宿毛湾泊地執務室
鳳翔「提督、呉鎮守府の第5艦隊から合同演習の申し込みがきていますが、どうされますか?」
日置「そうだな・・・利根を旗艦とした、筑摩、天龍、龍田、白露、吹雪の第1艦隊でいこうか。日時は?」
鳳翔「来週の金曜日の一四〇〇に、ここの演習場とのことです」
日置「ここ?珍しいなあ・・・ん?呉?」
佐世保、呉、横須賀、舞鶴の鎮守府にあっては、艦隊ごとに提督がおり、佐世保鎮守府には6つの艦隊が所属している。しかし、これらの鎮守府に所属する艦隊は、ほとんどが、遠征や前線での主力として出払っていることが多く、大体半分くらいしかいない。
鳳翔「はい、呉の第5艦隊ですね・・・どうかしました?」
日置「いや、第5艦隊といえば、ついこの前提督変わったばかりだと思って・・・」
呉鎮守府の第5艦隊は、1か月前に行われた大規模作戦に参加していた際に、奇襲を受けて、提督が殉職しているのだ。まあ、もともとあまり良い評判がなかったことから、自業自得だというも声もある。
噂では、深海棲艦ではない者からの攻撃らしい。
まあ、敵襲も少なく、ほとんどが輸送物資の護衛となれば、いざ厳しい戦いになった場合、危険だし、わざわざ、呉鎮守府から来てくれるのであれば、これほど良い機会はないので、相手が誰であろうと関係ない。
日置「まあ、いいや。向こうに了承したと伝えておいて」
鳳翔「わかりました」
そう言って鳳翔が執務室から出たとき、丁度内線が鳴った。
日置「はい、日置です」
大淀「あっ、提督。すみません、護衛任務に出ていた第3船隊がまもなく帰投するとの通信が入りましたので、報告します」
日置「了解。報告ありがとう」
大淀「いえ!職務ですから!」
といって大淀から内線を切った。
日置「なんか避けられているような・・・まあいいか。さてと、迎えに行こうかな」
港
日置「おかえり。ご苦労様!」
五十鈴「このくらい簡単よ!」
電「今回は、戦わなくてよかったのです」
雷「まあ、私がいれば戦闘になっても問題ないわよ」
第3艦隊は、五十鈴を旗艦として、川内、神通、白雪、雷、電という編成であり、パラオ泊地へと向かう補給船団の護衛を主としている。
日置「まあ、戦闘がないのが一番だからな。みんなよく休んでくれ。五十鈴も報告書は、遅くなって構わないから・・・」
五十鈴「わかったわ。じゃあ、みんな行きましょう」
白雪「そうですね」
川内「うう・・・夜戦」
神通「姉さん・・・」
第3艦隊の面々が去っていき、港にはすでに自分一人しかいない。
日置「絶対に君を見つけ出してみせる・・・」
そう言って、懐から取り出した青色の宝石がついたペンダントを夕日に掲げた。
その姿を物陰から見ている者がいた。
???「あなたの秘密を暴いてみせます」
同日午語11時ころ、静岡県沖南東約300キロメートル先海上
横須賀鎮守府所属、中村真之提督率いる第3艦隊は、1機の不明機と戦闘を行っていた。
不明機は、黒いマントを頭から羽織っているが、人型のようであり、マントの隙間から白い装甲を纏っていることだけが分かる。そして、緑色の粒子を放出しながら、空中に浮いており、第3艦隊からの対空射撃を通常では考えられない機動で避ける。
そして、ピンクの粒子ビームを放ったり、右腕に装備されている長大な実体剣による斬撃を浴びせてくる。
比叡「ひえっ!?」
由良「比叡さん!?」
比叡「大丈夫!第2主砲がやられただけ」
横須賀鎮守府第3艦隊は、比叡を旗艦とし、摩耶、球磨、由良、皐月、五月雨であり、付近海域に深海棲艦の反応があったため、出撃したところ、深海棲艦ではなく、コイツがいたのだ。
中村提督「弾幕は張り続けろ!相手は1機だ。たとえ『黒衣の剣士』でも、我々が負けるわけがない!!」
摩耶「そうだぜ!」
比叡「気合い、入れて、行きます!」
かれこれ戦闘が開始され、30分経過したが、不明機に一撃も当てられない。だが、こちらの武装のほとんどが潰され、ゆきなみ型護衛艦「しずな」のみ攻撃を受けていないため装備が完備しているだけだ。
中村提督(これが黒衣の剣士の力・・・だが、絶対に負けない!!)
中村提督「残った砲火力による一斉射を行う!次弾装填せよ!」
全員「了解!!」
中村提督(さすがに全方位からの攻撃は避けられないはずだ・・・)
中村提督「機銃による弾幕をかけつつ、ヤツを包囲するように移動しろ!号令とともに一斉射!!」
黒衣の剣士「用は済んだ・・・」
黒衣の剣士に向かい、弾幕を張りつつ、包囲する形に艦隊が動く。黒衣の剣士は、攻撃することなく、海面すれすれまで降りた。
中村提督「全艦娘、一斉射始め!!」
無数の砲弾とミサイル等が放たれたが、それでも、黒衣の剣士は動かない。
黒衣の剣士「・・・」
砲撃により、黒衣の剣士がいたところは、爆発と黒煙により見えなくなった。
中村提督「やったのか・・・」
比叡「まだです!」
しずなの後方から水しぶきが上がり、黒衣の剣士が現れる。
中村提督「うそだろ・・・」
中村提督(くそ・・・ここまでか・・・)
しかし、黒衣の剣士は攻撃することなく、飛び去っていった。
中村提督「なぜだ・・・・」
攻撃するなら一番の機会であったはずなのに、攻撃してこなかった。
中村提督「各員、被害状況を」
比叡「全員が装備をかなりやられていますが、轟沈はいません」
中村提督(やはりおかしい、あれほどの機会がありながら1人も沈めていない・・・一体何が目的なんだ?)
だが、いまそれを考えるひまはではない。
中村提督「わかった。各員これより帰還する!付近警戒を厳とせよ」
とても久しぶりの投稿です。
今回は黒衣の剣士を主にしています(のはず)
そろそろ、宿毛湾泊地の面々と黒衣の剣士を合わせたいです。
では、また次の話で・・・