ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

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前回のあとがき的な活動報告でのお詫びにと言ってはなんですがお色気成分を2割ほど増してみました
お楽しみいただけると幸いです


『カウントダウン2』

 

 ――烏丸そらは戦慄した。

 思わずそんなモノローグで出だしてしまいそうになる、そんな圧倒的な威圧感。

 殺気? 敵意? いいや、これはそんな攻撃的な感情じゃない。

 圧倒的なまでの――、

 

 ――母性だ……ッ!

 

 

 

「ふぅ……、まさか、またこの姿になるとは思わなかったわね……」

 

 

 

 口調すら変化したピンクブロンドの亜子(・・・・・・・・・・)が、己の身体を窮屈そうに抱き締める。

 身長、体格、部位、骨格、顔つき、ここまで変化すると最早完全に別人にしか思えないが、その声音だけは変化していない。

 変身した『亜子』は、中学生であったはずの肉体よりも一回り近く成長し、こぼれそうな胸部の谷間が本来生まれないはずのナース服で爆誕している。その様、まさに爆乳。つけているはずの下着は一体何処へ消失したのだろうか。

 元々短かったスカートはボディコンかと見間違う短さへとなっているのは、多分胸部が引っ張った所為で布が足りないのだろうなぁ。そこから伸びる脚が、というか太腿が眩しくてなんて素敵な不具合か、いいぞもっとやれ。

 

 そういった格好の相乗効果が俺の劣情を執拗に掻き立てるのですが……っ!?

 

 

 

「ふふ、そらくんもこういう姿ならやっぱり興奮する? 大丈夫、お姉さんが今からシテあげるからね……?」

 

 

 

 そんなことを呟きつつ科垂れかかってくる、オールピンクの爆乳お姉さん。

 俺も男なので、眼前にそんな豪華なものが居並ぶと、垂涎とせざるを得なくなってしまっておりまして。要するに、エロい。

 やべぇ、なにこれ逃げられないんですけど。

 

 お姉さんは俺の手を拾い、自分の胸元へと抱き寄せる。硬直したままの俺はされるがままに、その手は滑るように豊かな双丘の谷間へと挟み込まれる。

 ふくよかな膨らみに埋もれた手の甲から、クッションのような弾力性と滑らかな温もりが同時に感じられて、思わず硬直が解けた反動で手のひらが蠢いた。

 

 

 

「――ぁんっ」

 

 

 

 ――その声音でより急かされた俺の男性が蜂起したのか、覆いかぶさる格好になった瞬間に頭頂部に何かが振り落とされる衝撃がッ。

 クワン、という耳障りのいい音とともに、俺の意識はがくりと堕ちた。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

「………………綾瀬も上手く扱えるようになったんだなぁ」

 

 

 

 目を覚ますとそばにあったのは金ダライ。

 俺の意識を落としたスイートトラップの正体は、綾瀬のスタンド・トリックオアトリックのトラップだったらしい。

 ネーミングがそのまますぎる気もするけど、絶対的に罠に嵌めるというスタンド能力は上手い具合に効果を齎して、俺の精神を冷静に落ち着かせる効果を顕してくれたようだ。感謝。

 

 そして視界の隅では、ピンクブロンドのままの亜子らしき『お姉さん』が件の綾瀬に正座させられていた。ぱっつんぱっつんのナース服の格好のままで。

 何あれシュール。

 

 

 

「まあ『変身』はともかく、アコもスタンドだっけ?それを使っていたみたいだし。説教喰らうのは仕方ないんじゃないかにゃー」

 

「ああ、なんか興奮したのはそれか。……性欲を自在に出来るとか、効果覿面すぎるだろ」

 

「でもそれが効果発揮するには少なくともアコに対して何かしらの意識が向かないと駄目みたいだ、ってそらっちさっき言ってたよね?」

 

「黙秘権を行使します」

 

 

 

 突っつかれたくない部分を突っ込まれ、ぷいっと裕奈から目を逸らした。

 

 土曜日放課後、6号を除いた俺との仮契約者と都合のついたスタンド使い初心者全員に呼びかけて、人気のない廃屋へと集合している俺たち。あれだ、原作でネギ君が別荘を使う前にエヴァ姉が人を集めていたと思わしき場所だ。多分。

 下手にスタンドを暴走させる前にと声をかけたものの、何故か俺が一人一人スタンドに対処することで扱い方を正しく導く、見たいな空気へとなっていた。

 亜子のライオンキングは最初俺に対して特に効果が見られなかったのだが、業を煮やした亜子が『薬』を飲んだら効果の幅が大幅にブれた。

 仕方なかろーもんあんなん! 男子ならアレに反応しなかったら最早EDだよ!

 

 つうかあのお姉さんって能無しの使い魔のあの人だよね、カトレアさん。格好はともかく容姿は完全にそっちにしか見えなかった。

 それ前世じゃねーよ。時系列的にはむしろ来世だよ。俺の覚えている限り放送期間はネギまの後だったはずだし。

 それともひょっとして、この世界線ではあの作品が過去に展開していたとでも言うつもりか。だとしたら舞台は火星だな。あそこも月は二つあるし。魔法世界の中世年代設定で実現していたりしてー。

 ……さすがに笑えない。

 

 変身した亜子は病弱であったらしいのだが前世の肉体は完治して、更にはステータスMaxで水と火のスクエアだとか聞いた。しかも魔法先生とかの扱う『普通の』魔法のように詠唱が要らなくて、ナースらしく診察棒を杖代わりに想像力と精神力で実現可能とかも。なんかそれぞれ水と火をどんな状況下でも出現できる上にそれらを分身みたいに形取らせて、しかもそれぞれの分身がそれぞれ個別に自分自身と同等の技量を持たせることが可能だとかも。

 最初の方専門用語多すぎて把握しきれなかったけど、とりあえず危険人物認定待ったナシなのは間違いないなと理解したわ。

 いやさ、今はまだ中身が女子中学生だろうから問題ないだろうけどね? 相応の知識と理解力と応用力さえ備えさせたら、一人で『軍隊』を作れる。個別に能力を持たせて規律的に行動させられるって、要するにそういうことだからね。怖いねー。

 も一つついでに言うと『水と火』なんて一見両極端な属性に見せかけて、突き詰めれば生命を維持することにすら応用利きそうな範囲の広さだよ。水は液体全般を掌るらしいし? 動物の体の8割が水分で占めるわけだけど、それ以前に人間みたいな哺乳類には『血』って言う代表的な『水』が流れているからね。血流操作とかで流れ方を逆にするだけでも人一人殺せるよね? 火だって怖いよ? いわゆる分子の振動を掌っている訳だからね。わざわざ火で焼かなくっても、超振動でぶつければ電子レンジでチンしたみたいに人体をぐずらせることもできるし。あとは、振動で大地を液化させれば地殻変動にも手を伸ばせそうじゃね? 土の属性無くってもアースクエイクで一網打尽が可能じゃね? 怖いわー。スクエアレベルの魔法使い超怖いわー。

 つうか魔法のランクで作品明言しちゃってんじゃないですかやーだー……。

 

 

 

「――で、いい加減にこの扱いを教えてほしいんだけどな?」

 

「ん? そらっちが逃げないように、とあとは魔法アイテムの実験?」

 

 

 

 じゃらり、と手枷を見せればさらりと暴露する、ミニスカポリスの格好の裕奈さん。起き抜けにその格好で現れるドッキリとか、今見ないよね。

 ――気付いたら裕奈に手錠嵌められてました……。

 

 つーか俺の仮契約相手は皆コスプレなのはどういう理屈? 俺のせいじゃねーよな? 元々仮契約ってコスプレみたいな部分あったもんな? 根源的な男性的な期待が形をとって顕れたとか言わないよな? 俺の無意識そんな情けない希望とか持ってないよな?

 あたしゃ認めねーよ!?

 

 

 

「茶々丸さんに調べてもらったんだけどさー、この『手枷足枷歩を阻む(うぉんてっどぼーい)』って男性相手だと絶対的に捕縛できるみたいで」

 

「それでかよ、さっきから外せないの」

 

 

 

 むしろ外そうという意識が向かない。

 触れちゃ駄目な代物みたいに思えて、若干行動に支障が出ているはずなのにどうしたって外そうと思えない。

 これって何処の聖骸布だよ。

 つか俺の精神干渉を阻むはずの障壁を突破しているとか普通に怖い。仕事しろATフィールド。

 

 俺のそんな葛藤を余所に、裕奈はほにゃらと微笑って、

 

 

 

「で、これがあたしのスタンド?らしいんだけど、人型じゃないんだね、スタンドって」

 

 

 

 ――胸の谷間から黒塗りのマスケット銃を引きずり出した!?

 ちょっ、そんなん挟まるような隙間じゃなかったろうに!?

 どんなんなってんだよ其処の女子中おっぱい!

 

 

 

「え、なに、そんなの入る隙間か? 四次元? 四次元なの?」

 

「おっ、きょーみ深々っ? そらっち、おっぱい気になっちゃう?」

 

 

 

 見る? とばかりに婦警的な格好のままにちらりと胸元を開くホルスタイン。ポリスが誘惑してんじゃねーよ。

 

 

 

「いや、気にしないことにするわ」

 

「えー、見てもいいのにー「それよりも!」

 

 

 

 なんか方向違う部分へディスカッションしそうになっていたので思わず声を上げる。亜子の変身で空気もって行かれているけど、本来の方向へとシフトせんと貞操がガチでヤバイ。気がする。

 気をつけろ俺、今日の目的思い出せ!

 

 

 

「それよりも、能力的にはどうなんだ。ソイツ?」

 

「あー、うん。見てくれたほうが早いかな」

 

 

 

 そう言って、空中に向かって引き金を引く。

 乾いた音と共に発射された弾丸は、天高く突き抜けてゆくのかと思いきや、旋回しながら裕奈の傍まで降りてきた。

 空中で静止している弾丸に、妖精のようなスタンドが張り付いている。

 

 

 

「これがあたしの『ガンズアンドローズ』、撃った弾丸を好きな方向へ飛ばしてくれるみたいで」

 

 

 

 ……いや、これ普通に凄いぞ。

 裕奈のスタンドは弾丸をただ掴んで留めているんじゃなくって、弾丸の回転エネルギーを静止させることなく維持したまま其処に留まらせている。つまりは銃撃の威力を低下させることなく、対象に至近距離で被害を与えることも可能ってことになる。

 武器には当然射程があるけど、銃器ほどそれが顕著になるのは先ず間違いない。弾丸がミサイルみたいな爆発物ならば射程は遠いほど戦術的には優位に立てるのだが、鉛玉のような『貫通力』に重きを置くものは射程が離れるほど威力が低下することは当然の理屈だ。しかしその射程を意味の無い程度に狭められるってことは、銃本来の持つ殺傷力をより遠距離でも発揮できるということ。しかも可能性の範囲だけども、旋回ができるってことは、ある程度は意識的に『操縦』が可能だっていうことだろ?

 これ、やりようによっては一発分の弾丸で、原作のフェイトの撃ってきた石化の針の散弾も対処できるんじゃねーか?

 

 

 

「名前の由来はこの銃に薔薇の模様が刻んであるからなんだけど――って、聞いてる? そらっち?」

 

「……聞くけど、これって何処まで動かせるんだ?」

 

「聞いてねーし……。んー、弾丸を完全に止められるまでは自在みたい。詰められる弾は属性も付けられる、のかな?」

 

 

 

 ってことは魔法の射手での応用も可能か。

 やだ、マジ怖い。

 避けた魔法の射手が距離を置かずに、直ぐに急旋回して背後から襲ってくるっていう手法も可能じゃねーかよ。亜子のアーティファクトが原作通りだったらクロックアップも戦術に含まれていただろうから、そこまでガチな戦闘が出来る女子中学生にならずに済んで良かったよホント。

 ……いや、この時点で充分に強い気もするんだけどね?

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

「お前のスタンドは所謂“幻痛”を相手に与える代物だ。武闘会でアルビレオ=イマにコブシが通用したのは、要するにそういう理屈だな」

 

「ゲンツウ……? つまりドウイウことアルか?」

 

「スタンド自体に攻撃力は無い。現に、スタンドで岩をぶっ叩いても壊れなかったろ。岩は意識が無いから痛みを覚えない。逆に人間とかの生き物全般には有効すぎる性質を持ってるな。下手したらショック死するから、気をつけろよ」

 

「うむ、ワカタアル!」

 

「よし、わかったのなら――、

 

 ――先ずは俺に謝れ」

 

「スイマセンデシタ」

 

 

 

 ぺこり、と折り目正しく腰を折るバカイエロー。

 約束通り手合わせに近い形をとったのはいいのだが、コブシを往なした隙間にスタンドのコブシが狙って突き刺さってきて、脳みそがひっくり返るんじゃないかというくらいの激痛を久方振りに味わった。

 以前に敵性スタンドに腕ぶった切られたり、全身穴だらけにされたり、と死にかけた俺であるけれど、あんときは一瞬で通過性のものだったし、痛みを意識的に阻害する神経遅延を働かせるタイミングもあったから平気だった―いや、結果的に見れば平気というだけでそのときそのときに平然と出来たわけでもない―わけだけど、今日のこれはガチで死を覚悟しかけたよ。

 遺書用意するのが間違いじゃなかったと思った瞬間だったね。一撃貰って断続的に30分間、殴られた箇所をぐりぐりとドライバーで抉られているような感触と激痛が遮断できない状態で続くんだもんよ。もうマジで泣くかと思った。

 

 

 

「名づけてやる、てめぇのスタンドは『タイガーアンドバーニィ』な」

 

「ビ、微妙に可愛らしいアルな」

 

「名の由来は『兎のような無力に見せかけた虎の猛威。ってゆうか兎の皮を被った虎。相手がいっそ殺せと泣き叫ぶことを笑って眺め続けるサディストの如く』」

 

「悪意たっぷりの名づけアル! っていうか長っ!」

 

 

 

 それでも許す俺を寛大だと思え。

 いや、模擬戦の形を了承したのは俺だけどね。

 

 

 

「さて、これであとは明日菜だけだな」

 

「うん。……っていうか大丈夫なの? 辛いなら今度にしない?」

 

 

 

 ぽんぽん大丈夫?と母親の如く俺の身を心配する明日菜。平気だから。ちょっと小鹿のように立てなかっただけだから。

 ちょっと強がって大丈夫だと手を立てる俺に、未だ心配そうな目を向けたままの明日菜は、渋々と手札を開いた。

 

 

 

「アデアット!」

 

 

 

 そうして身に纏うのはラストダンジョンで着ていた原作のままの格好。その明日菜に一番ほっとしているのだから現状若干救えない。

 しかし手にしている得物は『造物主の掟』。あれっ、やっぱり安堵できない?

 

 ともあれ今は明日菜の背後にいる別の存在だ。

 それは、仮面をつけローブみたいなドレスで着飾った幼い少女のような存在。一見すると幼少期の明日菜に似ている気がする。

 

 

 

「………………戦えるの?」

 

 

 

 現状を認識した明日菜の言葉に、さぁー……?と全員が小首を捻った。

 とりあえずは、

 

 

 

「……動かしてみたら?」

 

「ん、んー……、動いてくれる?」

 

 

 

 明日菜の言葉に、若干渋々そうに手を上げる。

 ………………。

 えっ、それだけ?

 

 

 

「ど、どうしよう……」

 

「とりあえず名づけようにも、どんな性質を持っているのかが判別つかないしなぁ……。

 ともあれ、危機に反応するのが本来のスタンドの性質だから、いっそ俺と相手してみるか」

 

「ええっ、さっき戦ったばかりじゃない! 危ないことするんじゃないわよ!」

 

「加減もするし、そもそも俺のスタンドは明確な攻撃能力が無い」

 

 

 

 というわけで、出現させるダイバーではないインストールドット。悪魔みたいな服装の烏面の幻影がぬらっと現れた。久しぶり。

 

 

 

「捕縛」

 

 

 

 捕まえる意志で前へと進み、明日菜へと近寄ってゆく。

 う、と狼狽える明日菜の脇で、幼女型スタンドが小さい手を仮面に添えた。

 お? 何をするか――、

 

 

 

「――えっ」

「えっ」

「え、」

「ひっ」

「は」

「な」

「っ!?」

 

 

 

 ――全員が、息を飲んだ。

 

 

 

     ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

「――――えー、審議の結果、明日菜のスタンドは以降絶対的に『召喚禁止』、ということで」

「……異議なし」

「異議、ないね」

「異議無いアル……」

「異議ありません……」

 

 

 

 10分後、意識を保っているものの顔面蒼白な裕奈・アキラ・古菲・明日菜が俺の決定に賛同した。

 亜子と綾瀬はさっきまで狂ったように笑い、悲鳴を上げ、泣き叫んでいたのだが、今は落ち着いて、膝を抱えて敷地の片隅で不安に震えている。時折、何か呼吸なのか言葉なのか、形にならない声とも音とも取れぬ何某かをぶつりぶつりと発しているのだが、さっきまでの喧騒に比べればずっとマシだ。

 斯く言う俺とか、現在意識のある明日菜以外の面子は、件のアレと対峙したとき“ぽっきり”と対抗する心が折れてしまい、次々と膝から崩れ落ちて否定と拒絶の言葉を繰り返したり、何度も何かに許しを乞うたり、悲鳴を上げつつ母親に助けを求めたり、と発狂してしまっていたので、現状SAN値がマイナスにまで引き下がってしまっている二人を一向に笑えないわけだけど。

 ……今更ながら、何の理由で来れなかったのかは知れないが、風香とか6号とかの子供組みがこの場にいなくって本当によかったな。女子中学生の精神力でこの有様なのだから、見た目チャイルド且つ中身も幼い様子のあいつらだったらトラウマを軽く凌駕するレベルで再起不能になっていた恐れがある。

 ……スタンドの描写? 説明したくないよ、解説読め解説。あとがきで披露するからさ。

 ……止めろ止めろ、思い出させるな、アレがこっちを見ている姿を俺の脳裏に浮かべさせるな、虫か魚か判断のつかない空虚な目がこちらを見る、そこに見出せる感情が人のそれと決定的に別物であるとそれは語る、言い知れぬ形容へと変化したその姿は人を冒涜し尽くした化生の姿をありありと見せつけてただじっと佇むだけで俺たちの精神を逆撫でる、根源的な恐怖を思い起こさせるのか、それとも未知なる天の果てにある空虚を知らしめているのか、あの目がまぶたに焼き付いて離れない、夜には奴が這い寄ってくるのだと脳の何処かが警鐘を鳴らすのだ、ああ窓に!窓に!

 

 

 

「そ、そら落ち着いて! もうアレはいないから! もう立ち上がらなくても大丈夫だからぁっ!!」

 

 

 

 ――はっ!

 

 

 

「………………俺、今何か言ってた?」

 

「――ううん、ナニモイッテナイヨ?」

 

 

 

 アキラがハイライトの消えた目で乾いたように微笑む。イカン、こいつも逝ってる。

 誰かの声で気がついたと思ったのだが、どうにも明日菜っぽいな。件の明日菜へと視線を向ける。

 

 

 

「……何も言ってないけど、明らかに何か呟いてたよ……、もう今日は解散しない……?」

 

「ウム……下着も替えたいアル」

 

「クーちゃんそういうことは男の子の前じゃ言っちゃ駄目! ……いや、異論は無いけど」

 

 

 

 被害は尋常ではないらしい。

 うん、帰ろう。

 詳しいことは聞かないで置くから。

 

 一番被害の甚大な綾瀬と亜子をなんとか立ち上がらせて、肩に腕を回して帰宅する裕奈とアキラを眺め、明日はゆっくり休めと手を振りつつ思う。

 ともかく、これで明日菜の戦闘手段の一切が表沙汰に出来ないものばかりだと結論付いてしまった。

 アーティファクトは『造物主の掟』。

 スタンドは召喚不可の『フェイスフェイク』。

 ……原作なんかもう影も形も見当たらないよ!

 戦闘手段がロクに無いとか、昨今の作風に超逆らっていて逆に新鮮!

 今の状態で魔法界行くとガチで捕らわれのお姫様っぽくなるよね!

 明日菜ちゃんマジメインヒロインゥ!

 

 

 

「……戻ってきなさい、そら」

 

 

 

 ……現実逃避くらいさせてよ。

 

 

 





~カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ
 中の人繋がりで登場してもらいました本日のゲスと枠であるピンクの爆乳お姉さん。主人公であるピンクわかめ少女の姉だとか
 設定上どれだけの能力を所持しているのかがほとんど表記になかったので憶測の限りMaxに設定。しかし恐らく今後登場する予定はまったく無い
 あと能無しは禁句な?

~トリックオアトリック
 ゆえきちのスタンド。ネーミングが決定していなかったのでこの場にて発表
 方囲・定礎・結、で定めた区間を一つの箱庭としその中であればどのようなトラップでも設定できるとかいう何気にチートなスタンド能力。スタンド本体の攻撃力は無いに等しいが攻撃されても破壊されることはなく、そのダメージも本人には伝わらない
 破壊力:F スピード:C 射程距離:A 持続力:A 精密動作性:D 成長性:A

~手枷足枷歩を阻む(ウォンテッドボーイ)
 明石裕奈のアーティファクト。手錠の形をしており鍵と揃って6セットある
 元は魔法界にて男性性犯罪者を無力化して捕縛するために開発された魔法具。某聖骸布をモチーフとしており、女性にしか扱えないためにお蔵入りとなったメガロメセンブリア謹製の一品

~ガンズアンドローズ
 黒塗りのマスケット銃とそれに付き添う小型のスタンドで1セットな裕奈のスタンド。ちょっと改造したけれど元ネタ提供はナラヤさんですありがとうございました!
 作中でもそらが思考した通りに、一発の弾丸の回転エネルギーが途切れない限りはほぼ半永久的に貫通と銃撃を繰り返す。亜子のスタンドが原作通りだったなら意識を高速化させる薬の注入で包囲網を敷くことが可能なコンボが発生するところだった。ヤバス
 破壊力:B スピード:A 射程距離:A 持続力:A 精密動作性:B 成長性:不明

~タイガーアンドバーニィ
 虎柄でウサ耳の女性型、古菲のスタンド
 攻撃した対象に『幻痛』を与える能力。痛みは使い手である古菲の攻撃力そのままに、一過性のものではなく延々と断続的に染み渡る
 但し意識が無かったり、無生物だったりした場合には効果は及ばない。直接的な破壊性が無い対人用に特化したスタンド。実は意識を失うと効果が切れていたのだけど・・・
 破壊力:F スピード:A 射程距離:D 持続力:B 精密動作性:C 成長性:B

~フェイスフェイク
 明日菜もそうですけど新スタンド群のネーミングの元は昼寝猫さんよりのお便りを参考とさせていただきました。ありがとうございました!
 幼い女児のような人型で、表情の伺えない目と口だけが三角に穴の開いた仮面をつけている。一見すると何の力も持たないようなスタンド。その仮面を逆さに回転させるとその本性を発揮する
 圧倒的なSAN値の減少を伴わせて他のスタンドが出現することを封印させることが出来る。ついでに目の当たりにした使い手はスタンド能力で齎されている効果を消失、つまりはスタンド能力の無効化がこのフェイスフェイクの真骨頂となる
 但し直接戦闘に関してはまったくの不明。普通のスタンドとは一線を画す
 スタンドとは心の力である。心とは人の側面である。そして心とは一人の人間が独力で作られるような容易いものではない
 彼女の心の側面を形成するのは、彼女が生きてきた100年という冗長な時間の中で奪ってきた命の持つ悪意や絶望そして断末魔の悲鳴、それらを形作る負の集合意識がこの冒涜的な怪物を生み出した
 大きさは巨人の如く、焼け焦げた肉のような肌からは臭気こそ漂わぬもののその毒々しい配色が見る者に嫌悪感を引き出させる。人の姿を模していながらも蜘蛛のような節足動物に酷似した姿勢を執り、その姿勢により近づけようというのか手足は8本生えている。その全ての手足がそのまま人を掴まえ握ることを可能とした人の手のひらを模しているが、生え揃っている指の数はそれぞれ別々で5~10本の数が乱数的に長さもバラバラに伸びている。ぽっかりと開いた空虚な目は虫か魚のように感情を感じさせないが、その奥から覗いているものは紛れも無い悪意であり絶望であり闇よりも尚濃い混沌をありありと語る様ですらある。その瞳でじっと覗かれるだけで「まるで全身を羽虫が這いずり回るかのような」または「粘つく菌糸を躰の内側から張り巡らされているような」そんな言い知れない嫌悪感を醸す視線は一度目の当たりにすればもう忘れることは出来ないあの目があの目がこっちを覗く空虚な忘我を齎そうと狂うのを待つ背徳の瞳が待ち望む止めて止めてと啼いても啼いても追い縋るあの目は呼吸することすら許しはしない正しく生きる代償に魂を差し出せといあいあはすたぁふんぐるぅいなむふたぐぅんぐきはははははははhhhhh
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