やはりウヴァは青春ラブコメでもウヴァさんである。   作:亜独流斧

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先日の事。
友人A「俺ガイルのメインヒロインって戸塚でよくね?」
私「いや、あいつ男だろ」
友人B「は?お前はアホか?戸塚の性別が男なわけ無いだろ」
私「ああ、『おとこの娘』ってやつか。お前らの中で戸塚は女子なんだな」
友人B「戸塚の性別は『戸塚』だろ」
友人A「分かる!」


みんな…疲れているのか?



ヒッキーとクッキーと最初の依頼

前回の三つの出来事。

一つ、高校デビューに失敗したウヴァは、ボッチのまま二年へと進級する。

二つ、そのことへのむしゃくしゃを作文にぶつけた結果、呼び出しを食らう。

そして三つ、あまりの作文の酷さに対するペナルティとウヴァの性格の矯正を兼ねて、彼は『奉仕部』なる部活に入部させられた!

 

 

 

「へー!お兄ちゃん部活入ったんだー!ちょっと意外かも。あ、カマキリくん。キャベツを千切りにするときは、もっと手早く丁寧にね」

 

「御意」

 

「バッタ、お前は新聞取ってこい」

 

「分かった。フーンフフーンフー♪わ~るい奴は~、ゆーるさーないー♪」

 

「おい、外出る時はその鼻歌止めろ。近所迷惑だからな」

 

「…分かった」

 

ウヴァだ。昨日、いきなり奉仕部に入部させられたオレは、仕方なく小町にその事を説明した。

出来る事ならさっさと辞めたいし、勿論退部のチャンスさえあればいつでも辞めてやるつもりだ。これって積極的なのか消極的なのか、どっちなんだろう。

え?ヤミーがいる?当たり前だろう、元とはいえグリードで、必要な力はまだ有しているのだから。

かつてオレはヤミーをよく利用していた。神の特典のおかげか、あるいはオレが進化したのかは分からんが、以前と違って、どんなに小さくその場限りの欲望であってもヤミーが作れるようになっていたのだ。そのせいでしょっちゅう家の中をヤミーがウロウロしていたが、流石はオレの妹と両親。最初の方こそ警察沙汰になりそうな勢いで驚いていたが、たった数回で馴染み、ついには雑用を頼むようになった。いくらなんでも順応し過ぎだろ。

とは言っても、そもそもヤミーを出した理由自体がセルメダルの回収では無く、オレの家での仕事を肩代わりさせるためだったので、家族もヤミーを『おかしな格好のお手伝い』としか思わなかったのかもしれない。

一度うっかりヤミーをお使いに行かせてしまった事があり、それ以降ヤミー作りを控えていたが、あの事故の後からはまた少しずつ作るようになっていた。

このバッタとカマキリも、小町の「今日は実力試験があるから少しでも勉強しておきたい」という欲望と、オレの「今日は雨が降っているから外に出たくない」という欲望から作ったものだ。あまりに小さい欲望のため、セルメダルはロクに生まれないし、戦う事など出来ないくらいに弱い。恐らくアンク(腕のみ)や、バースのパーマ男(変身前)に殴られただけでも消滅するだろうが、戦わせるつもりは無いので問題は無い。

 

「ごちそうさまでした。それじゃお兄ちゃん、今日は小町先に行くね」

 

「ああ、試験頑張れよ」

 

「ま、今日のはテストって言っても簡単なやつだから大丈夫だよ。お兄ちゃんこそ部活頑張ってね!あ、今の小町的にポイント高い!」

 

「時間無くなるぞ。行ってらっしゃい。……さて、オレも行くか」

 

こうして比企谷家の朝は過ぎていった。

 

 

 

 

 

からの、気付けばもう放課後。面倒だが、またあの部活に行かなければならない。

何故こんなにも時間が過ぎるのが早いのか。授業を真剣に聞いている時は、あんなにも遅く感じるのに。

…成程。つまり、オレが授業をちゃんと聞いて無かったから早かったのか。そう言えば昼はずっと寝てた気がする。クワガタコアのせいだろうか。何にせよ、オレってばおっちょこちょい!

などと考えている間に、例の教室に着く。

 

「よう」

 

「こんにちは」

 

中に入ると、既に雪ノ下は昨日と同じように文庫本を読んでいた。彼女に倣い、オレも鞄から本を取り出して読み始める。『猫も鳥も魚ももう古い!昆虫と暮らす新しいライフスタイル・ここからは虫のステージだ!』(OREジャーナル出版、税込み価格¥1600)か。タイトルで衝動買いしてしまったが、うちには猫がいるからこれ以上ペットは無理だな…。

オレたちはしばらく読書を続けていたが、15分くらいが過ぎた頃、入口の扉がノックされた。

 

「どうぞ」

 

「し、失礼しまーす…」

 

雪ノ下の返事を受けて、一人の女子生徒が中へと入って来た。

明るく脱色された茶髪に、大きめの胸。ブラウスのボタンは三つ程外されており、胸元に光るネックレスが、そしてそれ以上に雪ノ下よりかなり大きめの胸が存在感を放っている。短めのスカートに化粧に巨乳と、まさに今時の女子高生、少し悪い言い方をすれば『ゆるふわビッチ』とでも言ったところか。ここまで胸に目が行くのはきっとディケイドのせいだ。だから雪ノ下、お前の胸の残念さを気に病む必要は無い。

 

「比企谷くん、何か言ったかしら」

 

「いや、別に。勘違いじゃないか?」

 

こいつ…エスパーなのか?タイミングがドンピシャ過ぎて怖いんだが。

 

「って、なんでヒッキーがいるの!?」

 

今更ながらオレに気付いたらしく、ゆるふわビッチはこっちを見て驚いた顔をした。

ヒッキー…まさかオレのことか…!?

 

「そんなもんオレが聞きたい。望んでこの部活に入ったわけでは無いからな」

 

「へ~…ヒッキーもここの部員だったんだ…」

 

だからヒッキーは止めろ。

 

「それで、ここに来たという事は何か依頼かしら。由比ヶ浜結衣さん」

 

「え、あ、名前覚えててくれたんだ…。えっと…雪ノ下さんだよね?」

 

「雪ノ下、お前こいつのこと知っているのか?」

 

「え、ヒッキー…あたしのこと覚えて無いの…?」

 

え、オレの知り合いなのか?思い出せん…ウヴァ時代にも、ヒッキー時代にもこんなやついなかったと思うが。誰がヒッキーだ。

 

「比企谷くん…あなた、F組所属って昨日言ってたわよね。自分のクラスメイトの顔も覚えていないの?」

 

知り合いどころか、どうやらヒッキーはかなり長時間彼女と同じ空間にいたらしい。おかしいな。

 

「最低!ヒッキーのバカ!信じらんない!」

 

「悪かったからヒッキーは止めろ。そんなことより何か用があったんじゃないのか?」

 

「…あなた、清々しいまでに悪びれて無いわね」

 

雪ノ下がドン引きしながらこっちを見ているが、知った事では無い。誰にだって間違いはあるのだ。ちょっと顔と名前を覚えていなかったとか、弱ってるところを襲ってコアメダルを奪おうとしたとか、そんな事をいちいち気にしていても仕方が無いと思う。

 

「あっ、そうだった。えっと…平塚先生に聞いたんだけど、ここって生徒のお願いを叶えてくれるんだよね?」

 

「それは少し違うわ。私たちはあくまで手伝うだけ。それが叶うかどうかは由比ヶ浜さん、あなた次第よ」

 

「ふ~ん、そうなんだー」

 

この女…本当に分かっているのか?

 

「それで由比ヶ浜さん、依頼というのは?」

 

「あ、えっとね、クッキーを作りたいというか…なんていうか…」

 

由比ヶ浜は自らの依頼について雪ノ下に説明するが、いまいち要領を得ない話し方をしている。おまけにこちらをチラチラと見ては言葉を濁しているようだ。

もしかしてオレが邪魔なのか?気を使ってしばらく席を外してやろうか。むしろこの部から籍を外してやろうか。

などと考えていると、雪ノ下も同じように思ったらしい。オレに少し席を外すように言ってきた。

 

「分かった。じゃあな」

 

「待ちなさい。何故荷物を持って出て行こうとしているのかしら」

 

「…冗談だ」

 

(半分はな。半分はガチで帰りたかったが)

 

などと心の中で毒づきつつ、オレは教室を出て行こうとする。

 

「比企谷くん、『ユグドラ汁100イチゴジンバーメロンオーレ』」

 

雪ノ下さん、それは買って来いという事でしょうか。グリードにもそこまで人使い荒い方はいませんでしたよ。

あと、そこまで美味しそうに感じ無い商品名も珍しいですね。

 

「あ、ヒッキー…あたしは『戦極レモンティー』」

 

お前もかい。

 

 

 

 

 

「それで…どうしてこうなったんだ?」

 

適当に時間を潰し、仕方なく頼まれた品を買って部室に戻ると、雪ノ下は家庭科室へ向かうと宣言し、家庭科室に着くなりクッキーを作りだした。

そして今、テーブルの上には雪ノ下が焼いたクッキーが並べられている。

 

「由比ヶ浜さんの依頼は、お世話になった人へのプレゼント用のクッキーを作る手伝いをして欲しいというものよ。彼女は料理に自信が無いというから、まずはお手本として作ってみたの」

 

「ほぅ、成程。しかし…」

 

「うわぁ…スゴイ…」

 

正直雪ノ下には何をやらせても出来そうな雰囲気はあったが、まさかここまで完璧な品を出してくるとは……。

見た目は綺麗な狐色、食感はサクサク、味も今まで食べてきたクッキーの中で一番美味いかもしれない。まるで非の打ち所がないクッキーだ。

 

「では由比ヶ浜さん、今度は私が作り方を説明するから、その通りにあなたが作ってみて」

 

「う、うん!頑張る!」

 

…「頑張る」か。さっきから見ていて思ったが、こいつはビッチくさい見た目に反して、中身はかなり素直で真面目らしい。しかし、何故だかこいつのやる気と反比例するかのように、どこかで失敗するビジョンしか見えてこない。

若干の不安を感じながら、オレは由比ヶ浜たちの作業をぼんやりと眺める。

 

「由比ヶ浜さん、卵の殻が入ってしまっているわ」

 

「え?あっ!」

 

若干の不安を感じながら、オレは由比ヶ浜たちの作業を眺める。

 

「由比ヶ浜さん、材料はきちんと計量カップで計ってから入れて…」

 

「へ?計量?」

 

不安を感じながら、オレは由比ヶ浜たちの作業を眺める。

 

「…砂糖と塩を間違えるならともかく、何故砂糖とコショウを間違えたのかしら。思いっ切り『ブラックペッパー』って書いてあるじゃない」

 

「あれ?う~ん…何で間違えちゃったんだろ?」

 

もはや不安しか感じていない状態で、オレは由比ヶ浜たちの作業を凝視する。

 

「由比ヶ浜さん、オーブンの出力を全開にしてはダメ…はぁ」

 

「へ?でも熱い方が早く出来上がるんじゃないの?」

 

ついに雪ノ下が溜息をつきやがった…。どこかで失敗どころか、まさかほぼ全部失敗するとは。もう不安というか恐怖すら感じる。

 

「と、取り敢えず完成!ヒッキー、味見してみて!」

 

そう言って由比ヶ浜はオーブンから焼き上がった…何だこれ…炭?を取り出した。

 

「お前これ…備長炭か?」

 

「し、失礼なこと言うなし!見た目は悪いけど、味は良いかもしれないじゃん!」

 

「そんなわけあるか!あの作り方で美味かったら誰でもパティシエになれるわ!」

 

「いいいからほら、あーんして!」

 

「よ、よせ!オレは…オレは嫌だ!」

 

身の危険を感じたオレは咄嗟に逃げ出そうとするが、雪ノ下に阻まれる。

 

「比企谷くん、いくらなんでもそれは失礼よ。もっと彼女の気持ちを考えて、少しでも食べてあげるべきでしょう」

 

「ゆ、雪ノ下さん…」

 

凛と言い放つ雪ノ下のその言葉に、由比ヶ浜はひどく感動したらしい。目をウルウルさせながら雪ノ下を見ている。

だがオレは騙されん。雪ノ下は別に自分も食べるとは言っていない。この女…オレに押し付けるつもりか!

 

「は、放せ!」

 

「由比ヶ浜さん、さあ」

 

「う、うん!ヒッキー、あーん」

 

「止めてくれぇ!誰か助けてくれ!お、うぉ…(ウヴァの怯える声)」

 

そしてオレの抵抗も虚しく、オレの口に備長炭…もとい、クッキーが投げ込まれた。




おまけ

ユウスケ「第一回、平成ライダーの好きな俺ガイルヒロインランキング~!」
一同「「「イエ~イ!!」」」
士「このランキングは、平成ライダーシリーズの主役及び2号ライダー以降のサブライダーから無作為に選びだした数人に、俺ガイルの登場人物で好きなヒロインを選んでもらった。さて、まずは…」

同率最下位・1票
材木座…理由『瞳の奥に闇が見えたから』
戸部…理由『イライラするんだよ…』

ユウスケ「うわぁ…」
士「いきなり無効票だな。ヒロインを選べと言ったのに」
海東「しかもそれでいて比企谷くんは選ばず、選出理由も滅茶苦茶。流石は雑魚ライダーたちだね」
矢車「どうせ俺なんか…ハッ!笑えよ」
浅倉「はっはっは、ゆかいだぜ」
士「こいつらに関わると面倒だ。次行くぞ」

第10位・3票
比企谷小町
…理由『お婆ちゃんは言っていた。妹キャラは一番のヒロインだと…』

ユウスケ「お婆ちゃんの言葉ねつ造すんな」

…理由『例え姿かたちが違っても、真理は一番のヒロインなんだよ』

海東「中の人ネタはやめたまえ」

…理由『発展途上のJCボディ…クセになるんですよ』

士「おい蟹。お前腐っても警察だろうが」
ユウスケ「一人目のヒロインでこれとか…嫌な予感しかしない…」

続く



おまけは完全に作者の妄想ですので、ご自身の意見と違っていても特に気にしないで下さい。ちなみに作者はゆきのんといろはすが好きです。
ご意見、ご感想などお待ちしています
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