処女はお姉さまに恋してる 陰の庭師   作:雹衣

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3月 エピローグ後のプロローグ

 ヨーロッパを思わせる校舎に日本特有の桜の花の花びらが舞い落ちている。 桜並木に目を向けると少女達が歩いているのが見える。

 大学に入学する友人に別れを告げる者。 泣いている在校生を宥める者。 逆に泣いている卒業生もいる。 笑顔で友人と歩いている者も少なくない。

 俺はベンチに座ってその様子を静かに眺めている。 俺が静かに眺めているとブルネットの髪にエメラルドを思わせる眼をした少女がこちらに歩いてきた。

 

「どうしたんだい?こんなところで1人で。」

「今年度は、特に別れを告げにくるような人は居なかったからな。」

「園芸部の人達は?」

「園芸部……いや、特に何もしてないから来ないだろ。」

 

 俺が、少女と会話していると「キャー!」という歓声が聞こえた。 大方「彼女」達が来たのだろう。

 

「お前は行かないのか? ケイリ?」

「……そうだね。 じゃあね陸(りく)来年度もよろしく。」

「ああ、じゃあな。」

 

 今日は卒業式。 卒業生は別れを告げる日だ。

 

 ここは、聖應女学院……幼稚園から短期大学まで一貫して行くことが出来る私立校であり、周りからはお嬢様学校として有名である。 この学校には独特な制度がいくつかある……例えば上級生をお姉さまと呼ばなければならなかったり。 最上級生の中から一人「エルダー」と呼ばれる女性を選んだり……他とは少し違った学校である。

 さっき来た少女……ケイリは今、2年生来年度には3年生になる。 何故か彼女は時々俺の所にやってきて雑談をしたりしている。 彼女は占い等に詳しく。 時には予言のようなことを言ってくる変わ……不思議な少女だ。

 そんな事を考えているとさっきの歓声の原因がやってきた。 2人の少女を中心に様々な少女が歩いてくる。 銀の髪の「白銀の姫君」妃宮(きさきのみや) 千早(ちはや)。 ストレートの黒髪にやや強気そうな眼「騎士の君」七々原(ななはら) 薫子(かおるこ)。 今年度のエルダーであった2人だ。 詳しくはしらないが今年度は生徒達の要望で2人になったとか。

 2人を中心に生徒達が囲んでいて集合写真を撮っている。 俺はそんな人々を静かに眺めている。

 俺の名前は白崎(はくざき) 陸(りく)。 今は24歳だ(見た目は周りの人から18歳から変わらないと言われる)。 ある事情があり中学を卒業してからずっとここで庭師の仕事をしている。 基本的に俺はこの学院の生徒とは関わらないのだが、時々相談を持ち込んだりする生徒も居たのだが、今年度はエルダーが親しみやすかったり2年に「御前」と言う人物のおかげで俺は今年暇だった。

そんな事を考えながら俺は少女達の中心に居る2人を眺めて考える。

さて、来年はどうなるだろうか。

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