Fate/Zero 【crimson alchemist】   作:焼酎ご飯

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型月のまじゅちゅは難しいですね。
つまり何が言いたいのかというと…穴だらけなのでご容赦を…


今回は説明回みたいになっているので、色々とキンブリーさんの頭の中がうるさくなっております。






経過

 

 

ーーーーーーッ!!ーーーーーーーッ!!!!!!!!!

「ガグァァァァァァアァァアァァァァ!!!!!?????」

 

 

閉鎖された地下空間の中央から閃光と爆音、そして絶叫がこだまする。

私の胸先三寸に展開された結界の中では紅い炎が揺らめいている。

その炎に包まれ、耳障りな悲鳴を上げる巨大な化け物はその悲鳴を徐々に枯らし、間も無く絶命した。

 

 

 

ーーーーーッパン!!

 

 

 

両手のひらを叩き合わせ、そっと地面に触れ錬金術を発動させる。

紫雷が走り、地下空間の四方に突き出た要石が爆発し、眼前の結界が解かれる。

結界が取り払われた空間からは微かな熱風が吐き出され、皮膚や筋肉などのタンパク質が焼けただれる悪臭が鼻腔にへばり付く。

 

地面には大小様々なクレーターが形成されており、結界の中心とも言うべき場所には、元は生き物であったろう黒い炭素へと変質した物体が横たわっていた。

 

その幾度となく焼き付けられた軍畑の光景に、体の芯から震え…

不快でありながらも心地よく、血が沸き立つ様な感覚が蘇る…そんな懐かしい臭いに感動する…

 

 

 

「ん~~~~~っ………やはり素晴らしい…」

 

 

 

「鮮やかな手際だ」

 

 

 

感動に打ちひしがれていると、背後から拍手とともに既に聴き慣れてしまった声が聞こえる。

この感覚に水を差された事に軽く眉をひそめるも、平静を取り戻し振り返る。

 

 

「それはどうも。あなたのご教授による賜物ですよ」

「当然!私の元で学んだのだ…と、言いたいところではあるが、この短期間でここまで魔術を練り上げたのだ。これは君の能力…ひいては情報集積能力によるところが大きいだろう」

 

 

拍手を止め青いローブを揺らし現れたのは、時計塔ロードの一人であり私に魔術の基礎知識を与えた本人であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトだ。

この地下空間も彼が管轄する工房の一つであり、すぐ近くに転がる消し炭になってしまった”コレ”の処理を私に依頼したのも彼である。

 

 

「…あなたが他者を褒めるとは珍しい。光栄には思いますが寒気がしますね」

「それは私が認めるに値する魔術師がそれだけ少ないということだよ。君が時計塔に所属してからの三年というもの、これといって目に付く者もいない…それどころか質は下がる一方だ…まったくもって嘆かわしい限りだよ」

 

 

 

 

私がこの世界で目覚めて三年という月日が経過していた。

 

最初こそ戸惑うことはあったが、人間の適応能力というのは中々に侮れず、数週間も経てば違和感は払拭された。

ケイネスが所有する時計塔内の工房の一つを借り受け、生徒として彼の元で魔術について学び、魔術回路の治療に務めた。

幸いにも回路の損傷自体は少なく数本の機能が失われただけで済み、肉体に影響が出ることは無かった。

私の魔術師としての素養は上の中といったところらしく、代を重ねた魔術家系にしては少しばかり見劣りする回路本数とのことらしい。

 

 

そして魔術についての理解を深めるにつれ、私が生まれたであろう家系の奇妙さが浮き上がってくる。

錬金術師の家系でありながら物質変換にのみ精度を集中させた特化型の魔術家系であり、それなりに代を重ねてきたにも関わらず、魔術刻印には物質変換の術しか刻まれていない。

その刻印は精度と効率を求めるために肥大化し、唯一の術の発動のためだけに私の両腕にはびっしりと刻印が刻まれている。

そして時期に見合わない刻印の移植による暴走……私の父とされる男は、術の完成を急いだがため移植時期がずれ込み、自身の命を落とすこととなった。

 

 

だがそんなことには毛程の興味はなく、むしろ私にあのような苦痛を与えた者として清々しささえ覚える。

早期に治療が終了した私は魔術習得の傍ら、世界の歴史・理についての理解を深め、それに慣れ染まり始めた頃には、一端の魔術師として時計塔ロードの助手として仕事をこなす程度には成長を遂げていた。

息をつく間もない怒涛の三年間だったわけだが、これも錬金術師の性だろうか?

未知への探求に全てを費やしたこの時間は決して苦痛ではなく、むしろ満ち足りたものであった。

 

 

 

「まぁ教鞭を取る側としては遺憾なのでしょうね……それはさて置き、少し疑問が有るんですがいいですか?」

「む?一体何だね?」

「今回のあなたからの頼まれごとについてですが、ただのキメラの処分と聞いていた割には随分とえげつない生物が出てきました。…一生徒に任せる範疇を遥かに超えていると思うのですが…」

 

 

 

先程私が黒焦げにした怪物の元まで歩き、その炭化した肉体に触れ、おそらく胸部だったであろう部分を錬金術によって分解する。

そして徐々に露出し始めたある物体を引き抜く。

炭化した臓器のようなそれは未だに生きているかのように脈打っており、ほのかに発光している。

その物体をケイネスへと投げ渡すと、手に付着した灰を分解し払いのける。

 

 

「一体誰がこのようなゲテモノを?」

「動物科の生徒が共同研究で作成したモノらしい。置いておく程の物でもないと聞いてね…君の卒業試験替わりにはちょうど良いと思って貰い受けた次第だ」

「その心臓に埋め込まれた高出力”魔力炉”を核に、全身を呪術強化された筋肉達磨のキメラを倒すことが卒業試験ですか…よくもまぁ死人が出ないものです。そもそも私はまだ三年と少し程度しか在学していないのですが…私に工房兼住居から出て宿無しになれと?」

 

 

 

本来、基礎魔術の習得には五年程度要するとされており、その後個人に合った専攻魔術の習得となる。

よほどの問題を起こさない限りは、間違っても三年で追い出されるようなことはないだろう。

 

 

「いや何、君に出て行けと言っているわけではない。だが君は生徒としてこれ以上学ぶことはないのではないかな?基礎魔術の習得はもとより、君は専攻となるであろう特化魔術は既に刻印として形になっている。それに今でこそ君は時計塔の工房に居を構えているが、私の援助がなくとも家の復興ぐらい、しようと思えば容易くできるだろう?」

 

 

…確かにその通りだ。

彼の言うとおり、私の術は既に完成されている。

以前の世界では術を行使する際には地殻エネルギーを利用していたが、この世界ではそれに代わり体に内包するオドや、霊脈等といった自然界に満ちるマナを魔力…元の世界で言うエネルギーに変換して利用している。

故に私は自然界に満ちるマナ、特に霊脈への認識・運用能力が高く、以前の世界通り…もしくはそれ以上の術を行使することができている。

 

それどころか私に移植された魔術刻印には様々な錬成式が内包されており、精度や規模を求めない錬成であれば陣なしに発動することさえ可能である。

完璧…とまでは行かないまでも、魔術という枠組みの中であれば確かに完成されている。

 

 

基礎魔術に関しては、マナの運用能力と錬金術師としての解析能力もあり、然したる壁に突き当たることもなく、習得することができた。

しかし信仰魔術や神話再現のようにシステム化が難しい部分が存在する魔術には時間を要し、未だに性に合わない魔術も多々存在する。

 

改めて考えてみると、卒業が言い渡されても何ら不思議がない程度には魔術師として染まっていることを再認識できる。

 

 

「しばらくは在学しているつもりでしたので、復興のことはまったく頭にありませんでしたが……まぁ出ていく必要がないのであればおいおい考えさせていただきます。そもそも時計塔を出る必要がないのであれば、何故卒業試験などというものを?」

「君の能力を認めて、というのが一番の理由なのだが…打算的な部分で言うのであれば、君の錬金術については解析が済んでしまってね」

 

 

彼はそう告げると、懐から試験管を取り出す。

短い詠唱を唱えると、試験管に入った水銀を地面に垂らし、彼の礼装である"月霊髄液"を展開する。

 

 

「sinus」

 

 

彼が手振りを加えて詠唱すると、月霊髄液は床一面に巨大な円を描き、巨大な錬成陣を完成させる。

 

 

「その成果を披露しよう」

 

 

彼が月霊髄液に触れると、床全体に紫雷が走る。

私が粉砕した床は、周囲のがれきを巻き込みながら徐々にその凹凸を失くし、規則的なタイルの床を形成していく。

彼は完全に復元された床の上を歩き、消し炭となったキメラの上に魔力炉を放り投げると、魔力炉もろとも錬金術によって分解、消滅させる。

錬成反応の出現…分解・再構築共に完璧にこなされている。

 

 

「と、まぁこんな具合だ。君のように迅速にはできないが、それなりの出来とは思っている。君からの評価も聞いてみたいものだ」

「私でなければショックで魔導を諦める程に良く出来ていると思います。速度や正確さを言うのであれば”属性”の相性ではないでしょうか?それを考慮すれば非の打ち所がありませんね」

 

 

彼の魔術属性は”風”と”水”という二つの属性を有しており、月霊髄液の運用には流体操作に優れたこの属性が強く結びついている。

私の魔術属性も彼同様に二重属性であり、”火”と”地”の属性を有している。

この属性によって、私は得意とする爆発性物質への錬成や単純な物質変換を容易に行っているので、彼より術の効率が良いのは当然である。

…私の家系の特性を知った時点でわかっていたことではあるが、魔術属性やマナに対する適応は最早何らかの因果が働いているとしか考えられない。

 

 

「オリジナルである君が言うのだ、術の解析は完了したと言えよう。これで私は君からの授業料を受け取った事になったわけだが、払い終えたのなら卒業…なんて詐欺紛いな事をするために生徒を辞めさせるわけではない。近々私は時計塔を離れる用事があってね、その間君に代理講師を依頼しようかと考えていたのだよ」

「私が講師?ご冗談を」

「決して冗談などではない。私の見立てでは、君の能力であれば何ら問題なくこなせるだろう。だがまぁ無理にとは言わんよ」

 

 

まさか彼がそんな重要なことを私に依頼するとは…

しかも私が他人相手に何かを説く?

己の美学や趣向については、気に入った相手に語った記憶もある。

だが自分が学問について教鞭を取るなど考えもしなかった…第一似合わないだろう。

…そしてそんな面白くもなんともないことはしたくない。

 

 

「そう評価してくださるのはありがたいのですが、あいにく私にこなせるとは到底思えません。すみませんがお断りさせていただきます」

「そうか、残念だが致し方あるまい。別段代わりがいないというわけでもないのだ。そう深く捉えなくても構わん」

「それは良かった。…しかし、代理を探すほど時計塔を空ける用事ですか…どういった内容かお伺いしても?」

「ふむ……話しておいても問題…ないか。君は"聖杯戦争"という儀式を知っているかね?」

「確か”聖杯”を降臨させようとかいう大魔術の儀式でしたっけ?その程度のことしか記憶していませんが…その儀式に参加するのが理由ですか?」

 

 

何かの文献で聞き齧った程度の内容であるが、確か極東の地で行われる召喚儀式の一つだとか…

 

…改めて考えてみると、何故私は”戦争”などという興味をそそる単語を聞き流していたのだろうか?

充実していたとは言え、あまりに忙しすぎるというのも考えものだ。

 

 

「うむ、何れ程かかるかは分からないが、しばらくここを離れることは確実だろう。そして君の記憶の都合上詳しく知らなくても当然だろう。降霊科の講義においても詳しく話されることではない。冬木という土地の特殊な霊地を用いた大規模な召喚儀式なのだが…聖杯の召喚というよりは、その召喚方法が中々に面白いものでね…」

「召喚方法…まぁ戦争というからには、何らかの暴力的手段が伴うのでしょうか?」

「その通りだ。召喚には複数人の人間が必要なのだが、召喚された聖杯を手にする者は一人。故に獲得者は儀式を兼ねた殺し合いをもって選出するという訳だ。興味を持ってくれたようだし、ちょうど君に頼まれていた”材料”の手配もできた…どうかね?場所を移して話さないかな?」

 

「ーーー!!…それは是非とも」

 

 

思いがけない朗報に、無意識に口角が釣り上がる。

あれが手に入るのだ…研究漬けの生活をやめにして、そろそろ外に楽しみを求めるのも面白いかも知れない。

彼の話次第によっては、その戦争というものに一枚噛んでみたいものだが…仕事でない戦争というのはどう感じるものなのだろうか?

かつて軍人だった私は今や魔術師…だがあの快感を忘れられるわけもなく、乾きを抱え続けてきた。

 

 

私の家系や能力…そしてこのタイミングで舞い込んだ戦争という単語と、ある”材料”…

最早因果としか言えないこの巡りあわせに、私の全てを満たしたあの戦場を思い出さずにはいられなかった。

 

 

 

 

「もう一度”あの力”を…」

「む?何か言ったかね?」

「いえ…何も。ともあれ、感謝しますよアーチボルト卿…クッフッフ…」

 

 

 

 






今日自販機に100円飲まれました。
その程度で丸一日ブルーになるほどのメンタルです。

コメントや指摘、その他もろもろ"いつでも"お待ちしておりますが、お手柔らかにお願いします。


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