長期休業は暇な日が続く私としてはあまり嬉しくないです(^^;
短いですが最新話です、どうぞ( ^ω^)_□
とある日の昼休み。
「おーい一方通行~!バスケやるから来いよ~!」
「おっ、頑張って来いよ?」
「めんどくせェ…」
そう言いながらも呼ばれた方へ行く一方通行。それを見て輝夜は嬉しそうに笑う。忌み嫌われていた彼が、クラスメイトたちと仲良く(?)している。たまにではあるものの、笑いあったりしていることもある。
孤独だった彼が、今は多くの友人を持っている。
「……よかったね、一方通行」
「おーい輝夜ー!UNOやらねぇかー!」
「いいね、やろうか!」
こんな日がずっと続けばいい。
いずれ終わるのはわかっている。
でも、そうだとしても。
今この時だけは、笑っていたい。
一瞬だけ険しくなった表情は、すぐにいつも通りの笑顔の下に隠された。
◆◆◆
学校も終わり、輝夜と一方通行は帰る途中でスーパーに寄っていた。冷蔵庫のなかの食品が底をつきかけているため、買い出しに来たのだ。
「今日の特売はそうめんか」
「季節的にまだ早ェのになァ…。ン、牛肩ロースタイムセールだとよ」
「おう、サンキュー」
最近では一方通行も家計というものをわかってきたらしく、タイムセールや特売を気にし始めたらしい。一応二人の役割分担としては、輝夜が炊事で一方通行が洗濯だ。なぜ一方通行が洗濯なのかというと、ボタン一つで終わるからだ。
ただ、洗い終わった服などをたたむのも一方通行の仕事であるため、その時だけは場違い感が凄まじい。
「ま、これくらいかな」
「さっさと帰って飯にしよォぜ…」
レジで精算を終え、二人は店から出た。見上げると満天の星空が夜道を照らしている。
「何だかんだあったけど、もう六月も終わりかぁ…。時間が進むのは早いね」
「時間を操るオマエが言うとシャレにならねェな」
だが、輝夜の言う通りだった。
一方通行もこれほどまで時間が早く進むとは思っていなかった。生まれて初めて、充実した時間というのを過ごした気がする。
クラスメイトとの交流は面倒だったが、楽しかった。授業を受けるというのも同じく面倒だった。でも、どこか新鮮味があってなかなか面白いものだった。
「輝夜」
「ん?」
「一回しか言わねェからな」
自身をこの世界に引きずり上げてくれた親友に彼は、
「……サンキューな」
生まれて初めて礼を述べた。
一方通行がお礼を言ってきたことに輝夜は驚くも、
「気にするなよ、友達だろ?」
笑顔でそう言った。
その後、二人は無言で帰路に着いた。
ほとんどの学生たちが夢の世界に飛び立った頃、輝夜は外に出た。いつも一緒にいるはずの一方通行は惰眠を貪っている。もちろん、それを確認した上で彼は外に出ているのだが。
彼の手には学園都市製の最新型の携帯。
彼は乱雑に電話番号を入力するとそれを耳に当てる。
呼び出し音は一切なかった。
ワンコールもなく、即座に相手に繋がったのだ。
「こんばんは、アレイスター」
『珍しいな。君から私に電話をかけてくるとは』
その相手は、統括理事会理事長アレイスター。直接会話ができる人物というのは恐ろしいほど限られている。だが、その恐ろしい確率の中に輝夜はいる。
「いや何、特に用はないんだけどね」
『時間操作の君が用もなく私に連絡を寄越すとは思えんがね』
「ありゃ、バレたか」
一見すると特に他愛のない会話だが、二人はお互いに思考を読まれないように話している。
輝夜はいつもの笑顔を浮かべてはいるが、目は一切笑っていない。
「じゃあ早速本題だ。……一方通行に手を出すな」
『………』
「バレてないとでも思った?絶対能力者計画に一方通行を使うってことが」
『…時間操作にはいつも驚かされる。秘密裏にされているはずの計画が知られているとはな』
「アイツは光を知った。光の中で生きようとしているアイツを闇に引きずり込むってなら――――」
輝夜は表情から完全に笑みを消し、
「――――テメェの計画全てをぶち壊してやる」
『面白い、時間操作は一定の代償が必要なのだろう?その代償は、使用者自身の生命活動時間。すなわち寿命だ』
「それがどうした?」
『………』
輝夜は再び笑みを浮かべる。
だがそれは、冷酷で残酷な笑み。
昔、輝夜のこの表情を見て、あの一方通行が無力化されたほどの笑み。
「俺の時間操作を舐めるな。寿命が削られる?その程度、とっくの昔に克服してんだよ」
『なに…?』
輝夜は笑う。
電話の向こうにいるアレイスターが、自分の能力を見誤っていた事に。
「まぁ、一方通行に手を出さなきゃいいだけだよ?その結果、お前の計画の一つがストップするけどね」
『ふっ……』
「ん?」
『たかがレベル5に、私の計画は潰せんよ。それがたとえ、時間操作だとしてもな』
「………」
輝夜は目を鋭くして耳を傾ける。
『もしその時間操作が私の計画の邪魔になると知っていたなら、発覚したその日に殺している』
「だけどそうしなかったのは何故か。簡単な話だよ、俺も計画の一部に組み込まれてるから」
『正解だ。もちろん、今のように私を脅してくるのもな』
「そっか、残念だな。イレギュラーじゃなかったのか。まぁそれはいいとして、これは交渉決裂だね」
『そう受け取ってもらって構わない』
輝夜は肩をすくめ、いつもの笑顔を浮かべる。今まで彼を取り巻いていたおぞましい気配は消え去り、朗らかな空気が包む。
「じゃあね、アレイスター」
『君と話すのはいい暇つぶしになる。また気が向いたらいつでも電話をかけてくるといい』
通話が切れ、輝夜は端末をポケットにしまう。そして、いつものように彼は寮に戻る。
LEVEL5序列第一位が惰眠を貪っている中、第八位と統括理事会理事長はそれぞれの目的を再確認する。
―――一方通行を守る(使う)
接点が全くないと言っていい程の二人は、微笑む。
喜怒哀楽の全てに当てはまり、同時にどれもに当てはまらない説明不可能な微笑みを。
たった今、この二人は見えない戦いを始めた。
翌日。
輝夜と一方通行の二人に高校に入ってからの、第一の試練が訪れようとしていた。
「学園テストだにゃー……」
「ワイらもうおしまいや……」
「不幸だ……」
「そこまで嫌なの?」
「授業さえ真面目にやってりゃわかンだろうが。つか、青ピ。テメェ試験追試になったらあのロリ先生と夏休み中ずっと一緒に過ごせンじゃねェの?」
小中高のすべての学校において、多くの生徒の精神を削り、心をへし折るイベントがある。
――――テスト――――
このテストは能力開発に関係するものではなく、世間一般において学生に求められるごく普通のもの。
要するに、頭の出来を調べるためのものだ。
「むむっ、それもそうやん!良い点取ったら褒めてもらえるし、悪い点やったら夏休み中ずっと一緒に居られるなんて…。そう考えれば、なんてええ行事なんやろうかッ…!」
「青ピは気楽になれていいにゃー……。俺なんて点数が低かったら舞夏の飯が一ヶ月抜きなんだぜぃ……」
「補習なったらバイトができないのです……」
一方通行の言葉に回復する青ピと、そんな青ピの様子を見てさらに落ち込む土御門。上条は特に変わらずドヨーンとして窓の外に目を向けている。
「…つーか、なんで輝やんと一方は余裕そうにしてるのかにゃー?」
「僕も気になる話やね…。いっっっつもトップクラスの点数叩き出してる理由を言うてみい…」
「…テストの悪点数という幻想をぶち殺す……。ついでにお前ら二人が好成績だという事実もぶち壊す……!」
土御門の言葉に青ピと上条も便乗してきた。
最後の上条だけが見事なまでに脅迫をかけてきて輝夜と一方通行は少しビビった。
「い、いや。ちゃんと話を聞いてればわかるよ?」
「「「はぁ!?」」」
「輝夜の言う通りだ。あンなの予習復習さえしてりゃァいくらでも点数取れンだよ」
一方通行のまともな発言に輝夜も含めた四人は驚き、それを見た本人はこめかみをヒクヒクさせていた。
ちなみにテストの結果は――――
学年一位 一方通行/輝夜永斗
学年八十二位 上条当麻
下から数えて五位 土御門元春
一番下 青髪ピアス
ちなみに、彼らの学年の総生徒数は284人である。
悪魔のようなテストが終わり、結果が配られた当日。
クラスでは、
「むー、一方通行と同列かぁ」
「俺より下になったら腹ァ抱えて大笑いしてやる」
全教科満点でいつも通りにしている二人がいた。
また他には、予想よりも上の順位を取って、
「珍しく不幸じゃなかったぁぁああああああッ!」
と叫んでる黒髪ツンツン頭がいたり、
「にゃー…義妹の飯………」
とガッツリへこんでる金髪サングラスがいたり、
「小萌センセーと補習♪小萌センセーと補習♪」
学年最下位という汚名を喜んで小躍りしている青髪ピアスといった、クラスの三馬鹿もそこにいた。
そして、穏やかで平和な時間は流れる――――
輝夜くんの裏が少しだけ出ましたねw
というか上条たちクラスの三馬鹿たちが完全にmobになりつつある…。
感想お待ちしております(^^ゞ
活動報告の方にどうでもいい作者情報とアンケート(←こっちは大事)を載せたので、閲覧&コメントよろしくですm(_ _)m