綾寧を抱き再び、床に着いた八幡は深い眠りに着いていた。
朝の暖かく柔らかい日差しが、筋となっていくつか彼の眠る寝台へも延びる。
顔に差し込み寝苦しく感じるも男は、まだ眠りの世界に別離を告げるのを嫌がった。
暫くし、この家に住むもう一人の足音が聞こえて来る。
音の主は、扉の前まで来ると控え目に扉を叩いた。
部屋の中で、眠る男……八幡は、控えめな音程度では目を醒まさない。
もう一人の同居人が持つ性格を表した控えめな叩き方
丁寧過ぎて、叩くと言う表現が当てはまるのか怪しいのだが
「反応…無いよね?どうしよう」
綾寧は、未だ眠りに就く家主である男が起きない事を形の整った眉を顰めた。
日頃、職務に忙殺気味の男を気に掛けている。
昨夜も男は、気付いて居ないようだが女は魘されていた事を知っていた。
幸い、自分が手を握ると暫くし収まったようだが未だ若干の憂慮が彼女の中で燻っている。
(優しい八っちゃんは、何も言わないと自分で抱え込んじゃうから)
男の愛称を心中で、言いながら率直な思いを募らせる。
仕事に遅れさせる訳にもいかず、意を決した。
控えめに寝室の扉を開きつつ、内部に入る。
閉める際、音を立てずに内に
「おはようございま~す。」
下の間延びしたのんびりした口調で、かつ音量が大き過ぎない様に朝の挨拶をする。
寝床に動きは、無い。
歳と違い、幼い仕草も似あう女に悪戯心が鎌首を擡げる。
方法を思いついたのか、忍び足で男の傍まで近寄った。
男が、寝ているのを確認し本人が整っていると主張する顔に目を遣る。
自分が、夜半に気付いた時の苦しみを湛えていた様子は見られない。
(良かった。今は、もう大丈夫だよね?)
愛しい子に触れる様、八幡の割と肌目が白い頬に触れる
かと思いきや……
綾寧の白魚にも似た美しい細い指を少し筋張った指が素早く掴む。
「ひゃ」
間の抜けた悲鳴の様なモノを上げる。
しかし、無意識なのか女の手を掴んでから男に反応は無い。
八幡の様子を見て、二度驚く。
彼は、無意識で行動した様子で未だ規則正しい呼吸が確認できた。
(心臓に悪いよぉ~。ね、寝てるのかなぁ?)
自分で悪戯を仕掛けるつもりが、思わぬ反撃を喰らい
綾寧は、自分の責任を棚上げし寝ている男を本人は睨んでいるつもりで見やる。
実際には、子供が拗ねている程度の可愛らしい行動なのだが……
失敗にもめげず
只、懲りないだけとも言えるが
悪戯を再び敢行した。
(よ~し。前、聞いた“アレ”を試すよっ)
段々、内心一人で盛り上がりながら巫山戯た口調で呟くと次の悪戯を敢行した。
「お兄ちゃん、朝だよぉ~。綾寧と一緒に朝ごはん食べよねっ?」
間の抜けたソレでいて、言葉を聞いた男達が甘く甘すぎて理性を侵食し最終的には破壊してしまう毒薬の様な危険過ぎる声音で呼びかける。
次の瞬間
男は、跳ね起き女を力一杯抱き締めた。
「も、もう~。驚かさないで下さいよ~?
八っちゃん?起きてるんですよね?」
男の咄嗟にした行動に驚くも最も重要な用事を切り出す。
女…綾寧は、反応の急性に気を動転しつつも問いかける。
未だ彼女を強く抱きしめたまま、男は動かない。
「な、何か答えて下さいよ~。八っちゃん?」
自身の問いかけに応えない男に柔らかい声で、呼びかける。
言葉では無く、別の形で解を出す。
「ねぇ……っ」
再び問い掛けようとするも途中で男の唇が女の持つ愛らしい可憐な華を塞ぐ。
野獣の様な一方的で、貪り喰らうかの如く女を蹂躙する。
暫く睦合う蛇の様、濃密で艶を隠そうともしないやりとりが終った。
「っはぁ」
息も着かせぬまま、口唇を合わせた為
酷く荒く息を就く白く白磁に似る肌も桃の様に色付く。
朝に似つかわしくない、淫靡で欲を掻き立てる光景
このまま、ほっておけば自身の躰は男の好きな様にされる
仕事に遅れてしまうのでは?
自身の今の立場を置き、それでも八幡の体裁を考える事を始めた。
男に齎された理性を灰にする様な業火の中で綾寧は、意を決する。
言葉を告げた。
「あ、あの今日もお仕事ですし……
こう言うのは、よ…夜に」
消え入りそうな声で、女は懇願する。
言葉の途中も女の躰への接触を止めない。
男を皆、虜にする顔に手を伸ばし
八幡の動かす指が、綾寧の頬を相手が痛みや不快感を得ない様に揉む。
空いたもう一方の手が、豊満で形の良い胸を思う様に揉みしだき
女の牝を刺激する動きを続ける。
淫熱を最も深い部分に手を付け撫でる動きを見せた。
「ひぅっ…。あぅ」
一撫をすると手を放す。
先程までの行為が、何も無かった事の様に扱う。
綾寧の顔を見やると八幡は