは思っていなかった、と各々呟いたが、どいつもコイツも火星においてはそこそこ名を残した平和的な英雄存在である。

〜エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
 百年経ってもエターナルロリータな真祖様。組織?闇の末裔?なにそれ美味しいの?という意思の元テラフォーミングが完成した火星の首都ネオ・ヴェネチアで悠々自適のニート生活を送る。
 寿命とか人権とか色々悩む必要のある日常問題はそらが死ぬ前に色々と片付けていったのだが、まさかそれに自らが関わるとは死んだそらも思っても居なかったことで。
 ちなみに召喚された6人以外のそらの嫁は3人とも人外で、同じく火星にて適度の生活水準で活動中。どうやら普通に寿命が人間より長いらしい。

〜神楽坂明日菜
 一人で魔法世界を抱えてる、完全なる世界の鍵を所持している世界樹の番人。魔法使いが悪いことをやったらすぐに感知して完全なる世界へと送還できるとか言う、全世界共通最高峰のVIP。一国、どころか一つの世界一つの星を抱えているのでとてつもない警戒をされる羽目に。
 そらと結婚したのは二十代後半。くだりは、学生の頃のノリで疲れていたそらが気楽に結婚してーと言ったことをはいはいと許可したら周囲の護衛らが真に受けてあれよあれよという間に挙式の準備が出来ていて、置いてきぼりにされているのは本人たちばかりだったという。というか、完全なる世界の事情を抱えているお陰で制御できる人物がそらくらいしか居ないんじゃね?と周囲の者も認識していたのが一番の原因。彼が疲れたタイミングで再会したのも何かしらの意図が関わっているような気がしないでもない。
 その後嫁さんが更に増えたのは明日菜も了承していたことだとか。どうも彼女自身も彼を一人で制御できないんじゃないかと、学生の頃の印象が抜け切れなかったらしい。

〜近衛このか
 嫁と表記はしたが血の繋がった子は一人も居ない。正確にはそらの嫁として嫁いだ刹那の嫁。(←!?)
 そらの結婚数年後にネギが刹那を孕ませていたということが発覚し、宮崎という奥さんが居てなんでそういうことをするのかとネギがこのかにボコボコにされるという原作では欠片もありえない展開にまで発展。「中学生の頃から好きでした!」という更にありえない発言を聞いて、刹那を奪い取るようにネギから離させる。結果生まれた息子の親権はネギに任せられ、瞳からハイライトの消えた宮崎が自分の旦那をどう躾けたのかは誰も知らない。
 その十年後、ネギの息子の一人があやかと結婚したとか風の噂で聞こえたが、挙式が行われることは終ぞ無かったという。

〜和泉亜子
 テラフォーミング中の火星にて駆け回っていたという白衣の天使。色んな現場に借り出されるも、お前のナース服とかプレイの匂いしかしねぇな、という友人からの一言がかなり浸透。患者さん方も納得した、色んな意味でお世話になりました、という白衣の天使(意味深)。
 一緒に動き回っていた介護師、と見せかけた総合現場監督のアキラたんと双璧を成す人気を誇っていた為に英雄的存在に今も祭り上げられて居る。当時の映像や写真が、色褪せることなく皆の記憶に残る。そんな二人。

〜火星
 原作ネギまとはまったく別物。魔法界が残っていない水の惑星。戦争も人種差別も無い、ある意味とてつもない理想郷。
 文化保存との声が上がり地球では沈没した水の都・ヴェネチアを再現した中心都市に並び、千本鳥居や厳島神社、水上洞窟や温泉棚田などの『水』を主題とした有形地球文化遺産の移堰に成功しているとかなんとか?
 代わりに電子的な造詣は極端に少なく、日本の首都東京の様な都市計画は一向に進言されないという『最後の癒し』だとかいう名目が名づけられているとかなんとかry。
 ちなみに件の千本鳥居には犬耳の巨乳巫女が住み着いているという噂。この一文で既に眉唾。

〜カタナ=スプリングフィールド
 のどかとネギの娘。腹違いの弟がいる。
 両親の出会いを聞いて世の中の常識を疑う14歳。
 出会いが学校で教師と生徒?生徒に手を出したの?え?パパの年齢が当時九歳?その学校やばくね?と混乱の極みに至る少女の奮闘記をいつか書きたい。

〜その弟
 せっちゃんとネギの息子。存在が発覚したのは生後四年後。姉が14の頃。
 カタナの学習環境を懸念したネギが預かる先を探したらあやかが立候補したという経緯。この時点で既にヤバイ匂いがぷんぷんしていたのだが、このかにふるぼっこにされていたネギには正しい判断は出来なかったヨ・・・・・・。
 彼とあやかの孫が要するに前回のIFで登場した近衛刀太君(偽)。せっちゃんの血がわずかながら入っているから『天狗の大団扇』に適応した、という裏設定。

〜四閃三極
 魔法アプリに繋がる前身(プロトタイプ)みたいな術式。
 見えない刃を魔力で構成し、その軌道は前以て入力することで稼働させる。
 元ネタはマテリアルパズルの切り裂き魔コルクマリー。

〜魔法世界
 実はとっくの昔に影も形も残されて無い。明日菜を主軸にした封印で火星から住人も根こそぎ剥離された幻想世界。
 元幻想世界の住人共はテラフォーミングの成功した火星上に新たな隠れ住人として放流してあるのだが、本来実体を持っていると宣言しているはずのメガロメセンブリアの元老院などは魔力に完全還元して『完全なる世界』へと袋詰め中。
 黄昏の姫巫女2号であり世界樹の番人2号でもある相坂さよの暇つぶしとして、現在一人一人『中身』を確認しながらの選別作業中。プライバシーも何もあったもんじゃねえ。
 ちなみに鈴木6号はその従者でありつつも、そらの嫁6番目に立候補した猛者。



こんなに長いあとがき初めて!
もうこのまま本編に載せるべきだったかもしれない注釈&IFの7でした
アキラたん√に見せかけてアスナ√、と見せかけたハーレム√だよ!かかったなバカメ!
たぶん本題はあとがきに載せた【その後設定】の嵐


魔法世界封印については簡単なルートを語りますと、

魔法世界編が夏に始まらない

卒業式ぎりぎりまで時間をかけてそらが準備
その間アーウェルンクスらが魔法世界中で『完全なる世界』の真似事をしつつ暗躍。何気にゲートを破壊しておいて魔法世界人の逃げ場をなくす

卒業旅行として完全封殺に敢行
黄昏の姫巫女×2を引き連れて、元老院でも還元可能な術式を構成しつつ唯一開けたゲートにそれらの全てを設置。打ち漏らしは漏れなく魔力へ還元(リライト)

火星から魔法世界を完全に剥離させる

って感じです。この世界線だと
そもそも人間の新陳代謝と適応能力がどうやって成立しているのかを考えろというのがこの理屈を立てた原因
魔法世界のものが全て幻想だとして、それって栄養素とかにも適用されるの?
その世界で最長でも一週間くらい生活していたらその体の中身も代謝で改変が終わってるんじゃないかしら、って思った
そうなったわけでなければ元現実世界人が普通に生活できている理由がわからん。全部が幻想だと最終的には栄養失調で死ぬでしょ?
事実どう考えていたのか、赤松さんは

っつうわけでこの作品においてはリライトは魔法使いなら適用する、って設定に改変。むしろそらが改造しましたw
今後続ける上でそうなる可能性もあるので、ガチで『完全なる世界』側にそらが行くとネギが絶望に包まれますね!
それを乗り越えるのが主人公だよ!ガンバ!


ここまで書いてしまったらもうこれで最終回でも良く思えてきた
ま、まあIFだし?
本編やるとしたら多分違う展開になるだろうし?
・・・なるといいなぁ・・・

これが最終回でも宜しいですよ。という方にとっては蛇足になるかもしれませんが、一応今後も続きます
違う結果を目指してみるのも一興かもしれない
そんな意気込みで、多分次も番外編。では

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