ラブライブ!変態お兄ちゃんはμ'sのプロデューサー!?(凍結) 作:流麗なアリス
「今日はありがとね優くん。買い物に付き合ってくれて」
「気にすんなよ。でも、これ全部衣装の材料なのか?」
「うん!なんせ9人分だからね」
俺は、ことりの要望でことり御用達のお店に行っていた。布やら雑貨やらが色々置いてあるところでことりによると可愛くて品揃えもいい、だそうだ。
「いつもありがとなことり。助かってるよ」
「いいのいいの。好きでやってるんだから!」
μ'sは全員がいてμ's、それは確かなんだけどその中でも支柱が何人かいる。
穂乃果、絵里、海未、ことりだ。穂乃果はリーダーとして皆を元気づける。絵里は皆のお姉さんで実質的仕切り役。海未はμ's全体をよく見ていて正にμ'sの核だ。
そしてことり。ことりは、それこそ衣装作りに貢献してくれている。だがそれだけじゃない。ことりは影の功労者だ。休憩に入るとすぐに皆の分のタオルや飲み物を渡す。それに衣装を作るのも、実際には見たことがない。きっと家でやっているんだろうけど、この短時間で完成するには寝る間も惜しんでいるのだろう。
そう考えると、途端に申し訳なくなる。
「………よし!ことり、俺がなんか奢ってやるよ。何がいい?」
「え?急にどうしたの?そんないいのに」
「いいからいいから。……それに、まだ話したいこともあるしな」
「うーん……わかった。じゃあお言葉に甘えるね。ならオススメのお店があるの!行こ!」
「おぉ……なんか落ち着くような店だな」
「でしょ?私もよく行くんだ。何頼む?」
そこはことりが行きそうなオシャレな店だったがどことなく落ち着いてしまう空間を出していた。
「じゃあ俺はこの濃厚チョコココアケーキ?と、ホットレモンティーでいいや」
「わかった。すいませ〜ん!」
ことりは慣れた様子で店員さんを呼ぶ。店員が来てことりが俺のを言うとことり自身はいつもの、で通ってしまう。結構な常連さんのようだ。
「ここ、結構来るのか?」
「うん。バイト終わったり、一息つきたい時とかにね」
「ふーん。……なあことり、話したいことがあるんだ」
「……もしかして、皆が言ってた?」
「い、いやそれかはわからないけど…ことりは、穂乃果を許せるか?」
俺がその問いを投げかけると、ことりは小さく笑った。
「ふふ、優くん。そんなこと、あるわけないよ。私が許さないのはあの子。穂乃果ちゃんは、被害者だよ」
「でも、結果的に被害を招いたのは穂乃果だ。それに姿形はまぎれもない穂乃果だった」
こんな言い方はしたくなかった。自分が穂乃果を責めてるみたいで、少し心苦しかった。
ことりは、そんな俺の心を見透かしたかのように微笑んだ。
「……優くん。自分が苦しいなら無理しなくていいんだよ。皆に確かめてたのはこれだったんだね。被害を招いたのは穂乃果ちゃん、私は仕方なかったと思うな」
「なんで、そう思うんだ?」
「ねえ優くん。七夕の話って知ってる?」
ことりは突然、そんなことを言い出した。そこで店員がケーキとレモンティーを持ってきたので一旦中断した。今までの話と七夕の話がどう結びつくのか、俺にはさっぱりだった。
「七夕って、織姫と彦星のだろ?」
「うん。あれってさ、愛し合いすぎた二人が仕事までほったらかしにしたのをお父さんが怒って天の川で道を隔ててしまった、っていう話だよね?穂乃果ちゃんは優くんが他の子にばっかり構ってると思って嫉妬してそこに付け込まれた。七夕の二人みたいにこそ愛し合ってはなかったけど、穂乃果ちゃんの優くんに対する愛は大きかったんだよ。その証拠に、優くんの話をする穂乃果ちゃん凄い可愛い笑顔なんだもん。その愛の大きさ故に嫉妬した時に心に穴が開いた結果、あの子に入られた」
「愛……か。俺って、そこまで穂乃果に構ってやってなかったのか?」
「それは私にはわかりません。でも、私は優くんに普通に愛してもらってたと思うよ?人ってそれぞれ感じ方が違うでしょ?穂乃果ちゃんの愛が大きいからその分優くんの愛も多く欲しかったんだよ。そう思ってるから、私は恨んでないし憎んでもない。優くん、たまに皆のこと、気にかけてあげてね?もうこんなこと、嫌だから……」
「……ん、わかった。それにしても、ことりって結構考えてるもんだな」
「……それ、バカにしてます?」
「冗談だ。さ、食べようぜ」
「あ……優くん!」
突然ことりに呼び止められ、顔を上げる。
そこには、チーズケーキの乗ったフォークを持って恥ずかしそうにしてることりがいた。
「………いただきまーす」
「ちょ!?む、無視しないでよ!」
「人にフォーク向けてる奴にどう反応しろと」
「フォーク向けてるんじゃないよ〜!ほ、ほら…口開けて」
どうやらことりは、カップル話題のアーンをやりたいらしい。まあ、人は少ないがここは店だ。少し気恥ずかしい面もある。
だが、興味がないわけではない。
「ったく………あ、あーん」
「ど、どう?」
「……うん。美味しいと思うぞ。じゃあ、ほら」
「えっ?」
俺は今度は俺のチョコケーキをフォークに乗せて差し出した。
「こ、ことりも?」
「当たり前だろ。俺だってやられたんだから」
「う……うぅ………あ、あーん…」
「どうだ?美味しいか?」
「う、うん……美味しい」
「っ!」
「ん?どうしたの?」
「い、いや……なんでもない!」
不覚にもドキッとしてしまった。顔を真っ赤にして恥ずかしがりながらはにかむことりはいつもとは違う新鮮な可愛さがあった。
それからは衣装のことや他愛もない話をして盛り上がり、気づいたら夕方になっていた。
「ん、もうこんな時間なんだな。そんなに話夢中だったか」
「そうだね。じゃあお会計しよっか!」
「おう。……あ、ことり、ちょっといいか?」
「ん?どうしたの?」
「どうやら席にパーカーを忘れたみたいなんだ。ちょっと取ってきてくれるか?」
「あ、うん。わかった」
ことりが見えない位置まで行ったのを確認するとすぐさまレジの店員に向き合う。その店員は微笑みながら「お客様もやりますね」なんて囁いてきた。俺は「まあ、世話になってるんで」と笑顔で返して金額を払った。
「優くん!あったよ〜」
「お、サンキューな。じゃあ行こうぜ」
「え?まだお会計が………」
「それならそちらの男性が払っていましたので」
「え……?優くんが?」
「ああ。ありがとうの意味を込めて俺の奢りだ」
「………えへへ、ありがとっ!」
「ふぅ……もう夜だな。そろそろ帰るか」
「うん!あ、優くんちょっといい?」
「ん?なんだ?」
「キス、していい?お礼に」
ことりは、俺が返事する前に抱きついてキスをしてきた。ことりにしては優しいようなでもことりにぴったりの甘いキスだった。
「ことり……俺、お前が好きだ」
「うん。ことりも……」
そのまま、数十分そこでキスを続けていたのは言うまでもない。
ことりってほんと縁の下の力持ちですよね。そういうとこもポイント高いんだろうな〜。そういえばスクフェスではことりイベですね。僕としては三枚、できれば二枚取ろうと思っています。やはりことりは可愛いので。では次回はやっとこの回最終回、穂乃果編です。