ネギまとかちょっと真面目に妄想してみた   作:おーり

99 / 100
名状し難きシンデレラ劇場
ひょっとしたらR-15かも知れやらぬ


『ふたりは百合キュア☆まっくすはぁと!』

 

 

『あ』

「っ――ふぁ……っ、ぐぅ……ッ!?」

 

 

 腹部へと突き抜けた衝撃に、輿水幸子はその場へ崩れ落ちた。

 内臓がひっくり返りそうな、まかり間違っても女の子へと『やっちゃダメ』な腹パンに抗議する間もなく、呼吸できないほどの衝撃に蹲るしか為す術は無く。

 

 

『スマンお嬢ちゃん。思いっきりやれって言われたから、つい』

「ふぉぉ……!」

 

 

 突き抜けて行った衝撃のお蔭で返事も出来ないが、マスクでくぐもった声で申し訳なさそうに謝る『戦闘員』にも怒るに怒れない。

 だってアイドルだもの。

 イメージって大事。

 

 

「――ってそんなわけあるかですよーーーっ!!! イメージ如きでこの怒りを表現できないならばそもそも“女の子”をやってられませんっ!

 ちょっとスーツアクターさん!何するんですか“女の子”にっ!いくらボクがかわいいからって簡単に許してもらえると思ったら大間違いですよっ!?」

 

 

 やたらと“女の子”を強調し憤慨する少女に、スーツの『中の人』はホッと胸をなでおろす。

 

 

『それだけ動ければ大丈夫そうだな。ナイスファイトお嬢ちゃん』

「なんでそこでサムズアップ!? もっとしっかり謝ってくださいよ!? ホントボク死ぬかと思ったんですからねっ!?」

『元気じゃねーかよ』

「悪びれもしていないっ!? あなた本当に大人の人なんですかッ!?」

 

 

 グッ、と親指を立てる中の人にマジ切れの形相で憤慨し続ける幸子。

 外跳ねの髪も抗議に連動し、ピコピコと跳ねて怒りを顕わとしていた。

 しかし、ぷんすかとコミカルにツッコミを入れるその様子からして痛みは既に感じてないご様子。

 あの分だと跡とかも残って無さそうで、2人のやり取りをカメラに収めていた現場の面子は内心ホッと胸をなでおろしていた。

 そして怒りながら、ようやく何かに気づいたのか、輿水幸子は己の腹を疑問符を浮かべながらさする。

 ちなみにどうでもいいことかも知れないが、今の彼女の恰好は実在しない中学校の女子制服だ。

 セーラー服が現場スタッフに懐かしさと寂寥感を感じさせるらしいが、本気でどうでもいい。

 

 

「……? あれ? そういえばもう痛くない……?」

『プロだからな。寸止めで済ませた。衝撃だけが突き抜けていっただけだから、痕も残っていない筈だぜ?』

「なんという無駄技術……。……? っていやいや、それなら痛くしないやり方でお願いします」

 

 

 一瞬感心しかけた幸子だったが、彼(?)のやった容赦の無さにやはり抗議を止めない。

 が、

 

 

『それじゃあ駄目だろう。お嬢ちゃんの腹パンというファンからの需要に応えてこそアイドル、だろ?』

「なんでボクの需要がお腹にパンチされることなんですかねぇ……っ!?」

 

 

 しれっ、と答えられた回答に、笑顔のままなのに青筋がぴきぴきと治まらぬ幸子。

 どうやら今日の収録も長くなりそうだ。

 

 

 

     ☆     ★     ☆     ★     ☆

 

 

 

 此処は某スタジオ。

 本日の収録は毎週日曜朝8時半より放送している『魔法少女ビブリオン』――ではなく、その裏番組である『ふたりは百合キュア☆まっくすはぁと!』。

 ぶっちゃけ裏番組なので、基本的に視聴率は『ビブリオン』に持っていかれているのだが、実写系のアイドル主演番組ということで密かな人気が根強く残り、辛うじて深夜枠へと押し遣られずに二期の製作もこうして続投されているのである。

 

 先程腹パンで蹲っていたCGプロ所属の輿水幸子(14)は主役2人の片割れ『黒井くじら』の変身前の役、なのだが。

 

 

「どうして変身前なのに攻撃食らうんでしょうかねぇ……」

 

 

 煤けた顔で休憩中の幸子が、椅子に座り独り言ちる。

 こっそりとセーラーを捲って己のお腹を確認してみれば、件の彼の言う通り傷痕一つないまっさらなお腹だったのだから、文句を直接言うに言えない。

 

 

「この前聞いたんだけど、なんでもリアリティの追及らしいよ? いくら正体が女子中学生の変身ヒロインだからと言って、その変身を態々敵が待っていてくれるはずもない、っていう『お約束』を覆すのが番組の趣旨みたい」

「あー、そういえば、プロデューサーも「最近のライダーは変にポーズばっかり決めていて中身が無いよな」って言ってたもんね。何? 凛ちゃんはイケメンライダー否定派?」

「別に。そういうつもりで言ったんじゃないと思うよ、プロデューサーも」

「そーぉ? あ、そだね、凛ちゃんはプロデューサー派だもんね★」

「……別に?」

 

 

 そして隣にて出待ち中の『白野かもめ』役である2人、渋谷凛と城ケ崎美嘉が幸子の話題に乗っかり愚痴を引き継いだ。

 しかし引き継がれてシフトした話は、自分たちの補佐役である男性―頭部に英語のPの頭文字マスクを被った人物―の話題であった。

 同年代であるがクール系とギャル系、雪●下と由比●浜くらい別人である2人だからこそ、共通している話題などそれほどあるわけでもない。

 何か色んな不文律に喧嘩を売るような番組趣旨が耳に入った気もしたが、そんなことをスルーする程度には別のネタの方がhotな話題な女子高生らなのである。

 

 ところで、見た目完全に別人である2人がいくら変身ビフォーアフターの役どころだからと言ってもそれが同一人物だと言い張る、ついでに現役女子高生なのに女子中学生役。

 そんなこの番組は製作からして終わっているんじゃないかと、幸子は幾度となく思う。

 それも他人の事は言えないが。と視線を向ければ、

 

 

『――オノレ漆黒の衣を纏いし愚者よ! 貴殿の窮するところになど我が覇道は潰えたらん! 征くぞ白き同志よ! 我が手綱を握る間に、汝は然るべき者へと導かれんことを!』

 

 

「……相変わらず何言ってるのかわかんないね」

「今のうちに変身しろ、って感じみたいです」

「幸子ちゃんよくわかったね。この間一緒に熊本行ったときに勉強して来たの?」

「いえ蘭子さんのアレ別に本場の熊本弁ってわけじゃありませんからね?」

 

 

 自分の相方である神崎蘭子が、先ほどのスーツアクターと別撮りの最中であった。

 髪色と長さと顔立ちと性格が、変身前とは比較にならないほど変貌してしまっている。

 まかり間違っても『表側』の“ビブリオン”みたいな『元来は低年齢向け』などではなく、初めっから俗に言う『おっきいお友達』向けのニッチな番組であることは言うまでもない。

 それくらい『触れてはダメ』な不文律に喧嘩を売り過ぎていた。

 よく放送2年目に入れたな。

 

 

『ふっ、粋がるなよ百合ブラック! 例え俺を斃せたとしても、第二第三の戦闘員が貴様の前に立ち塞がる! 忘れるな! 俺は只の前座だということを!』

 

 

 と相手取る、そんな件の彼の中の人もまた、休憩中には彼女らアイドルには一切関わったことが無いので、正体不明にも程があり過ぎていた。

 いたのだが、敵役の女性幹部の人とは談笑している姿を見かけたりするし、何気にあのキャラのままで敵幹部諸共2年目まで生き残っている。

 可笑しい、こういう番組は普通1年で敵対組織はきっちり入れ替わりが起こっている筈なのだが?

 というか戦闘員が強すぎる。

 ショ●カーの「イーッ!」の位置に居るには、キャラも強さも規格外すぎる。

 ぶっちゃけ第二第三と本人が謳いはするものの、件の第二第三が一向に現れる気配が無いまま、組織とは『戦闘員1人』としか肉弾戦をした覚えが無い。

 彼の言う処の“前座”が長すぎて、最早誰が本当の敵なのかが判らなくなってきている。

 組織の深淵に至ることも無く番組は延長戦に突入、それは宛ら某作者の二次創作のように、ストーリーは牛歩で遅延的に進んでいたのであった。

 そんなことを認識し直すと、確かに2年目に継続していても可笑しくないのかも、と納得も出来そうなのが番組的にも怖いところなのである。

 

 

【百合ホワイトさん、ワイヤー準備できました】

「じゃ、行ってくるね」

「いてらー」

「気を付けてください、あの人相変わらず手加減しませんよ?」

「大丈夫。それは基本的に幸子だけだから」

「――アレッ、今何か聞き捨てならないことを聞いたような、」

 

 

 スタッフに呼ばれ、変身後役の凛が衣装(・・)の(・)まま(・・)颯爽と向かう。

 それはまるで、これからライブでもしますよ?とでも言いそうなくらいに堂に入っていた歩みだ。

 ……変身ヒロインのような姿でなければ。

 

 その変身ヒロインに、自分も同カテゴリだった、と思い至り、自然と涙が零れる幸子。

 滂沱、という奴である。

 

 

「……ほんと、なんでボクらこういう番組ばっかりなんでしょうね……」

「それはライブすら未だ準備されてないアタシに対する嫌味かな?」

 

 

 涙と共に零れた台詞を拾い、一緒に残っていた美嘉が茶化すように応える。

 言葉はキツそうだが、美嘉の表情は笑顔のまま。

 どんな時でもスマイルを忘れない、そんなアイドルとしての信条であるのだろう。

 

 

「テレビに出れるだけマシだよー★」

「でも美嘉さんも凛さんも年齢的には「うわキツ」ってネットで叩かれているって橘さんが、」

「年の話は止めて」

 

 

 思わず真顔で応えてしまう。

 信条が一瞬で潰えた。

 現実は非情である。

 ちなみに件の橘某が見たネットのスレには、「だがそこが良い」という続きもあったのだが、そこはまた別の意味で不安にしかならないので割愛とさせていただきたく。

 

 

「……ふつーさー、こういう役どころって菜々さんとかに行くんじゃないかなー……? なんでアタシと凛ちゃん? 何? スタッフマジで喧嘩売ってんの……?」

「なんで菜々さんが引き合いに出てくるのかはよくわかりませんけど、菜々さんで大丈夫なら同年齢のお2人でも平気なんじゃないですか……?」

「……んー、あー、そうねー、どうねんだいだったねー(棒)」

「……? というか、高校生が中学生の真似、なら成人男性が高校生の真似をしている最近のドラマとかと同レベルですよ。大丈夫ですよ」

「そういう話じゃないのよ幸子ちゃん。問題なのはこのえも言われぬ屈辱感と視聴者の視覚に訴えかける犯罪擦れ擦れの光景を撮っているってことなのよ。見なさいあの凛ちゃんの格好。あんな短いスカートで宙吊りとか、実際に生で流していたら私たちにとっては充分にアウトな年齢だってことなの」

「それを言い出したらボクらも代わり映えしないと思いますけど……」

 

 

 ちなみに件の渋谷の映像は収まっていないご様子。

 カメラワークは現状、仕事をしていない2人を無意味に追い続けていた。

 

 

「……ああ……、どうせテレビに出るんなら、『きらりん☆れぼりゅーしょん』に出たかったなぁ……」

「ああ……、きらりさんの冠番組……。というか、とうとうぶっちゃけましたね」

「だって一緒に出てるのがみりあちゃんとか薫ちゃんとか雪美ちゃんだよ!? そっちの方が断然いいよ! 莉嘉も出てるのになんでアタシは駄目なのかなぁ!?」

「わかりましたからトーン抑えてください! あとそこを目的としている時点でオファーも無いです絶対!」

 

 

 城ケ崎がダークサイドに堕ちたところで映像は途切れている――、

 

 

 

     ☆     ★     ☆     ★     ☆

 

 

 

「ところで、『百合ホワイト』ではなく『白野かもめ』さん」

「……あ、アタシの事か。ほいほい、なーに?」

「変身前なのにボクと共演しないって、なんでなのでしょうね?」

 

 

 輿水が、バランスの悪いダブルヒロインの共演を眺めながら、ふと気になったことを呟く。

 本当に純粋に疑問に思ったのだが、何故か城ケ崎(姉)は歯切れが悪そうに、苦笑交じりに応えていた。

 

 

「あー、よくさー、仲間のピンチに颯爽と駆けつけて「声が聴こえたからっ!」っていう友情を確かめるお約束が、あるじゃん?」

「ああ、ありますよね。……え? まさか?」

「あ、察した?」

 

 

 要するに、そういう『お約束』もこの番組では採用しない、ということなのだろう。

 確かにある種のリアリティ指向ならば納得できるのだが、何処か釈然としないモノを輿水は感じていた。

 しかし、片やフフーンな優等生と片やミ★なギャル系。

 そうそうピンチに駆けつけることが不可能なのは、普段から行動を共にしていなければそうなっても可笑しくは無いのであろうなぁ、と納得はできるのである(誰が)。

 ちなみに、件の『其れ等』が変身して厨二と黒髪ロングに変貌を遂げるのだから、番組の趣旨は相変わらず色々と可笑しいと言わざるを得ない。

 

 

【すいませーん、次秘密結社側の出番なので、スタンバイをお願いしたいのですがー】

「あ、はーいわかりましたー、呼んできまーす」

 

 

 スタッフに呼ばれて、輿水と城ケ崎は腰を上げる。

 この番組、どの部分の予算を削っているのか、撮影スタッフの数が微妙に少ないので、出演者のスイッチに主演が駆り出されることもしばしば起こる。

 もうこの遣り取りも2年目に突入しているので今更文句は無いが、改めてどういう予算配分なんだ、と城ケ崎はふと疑問を覚えていた。

 ちなみに、似たような思考に至っても可笑しくない筈の輿水は、

 

 

『カブータさんを呼びに行くのか、俺も手伝うぜー』

「あれっ? 貴方まだ収録中じゃ……」

『大丈夫、今は百合タイムだ。男はお呼びじゃない』

「……それは一切大丈夫では無いのでは?」

 

 

 と、先ほどのスーツアクターさんに連れられて別の演者の出番を呼びに行っていた。

 視界の端で、「いいよーすっごくいい、じゃあちょっと腕からめてみようかー」等と言うカメラマンが見えた気がするが精神衛生上不衛生に過ぎるので視なかったことにしておく。

 「は、図ったな貴様ぁぁぁ!」という神崎の声も意識しなければ届きはしない。

 

 さてそんな道中も数分で済み、女幹部役の女優さんが控えている個室へと、城ケ崎は役名を呼び乍らノックをした。

 

 

「すいませーん、『ハイヌウェレ』さーん。そろそろ出番みたいですよー?」

 

 

 が、返事が無い。

 

 しかし来る途中に聞いた他のスタッフの話だと、此処に入ってから出てくる姿を見ていないとか。

 ならば、居る筈。

 小首を傾げ乍ら、城ケ崎は個室のドアへと手をかけて、鍵が開いていることに気づいた。

 

 

「おじゃましまーす。ハイヌウェレさーん、お時間――」

 

 

 ――艶めかしい、唾液が肌に滴って、粘つく水音と、途切れ途切れの呼吸音が絶え間なく響く。

 部屋中には湿った、香水と栗の花の香りが充満しており、まるで媚薬をそこらへと散りばめたかのような錯覚を、入室する者へと疑わせる。

 その連想は非常に非現実的でしかないが、“そう”としか思えないくらいに、その部屋の薫香は幻想を抱かせる芳しさを醸し出していた。

 そして、そんな部屋の中ほどには――、

 

 

「――っ! ぁ――っ! ゎ……っん――っ! ――! ――! ――!」

 

 

 ――ピチャピチャと粘液の滴る水音を鳴らす発生源、中●生の白坂小梅が『ハイヌウェレ役』の女優に“捕食”され、情事の真っ只中に陥っていた。

 

 

「――っ!? んなぁ、何やってんのぉぉぉぉぉおおおっ!!!!?」

 

 

 状況を理解するのに十数秒かかった城ケ崎が、一瞬遅れで絶叫する。

 そんな目撃者に、女優さんは蠱惑的に小首を傾げて、

 

 

「――あら、美嘉ちゃん。混ざる?」

「混ざりませんッ!」

 

 

 と、誘うも素気(すげ)無く断られていたという(スタッフ目撃談)。

 

 

 

     ☆     ★     ☆     ★     ☆

 

 

 

 呼吸すらも不可能となるまで蕩けてしまわれた同僚を救出し、女優さんを送り出して十数分。

 真(ま)っ裸(ぱ)にされていた白坂嬢は試供品のシーツに包まり、コップ一杯の水を浴びるように嚥下したところで、ようやく人心地ついていた。

 

 

「~~~~っ、はぁ……、し、死ぬかと、思った……っ」

「だ、大丈夫?」

 

 

 白がかった鬼●郎ヘアの14歳、白坂小梅は同じ事務所の同僚でありながら、近日登場予定であった『3人目の百合キュア』役の少女である。

 珍しく変身前と後が同一でとオファーがあり、他に仕事の予定も無かった彼女は一も二も無く飛びついた。

 その果てがあの様である。

 某不幸系少女と役処の采配を間違えてはいやしないか?と、天の声が嘯いていた。

 

 

「だ、だいじょうぶ、これが芸能界の洗礼なんだね……っ」

「いや、こんなのは特殊な例だから。アタシもこんなのは遭遇したの初めてだから」

 

 

 むしろ遭遇して堪るか。

 そう云わんがばかりに手を横に振る城ケ崎。

 あくまで彼女は愛でる側であって、される側ではないのである。

 え、論点違う? 違うか。違うね。

 

 

「というか、なんであーなってたの……」

「新人だから、挨拶ぐらいしておかないとだめかな、って、思ったんだけど、……扉が開いてコンマ1秒で引きずり込まれて……!」

「何それ怖い」

 

 

 少女たちは冷汗を浮かべ、各々女優の所業に戦慄する。

 しかし、白坂の方はその意味合いが若干違っていたようである。

 

 

「まさか、あんな、あんな……、あんな気持ちイイS●Xが存在したなんて……っ!」

「――なんて?」

 

 

 震える声で続けられた科白に、城ケ崎は真顔で問い返していた。

 

 

「ただ性器と性器を繋げるだけが●EXじゃないの、それが共同作業である以上は、必然的にお互いの親和性が必要になってくる……。でも、あの人の場合は、そんなものは関係ない。だって女同士だもの、互いが互いに啼いていては、演奏者のいない楽器でしかないよ。それを、その関係性を凌駕出来るだけの技能が、才能が、あの人の指先には総てが備わっている……!

 鍵盤を叩いて音の強弱をつけるだけで、それだけでイイSE●が出来るって勘違いしているだけじゃ猿と変わりない。まるでメロディを奏でるかのような、楽器自身に歌を歌わせるような、それほどの指先のテクニックはまさに天上のピアニストの如く……!

 ――つまり、S●Xは、音楽だったんだよ……っ!」

「アッハイ」

 

 

 城ケ崎は、白目を剥いていた。

 とりあえず、中●生がS●Xという単語を連呼するな、とだけは感想を抱きつつ。

 

 

「美嘉さんは経験豊富だから、こんなこと云わなくっても判るかもしれないけど……」

 

 

 付け足されたその台詞に、ビクンと城ケ崎の肩が跳ねる。

 先ほどよりも多い冷汗を全身から吹き出し、真顔なんだか引き顔なんだか判別の付き難いぎこちない表情で笑みを浮かべつつ、「えっ、あっ、そーねー、うん、豊富豊富!」と白坂の言葉に乗っかって相槌を打っていた。

 見ていて、非常にわかりやすかった。

 そして――、

 

 

「あんなS●Xを覚えたら、もう、私……! お姉さま以外満足できない……っ!」

「とりあえずお願いだから戻ってきてよ小梅ちゃぁぁぁぁん!!!?」

 

 

 ――臨界が、突破した。

 

 

 





~ふたりは百合キュア☆まっくすはぁと
 日曜朝8時半より絶賛放送中、ビブリオンの裏番組
 戦闘シーンやストーリーは基本的にOPの1分45秒で曲と共に流れ切り、後は終わるまで30分、ひたすらアイドルたちの撮影風景を流す異色作
 ギリギリ少女たちのスカートの中とかチラ見えしそうな局部などを放送しないように采配するくらいならばストーリーを流せ、とは出演者らの談。ぶっちゃけありえない

~きらりん☆れぼりゅーしょん
 身長180cm弱の女子高生・諸星きらりが、きらりんぱわー(物理)でアイドルを目指す夕方5時のトーク番組
 ゲストには小学生組と呼ばれるCGプロダクションのアイドルらが毎週こぞって参加し、通う小学校での疑問点や改竄点などを槍玉に挙げる。前回の放送では給食のカレー等を改善できないかと語り合ったとか
 教育改善に繋がる可能性を醸し出す力技系情報番組。おい、アイドルどこ行った

~戦闘員スーツアクターの中の人
 お前何処かで見たことあるぞ…?

~カブータさん
 秘密結社;ReジェクDoラッグの直接戦闘専門の幹部怪人
 カブトムシをモチーフにした3mを優に超す、強化外骨格の着ぐるみ(予測)なプロレスラー(多分)
 CVはアテレコで野際●子さんとかに頼んでいるらしく、中の人の声を直接聴いた人物は皆無
 着ぐるみの割には昨今のアニメのようにぬるぬる動く

~ハイヌウェレさん
 5人の魔女の一人。何時から存在しているのか定かではないが、少なくとも大正時代の初め頃には出没した記録が残っているらしい
 史上最初の自殺者の女神の名を冠する魔女で、異界存在(フリークス)を現界へと多量に引きずり出す呼び水のような人
 異界存在は人間の悪意によって膨大に成長し、最終的には人を食らうこともあるという。どう考えても人間にとっての災厄でしかない魔女
 最近新しいバイトを始めたらしく、その職場には彼女の好みである10代半ば頃の食べ頃少女が多量にいることもあって『本業』の方は大人し目にしている

~シンデレラプロダクション
 略してCGプロ
 輿水幸子・神崎蘭子・渋谷凛・城ケ崎美嘉・白坂小梅の所属するアイドル事務所
 他にも多数のアイドルが所属しているが、詳しくはググれ



とりあえず、やりきりました
完全趣味に走った蛇足回
5人の魔女は出し切ったから、以降はようやくネギまに戻れそうです
えっ、設定上不穏にしか見えない?
ハハハ、まさかそんなry
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