あの日の約束のために   作:gjb

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第一話 登校初日

うぇーん、うぇーん

 

そんなに泣くなよ、あおい

 

だ、だって、光君が遠くに行っちゃうんだもん。嫌だよ

 

……はぁ、これからぜってたい会えなくなるわけじゃないんだから

 

で、でも……

 

わかった、じゃあ約束するよ。俺は絶対戻ってくる。そしたらまたバッテリーを組もう。そして一緒に甲子園を目指そう

 

ほ、本当?また戻ってきてくれる?

 

ああ、約束だ。俺は絶対に約束を破らないから

 

じゃ、じゃあ、もう一つ約束してほしいことがあるんだけど……

 

おう、なんだ?

 

あのね……

 

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あおいside

 

「おーい、聞いてるのか?」

 

「ひゃ!ご、ごめん、聞いてなかった」

 

いけない、久々に一緒に登校してるから昔のこと思い出しちゃった

 

「ったく、お前があかつきにいた時のことを聞きたいっていうから話してやってるのに、聞いてないってのはちょっとひどいな」

 

「だからごめんって。久々に一緒に登校するからちょっと緊張しちゃって」

 

だめだ、光君の顔がまともに見れない

 

夢のこともそうだけど、その、かっこよくなってるし

 

「まあ、俺の話はこれくらいだな。って、ちゃんと聞いてたか?」

 

「うっ、ごめん」

 

いけない、また考え事にとらわれて聞き逃しちゃった

 

そのあと僕たちは昔話に花を咲かせながら恋恋高校に向かった

 

side out

 

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入学式も無事に終わりクラスで明日以降の連絡事項も終わったので俺は帰る準備をする

 

しかし、男子が八人しか入学してないとわ

 

俺のクラスには他に一人だけだ

 

「オイラ矢部(やべ)明雄(あきお)っていうでやんす。少ない男子同士仲良くしようでやんす」

 

俺の隣に座っていた坊主頭で瓶底メガネをかけた男子が話しかけてきた

 

「よろしく。俺は赤川光だ」

 

「え!?もしかして赤川君ってあかつき中でやんすか?」

 

「そうだけど、よくわかったな」

 

「あたりまえでやんす。オイラたちの世代で野球やってて猪狩君と赤川君の名前を知らないやつなんていないでやんす」

 

そんなにか

 

まあ、有名ってのは悪い気にはならないな

 

「そんな赤川君がなんで野球部もない恋恋に来たでやんすか?」

 

やっぱりそう来るよな

 

「幼馴染がここに通うみたいだったからそれでな」

 

約束のことを言うのは少し恥ずかしいので、ちょっと省かせてもらう

 

「そうでやんすか。うーむ、これなら……」

 

俺の言葉に矢部君が何やら呟いている

 

「矢部君、一体……」

 

「あ、おいら友達を待てせてあるからまた明日でやんす」

 

俺が何か言おうとしたとき、矢部君は足早に去って行った

 

なんか嫌な予感がするな

 

「まあ、悩んでてもしゃあないか」

 

俺はそう呟いてあおいのクラスに向かう

 

「おーい、あおい。帰ろうぜ」

 

「あ、うん」

 

俺があおいのクラスにつき、あおいを呼ぶと周りが少しざわつく

 

まあ、登校初日で男子と女子が二人っきりで帰ろうとしてんだからな

 

「どうしたの?」

 

そんな周りの状況を気づいてないのか、あおいは首をかしげる

 

「いや、なんでもない」

 

わざわざ言うほどのことでもないな

 

そして俺たちはそのまま学校を出る

 

今日は午前に学校が終わったため、あおいに三年ぶりにこの街を案内してもらうことにした

 

リトル時代に行った喫茶店やよく遊びに行ったゲーセンなど案内してもらった

 

「いやー、あんまり変わってないもんだな」

 

「まあ、離れてたっていっても三年だからね。ここは特別開発されてるわけじゃないしね」

 

俺の言葉にあおいは少し嬉しそうに答える

 

「他に見に行きたい場所とかある?」

 

「ああ」

 

あおいの言葉に俺はすぐに答える

 

どうしてもあそこには行っておきたいからな

 

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あおいside

 

光君がどうしてもよっておきたい場所があるというので、その場所に移動した

 

「いやー、懐かしいな」

 

「僕もだよ。中学入ってからは来てなかったし」

 

僕たちはリトルの時に二人で練習した河原に来ていた

 

「なあ、久々にキャッチボールでもしないか?」

 

「え?でも、グローブが……」

 

光君の言葉に僕が答えようとすると、光君は自分のバックからグローブを二つ取り出す

 

「用意がいいね」

 

「まあな」

 

僕が軽く呆れながら言うと、光君はグローブを投げ渡してくる

 

「じゃあ、いくぞ」

 

「うん」

 

そういって光君は軽くボールを僕に投げてくる

 

そして数球やり取りしていると、光君が口を開いた

 

「なあ、あおい。俺が引っ越すときにした約束を覚えてるか?」

 

「……うん、もちろん」

 

光君の言葉に僕はうなづき返す

 

「ならさ、もう一度一緒に野球をやろうぜ。目標は甲子園だ」

 

光君がそういって僕に投げた後、笑顔を向ける

 

「もちろんだよ、光君」

 

僕はボールを少し強めに投げながらそう返した

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