処女はお姉さまに恋してる 陰の庭師   作:雹衣

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4月 手伝いと少女との再開

俺は今とりあえず入学式の準備を手伝うため講堂に向かう。 ちなみに生徒は殆ど校内には残っておらず昼過ぎにしては意外に静かで精々部活に勤しんでいる少女の声が聞こえるくらいだ。

 

「手伝えって事は誰かいるんだよな……」

 

 講堂の前にたどり着いたが扉の前で深呼吸をする。 俺は生徒との交流は職員の中でもかなり少ない。 流石に初対面の人と作業をしなければならないので色々と勇気がいる。

 

「はっ!」

 

 軽い声を上げ講堂の扉を開けると……

 

「りく?」

「あれ……優雨ちゃん?」

 

 つい昨日知り合った小さな少女がポカンとした顔で俺を見ていた。

 

 

 

 

 

「生徒会の手伝いで入学式の手伝いなんてしてるのか優雨ちゃんは」

「うん……はつねの仕事を手伝ってたから今度はさくらの仕事を手伝ってる……」

「いや~優雨ちゃんは色々手伝ってくれるからもう生徒会の一員にしたいくらいだよ~ね、ややぴょん」

「ぴょんは付けるなと何度言えば……」

 

 講堂では生徒会の人達が入学式の準備の大詰めをしていた。 俺が手伝っているのは彼女達がしていた飾りの花壇を講堂へ運ぶ作業なのだが……。

 

「この仕事……手伝いいるか?」

「う~ん、どうでしょ? でも新しい役員が緋紗子先生に連れて行かれちゃいましたから手伝ってくれれば助かりますよ」

「学院長代理め……生徒会の手伝いに駆り出すなら俺をそっちにしろよ……」

 

 俺はため息をつきながらも花壇を運ぶ。 ちなみに緋紗子先生というのは本名梶浦(かじうら) 緋紗子(ひさこ)学院長代理の名前だ。 何故か教師でもあるらしい。

 

「もしかしたら女子にしか出来ない仕事なのかもよ? ね、ややぴょん?」

「つっちー、ぴょんは付けるなって……というか専属の庭師っていうのが居たっていう事が驚きです」

「まあ、色々あって庭師をしている……後ちょっとした相談なら受け付けてるぞ」

「……りく」

「……ん?」

 

 俺が生徒会の人達を話していると隣に居た優雨ちゃんが話しかけてきた。 優雨は両手で花壇を一生懸命持っていて何かかわいらしい。

 

「あの絵、あとで見てもいい?」

「絵?ああ、あれ。 別にいいけど……あの絵そんなに気に入ったのか?」

「うん、とっても暖かさがあったから……」

「暖かさ?」

「うん、とっても大事そうに描いてた」

 

 優雨ちゃんは俺とじっと見つめながらそう答えた……なんか自分の絵にそういう感想を言われると何か恥ずかしいが優雨ちゃんはいたって真面目に答えたようだ。

 

「見たいんならこの後生徒相談室に来いよ。 俺の描いた絵は全部そこに置いてあるから」

「……うん、分かった」

 

 優雨ちゃんはコクッと頭を上下に動かし俺に答えてくれる。

 

「まあ、その前にちゃんと仕事をしてくださいね。 陸さん」

「はいはい」

 

 おれは花壇を持ちながら四人で講堂へ向かうのであった。

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