時雨の軌跡 作:山田中
誤字脱字や不適切な部分がありましたら報告していただけると幸いです。
俺には、ログ・シュバルツァーと名付けられた。
五歳になり、ネックレスやリングが届き剣をある程度振れる程成長した頃、シュバルツァー家にリィンが迎え入れられた。
その後、何らかのいざこざがあったらしく父さんは、あまり社交界に行かなくなった。
八歳の冬のある日、時雨蒼燕流の練習をしに山に行った。
そこには、リィンとエリゼ、そして魔物がいた。
魔物がエリゼに襲いかかったとき、どのような力があるかわからない鬼の力を使おうとした。
だが、その前にリィンが魔物を倒した。
その際わかったことは、俺の鬼の力は雷だということ。
そのあとは、色々大変だった。
十歳のとき、《剣仙》と呼ばれる男、ユイ・カーファイと出会った。
俺とリィンは、彼に教えを乞い、『力』の加減が出来るようになった。
数年間の修行の末、八葉一刀流を中伝まで習得した。リィンも初伝だった。
俺は、時雨蒼燕流と八葉一刀流の両方を使うことが出来るようになった。
十四歳のとき、師匠ユイの言葉に従い一人旅をした。
師匠のくれたフリーパスのお陰で他国にも行けた。
旅の途中で刀の作り方や銃の使い方などを教えて貰い、人並みに使えるようになった。
このように様々な経験をし、様々な意味で成長した。
十六歳のとき、帰郷。
そのときに、リィンがシスコンになり、エリゼがリィンに恋慕を抱いていることがわかった。
そして、リィンと一緒に士官学院に進むことを決意。
しかし、俺はシュバルツァー家の跡取りという立場である。
神様は、ここで仕事をしなかったらしい。
『次はトリスタ、トリスタ。1分程の停車になりますので、お降りの方は忘れ物の無いようご注意ください』
「んぁ……そろそろか」
「……眠い」
車内放送によって俺たちは目を覚める。
軽く軽ーく伸びをして荷物を確認した。
と言っても身につけるもの以外はリィンは長い包みが一つ、俺は長い包みが一つと小さな箱だけだけどな。
トリスタに到着。
駅を出て十歩程で辺りを見回る。
春のライノ。無数の白い花が俺たちトールズ新入生を出迎えてくれる。
日本の桜もいいけど、同じくらいライノの花もいい。
流石に入り口で止まっているのは邪魔なので、リィンに声をかけて移動しようと思ったら、「キャッ」と小さな悲鳴を上げながら同じ制服を着た女の子が尻餅をついた。
「悪ぃ、道の真ん中で立ち止まるのは不味かったな。大丈夫か?」
リィンは手を差し伸べて謝罪していた。
その娘はリィンの手を取り、立ち上がった。
「気にしないで。私も花に見とれて、余所見しながら歩いてたから。それにしても良さそうな町ね」
「ああ。俺も今そう思っていた所さ。ところで、トランク大丈夫か?落としたみたいだけど」
「ええ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
……話が終わりそうにないから公園のベンチにでも行くか。
公園のベンチの一つには、同じ制服を着た銀髪の少女が丸まって寝ていた。
(気持ち良さそうだな~)
俺はベンチに座って人の流れを見ていた。
しばらくすると、
「待たせた。行こうか、ログ」
「いや~、初日から美少女と長々と話せるなんて今日はついてるんじゃない、リィン」
「からかうな、ログ」
「からかってないんだけどな。じゃあ、行くか」
そう言って校門に向かった。
読んでいただきありがとうございます。