ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

80 / 100
誰だよお前ら!?
オリキャラではなくクロスです
そんな80話


『閃☆乱!タツミヤ!』

 

 第六試合

 長瀬楓 VS 春闘正義スプリングマン

 

『ふむ、けったいな御人でござるなぁ……』

『お前に言われたくは無い忍者め! 春闘正義・スプリングマン只今参上! 正義の鉄槌を受けてみよ!』

 

『ガンバレー! はーるとー!』

 

『本名で呼ぶんじゃねえええええ!!!』

 

 

 

 なんだあのコント。

 仮面ラ●ダーみたいな覆面マフラーを相手取るのは長瀬なのだが、観客席からの応援と横断幕に堂々と『桃木春人、ファイト!』と書かれているので中の人は丸分かりである。後々個人特定待った無しなのは間違いない。

 桃木って、確か高等部にそんな苗字の女教師がいたな。ちらっと見た感じあんまりイメージの中の『女教師』とは合致しなかった、微妙な印象の人だったけど。

 生徒との仲は良かったかな。まるで同年代のようで。

 

 

 

「む、遅れたか。ボウヤの試合はもう終わってしまったか」

「あ、エヴァ姉。まーね」

 

 

 

 出場選手控え側の応援席へとやってきたエヴァ姉に、先ほどの私刑(リンチ)を思い出しつつ応える。

 槍状の魔法とはまた違った衝撃波に次々晒されたネギ君はボロ雑巾のようになって舞台へ落ち、誰がどう見ても敗北一色の濃厚な死体へと様変わりした。あれで生きていたというのだからそっちが驚きである。

 医療室送りと相成ったネギ君は当然一回戦敗退。次戦へ進むのは泉井ちゃん(もう面倒くさいのでちゃん付けでいいや)となり、その対戦相手はこの試合で決まる。

 まあ十中八九、長瀬が勝ち上がるのが濃厚にしか見えないのだが。

 

 

 

「まあ次を楽しみにしておくか。で? ボウヤの対戦相手はどんな奴だったんだ? 次も少しは修行の成果を見せられるのであろうな?」

「いや、ネギ君はもう出ないけど?」

「――ん?」

「だから、一回戦敗退」

「………………ふぁっ!?」

 

 

 

 エヴァ姉が驚愕の表情で声を上げる。

 まあ多少とはいえ手がけた弟子みたいな魔法生徒みたいな子なわけだし、そこらの相手に負けるとは思いもしなかったのだろう。主人公だし。

 

 

 

『――1分、夢は見れたでござるか?』

『幻、術……だと……っ!?』

 

 

 

 あ。

 舞台に倒れ伏す覆面マフラー。

 少し目ぇ離した隙にもう終わってたよ。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

 第七試合

 古菲 VS クウネル=サンダース

 

『さて! 若干期待はずれだった第六試合はさておきましてようやく今大会の大本命!

 前年度のウルティ麻帆良チャンピオン・古菲選手! 今大会においての一番の優勝候補の試合が始まります!

 対するは正体不明のまたもやローブ! お前らいい加減正体晒せよ! しかもどう聞いても偽名だよ! ふざけたお名前はクウネル=サンダース! 戦い方実力経歴一切不明! 少しは面白い対戦を見せてくれるんでしょうかーっ!?』

 

 

 

 クウネル叩かれすぎワロタ。

 というか朝倉の紹介が偏りすぎなのは、これまでの対戦の事情に寄るものが大きいと見たね。

 

 

 

「ふむ……、これは古のやつも運が悪いな。アイツもなんでこんな大会に出ているのだか」

「ん? エヴァ姉あのローブの正体知ってるの?」

 

 

 

 若干ドヤ顔で試合を眺めるエヴァ姉の方を向き、原作知識で知っているけどすっとぼけて聞く。

 ほら、俺は一応初見なわけだし。

 

 

 

「元赤き翼の一人だ。しかもあの身体は幻影みたいなものだな、生半可な攻撃では通用しない」

「ああ成る程。バカンフーは打撃が主武装だしね」

 

 

 

 わかりきっていた確認で再び試合へと目を向ける。

 

 

 

『――ぐふぉ……っ!?』

 

 

 

 ――鳩尾に鋭い拳打を打ち込まれ、錐揉み回転で吹っ飛ばされるクウネルがそこにいた。

 

 

 

「――は?」

「――え」

 

 

 

 ほぼ同時に、絶句の声が俺らから漏れる。

 エヴァ姉の驚きも尤もだと思うけど、俺も相応に驚愕していた。

 実体を持った幻影、だというのは確かである。はっきり言って存在感が無さ過ぎた、と見た俺の観察眼もソースのうち。

 それを攻撃して勝ってしまった事実に、エヴァ姉は理解が追いついていないご様子。

 若しかしたらネギに用があったのを、彼が負けてしまったから出場している意味も無い、と相手に花を持たせたのかも?とまで考えていそうなエヴァ姉ではあるのだろうけど、それにしたって一撃は無いだろ。とか呟きそうだ。

 

 

 

「それにしたって一撃は無いだろ……」

 

 

 

 当たった?

 すげぇ。俺エスパー?

 

 っていうかあのバカイエロー、スタンド使って攻撃していたんだけど。

 正確にはスタンドの形に『なろう』としているエネルギーのイメージ?。それが彼女の身体と重なって、クウネルを腹パンしている姿を鮮明に目撃してしまった。

 

 ………………。

 朝倉が渋々と、一撃KOしてしまったクウネルをdisりながら終わってしまった注目試合の勝者を称える仕事をする。

 もっと盛り上げないと給金もらえないだろうしね。

 そんな姿を黙って眺めつつ、俺は次の試合に祈りを捧げた。

 

 たつみー、次絶対勝て。

 そうすれば正々堂々ぶつかり合った末の僅差勝利で次試合棄権、という原作展開が発揮されるはず。

 っていうかこのまま決勝戦にまで勝ち抜けるとアレと戦うことになるのは目に見えているから嫌過ぎるんだよ!

 

 舞台の中心で打撃の姿勢でぽかんとしている、攻撃が効いたことに一番驚いているであろう本人が覚醒する前に。

 どうか原作の修正力が仕事をしますように!と観察者の神的なお姉さんに祈ってみることにした。

 ……何故か嘲笑われた気配がした。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

 第八試合

 龍宮マナ VS 霧ヶ崎優

 

 アオザイみたいな格好で現れたたつみーに対するは、脇の開けた巫女装束の格好で登場した霧ヶ崎とかいうどう見てもコスプレ中の一般人少女。巨大な刀を担いでいるけど、許可が下りてるってことは模造刀か?

 キャラ的には間違いなく予選通過も理解できるけど、……本当に強いのか?

 

 

 

『あっ、あれは……っ!』

『知っているのですか、長谷川さん』

『アニメ版『巫女夜叉』の主人公コスに『喝采牙』付きだと……っ? 再現率がすげぇ! あれはプロのコスプレイヤーだな!』

『長谷川さんが何を言っているのかわけがわからないよ』

『とりあえず落ち着いたらどうでしょうか……』

 

 

 

 解説席からの放送で観客の何人かもキャラクターの概要を知れたのだろうから構いはしないが。

 気になってそちらを向いてみると、解説席には当初の2人に加えて観客その1のちうたんの隣に、ネギ君相手に試合で無双した泉井ちゃんの姿が。

 違和感なく並んでいる様子からちうたんも警戒していないように見える。

 ……待て。麻帆良中でも現実主義の申し子みたいなちうたんが警戒していないだと? ……え、知り合いなの?

 

 ちなみに解説席の並びには俺と試合した豪徳寺先輩の姿もあった。なんという転身。

 

 それはともかく、……戦えるのか?

 ちうたんの説明だけ聞くと普通にコスプレイヤーにしか思えてこなくなった。

 俺以外も不安に駆られているであろう焦燥感を抱いているだろうに、試合開始の合図は容赦なく下された。

 

 

 

『先手必勝、と往かせてもらおうか!』

『!? わっ!』

 

 

 

 羅漢銭を指弾で弾くたつみー。

 此処は原作通りか。木刀だか竹刀だかは許可するくせにエアガンは駄目とか、この大会の禁止項目の采配がよくわからない。

 武装した時点で普通は駄目だと思うんだ。モップで叩かれても痛いときは痛いし、当たり所によってはどういうアイテムでも危ないんですけど?

 

 

 

『……これは、500円玉……っ?』

『銃は禁止されていてね』

 

 

 

 おお、巨大な刀の幅で硬貨の攻撃を防いでいる。

 スナイパーに距離を取ること自体が間違っている気もするけど、あの武装に関しては距離を取ることは間違いじゃない。

 威力が気にはなるけど、防御に徹するというなら距離を取って攻撃を弾くのも戦略だ。

 思いの他霧ヶ崎さんは善戦していた。

 というかまともに(拮抗しているように)見ていられる試合が少なすぎないか、この大会。

 

 

 

『ふ、ふふふ……』

『む、ど、どうした……?』

 

 

 

 安堵していたらなんか暗く笑い出したよ霧ヶ崎さん。

 顔を伏せて怨嗟にも聞こえる声音に、たつみーも思わず攻撃の手が止まる。

 

 

 

『こちとら生活費切り詰めて普段のアホ変身ロッドに魔法使うたびに搾り取られているっていうのに……、

 一攫千金狙ってこの大会に出場して普段のマイナス解消しようとしている私に対しての攻撃が硬貨投擲とかって――……、

 

 舐 め て ん の ?』

 

 

 

 ゾクゥッ!!!

 と見ていた全員の背筋が寒くなるくらいに恐ろしい声を聞いた。

 

 こう、高町式OHANASHIに近しい威圧感が舞台の中央から冷気のように漏れ出ているのだから、すぐそばで晒されているたつみーの恐怖も推して知るべし。

 やべぇ。

 たつみーがマジでヤバイ地雷を踏み抜いた。

 

 というか漏れ出た台詞の中に微妙に気になる単語が混じっていたのだが。

 変身ロッドがどーの、魔法使うがどーの。

 何? 魔法少女なの、あの娘も?

 

 

 

『全て諸共吹き飛ばしてあげるわ、その余裕の表情をね!

 風 の 傷 跡 !!!』

 

『なん……っ!? うおおおおっ!!!?』

 

 

 

 叫ぶと同時に刀を大振りに振るえば、

 凄まじい衝撃波がたつみー&武舞台を襲う!

 

 やっぱり一般人じゃなかったー!

 っていうか今更だけど鉄●牙じゃないですかやだー!

 

 

 

『ちょっ!? と、とんでもない暴風を霧ヶ崎選手が巻き起こしたーっ! ていうか舞台をこれ以上壊さないでーっ!!?』

 

 

 

 暴風で視界が閉ざされる中、朝倉の悲鳴にも似た実況が響き渡る。

 

 衝撃波の奔流は水煙を伴って大きく舞台上を乱雑にかき乱し、一分弱。

 観客席からは何が起こっているのか見えないだろうなー。っていうかこっち側からも見えないのだけど。

 

 そしてこんなこともあろうかと用意しておいたパラソルを差せば、エヴァ姉を伴っての相合傘で巻き上げられた膨大な水量が降り注ぐ。

 猫バスを待つトトロみたいになった感覚で濁流の雨を防御し、更に一分。

 

 ようやく全てが終わった舞台上では、たつみーがぽかんとした表情で防御姿勢をとっていた。

 

 

 

『………………は?』

 

 

 

 ――程よく衣装を伐採された、実にせくしぃな格好で。

 

 観客席は降り注いだ水量でてんやわんやの真っ最中。

 その様を第一に目撃してしまったのは傘を差し、比較的無事でいる俺とエヴァ姉くらいなもの。

 そのまま、こちら側へと姿勢を向けていたためか、『俺と』目が合う。

 

 

 

『――――っ!!?』

 

 

 

 見る見る真っ赤な表情(カオ)になってゆくたつみー。

 おお、レア顔。

 と思わず驚愕に目を見開くと、直ぐ様ぶっ壊された舞台の破片を引っつかんで投擲し――、

 

 ――これだけは言わせてくれ。

 それでも俺は悪くない。

 

 

 




~春闘正義スプリングマン
 桃木春人がごろごろだらける回数を振り切ったとき、彼の中で燻る正義の心が目を覚ます!
 鬼のような姉に対抗するために山篭りをした春人が得た忍(しのび)の能力(ちから)をばねにして、今日も戦え! スプリングマン!

~巫女夜叉
 お賽銭をめぐって日々奮闘!
 平安日常絵巻、巫女夜叉!
 主演は博麗霊夢

~喝采牙
 アニメ版巫女夜叉のオリジナル武装
 本来戦う必要の無い原作をアクションが欲しいからと無理矢理スポンサーによって捻じ込まれたでかい刀
 空気を切ることによって振り下ろされる暴風の如き衝撃波『風の傷痕』は全てをなぎ払う

~霧ヶ崎優
 奇跡を起こせる魔法の杖『アルバート=ホリックル(通称アホ助)』を拾ってしまったことにより魔法少女へと変身できるようになった普通の少女(但し有料)
 コイン投入口のついた上に喋って動く杖を使うよりもコスプレしてキャラになりきったほうが強い、という稀有な才能を持つ
 何気に極貧な少女の未来に、幸あれ

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