やはりウヴァは青春ラブコメでもウヴァさんである。 作:亜独流斧
A.私の趣味だ。いいだろう?
Q.そこまでには重要なエピソードが沢山ありますが、それらを省いてまで出す必要があったのでしょうか?
A.いいえ。趣味を優先した私の責任だ。だが私は謝らない
これまでのこの作品は
800年の眠りから目覚めるも、時を同じくして現代に復活した超人『仮面ライダーオーズ』により倒されたグリードたち。その中の一人であるウヴァは、色々あって『比企谷八幡』という人間として甦ることとなった。
完全に人間社会に適応しながらも、友人が出来ないぼっちとしての人生を送ってきたせいで心の荒んでいたウヴァだったが、ある日担任教師の平塚静に『奉仕部』なる部活へ入部させられた事で変化が現れ始める。
最初は奉仕部のメンバーや、そこに持ち込まれる依頼・新しい人間関係を疎ましく思っていたウヴァだったが、やがてこの状況を心地よく感じている自分に気付くのだった。
「うっす」
「やっはろー!」
「こんにちは」
あのクッキーの依頼からもう半年以上、例えるなら原作11冊~12冊分の時が流れた。言ってる意味が分からない?あまり深く考えるな。
この間に、入学式の日の事故の真相が明らかになったり、雪ノ下姉の登場、千葉村での奉仕部の合宿、文化祭、修学旅行、生徒会選挙、クリスマスイベント等々…様々な事があった。重要なイベントを恐ろしいまでにすっ飛ばしているが、ここも気にしてはならない。時の流れは早いのだ。それに程度に差はあれども、平成仮面ライダーは大体最終話あたりで後日談をやったりするものだ。だから気にしてはいけない。
途中オレたちの関係もギクシャクしてしまうこともあったが、なんとか乗り切る事が出来た。最初は無理やり入らされた部活で、絶対に辞めるつもりだったが、今は違う。オレはどんな汚い手を使う事になっても、この部を、この関係を続けていきたいと思う。かつてのコアメダルのように、あんなにポンポンと失うのはもう御免だ。生徒会選挙やクリスマスを乗り越え、『本物』と呼べる関係に近付いた今は尚更その思いが強くなった。
……と、ここまでは良かったのだが
「せんぱーい、遅いですよー。今日は生徒会室の掃除手伝ってくれるって言ってたじゃないですかー」
「言ってねえよ」
気付けば若干一名、なんかメンバーが増えていた。いや、実際のところこいつはメンバーでは無いんだが…。
こいつは『一色いろは』。生徒会選挙に関する事で知り合い、その後もオレが「様々な事」と省略した期間の中で何度か交流のあった女だ。総武高校の現生徒会長であり、サッカー部のマネージャーも兼ねている。そして男に対してあざとい。現実で「せんぱーい」なんて甘ったるい声で呼ぶのは、オレの知る限りこいつだけだ。ギャルゲーだと沢山いたけどな!
「えー!そんなー!私、先輩が来てくれるの待ってたんですよ!?それにこの前のお手伝いさんも作って下さい」
「知るか!手伝わないし、そもそも学校でそんな簡単にヤミーを作るわけないだろうが!」
以前、ちょっとした理由でこいつの前でヤミーを使ったのだが……結果から言って、こいつの前でヤミーを作ったのは失敗だった。
こいつはそのあざとさで男を手玉に取り、様々な場面でいいように使うような奴だ。同じクラスの戸部に至っては、もはやあざとさすら見せてもらえずに、年下のこいつに顎で使われている。やっべー、いろはすマジパないわー。
そんなしたたかさや図々しさ等を持ち合わせたこいつは、最初こそヤミーにビビっていたが、危害を加えるどころか自分の望みを叶えてくれる存在だと知るなり態度が一変。ヤミーを戸部と同じレベルで扱い始めた。……マジパないわー。
「あなた…あの怪物の事は他言無用とか言ってなかった?」
「むう…ヒッキーが秘密って言ってたから、ちゃんと誰にも言わなかったのに。そのヒッキーがバラしてたら意味無いじゃん」
オレが一色に対して拒否の態度を取っていると、雪ノ下と由比ヶ浜が少し怒った様子で話しかけてくる。
こいつらは何故怒っているのだ?……いや、確かに怒られても仕方ないかもしれん。こいつらの言う通り、自分で「誰にも言うな」と言ったのに、オレ自身がバラしてしまったのだから。
「いやその……なんだ、スマン。あの時は「えー!?せんぱーい、雪ノ下先輩と結衣先輩も知ってたんですかー?てっきり二人きりの秘密だと思ってたのにー」お前は少し口を閉じろ!」
この女……なんで普段は特に何もしてなくても「ごめんなさい無理です」って意味も無くオレを拒絶するのに、こういう時は全力で煽るような事言うんだ?これが…理由の無い悪意か。いや、こんなのがいくらでも転がってる世界とか嫌過ぎるんだが。
「というか、お前はマジで帰れ!」
「いいですけど、先輩も来てくれないとダメです」
「だから行かないと言ってるだろうが!」
「そんな事言わないで下さいよー。先輩が手伝ってくれると思って、他のメンバーには「今日は私と先輩に任せて帰っちゃっていいですよー」って言っちゃったんですから」
「馬鹿なのか貴様!?仮にオレが手伝うとしても、そこは生徒会の連中と分業だろ!?」
というかそれで帰っちゃうあたり、他のメンバーも大概だと思う。
「いいじゃないですかー。どうせ暇なんですよね?」
なおも食い下がる様子を見せる一色。てか聞き方が地味に失礼だな。少しは他の連中を見習…あ、雪ノ下・由比ヶ浜・平塚先生・小町・材木座等々…周りもみんな似たようなもんでした。
それにしても一色のこのしぶとさは何なんだ?以前、雪ノ下たちとの関係性が改善された時、こいつやクラスのリア充グループも含めたメンバーで東京ディスティニーランドへと遊びに行ったことがあった。その時こいつは葉山隼人というイケメンリア充に告白して振られてしまったのだが…それ以降のこいつは、葉山を諦める様子は見せていないものの、なんだかやたらと奉仕部やオレ個人と行動を共にしたがる事が多くなった。……そこまでは良いが、今日みたいに急に無茶振りするのはやめて欲しいのだが。オレは虫は虫でも、どこぞの天の道を往く完璧超人じゃ無いのだ。
「い、いろはちゃん!ヒッキー困ってるし!無理強いは良くないよ!」
おお、思わぬ援軍!さすが由比ヶ浜!普段はアホだが頼りになる!
「そうね…確かに比企谷くんの目は腐っているけれど、今回の様子を見る限り、比企谷くんが手伝うと勝手に思い込んで他のメンバーを帰してしまった一色さんの判断に問題があるわ」
いいぞ雪ノ下!でもなんで今オレ意味も無く罵倒されたんですか?
「ええ~そんなぁ……あ、じゃあ依頼ならどうですか?私個人からの、奉仕部への依頼」
「……そういう風に言われてしまっては仕方ないわね」
「まあ、ヒッキー一人に無理させないんだったら…」
なん…だと……!?ここへ来て、こいつらの真面目さが仇になるとは…。
「やった!じゃあみなさん、よろしくお願いしますねー!」
一色は雪ノ下たちの答えに満面の笑みを浮かべている。対するオレは、急な仕事にテンションダダ下がりだった。うっわぁ…めんどくさいなぁ…。
「………ホントは先輩と二人だけならもっと良かったんだけど…」
ん?一色が何か言ったような気がしたが…気のせいか?難聴かな。
理由は分からんが、この難聴は一部の人たちや材木座に嫌われるような気がする。
「それじゃ、始めようか!」
生徒会室に着き、それぞれの役割を分担したところで、由比ヶ浜が張り切った様子を見せる。…由比ヶ浜、正直お前のそれは不安要素しか無いのだが…クッキーの件とか、千葉村の肝試しとか。
そんな風に不安に思っていたが、今回はその気合いが空回りする事も無かったので安心した。むしろ意外と細かい所までよく気が付く。普段から周りに気を配ってる性格のおかげなのだろうか。
それに加えて雪ノ下の指揮能力が非常に高い。自分の仕事を完璧にこなしながらも、時々より効率を上げるようなアドバイスを飛ばし、作業が終わった奴への次の仕事の割り振り方も非常に効率が良い。ただ、効率を重視しすぎてオレだけ休み無しで仕事させられてるんだが……。
「なあ、雪ノ下。…オレはいつ休憩していいんだ?」
「そうね……もう初めてから結構立つし、少し休憩しましょうか」
いや、お前ら三人は交代で休憩してただろうが…。などとツッコミたい気持ちもあったが、それを言ってもどうしようもない、ていうかそのせいで休憩が無くなっても嫌だったので黙っておく。
「そうだ!ゆきのん、今日あたしクッキー作ってきたんだ!部室でお茶するときみんなで食べようと思って!」
「比企谷くん。部室からお茶請けを持ってきてくれるかしら」
「任せろ」
「反応はやっ!?二人とも信用してなすぎだし!」
いやいや、だって以前のアレを食ったんだぞ?不安を感じ無い方がおかしい。
しかしオレたちの反応に気を悪くしたのか、由比ヶ浜は頬を膨らませながら鞄から小さな包みを取り出した。
「あの後もちゃんと練習続けてたから!そこまで言うなら試しに食べてみてよ!」
そう言って由比ヶ浜はオレたち全員にクッキーを配る。
「あら…これは」
雪ノ下が少し驚いたような声を漏らしたが、無理も無い。そこに以前の備長炭の面影は無く、雪ノ下とまではいかないものの、手作りとしてはかなりレベルの高いクッキーに仕上がっていた。
「うわー!結衣先輩、これ美味しいです!」
以前の出来事を知らない一色は、何の警戒も無く既に口にしていたが、リアクションを見る限り味も大丈夫らしい。つられるようにオレと雪ノ下もクッキーを口入れる。
……美味い!ガメル的な意味じゃなくて、ガチで美味い!
「驚いた…由比ヶ浜さん、すごく上達したのね」
「ああ、確かに美味い」
「えへへ…ゆきのんとヒッキーのおかげだよ」
しかし、なら以前何度か見せたメシマズはなんだったのだろうか?……あ、クッキー「だけは」上達したってことか?まあ、流石にそんな事言うほど性悪では無いが。
「それにしても、結構いらないものありましたよねー。一応年末にも大掃除したんですけど」
「いや、お前らが使ってる部屋だろ…。普段からもっと綺麗にしておけ」
確かに掃除していると、何に使うのか分からないようなものが沢山出てきた。古い資料、何かのイベントで使ったらしき飾りつけ、それなりの量の段ボール、なんか洒落たデザインのUSBメモリー、謎のスイッチ、なんかデカい指輪、果物がデザインされた錠前(前に例の森のニュースで見たことあるやつだった)、空飛ぶミニカー…いや、本当にここ何の部屋だったんだよ。ちなみにミニカーは気づいたらどこかへ消えていた。
「えー、先輩その反応は無いですよー。そのおかげでこんな美少女三人と一緒に作業出来てるんですから、むしろ感謝してもらわないとー」
「どういう頭の構造してんだお前…。大体、雪ノ下も由比ヶ浜もどのみち一緒の部活だし、お前もなんだかんだ理由付けて来るだろ」
「えっ…。なんですかそれ「お前の事いつまでも待ってるから」的なアピールですかごめんなさいちょっとキュンときましたけど冷静に考えてやっぱり無理です」
「……なあ雪ノ下、こいつ一回しばいていいか?」
「…落ち着きなさい」
一度も告白してないのに、オレは少なくとも数十回はこいつに振られてる。一体どういう事なのか。
「ていうか先輩、真面目な話どういう女性がタイプなんですか?」
「小町か戸塚」
「…即答ね。ブレなすぎて逆に立派に見えるわ」
「…相変わらず過ぎるし…。てかやっぱキモイ」
「先輩…そういうのいいですから」
え…確かに引かれるかもしれないという自覚はあったが、ここまでドン引きされるとは…。雪ノ下も由比ヶ浜も頭を抱えてるし、一色に至ってはゴミを見るような目をしている。最初の頃の雪ノ下を思い出す目だ…。
「そうだ!せっかくここに美少女が三人もいるんですから、この中では誰が一番好みですか?」
「何だそれ…別にそんな事どうだっていいだろ。さて、そろそろ再開するか」
そう言ってオレは椅子から立ち上がろうとする。が、
「まっ、待って!あたしもちょっと興味…ある…かも」
と言いながら、由比ヶ浜はオレを椅子へと押し戻した。
「ゆきのんだって興味あるよね!?」
「わ、私は別に…比企谷くんがどんな人が好みでも…私には関係無いわ」
「ほら見ろ、雪ノ下だって興味は「じゃあせめて、先輩の好みは大きいのと小さいのどっちですか?」だから一色、なんでお前は地雷を踏みに行くんだ!?」
「大きい…?それに…小さい……。!!」
ほら見ろ!雪ノ下の目が笑えない感じになってしまった!
「比企谷くん、あなたのタイプはどうでもいいし、そんな事になんの価値も無いけれど、一色さんの質問に答えなさい。これは部長命令よ」
まさかの部長命令出してきやがった!雪ノ下がガチすぎて正直怖い!!由比ヶ浜や、けしかけた一色ですら軽く引いてるし。
「お、落ち着け雪ノ下?早く掃除しないと終わらなく…」
「ならさっさと答えなさい。大きい脂肪の塊と、小さく慎ましい物のどちらが好きなのかしら」
もう完全に質問が変わってやがる!あと、いくらなんでも言葉のチョイスが悪意ありすぎるだろ。
雪ノ下のあまりの剣幕に、オレは思わず後ずさる。視線で二人に助けを求めるが、由比ヶ浜は申し訳無さそうに苦笑いを返してくるだけ。一色に至っては完全に違う方向を向いて、例の錠前をいじって遊んでいた。お前らァ!
「答えて。私のような…そ、その、慎ましいと呼べる部類の物と、由比ヶ浜さんのような…その…お、大きい『パイン!』『パイン!』の『スイカ!』……」
「あ、すいません。これ音鳴るんですね」
一色イィィィ!
後編へ続く
ユウスケ「なあ、今更なんだけどこれって票数あってるのか?ここまでの全部合計したら、絶対平成ライダーの人数上回る気がするんだけど…」
士「気にするな。どうせ作者の適当なイメージで始めた適当な企画なんだからな。多すぎる分は黒影トルーパーとかメイジとかだと思っておけ」
ユウスケ「いいかげんだなぁ…」
同率1位・25票
海東「これはもう、あの二人しかいないでしょ」
士「だな」
雪ノ下雪乃・由比ヶ浜結衣
ユウスケ「やっぱりな。じゃあまず、雪ノ下さんの方から」
…理由『才色兼備で頑張り屋、普段はSッ気がある優等生でありながらも、貧乳を気にしてたり、猫好きだったりとギャップ萌えも満載ときた。これは決まりだ!』
海東「ジョーカーが彼女の事が大好きなのがよく伝わってきたよ」
士「どハマりしてるな」
…理由『ピンチはチャンス。罵られてる時ほどオレもテンションが上がるぜ!』
士「それはピンチともチャンスとも言わない。ただのMだ」
…理由『それが貧乳!僕の求めていたステータス!』
一同「「「ミツザネェ!」」」
ユウスケ「……気を取り直して、由比ヶ浜さんの方を」
…理由『アホっぽいところが可愛い。賢いのもアギトもオレ一人でいい…』
ユウスケ「余計な一言で台無しだよ!」
…理由『巨乳キターーーー!』
士「ここまでストレートだと、逆に気持ちいいな」
…理由『頭は悪いな。絶望的だ。だが可愛い』
海東「え!?兄さん!?」
ご意見、ご感想などお待ちしてます