処女はお姉さまに恋してる 陰の庭師   作:雹衣

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4月 気弱な少女との休日 その2

「ブルーサファイアって……」

「は、はい……」

 

 取り敢えず彼女からペンダントの特徴を少女から聞いてたのだが……。

 

「何でそんな高価なものを……」

「す、すみません……」

「……いや、多分学院内なら盗まれる事はなさそうだけど」

 

 彼女のお父さんがくれたペンダントというのはブルーサファイアが使われおり……300万相当の物らしい。 聖應の生徒ならそんな高価な物なら尚更生徒会等に届けそうだがそんな物落とすなよ……。

 

「何時もは首に掛けているのですが……体育の授業の後ずっと制服に入れていたので」

「……まあいいや、昨日何時ぐらいに気付いたんだ?」

「……寮に帰って来てから気付きました」

「……って事は放課後か」

「はい……」

 

 気付くのが遅かったと彼女は半分自虐的に落ち込んでいるが情報を聞き出さなければ探せないので彼女にさらに質問する。

 

「昨日は放課後どこに行ったか?」

「昨日は……部活を見て回っていたので」

「ああ、勧誘の時期か」

「はい、昨日は園芸部、演劇部それに華道部に行きました」

「校内は探したか?」

「いえ、気付いた時にはもう鍵が掛かっていたので」

 

 なら、校内にある可能性も無くはないか。

 

「じゃあ俺がマスターキーを貸してやるから校内を探してくれ」

「……え、いいんですか?」

「別に何も盗む気ねえだろ」

「そ、それはそうです!」

「じゃあ、決まりだな。 俺は外を探すから……はい、鍵」

「は、はい!」

 

 少女はまだ不安を残しつつも俺の案に乗ってくれたようで鍵を受け取る。 そしてそのまま正面玄関へとまるで逃げるように駆けていった……そういえば寮という事は彼女は寮生の一人なのか。

 

 

 

 

 

「さて、園芸部から探すか」

 

 俺は、箒とちりとりをまだ持っているが園芸部の花壇に向かう。 ついでながら周りを見渡し青いペンダントを探すがもちろん見つからない。

 

「……今更ながら面倒くさくなりそうだ」

 

 溜め息を一つ着きながら歩く。

 

『溜め息ばっかついてると幸せが逃げてしまいますよ』

 

 誰かが俺が溜め息をよくつく事を指摘された事があったような気がする……やはりいつの頃か覚えてはいないが。

 

「俺って物覚え悪いのかな……」

 

 記憶があやふやな出来事が多い。 この学院に来てからの事を思い出そうとする度に大事な事を忘れているような気がする……。 気のせいか?

 

「ま、目の前の出来事に集中するか」

 

 考え事をしていたらいつの間にか園芸部の花壇の前に着いていた。

 

 

 

 

 

 ビニールで覆われたまるでテントのような物。 そこら辺の高校では無さそうな温室がこの学院の園芸部にはある。 そして温室ではないレンガ造りの花壇には青いコーンフラワーが綺麗に咲き誇っていた。 ……確かコーンフラワーは5月~7月に咲く花だが、今年は開花がやや早かったようだ。

 

「しかし青いな……」

 

 ブルーサファイアに青いコーンフラワー今日は青に関係することが多いな……。

 

 

 

 

 

「……見つからねえ」

 

 太陽が登って来たた頃。現在8時30分探し初めて約2時間園芸部の花壇の周りや温室の中、ついでに園芸部の周りを探したがペンダントが見つからなかった。

 

「取り敢えず彼女と合流するか」

 

 宿直室から校内に入ろうと後ろに振り返ったら……

 

「あ……」

「……」

 

 いつの間にか例の気の弱そうな少女が帰って来ていた。 はっきり言って全然気づかなかった……彼女は忍者か何かかよ……。

 

「あ、あの見つかりましたか?」

「いや、こっちじゃ見つからなかったけど……そっちもダメだったか」

「はい……」

 

 少女の垂れ目気味の目がさらに垂れてしまっている。

 

「まあ、二人で外を探そうぜまだ時間は有るんだ」

「はい……そうですね……」

 

 少女はさらに落ち込んでしまったが落ち込んでいてもペンダントは見つからない。俺はゆっくりと探し始める……外で探していない所は……

 

「花壇の中?」

「……え?」

 

 

 

 

「お、これか?」

 

 コーンフラワーの花を傷つけないように花壇の中を二人で探すこと10分。 太陽の光に反射されたペンダントを見つけた。 大体20カラットはありそうなおおきなブルーサファイア……間違いなく探していたペンダントだろう。

 

「おい、ペンダントってこれか?」

「あ、はいそれです!」

 

 ペンダントを彼女に見せたらまるで鏡に太陽の光が反射したかのような綺麗な笑顔を俺に向ける。

 

「あ、ありがとうございます! もう、見つからないかと……」

「そんな大事な物、今度は失くすなよ」

「はい! ……これはパパがくれた大事な物なんです」

「そうらしいな」

「……そして、お屋敷から外に出るのも初めてなんです」

「……は?」

 

 ……え?どういうこと?

 

 

 

 

「えーっと……つまり3歳までは日本に居てその後今年になるまでずっと外国に居たと」

「はい……外国ではずっとお屋敷の中に居たので」

「寮どころか外に出るのも滅多に無かったと」

「……はい、そうです」

 

 お屋敷から出なかったのには色々と彼女なりの事情があったのだろう。 俺は家から出なければならない事情があった……彼女も似たような物なのだろう。

 

「あの、もし迷惑で無ければお名前を聞いてもいいですか?」

「ああ、白崎だ。 白崎 陸」

「私の名前は綾です。 桜花(おうか) 綾(あや)。 白崎さん……今日はありがとうございました!」

「ああ、どういたしまして」

 

 彼女はお礼を言うとこのまま寮に帰……らない?

 

「まだ帰らないのか?」

「はい、まだ8時ですよ?」

「……それもそうか」

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