処女はお姉さまに恋してる 陰の庭師   作:雹衣

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4月 気弱な少女との休日 その1

 4月の中旬土曜日、曇り 俺は早朝、桜並木で掃除をしていた。 これは俺がしている仕事の一つである……まあ庭の整備の延長だと思って貰えれば良い。 この学院の子はポイ捨て何ていう行為をする人が一人も居ないためいつも綺麗だが桜の花びらなどはまだ地面に落ちている為俺が箒とちりとりを使い掃除している。

 

「とは言ってももう青葉だし桜の花びらも無くなってきたな」

 

 独り言を言いながら箒を使いちりとりに花びらを入れる。 ピンクの花びらは少し浮きながらも素直にちりとりの中に入れる。

 

「誰だ?」

 

 ふと顔を上げると人影が学生寮の近くに見えた。 一瞬不法侵入者かと警戒はするがよく見るとその人影はロングスカート……聖應の制服を着ていたので学院の生徒なのだろう。 

 

「しょうがない……」

 

 学院の生徒だと分かっても流石にこの時間に居るとなると事情を聞かないわけにはいかない。 俺はため息を着きながら人影に向かって歩くのであった。

 

 

 

 

「おい、どうかしたのか?」

「ひっ!?」

 

 とりあえず女子に触る訳には行かないので後ろから声を掛ける。 少女は一瞬肩をビクッと上げるとゆっくりと彼女は振り向き明らかに怯えた顔をしている。 その少女は肩にかかるかかからないか位の長さの髪でありやや茶が混ざった黒い髪でやや垂れ目……見た目だけの印象なら押しに弱そうだな。

 

「どうしたこんな朝早くに……生徒はまだ誰も来てないぞ」

「あ、あなたは学校の関係者ですか?」

 

 その少女は俺に聞かれるとまるで叱られた子供のように身を縮ませる。

 

「まあ、職員ではあるな……それよりもこんな朝早くに何してるんだ」

「お、落とし物をしてしまいまして」

「落とし物?」

「はい……」

 

さて、この少女曰わく昨日大事な物を落としてしまい放課後ずっとその大事な物を探していたらしい。 しかし暗くなったので昨日は諦め今日の朝早くからずっと探していたようだ。 ……休日だというのに大変だな。

 

「で?大事な物って?」

「……」

「言ってくれたら探してやらない事もないが……」

「……ペンダント」

 

 少女は蚊の鳴くような声で俺の質問に返答した。 俺のような人間に協力を仰ぐくらい大事な物のようだ。

 

「誰かの贈り物か?」

「……パパからの」

「パパ?」

 

 ……高校生にもなってパパって呼ぶ人始めて見た。 俺もまだまだ人生経験浅いんだな。

 

「じゃあ、その父さんからの貰った大事なペンダントを捜すから特徴を教えてくれない?」

「はい、えっと……」

 

 またしばらくは忙しくなりそうだがこの目の前の少女の為に頑張るとするか。

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