7月8日(水)
夜
~駅前広場はずれ~
タカヤから教えられた“闘技場”の存在。
明らかに違法だろうけど、興味がないと言えば嘘になる。
スキルカードは欲しい。次の仕入れも頼みたい。
それに、今のタルタロスは16Fより上へ行けない。
そのため力を付けるための練習相手が限られている。
だが、違法だ。
そこで一日迷った結果、とりあえず調べることにした。
強化用のルーンと水晶でアクセサリーを作り、万一の用意も整えて。
「おい、誰だあの茶髪」
「ここらじゃみかけねー顔だな。バンピーか?」
「ねぇ、あの人カッコ良くない?」
「外国人かな?」
「ハーフとかじゃない?」
「ちっ! ムカつくぜ……」
駅前広場にたむろする不良の視線を感じる……
複数の男性モデルを参考に、鏡を見ながらドッペルゲンガーでモンタージュの作成。
その後、不自然じゃないように変形とアドバイスをフル活用して微調整。
バランスを整えて、誰にも迷惑のかからない架空の顔を作り上げたが……
せっかくだからと、イケメンにしすぎたかもしれない。
……さっさと入ろう。
俺は約二十年ぶりのバーに足を踏み入れた。
~ショットバー Que sera sera~
店内にはガラの悪そうな若者が多いが、落ち着いたBGMが流れている。
「いらっしゃいませ、カウンターへどうぞ」
「ありがとう。……“ヴァージンモヒート”を一つ」
「……かしこまりました」
少し高めの声で注文。地味なメガネをかけたバーテンダーがカクテルを作る間も、こちらをチラチラと見る視線を感じる。
「お待たせしました。“ヴァージンモヒート”でございます」
「ありがとう。ところで“この曲は血が騒ぐ”ね」
「そうですか……お客様、どなたかのご紹介ですか?」
「ああ、知り合いからね。上半身裸の男と言えば分かるかな?」
「げっ。あいつらの仲間かよ……失礼しました。結構です。……お名前は?」
「名前?」
「これから常連になっていただくかもしれない相手なら、知っておきたくてですね。ニックネームで構いませんよ」
「なるほど……」
ノンアルコールカクテルに移った自分の顔を見ながら、考える。
“外国人風”“イケメン”“偽者の顔”それに目的は“闘技場”……
「……“ヒソカ”」
とある漫画のキャラの名前と、他人に知られないように行う“密か”をかけてみた。
ポズムディを使えるように用意し、ノンアルコールカクテルを少しずつ流し込む。
ライムとミントの香りが爽やかで心地良い。甘みのある炭酸ジュースだった。
「ヒソカ様、こちらへどうぞ」
バーテンダーにより、VIPと書かれた扉へと案内される。
その中へは地下への階段が続いていた。
「……なぁ」
「何だ?」
階段の途中で、本性をあらわしたバーテンダーが声をかけてくる。
「ここの事はペラペラ喋られると困る。秘密厳守で頼むぜ」
「わかっているよ」
『ウォオオオオオ!!!!』
「そこだ! 潰せー!!」
「おいおい逃げてんじゃねぇよカス!!!」
「お前に賭けてんだぞ!? 負けたら俺がぶっ殺してやるからな!」
地下の扉を開くと、興奮した大勢の声が轟く。
中心にリングが備え付けられた広い部屋。
中二階にテーブル席、その下には立ち見の観戦者がリングを取り囲んでいる。
応援も、聞くに堪えない罵声も様々だ。
「地下闘技場へようこそ。アンタは何が目的? 賭け? それとも参加希望?」
「とりあえず様子見。ここのやり方や試合ルールまでは聞いてないんだ」
「賭けがしたいならあっちの窓口か、練り歩いてる店員のとこに行きな。誰が勝つかを予想して金を払うだけで良い。払い戻しは専用窓口がある。
試合は大きく分けて“武器なし”“武器あり”。さらにそこから“一対一”“チーム戦”“バトルロイヤル”“ハンデマッチ”の八種類が基本だ。ただ武器ありでも刃物とスタンガンの使用は禁止。さすがに持ってるやつはいないが、拳銃も禁止だな。
あとの細かいルールは参加登録の時に条件を出せ。そうすればこっちで条件に合う相手とカードを組む。そして相手の降参か最後に立ってれば勝ちだ」
「試合に出てもらえる金額は?」
「どの試合でも勝てば数万円は貰えるさ。“武器なし”より“武器あり”、危険で不利な試合の方が高くなる。それとここの試合は負けても最後まで戦えば多少はファイトマネーが受け取れるよ。負けたら治療費はそれ以上だろうけどな」
「それはそれは……」
なんとも言えない気分だが、目の前の試合はそれほどでもない。
「戦ってるのは誰か分かるか?」
「ガタイの良いのがクラッシャー・トミー、その相手は渡り廊下のジュンって呼ばれてる奴だ」
「渡り廊下……なぜ、渡り廊下……じゃない。強いのか?」
「クラッシャーは中堅で強い方だな。常連だからしょっちゅう試合に出るし、あいつに潰された新人も多いぜ」
こんな所で戦っている奴らだ、止めどころを知らないと考えたほうがいい。
加えて戦うための技術や理性をある程度は持っているとしても……
危険度は雑魚シャドウと同等かそれ以上、でも門番シャドウ未満ってところか。
人型に近いバスタードライブと比べればはるかに下だ。
……基準がぶっ壊れてきているのに気づいた。
ちょっとタルタロスに通いすぎかもな……
『ウォオオオ!!!』
おっ、試合が終わったようだ。
勝ったのはクラッシャー・トミー。
両腕を上げ、全身で力強さをアピールしている。
「ん?」
目が合った。
そしてあいつはニヤリと笑う。
「おい! そこの野郎! 入り口前でバーテンの隣にいるお前だよ!!」
「俺が呼ばれてるのか?」
「みたいだな」
闘技場の雰囲気が変わった。
見物客は俺とクラッシャーの様子を静観するようだ。
ロープに体を預けたクラッシャーが、口を開く。
「お前、新顔だな。それも出場希望だろ。リングに上がれよ」
「唐突だね? なんで参加希望だと?」
「何人も新人を潰して来たからな、様子見してる奴は目でわかっちまうんだよ。それとも何か? こそこそ相手の手の内探ってからじゃねーと戦えない腰抜けか? ここで逃げんなら、出てきたときのリングネームは“腰抜け”で決まりだな!」
『ワハハハハ!!』
本人と周りからの嘲笑。安い挑発だ。
しかし、心の中にざわめく物がある。
この場の空気に感化されているのか?
「お、おい、キレてんのか?」
? ……!!
突然何を聞くのかと、バーテンダーを見て気づいた。
レンズに写った俺の顔……ドッぺルゲンガーの表情が歪んでいる。
崩れてこそいないが、それはそれは獰猛な顔に……
それを目にした瞬間、どうしようもなくいやな予感がした。
このまま引き下がるのはマズイ。
「失礼した。今ここで出ても、ファイトマネーは支払われるのか?」
「ああ、乱入でもおっぱじめる前に賭けの時間さえ貰えりゃ……」
「ならば良し」
「あ、おい! 乱入は武器のありなし以外は何でもありだぞ!」
それでも構わない。予定は威力偵察に変更だ。
観戦客が二つに分かれ、できたリングへの道を悠然と歩く。
一歩進むたびに、感じていたいやな予感も薄れていく……
状況は、タルタロスへの出入りを渋っていた時と似ている……
そういうことか……
「新人がクラッシャーの挑発に乗ったぞ!!」
「賭けろ賭けろ!!」
「クラッシャーに賭けるぞ!」
「俺は新人だ!!」
どいつもこいつも手慣れている。
「いい度胸してんじゃねぇか」
「……なに、今後ここで稼がせてもらうとしたら、悪評はない方が良い。聞けば君はここで強い方らしいし……試すのも良いかと思ってね」
「だったらたっぷり可愛がってやる。俺はイキがってる新人とテメェみたいな面の野郎が大嫌いなんでなぁ……」
「顔面で負けてるからなー!!!」
「つーか誰かに勝ったことあんのかー!?」
「負けろクラッシャー! 顔に続いて試合でも負けちまえ!!」
「アアッ!? 誰だ口挟んだ奴らは!!!!」
客に向けて
これまた体格のいいレフェリーがボディチェックをした後、試合開始を告げる。
……
…………
………………
試合終了。
……結論から言うと、勝った。
声を上げながら殴りかかってきた相手の右拳。
さほど早くもなく、右で捌いて左を脇腹の急所に突き込む。
さらに捌いて引いた後の右でも一撃入れる隙があり。
そのまま振り払おうとする手を押さえ、左で鼻面に打ち込む隙を作れた。
流石に戦い慣れているようで、それなりにタフではあった。
その場で試合終了にはならなかったが、何度も続ければ別。
捌いて打ってを続けて三分未満。
顎への一撃が決め手になり、相手はリングに倒れ伏した。
『ウォオオオ!!?』
「あんた名前は?」
「ヒソカ」
「勝者ー! 新人のヒソカー!!!」
『オオオオオオ!!!!』
「……手でも振ってやれ」
宣言をしたレフェリーにそう言われたので手を振っておく。
「初勝利おめでとさん。ほら、これもって行け」
「これは?」
「勝者用のチケットだ。あんたの名前と相手の名前が入ってるだろ? そいつを窓口に出せばファイトマネーが支払われる。分かったらさっさと降りてくれ。次の試合があるんだ」
このまま居ても邪魔なようなので、ファイトマネーを受け取りに行く。
「おめでとうございまーす」
窓口の女が出してきたトレーに乗っていたのは、一万円札が三枚。
たったこれだけで三万。リスクに目をつぶれば、稼げる場所ではあるようだ。
強くなるためには……なんとかタルタロスの壁を越えることを考えたほうがいいか。
とりあえず、一度落ち着きたい。
「よう新人さん」
窓口から離れようとしたところで、隣にいたドレッドヘアーの男に声をかけられた。
「ヒソカっつったっけ? かなりいいファイトだったじゃん? おかげで稼がせてもらったぜ」
そう言う男の手には、分厚い札束がある。
「……いくら賭けたんだ、その額」
「財布の中身全部。ちっとムキになってたんだが、大もうけできたから平気さ。それより……ちっと移動しようや」
中二階を指しての言葉。いかがわしい所へ誘い込むつもりはなさそうだ。
すでにいかがわしい場所にいる俺が言うのもなんだけど……
~闘技場・中二階~
「そこの姉ちゃん、俺にシャーリー・テンプル。ヒソカは?」
「ノンアルコールの物を適当に頼む……戦えなくなると困るからな」
「あらら、完全に参戦目的の奴だったか。じゃシャーリー・テンプル二つ」
「はぁ~い」
男がタトゥーの入った手でvサインを出すと、女性がウインクして立ち去った。
「イケメンはいいよなぁ~、俺だけじゃあんな顔してくれないぜ?」
「……ところで、なんで俺を誘った?」
自分でやっといてなんだが、この顔をほめられると虚しくなることが分かった。
「さっきも言った通りさ。儲かったからお礼にってのは嘘じゃないぜ」
「ただそれだけでもないだろう」
この男、さっきからなんだか周りを警戒しているようだ。
「……そうだな。んじゃ率直に言わせてもらうが、頼みがある。ほんのしばらくでいいんだ。駅前まで俺の護衛をしてくれないか?」
「誰かに狙われてるのか?」
「あんたに賭けて大金稼いだからさ。ここで騒ぎを起こすような奴はいねぇが、表に出たらわからねーし」
「ああ、そう言うことか」
「もちろんタダとは言わねぇ。二万でどうだ? 駅までで二万」
破格だが、なぁ……
「足りないか?」
「そもそもお前が誰かを知らない」
男はきょとんとした目で俺を見た後、ハッとして髪をかき上げた。
「そういや名乗ってもなかったな! アーティストの
「アーティスト……?」
「これよ、これ」
五味は両手のひらを見せ付けてくる。
「タトゥーを彫ってるのか?」
「ホントならそうしたいんだが、彫りこむのはヤベェ。代わりにシールをデザインして作っては売ってんのさ。他にも絵を描いたり、彫刻したり、色々な。ただあまり儲かってないからさ、降って沸いたこの大金。どうしても奪われたくないわけよ。頼めないか? 今なら俺の作品も付ける!」
「シャーリー・テンプル、お待ちどうさまです。どうぞごゆっくりー」
運ばれてきた飲み物には手を付けず、小さなカバンから色々と取り出す五味。
興味をそそられるものはないが、種類は多いようだ。
「ポスターまであるのか」
三つに分かれた道を、慌てて走っているような人の絵。
やや抽象画風だが、道の先には読める文字で“善の道”“悪の道”“どっちつかずの道”。
そして人の右側には、汝が歩むはどの道か? と問う立て札が立っている。
……絵に関しては悪くないと思う。芸術とか良く分からないけど、落書きってレベルではなさそうだ。しかし詩がなんというか……そこはかとない残念感を覚えるのは俺だけだろうか?
「そいつは俺が見た夢を参考にして、詩と絵を組み合わせた最新作さ。何かに追われて進まなきゃいけない。そのために道を選ばなきゃならない。もしかしたら選ぶ余裕も無いかも知れねぇ。それでも覚悟を決めてすすむしかねぇ。そんなメッセージを夢と人生に重ねて問うたのさ」
解説に一瞬、心が揺り動かされる。
こんなところに来ている時点で善の道は無いだろう。
俺が歩くとしたら、残り二つのどちらかだろうな……
考えていると、割り込んでくる男たちがいた。
「ほー、随分とえらそうに語るじゃねぇか」
「だったらこれから起こることも、お前がやってきたことの結果だなぁ」
「覚悟、できてっか?」
「げっ!?」
顔を引きつらせた五味を取り囲むように、五人の男がすばやく立ちふさがる。
「よう、ずいぶん羽振りが良さそうじゃないか」
「まぁボチボチ…… 」
「ぼちぼちぃ? っざけてんじゃねえぞコラ! てめぇ、賭けで儲けたんだろ?」
「賭けなんてやってる余裕あったら、とっとと金返せや」
「つーか、借金しといてギャンブルやってんじゃねーよ。おら、よこせよ」
こいつ、金銭トラブル抱えてたのか。
見ると五味は観念したようにお札を数え始めた。
「へへ、もちろん返すさ。ほら二十万、ちゃんとあるだろ」
「おーい、まだ残ってんじゃないか」
「はぁ!? 借りたのは二十万だろ!」
「利子が付いたんだよ」
「つーか元金は俺らから借りた金だろうが、それが増えたら増えた分も俺らのもんだろ」
「そんなわけあるか! 利子ったってまだ一週間も経ってねぇんだぞ!?」
それには同意する。
ゴミもなかなかにクズらしいが、さすがにその理屈は無い。
「文句あんのか?」
「騒ぐなよ……ここじゃ客の迷惑になる。表、出るか?」
「どうすんだ?」
詰め寄られた五味は、ここで俺を見やがった。
するとリーダーらしき男もこちらを見た。
「……なんだテメェ。このゴミの連れか?」
「ああ、こいつですよ、乱入でクラッシャー潰した新人って」
「こいつが? そうか、そりゃいいや。お前のおかげで俺たちの懐が暖まるわけだ。なぁ、お前からもこいつに言ってくれよ、金は返せってさぁ」
そうだな……
「確かに、借りた金は返すべきだ」
「だろ? やっぱそうだよなぁ」
「しかし……さすがに全額は横暴だろう」
「……あ? てめぇも文句あんのかよ」
「借りた金を返すことに文句は無い。利子は……まぁ、ついたとしても全額はなくならないだろう」
「テメェにはそんな答え求めてねぇんだよ。おい、こいつら連れてくぞ」
「まぁ待ちなさい」
殺気立つ男たちに、静かに声をかける。
「連れて行く、というのは外。暴力に訴えると考えていいか?」
「他にあんのか?」
「ただの確認さ。だがそう言うことなら、出なくてもいいだろう」
「ここで騒ぎを起こしたら出禁。そのうえ面倒なことになんだよ、しらねぇのか」
「いやいや。ここはそういう場所だろう? ちゃんと手続きをすれば問題ない。違うか?」
そこでようやく俺の意図に気づいたようだ。
「テメェ、この状況で試合しようって言ってんのか? 正気か?」
「外に出たところでやることは変わらないだろう? だったらファイトマネーを持っていけるだけ得じゃないか。
私と五味、そしてそちらのチーム戦。こちらが勝てば、五味が借金した額を返済する。そちらが勝てば、ファイトマネーも含めて全額そちらのもの。どうかね?」
「お前、頭いかれてんじゃねぇの?」
取り巻きの一人はそう言うが、リーダーは話を聞く気になったようだ。
「いざという時の助けを期待してるなら、無駄だぜ? ここは多少の怪我じゃ試合は止めねぇ」
「外でも変わらないんじゃないか?」
「それもそうだな。いいだろう、テメェの話に乗ってやる、ただし試合は二対五のハンデマッチだ。お前らに数を合わせてやるつもりはねぇ。外と変わらねぇんだ、いいだろ?」
「それでもいいが、一つ個人的な希望がある。試合形式をそちらは勝ち抜き戦にしてほしい」
何を言っているのか分からない、という目で見られる。
「
「少し違う。そちら
「なぁっ!?」
「俺らを舐めてんのか!?」
「ぶち殺すぞてめぇ!」
男たちは色めき立つが、その感情が怒りに変わった。
「いいぜ。それでやってやろうじゃねぇか。後悔すんじゃねぇぞ。……おい、こいつら見張っとけ。試合までは手を出すな。だが……絶対逃がすなよ」
「「「「はい!」」」」
リーダーが取り巻きを置いて、試合の申し込みに行く。
「ちょっと待てよおい! 何試合することになってんの!?」
「騒ぐな。五味が出るのは後だ」
「順番の問題じゃねぇよ……なんであんたから喧嘩売りに行くんだよ」
「あのままだと、どのみち連れて行かれたぞ。それにそっちが頼んできたことだろう?」
この男がクズなのは事実。
だけどあの男たちのやり方が気に食わないのも事実。
よって力を貸すことにする。
それにこの闘技場は違法だが、手を染めた以上、使えるものは使わせてもらう。
「これが私なりの答えだ」
手を汚すことも受け入れて、宣言する。
五味はそれをじっと見て
「あぁ……頼る奴を間違えた……」
ゆっくりと肩を落とすのだった。
ちなみにその後の試合は問題なく勝利した。
影虎は闘技場へ行った!
ドッペルゲンガーが反応した!
試合に参戦した!
光が見えたと思ったら、影が差しました。
影虎は今後どうなるんでしょうか?
善と悪のどちらに偏るか、それとも中立か。
それによって、ストーリーと覚醒後のペルソナは変化します。