ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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『クラスメイトとの友誼の図り方【激闘編】』

 

 改めてクラスを見渡してみれば全席が埋まっていて、おめーの席ねーから! と言われること必須な状況。

 イジメか。良くないよー、そーいうのー。

 

 

「で、どうすればいいか、ねぇ?」

 

「え! えっと、あの、済みませんが誰か机とイスのある場所を教えてもらえないでしょうかー?」

 

 

 すまんねネギ君。就任初日っから転校生を任されているようで。

 でも俺は悪くない。悪いのは学園長か高畑先生だ。

 え? しずな先生にエヴァ姉? ナンノハナシデショウカー?

 

 

「え、ええっと、一先ずは使用していない教室から持ってくるのがよろしいかと……」

 

「ん

 場所教えて? 自分で取りに行くからその間に先生とお話しているといいさ」

 

 

 挙手した雪広にそう言って教室を出ようとする。と、

 

 

「わたしが付き添うよ」

 

 

 そう、声を上げたのは多分、大河内アキラ。長身・スタイル良好・ポニテ、といったら多分そう。

 まあ、気になってはいたし、好都合だけどね。

 

 

「じゃあ、よろしく」

 

「うん」

 

 

 多分、コイツも何かしら聞きたいのかも知れんなぁ。スタンド、見えていたみたいだし。

 

 

   × × × × ×

 

 

「悪いね付き合ってもらっちゃってさ

 アキラ、でいいのかな?」

 

「ん

 大河内、だから」

 

「暗に名前で呼ぶなってことですね、わかります」

 

 

 馴れ馴れしかったか。

 教室を送り出されるときのBGMが彼女をからかうものばかりだったからな、俺が直接耳にしたのは名前だけだったんだしこう呼ぶのも仕方ないと思って欲しい。チャライわけじゃないのよー。

 

 

「あっ、いや、嫌だと言っているわけじゃなくって」

 

「あー、訂正しなくていいからいいから

 大河内さんね、リョーカイ」

 

 

 思わず『了解』が棒読みになってしまったのは演技じゃない。残念ながら。

 こころで泣くくらい許しておくれ。

 

 

「んで、

 わざわざ二人っきりになりたかったってことは、なんか用事があるんだよな。何?」

 

 

 出て来る時には「すわラブ臭か!?」と轟き叫んだ黒い触角の女子がいたけど、その他俺を知っているのも知らないのも合わせてあきらたんの身を案じた台詞ばかりが飛び出した中で、無理やりにでも自分を売り込んできた彼女の意志を優先。

 それはともかく知っている女子らからも信用されていないような自分がちょい情けなくも思ったり。

 

 

「………………、キミ、も、持っているんだよね」

 

「なにを?」

 

「スタンド」

 

「まーね、つかやっぱりそれかぁ」

 

 

 投げキッスが拙かったのか。

 まあ確認されたけれどもいきなり攻撃されるような相手じゃないだけ良しとしよう。具体的にはしずな先生みたいな。これ先生にはオフレコで。

 

 

「それの性能を、教えてくれる?」

 

「おいおい

 スタンドは戦うためのものだってわかってるのか? 俺は強くないからさ、自分の手札≪カード≫を晒す真似はしたくないんだけどな」

 

 

 なんか言い回しが中二っぽい。いや中二だから間違ってはいないんだけどさ。

 やだなー、漫画の主人公になった気分だよ。

 

 

「………………

 最近、女子水泳部の更衣室に覗き魔のスタンドが出現するから、確認させてもらえるかな?」

 

 

 ………………………………

 

 訂正、そんな主人公はいねーな。

 

 ………………まて、いやいやいやいや、まてまてまてまて、

 

 

「………………えーと、大河内さん? それって俺のことを覗き魔だと断定してませんでせうか?」

 

「確認したいんだ

 アレの姿までは完全に捉えられていないから見た目じゃわからないんだけれど、せめて『キミ』の活動範囲を把握しておきたい」

 

 

 いつの間にか俺のすぐ隣に立っているアキラたん。威圧感がハンパねえ。背の高い女子ってすげぇな、普通ならあるようなドキドキがこんなシチュじゃあまったく持って機能不全だよ。

 

 

「………………で、把握して、犯人だと思ったらどうするんだ?」

 

「………………キミが犯人なの?」

 

 

 いや違うよ? でもさ、無表情で見下ろされるのが結構怖くて、自白を強要されてしまいそうなのですけれど。

 というか俺としては犯人より何より自分の身が一番不安なんだよ!

 

 

「違います、だから密やかに握り締めているそのコブシを解いてください

 ほら、チカラ抜いてー、深呼吸しようねー」

 

「………………ふー……、

 ……で、教えてくれる?」

 

 

 あー、こりゃあ話さなきゃいけない流れだ。

 

 

「いいよ、話す

 その代わりに2-Aのスタンド使いが他にもいたら交流頼むよ、デンジャーゾーンに居たくはないからな」

 

 

   × × × × ×

 

 

 教室に帰ったら喧嘩が勃発していた。

 雪広VS明日菜、オッズは1.5:6でやや雪広が有利か。

 

 

「じゃあ俺は明日菜に食券2枚」

 

「おっ、烏丸くんは話せる口かー

 でも明日菜に賭けても確率悪いよ?」

 

「幼なじみとしての義務っつーか、何か俺でも考え付かないような離れ業で大逆転してくれると信じてみる

 がんばれ明日菜っ、俺のために!」

 

「なにを叫んでるのよバカ!!」

 

 

 怒られた。

 理不尽。

 

 

「あはは、烏丸くんは本命明日菜かー

 アキラちゃんとは違うの?」

 

「アレは大河内さんが優しかったってだけのハナシでしょ

 背も高いし優しいし、男子ならばほれてまうやろー」

 

「烏丸くんも?」

 

「さー、どうだろ?

 ところでお宅どちらさま?」

 

「あとで聞かせてもらうよん♪

 胴元の朝倉和美、ヨロシクね♪」

 

 

 ほほぉ、このパイナップルが噂の。

 

 って、あ。明日菜が投げられた。

 

 

「はい、いいんちょのしょーり

 配当は唯一明日菜に賭けていた烏丸くんが担当でーす」

 

「なんですと!?」

 

 

 え!? 明日菜に賭けていたの俺だけ!?

 

 

「ちょっ、俺負け金いくら払えばいいわけ!?」

 

「食券にして大体30枚相当?」

 

「しまったぁ……、手堅く雪広に賭けておけばよかったぁ……」

 

 

 悲しみに、泣き崩れる。

 

 

「まったく、帰って早々ろくでもないことに口を挟むからこうなるのですわよ」

 

「そのろくでもないことをやっていた筆頭に言われたくはねえっすよ

 つか、喧嘩の原因はなに?」

 

「何といいますか……

 そうそう、何か今日の明日菜さんちょっとおかしいですわよね。挙動不審というか、なんというか」

 

「は? 何が言いたいわけ?」

 

 

 雪広から返ってきた応えは微妙にあさっての方向性。理解が追いつかないのですが、どゆこと?

 

 

「ネギ先生に妙に突っかかっているというか……

 心当たりはありませんの?」

 

「いや、いくら付き合い長いからといって……

 それにどっちかといったら雪広のほうがツーカーじゃんかよ、お前で気づかないものが俺に気づけると?」

 

「べ、別にそこまで理解しあっているわけじゃありませんわよっ」

 

 

 この二人は喧嘩もするけど、それ以上に息も合っている。仲の良さは自称幼なじみの俺が太鼓判を押せるほど。

 色合いも似てるんだし、百合キュアでもやれば?

 

 ちなみに百合キュアというのは日曜朝八時くらいからやっている美少女戦士的なアニメ番組。茶髪と金髪の二人組みが変身して戦うヒロインアニメだ。寮の同室の奴が隠れて見てた。別に隠れんでも。

 

 

「それはそーと、机持ってきたんだけど、俺はどのへんに座ればいいかね?」

 

「わたしたちで決めておきますわ」

 

「ん?」

 

「なので、あなたは買い出しをお願いしますわね?」

 

「んん?」

 

 

 あれ、ちょっとまて。

 食券30枚分でってことか?

 

 

「あ、じゃーそれで配当チャラってことで」

 

「付き添いに明日菜さんをつけますわ」

 

 

 あれよあれよという間に再び教室を追い出される。

 いいのか、俺まだろくに授業受けてないのだけど。

 

 

   × × × × ×

 

 

 原作第一話目ってことなんだろうな。今は。

 そんなメタなことを考えつつ購買へと進む俺。ウィズ明日菜。この時点で色々とブレイクしているような気もするけれど、それともこれで順当に物語の道筋をなぞっているとでもいうのだろうか。

 道行く先でネギ君と本屋ちゃんの邂逅を目の当たりにでもするのか? つーか本屋ちゃんの本名を思い出せない。のど、か……? みや、もと?

 障壁のお陰で恐らくは心を覗かれることはないのだろうけれど、とりあえず最低限にはクラスとの仲を良好にしておくことも必要なのだろうなぁ。

 

 

「つーか、買い出しって何を買っていけばいいわけ?」

 

「んー、お菓子とか、かなぁ」

 

「食券30枚分も? 言っとくけど相当だぞ」

 

 

 ついてきている明日菜も何処か上の空な気もする。

 恐らくはネギ君の挙動にでも疑問を持ってるんだろうなー。雪広にはわからない、とは一般的な一般人としての感性で答えたけれど。

 考えるまでもなく、認識阻害が効かない状況では少年教師というのは普通に異常だ。特に明日菜の場合は担任を外されかけている高畑先生のことも相俟ってそこに極端に注視しちまう。更に魔力無効化体質だっけか? そんなものを持っているって事は注視したそれを『対象』として発動するって可能性もあるよな。

 魔法使い、わざとやっているわけじゃないよな。特に学園長とか。

 

 今は特別関係ないけれど、長谷川さんちの千雨たんとかも苦労してるんだろうなー。

 

 

「んで、

 お前はなーんでネギ君に絡むわけ?」

 

「う゛……、

 だ、だって変に思わないの? 十歳のガキが先生とかってっ」

 

「まぁ、変だけどな」

 

「でしょ!?」

 

「いくら出来のいいお子様だからって、年下に教えを請うくらいバカにされてるって思うのも無理はないわな」

 

「でしょでしょ!?」

 

「でもさ、あんまいじめてやるなよ」

 

「え……」

 

 

 裏切られた、って顔をしている。

 でも、言っておくべきだと思うので、言う。

 

 

「お前も言ったようにさ、ネギ君は十歳の子供だよ

 その歳で極東の島国にまでやってきているのは凄ぇ大変だと思う、高畑先生と知り合いとか言ってたけど、親御さんが一緒に来ていない時点で、親御さんが何をしているのかが把握できない時点で、ろくでもない事情が絡んでいるって見て間違いないよな

 それってさ、俺らと似てね?」

 

「あ……」

 

 

 気づいたね。

 だからコイツとの付き合いは止めらんねぇ。

 バカだけど、色々と自覚できる奴だからな、バカだけど。

 

 

「それに変で言えば俺の待遇も変だしな

 女子の群れに男子を一人だけ放り込むとか、異文化交流馬鹿にしてんのかっていうハナシだし」

 

「あ、アハハ、そーね」

 

 

 だから、敢えて続きを話さずに、ふざけた口調で自虐ネタに走る。それも理解できたらしい。明日菜は自然に笑い飛ばしてくれた。

 

 

「――ね、そら」

 

「ん?」

 

「ありがと

 それと、ごめんね」

 

 

 ひとしきり笑った後、そんな台詞を残して先に購買へと走る。

 なんだか顔が赤かったように見えたのは、慣れない台詞を吐いた所為だったのだろう。

 




第一話を何回小分けにしているんだ
気づけば最初の副題をまっとうにやるはずが、隅へ隅へと追いやられてゆく正ヒロイン候補
今では影も形も話の中にありません
そして徐々に『漫画の世界』へと沈み込んでゆく主人公
今回は微妙なシリアス回もどきで締められるという始末

違う……ッ
俺はもっとギャグをコメディをお色気をやりたいんだ……ッ

あと伏線ばっかり仕込む性分に若干嫌気がさしてきた
そんなんだから感想でツッコミばかり貰うんじゃないかーやだー

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