処女はお姉さまに恋してる 陰の庭師   作:雹衣

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?年9月

9月1日

 

 私は彼に生徒相談室で会った……というか会いに行った。 何で夏祭り誘ったのに来なかったのか。 それ以外にもプールや買い物等の遊ぶ約束を何でしてくれなかったのか一気に尋ねた。 それに対する答えは何時も同じ

 

「仕事が忙しかったんだ」

 

の一言のみ。 1日くらい遊びたかったのに……と拗ねると苦笑いされてしまった。 彼は私の想いに気づいているのだろうか。

 

9月14日

 

 体育祭の準備を生徒会の人達をしていたら彼を見つけた。 どうやら彼は体育祭で使う道具の中でも放送機器等の重い物を運んでいるようだ。 けど彼は仕事中何時も一人だった。 生徒会の人達とかは無視しているというよりは彼の存在自体に気付いていないようだった。 彼が運んだ物は他の人達から見てみれば『誰かは知らないがやってくれた』という感じの認識なのだろう。 私は物を運んだり出来ないのでずっと一カ所で道具の有無を点検していた私だけが気付いた。 彼の存在に私はよく分からない虚しさを感じ

 

「あの、陸さん?」

 

 私は声を掛けてしまった……あの時の私は彼に同情のような物をしていたのかもしれない。 何時も周りに気を使う私と一緒なような気がして……。

 その後は生徒会の人達が彼に気付いて色々と大変だった。 この学院に男性の職員がいる事を生徒会の人達は初めて知ったらしく彼に質問責め、そして私にも飛び火して……準備がかなり遅れ周りが暗くなってもみんなで笑いながら準備をした。

彼には迷惑だったかもしれないけど、私は彼が一人ぼっちなのは何だか嫌だった。昔の私を見ているようで……。 その後彼には色々と文句を言われたが、彼にしては珍しく口数が多かったので少し嬉しかったのかな? だったらいいのだけど……。

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